沢山の感想、評価ありがとうございます!それと誤字修正本当に助かります!見直しをしてるんですけどね…クロークでもつけてるんですかね?
それと、皆様。まだ奴らは死にません。申し訳ございません。エイペックスは大人になったのです。
おう、餓死しそうだったところに人間がやってきて助けてくれたのはいいけど、俺の大事な大事な船を爆破されました。ショックです、エイペックスです。
変な鳥をぶち壊し、それを操作している奴を知った俺と人間達は、奴らを狩る為に準備を始めた。怒りに任せ1人で行っても良かったが此処に人間達を置いて何かあったら一生後悔しそうでやめた。奴らもプレデターの一端だ。俺に気づかれないよう気配を消し近づく事なんて造作もない筈だ……。
先程まであった煮えたぎる怒りも人間達を地球に戻さなければいけない事を考えると、不思議と落ち着いていった。まぁ、俺がまだ未成年だったら間違いなく行ってた。俺は大人だ。大人になったんだ……船
とりあえず、改めて人間達にサクッと自己紹介をした。人間はリーダー格のロイス、そしてイザベル、ニコライ、俺にしがみついてきたウォルター、ウォルターを茶化すモンバサ、知り合いのハンゾー、最後にナヨっとしてるエドウィン。合計で7人の人間が集まっている。
もう1人クッチーロという男がいたらしいけど、ここに来る前に死んでしまったらしい。
そして、此処を改めて地球じゃない事を確認して、なぜ俺を含む人間達が集められたのかロイスの話を聞いた。
「俺達は選ばれたんだと思う、奴らの狩りの獲物に。此処は奴らの狩場で俺達は獲物として放流されたんだ」
「何故そんな事を?」
「アメリカでも陰謀論的な噂でマナーゲートというものがあるだろう。セレブが一般人を捕らえて人間狩りをするってやつだ。恐らくそれに近いんじゃないか?」
「はぁ…金持ちの考える事はよく分からねーな!」
ゲ!マナーゲート?人間ってそんなエグい事をやってるのか?怖いなぁ。だけどもし、プレデターが俺達にそんな事してたら掟破りもいいとこだぞ。禁忌だ、見つかれば処刑もいいとこだろうな。アイツらマジヤバくね。まぁ掟うんぬんの前に俺が殺すけど。
俺もゴンジに過酷な星に放り込まれて放置されてたけど…あれは教育みたいなもんだからな。少し前にゴンジに聞いたら、なんかよくわからん事をゴニョゴニョ言ってはぐらかされたけど。俺に子供できたら絶対ゴンジには会わせないようにしなきゃな。あれ、そういや、俺って……
ん?
「危ない!!!」
「へ!?」
俺はモンバサに走って近づき抱きついて上へ跳躍した。
「ゴハァッ!」
モンバサから何か聞こえた。
下を見ると、スピアのような物が展開されていた。なんだ!あの武器!初めて見たぞ!
俺はスピアから少し離れた場所に着地しモンバサを下ろすと、周囲に目を光らせた。
1、2、3
気配を3つ感じた。しっかり覚えたからなぁ。
「!!」
「うおおおおおお!!!」
ロイスがショットガンを奴らに向かって走りながら連射していく。
そしてニコライが手に持つ巨大な銃を撃ち始めた。
ビリリリリリリリリッ!!!
すごい武器だ!!俺も使いたい!!
奴らは銃弾を避ける為に移動を始めた、そして銃によって巻き上がった土埃の中からプラズマキャスターによるエネルギー弾が連続で飛んできた。あれに当たれば人間なんて簡単に死んでしまうだろう。まずいな。
俺は足元に落ちていた硬そうな棒を持ちニコライの下に駆け寄ると、ニコライに飛んできたエネルギー弾を棒で叩き飛ばす。
手が少し痺れたが気にせず棒を振い次々に飛んでくるエネルギー弾を叩き飛ばしながら、俺は人間達とノヴルに向かって声を張り上げる。
「今の内に逃げルンダ!ノヴル頼んだぞ!」
いつの間にかアーマープレートやプラズマキャスター、リストブレイドと上部が破損したマスクを装備してプレデターらしくなっていたノヴルは人間達を引き連れ森の中へと逃げていく。なんで俺だけマスクとガントレットだけ?あ、刃物類は危ないから寝る前に外してたんだった……くぅ。
未だ連続で飛来してくるエネルギー弾を叩き飛ばし、後ろを確認するとニコライが言った。「リロード完了!」銃の装弾を終えたニコライが俺の横に立ち銃を乱射し始めた。
そして、エネルギー弾を消すのに使っていた棒が赤熱を始め熱くなってきた。もう使い物にならなさそうだ。
俺はそれをエネルギー弾が飛んでくる方向へ投げた。ヒュンッと飛んでいった棒は土埃の中に飛んでいき一瞬プラズマキャスターが止まった。
よし!俺たちも一旦引くぞ!
「ニコライ!いクゾ!」
「Понятно!」
「なんテ?」
俺はとりあえずニコライを銃ごと担ぎ上げ森の中へ走った。
後ろから俺達を追う気配を感じる。早く先に行った人らに合流せねば。
やはり、プレデター相手だと思うように動けない。一時怒りに支配された俺だが、やはり同族を殺すという事にまだ抵抗がある。赤子を選別している時点で何言ってんだって話だが…それは文化だから仕方がない。だが、このように大きく成長したプレデターを同族同士で殺すのは唾棄すべき行為だ。
そして俺はただやられるだけの獲物じゃない。やられたらやり返す。奴らに死よりも恐ろしい本当の恐怖というものを味わわせてやろう。
正直、これはかなり面白い。久しぶりの危機感ってやつを覚えてる。人間を守りながら狩りをするのはケルティックモーフ以来だ。
前方に崖が見えた。マスクのビジョンから先に行ったロイス達は崖の先に行った事が分かる。
崖際に着くと一旦ニコライを下ろした。崖の先を見ると大きな川が見えた。
「ニコライ!飛ブゾ!」
「えぇ!?わ、わかった!」
俺はニコライと共に崖を飛んだ。
「ふぉおおおおおおおお!!」
「ウラアアアアアアアア!!」
横向きに落ちて全身に衝撃を感じ着水した。そしてすぐ足が底についた。あぶね!意外と浅かった!頭か足から行ってたらヤバかったかも!
横を見るとニコライが溺れそうになっている。銃が邪魔になっているようだ。
俺は急いで近づきニコライを掴むと底から足を離し、ニコライを身体の上に乗せて背泳ぎをする。
川の流れに沿って泳ぎ始めると崖の上が見えた。
「獲物にまんまと逃げられたな」
奴らは俺とニコライが先程までいた崖の上に佇んでいた。
マスクで視界をズームし、奴らを見る。左にいるのはまあ普通の奴だ。特にこれといった特徴はない。右にいるのはマスクに細長い牙をつけて正直ダサい。そして、真ん中にいる脇腹を押さえた奴。コイツもマスクに何かつけてる。ちっこい動物の下顎か?犬かなんかか?とにかくセンスのない奴らだ。
俺の船を爆破したのは誰だろうな?
奴らは川までは追ってこないのか後ろに下がり見えなくなった。狩人なら飛び込んで追ってこいバカども。
それから暫く泳ぐと、下流でロイス達が待っていた。
ノヴルになんとか引き上げてもらい川から上がった俺とニコライ。少しさっぱりしたな!数日間吊るされていたから身体がベトベトで気持ち悪かったんだ。できれば風呂に入りたかったが、まあいいだろう。
川から上がった俺達は岩壁がくり抜かれた場所で少し休憩する事になった。急な襲撃で逃げて崖から川に飛び込めば誰もが休憩したくなるだろう。
そして少し落ち着いた時、ウォルターが集まった人達に言う。
「なぁ!?いい加減教えてくれよ!アイツらはなんなんだ!?全く急に襲いかかってきやがってよ!姿は見えねぇし勘弁してほしいぜ!」
ロイスが少し考え、俺の方を向いた。敵の正体を話してほしいみたいだ。
俺は大岩に座り皆が聞こえるように言った。
「ウォルターと言っタカ?襲ってきた奴らハ俺やそコにいるノヴル君と同じ種族ダ」
「はぁ!?(こんなデカいってのか!?)」
「そ、そうなのか(勝てるのか?)」
驚きを口々にする人達。まあ確かに驚くよな。見た事もない異星人が人間を攫って狩りをしてるんだからな。
「あなたは一体なんなんですか?(腕が痛えよコンチクショー)」
モンバサが俺に聞く。
「うム、まぁなんとイウカ…俺達は宇宙狩猟民族プレデターとイウ。見ての通リ顔は醜クテ身体は大キク強く重イ。襲ってきた奴ラガどこの部族かは知ランが俺とノヴルは奴らに攫わレテあそこ二吊るさレテいたんだ」
「87年、グアテマラのジャングルでダッチが所属していた米軍の特殊部隊が壊滅したのもあなたと同じ種族の仕業ね?」
「ん?ダッチ?あぁそうダ、まあソイツはダッチに殺されタがな」
こんな説明で理解できないと思うが、今はしてもらうしかない。
というかハンゾーさん寝てる?
「はぁ…どうしろってんだ」
ウォルターが絶望したように言う。
「とにかく今は作戦を練ってどうにかするしかない、そして幸い俺達には強い味方がいる。ですよね?エイペックスさん」
「ああ、俺とノヴル君ノ事は味方ト思ってもらって構わナイ」
「心強い味方がいるのは分かったわ、これから具体的に……」
そんなこんなで俺達は岩場で作戦を練り、奴らを待ち伏せする事にした。
森に戻り、1人を除いて上半身の服を脱ぎ身体に泥を塗り熱を遮断する。ノヴル君が一瞬彼らを見失ったのが面白かった。
そして、奴らを誘き寄せる為に泥を塗っていない人…自称医者のエドウィンに囮をお願いした。最初は嫌がっていたが肩をちょんと叩いたらビクッとして一転やります!と言って走っていった。
ちなみに俺とノヴル君はクロークをつけて全体を見渡せる木の上で待っている。
よっぽどの熟練者でない限りクロークを看破する事はできないだろう。俺もうっすらとしか輪郭を捉えられないので厳しい。ダッチは俺を完全に認識して襲いかかってきたから凄い奴だ。
エドウィンが森を走り始めてすぐ、獲物の気配を感じた。ん?だが俺達が待っていた奴とは違うな。ん?あれは……
エドウィンの後ろに人型の生き物が迫るのが見える。
「早く!早く!撃ってくれー!!!」
俺は枝を揺らし合図を送る。
その合図を受け取ったイザベルが銃を構えた。
そして、エドウィンにもうすぐ手がかかるその時、パン!と銃声が聞こえ生き物が倒れる。
俺はとりあえず待機して、ロイス達が確認しに行く。
ニコライがエドウィンを労い、近くに座らせた。
バイオマスクの集音機能をオンにして会話を聞くと、どうやらエドウィンを狙っていた生き物はプレデターじゃないようだ。うん、分かってた。
だが、イザベルが何かを不審に思い周囲を確認し出す。
そしてこう言った。
「私の撃った弾が外れてる…」
「マジで?」
「どういう事だ?」
突然何か声が聞こえた。
……ここだ……
……こっちだ……
「なんだこの声?」
ウォルターが怖がる。そしてハンゾーが周囲を警戒するように銃を構えた。
俺は木から降りて彼らの近くに忍び寄った。
「こっちを向け…」
ロイスの後で声が聞こえた。
ロイスは振り向こうとすると、後ろでクロークが解除され何者かが現れる。
ロイスが振り向き、現れた者に言う。
「貴様は…なんだ?」
「いや、ホントお前誰ダ?」
俺もクロークを解除していきなり現れたプレデターのマスクを加工した兜を被った何かに聞いた。
こいつ俺達のマスク被ってクロークまで使って……それになんだその武器?
「お前はっっっっっっっ!!!」
マスクを被った謎の人物が俺を見て焦ったように銃を向ける。
「…!?おい!待テ待て待テ!落ち着ケ!」
「俺は生きる!お前らなんぞにやられん!生きる生きる!そうだ。今倒すよ?待っててね!いや!生きるんだだだ」
両手を上げて撃たないように懇願するが、マスクを被った男は訳の分からない事を言って錯乱し銃を撃とうとしたところで……
パン!と音が聞こえて男が倒れる。
え?
ハンゾーが銃で男の頭を撃っていた。
「ハンゾー!?」
「はぁ…エイペックスさン、こいつはどう見テも、イカれてる」
「た、確か二…」
助かったよ!ハンゾー!
「なんだったんだ?コイツは」
ロイスが倒れた男のマスクを剥がすと人間だった。
「誰だ?コイツは」
「さあな」
「もう死んじまったんだからいいんじゃねーか?」
いや本当になんなんだコイツは?多分俺たち同様此処に誘拐され放り込まれた人間なんだろうけど、完全にイカれてたな。
マスクのビジョンを切り替え男の様子を探る。うん?まだ心臓が動いてるじゃねーか!
被ってたマスクが銃弾を防いでたのか?
「……こいつまダ生きテルぞ」
「え!?」
そうこうしていると倒れた男がガバッと起き上がった。
そして、立ち上がりまた俺に銃を向けてきた。
「ああああああああ!!!!俺は生き残ってきた!これからも生きッ!」
「うるせぇよ」
俺は男の銃身を掴みそのまま下に向かって思い切り引っ張るように振ると、男は地面に勢いよく倒れ伏した。そして首を掴み持ち上げた。
「おい…1度目は耐えたが2度目はないぞ。わかってるよな」
「ヒィ!?助けっ」
俺は男の言葉を聞かずにもう片方の手で男の肩を押さえ、軽く力を加えて上に引っ張った。
ズルズルと男の頭を背骨ごと抜いた。ビチビチと肉から骨が飛び出す音が聞こえ大量の血が俺の手と地面を汚す。
「オボボボボボボ」
「ハ…ハハ」
ウォルターがゲロを吐き、エドウィンが顔を引き攣らせながら笑った。
いつの間にか近くにいたノヴル君が言う。
「あ〜あのエイペックスさん…皆ドン引きしてます」
「え!?あ……」
背骨がついた生首を持ったまま俺は皆を見つめた。いつも寡黙で表情一つ変えないハンゾーが口を開けて目をパチパチしながら唖然としていた。
「え〜っト…ごめーーーン」
「クソがぁ!アイツはなんなんだ!」
ブラックがデスキャンプで脇腹を治療しながら言う。エイペックスの投げた赤熱した鉄棒が脇腹に刺さったのだ。赤熱していたお陰か出血は少なく、傷はすぐに治療できたが奴らを逃してしまった。
「おい!ドッグハンドラーは追ってるんだろーな!?ファルコナー!」
「あ、ああ…追っている。もうすぐ居場所が分かるはずだ」
「クソクソクソクソッ!あのデカブツ絶対許さねぇ!頭引っこ抜いておもちゃにしてやる!」
「……」
ブラックの苛立ちに、ファルコナーは更に悪寒を覚える。
(何故…こんな事が起きてしまったんだ…!あのデカいプレデターは調べても特に何も出てこなかったんじゃないのか…!?各部族に存在するデータベースをハックして問題のない奴を選定したとブラックは言っていた!それなのに何故…!)
(待て、何かがおかしい。奴の部族はなんと言っていた?確か――)
「【奴の部族はアヌだ。大した事ねぇ弱小部族さ!デカいだけの若いプレデターがいるらしいぜ?次はコイツを狙おうや!】」
ブラックがそう言っていたのを思い出した。アヌ…アヌ…?
「おい、ファルコナー?どうした?俺達も奴らを追うぞ!」
「え?あ、ああ分かった」
ファルコナーは未だ頭の中にあのマスクが鮮明に映し出されていた。あの時、最後に視界に入ったエイペックスのマスクを。
「【おい】」
奴の声がまだ脳裏にこびりついている。