養殖が天然に勝てると思うなよ?【本編完結】   作:物体Zさん

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沢山の感想ありがとうございます!誤字修正助かります!

UA数200,000突破!ありがとうございます!
ちょっと何が起きたかよく分からないですけど1週間ちょっとで物凄い沢山の方々に読んでもらえて嬉しいです。
この二次小説でプレデターにちょっとでも興味を持ってもらえたらもっと嬉しいです。

章をつけてみました。

引き続きよろしくお願いします!



童貞を守れないようじゃ大切な物は守れない

 エイペックスの故郷、アヌ族の母星。

 

 そこにあるアヌ族の大聖堂の地下深く、星の核によって暖められた部屋。エルダーと選ばれた者の一部しか入ることの出来ない大祭壇。過去の偉大な狩人達が狩猟した獲物のトロフィーが並べられた厳かな空間でエルダーとエイペックスの育ての親ゴンジが椅子に座り飲み物を手に話していた。

 

 「エルダー、報告が…エイペックスの反応が消失しました」

 「なに…?死んだのか?」

 

 まさか…あれほどの傑物が簡単に死ぬか?とエルダーは考える。

 

 成人の儀式で勝手にクイーンを単独で討伐したかと思えば、エイペックスは次にプレデリアンを片手間で討伐した。アヌ…いや、プレデターという種族全体で考えればエイペックスの成したことは大偉業、グレートハンティングだ。エイペックス自体は大して重要な事とは思っていない節があるようだが…

 

 そして、ゴンジが報告を続ける。

 

 「いえ奴の痕跡を辿ったところ、バーサーク族の支配する領域の星で痕跡が消えていました」

 「バーサーク族だと?まさか……」

 

 バーサーク族と言えばプレデター種のなかで最も傲慢で最も暴力的な種族と恐れられている部族の事だ。

 過去、遥か古の時代。偉大な大狩人【ロード】を輩出した実績のあるバーサーク族は、その力と傲慢さをもってプレデターの支配者階級にまで位置する部族に成り上がった。

 

 「最近、他部族でも行方不明の者が頻出しているとの情報があります。そのどれもがバーサーク族の領域で」

 「消えているわけか」

 「エルダーもしこれが…」

 「みなまで言うな、わかっている」

 

 うむ…と額に手を当て考えるエルダー。

 

 「奴が死ぬとは思えん。だが…探らせてみるか、近くにいる者は?」

 「スカーが」

 「うむ、行かせろ」 

 

 もし、奴が、エイペックスに何かが起これば……

 

 (その時は私だけでなくアヌ族全体の危機、未来に関わる事だ。早急にカバーせねばなるまい)

 

 

 そしてエルダーとゴンジは飲み物を呷る。

 

 「それにしても……この飲み物は格別だな」

 「えぇ、エイペックスが持ち込んだ粉から作った物です。確か…プロテインと言っておりました。エイペックスに憧れる若い連中も好んで飲んでいます」

 

 エイペックスの偉業は本人の知らぬ所で広まり、今や()()()では知らない者はいないという状況になっていた。しかし、エルダーはその大偉業を部族のデータベースに記録していない。無用な混乱を避ける為と、そしてもう一つの理由によってアヌ族はこれまで通り()()()()として認知されていなくてはいけない。共に戦った他部族のウルフにも、あの一件は漏らすなと厳命している。

 

 とプロテインを飲みながら思案した。

 

 「そうかそうか。だが、これを飲んでからというもの身体の調子が頗る良いな。なんというか筋肉が気持ちが良いというか…」

 「ええ、分かりますエルダー。他にも味があります。飲みましょう」

 

 2人は飲み続ける。そしてエルダーとゴンジの視線の先、過去の偉大な狩人が狩猟した獲物のトロフィーの中で一際異彩を放つ物があった。

 

 それは大きなクイーンの頭蓋と尻尾のないプレデリアンのトロフィーだ。

 

 それを見てエルダーは思案する。

 

 (もし、行方不明者がバーサーク族の者が原因であれば…我らアヌが動かなくてはいけなくなる。【創造種族】に同族狩りを許されバッドブラッドを狩る断罪の部族アヌが)

 

 

 

 

 

 

 

 「ん?なんだぁ?今の音は」

 

 ウォルターが外から聞こえた爆発音で目を覚ます。

 

 この船に来る前に仕掛けた謎の人間で作った死体爆弾が爆発した音だ。

 

 「奴らに少しでもダメージを与える為にまた罠を…」

 

 ロイスはそう言ってニコライからクレイモア地雷や手榴弾を拝借して、エイペックスが殺した人間の死体を用いて爆弾を作った。役目を終えたかにみえた哀れな人間は、同族である人間にもその身体を利用された。

 

 エイペックスによる謎施術がまだ残っていて、未だ心臓が動き体温を感じられるハイクオリティの罠は見事に奴らを罠に嵌めたようだ。

 

 「はぁ〜兵士様はエゲツない事を考えるよなぁったく」

 

 そう言って立ち上がると、なんだか部屋の様子がおかしい事に気づく。

 

  「なんか煙くねーか?」

 

 

 

 ん?なんだ?

 

 喉がちょっと痛い。俺は飛び起きた。

 

 「え!?火事か!?なんで!?」

 

 違和感を覚え起きると部屋が煙に包まれていた。

 

 外を見ると炎が舞い上がっている。めっちゃ燃えてるー……

 

 「皆んな!起キロ!なんデか分かラないけど火事ダ!」

 

 俺の声に寝ていた人達が次々に目を覚ます。

 

 「え!?なんで!?どういう事!?」

 「やべーよ!」

 「なんとかしてくれー!」

 「皆んな落ち着け!脱出だ!」

 

 ロイスが俺達を落ち着かせ入って来た部屋の入り口に向かうが……

 

 「おい!開かねーぞ!」

 「なんだと?おいどいてみろ!」

 

 ウォルターが精一杯扉だったものを開けようとするがびくともせず、ニコライが代わって開けようとするが開かない。

 

 「どくンダ!」

 

 俺はウォルターとニコライにそう言って扉の前にたった。

 

 「せいや!」

 

 扉に向かって正拳突きを放つ。すると、鋼鉄の扉が大きくくの字に凹み吹き飛んだ。

 

 「よし!出るンダ!」

 

 ノヴル君に目配せして皆を先導させ、俺とノヴル君が入ってきた場所に行かせる。

 

 そして、最後に部屋に残った俺は部屋を見渡し誰も残っていないか確認すると部屋を出た。

 

 「聞......こ...え...か」

 

 

 

 

 

 

 「束の間の休息だったな…」

 「確かにな、もう疲れたぜ」

 

 モンバサとウォルターが船に空いた穴の前で喋っている。

 

 俺は穴から外に出るとほぼ日が沈んでいた。そして周囲を確認して逃げ遅れていない人がいないか見た。

 

 「皆んな無事カ?しかし何故火事ガ………「エイペックスさん!!照準が!!」!?皆!伏せロ!」

 

 俺が声を上げると皆驚きながらも伏せる。俺は目の前にいたモンバサに抱きつき上に跳躍した。

 

 「ゴフゥッ!!」

  モンバサから何か聞こえた気がする。

 

 すぐ下を見ると俺がいた場所にプラズマキャスターによるエネルギー弾が通過したのが見えた。

 

 俺は同じ場所に降りると、モンバサを降ろしエネルギー弾が飛んできた方向を見た。

 

 クロークが解除され姿が見えていく。そこには1人のプレデターがいた。

 

 俺はそれを見て、ノヴル君に言った。

 

 「ノヴル君、皆を連れてキャンプまで行くんだ。俺はコイツを殺して後を追う」

 「え!?でもキャンプに行っても船は…!」

 「行くんだ!!俺が怒りで全てを壊さないうちに…!!」

 「はい!!(コイツが船を爆発させた奴なんですねエイペックスさん!絶対に殺して合流してください!)」

 

 ノヴル君がロイス達を引き連れ船から立ち去っていく。

 

 それを確認すると、俺は奴に向き直る。

 

 「おい、お前か?あのクソ鳥を操作してた奴だな?鳥から感じた気配に似ているぞ」

 「あ、あぁ!そうだ…私があの鳥を操作していた。だが!私じゃない!船を爆……」

 

俺は奴が最後まで言葉をいう前に全速力で奴の前に移動して頭を掴み、持ち上げた。

 

 奴は俺に持ち上げられるとリストブレイドを伸ばし俺の首目掛けて振るってくるが、俺は左手で奴の右腕を掴み止め、握り潰す。

 

 「ガアアァ!!!ああああああああああ!!!」

 「あのなぁ…お前はもう許されないんだよ…何を言ってもなぁ」

 

 俺は見た。あの謎の人間が持っていたマスクとガントレットの内部データをだ。

 

 そこにはコイツらがやってきた非道が残っていた。

 

 マスクの持ち主のプレデターは俺達と同じように攫われた。ただ、彼は起きなかった。眠りから覚めなかった。マスクに残っていた彼の最期の映像は俺が掴むコイツが眠ったままの彼を吊るし、皮を剥ぎ、内臓を抉り出し、骨を一本一本肉から剥がしていた。

 

 「ま、待ってくれ!奴にやれと言われたんだ!ブラックに!頼む!私は怖かったんだ奴が!やるしかなかったんだぁ!」

 「無理をするな、もう全部分かってる」

 

 俺は見た。奴が笑顔で骨を貪っているのを。

 

 「一瞬で死ねると思うなよ」

 「ヒィッ!ゴッフブビビビィ……」

 

 俺は奴の頭を掴み持ち上げたまま奴の胴体を殴っていく。ひたすら殴っていく。

 

 奴の身体がビチビチと激しく揺れる。

 

 そしてマスクから血が溢れる。

 

 俺の殴った箇所が陥没し細かい骨が身体の後ろから飛び出た。そしてそこから血が溢れ地面に落ちていく。

 

 そうして殴っていると、奴の身体から力が完全に抜けた。だがマスクで体内を見るとまだ心臓が微かに動いていた。

 

 「殺す」

 

 俺は奴の腹から手を突っ込み背骨を掴むとそのまま引き摺り出した。俺の掴んだ奴の骨と共に臓物が飛び出て俺の身体を汚す。更に背骨を引っ張ると穴の空いた腹から頭がずぽっと出てくる。

 

 「もう死んだのか?」

 

 俺の怒りは、彼の苦しみはこんなもんじゃないぞ!!!!

 

 だが…

 

 「お前はもう終わりだ」

 

 俺は奴の事切れた死体を投げ捨てた。

 

 そして、ノヴル君とロイス達が逃げていった方向へと走った。

 

 後に残ったのは物言わぬ死体だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 「皆さん!僕が奴を抑えます!逃げてください!」

 

 エイペックスに言われキャンプまで戻ってきたノヴルとロイス達は突如現れた()()()()()プレデターに襲われていた。

 

  「か。彼らを殺させはしない...!」

 

 ロイス達を自身の後ろに下がらせ、命を助けてもらった恩人達を今度は僕が助ける番だ...!とノヴルは意気込みリストブレイドを伸ばしブラックに対峙した。

 

 それを見たミスターブラックはこう言った。

 

 「てめぇみたいな雑魚が俺に勝てる訳ねぇだろうが!こっちはよぉ人間とあのデカブツ野郎に散々やられてムカついてんだ!テメェみたいな雑魚は大人しく狩られてろや!」

 

 と叫び、ノヴルに走って向かう。

 

 ノヴルは意を決してブラックに向かっていく。

 

 両者全力でぶつかり、凄まじい衝撃が身体を襲う。ノヴルの体表面がエネルギーに包まれるように一瞬光る。クロークの光屈折フィールドがエラーを起こしているのだ。

 

 そこから殴り合い、リストブレイドを打ち合うノヴルとブラック。

 

 ノヴルは横目でロイス達を見る。

 

 (なんとか離れたみたいだ…!)

 

 そしてブラックに掴まれ投げられたノヴルは離れた場所に転がっていく。なんとか立ち上がりブラックの方を見るとプラズマキャスターの砲身が光っているのが見えた。

 

 「死ねやぁ!!」

 

 そして放たれるエネルギー弾。

 

 「うわああああああ!!!」

 

 なんとか横に避けたノヴルは再度飛来してきたエネルギー弾を避ける為に走って逃げる。

 

 走るノヴルを追い越すようにエネルギー弾が通り過ぎて目の前にあった骨のタワーを粉々に破壊する。

 

 (僕達が使うプラズマキャスターと威力がまるで違う、当たったらヤバい)

 

 そして走って逃げていると、ノヴルの足元にエネルギー弾が着弾、地面が吹き飛んだ。

 その衝撃で吹き飛ばされたノヴルはブラックからは見えない場所に落ちた。

 

 (態勢を整えないと…)

 

 ノヴルはガントレットを操作しクロークを起動させた。

 

 「おいおい死んだのかぁ?」

 

 ブラックがノヴルが吹き飛んだ場所に向かう。そして見るとノヴルは綺麗さっぱり姿を消していた。

 

 「どこへ行ったぁ!?クロークをつけて逃げたのかぁ?ヒャッハッハッハ!雑魚は精々逃げるこったな!俺様はテメェが逃げてる間に人間共を殺すとしよう!」

 

 (違う!僕は皆を守る!恩に報いるんだ!)

 

 そしてブラックに向かって走る。

 

 「ギハァッ!なにぉ…」

 

 ノヴルはクロークをつけたままブラックに突撃して何回も殴り、リストブレイドで切り付けていく。

 

 (なんて硬さなんだ!刃が入らない!)

 

 ブラックの鱗ばった黒い肌がリストブレイドの刃を防ぐ。

 

 そしてノヴルが何回か攻撃を繰り返すとブラックに腕を掴まれ捕まってしまう。

 

 「俺をそんなもんで殺せると思ったのかぁ?やっと捕まえたぜぇ…オラァ!!」

 

 そうしてノヴルに向かって頭突きを繰り出すブラック。

 1回2回3回と頭突きを食らったノヴル。衝撃でマスクが壊れ顔から剥がれる。

 

 「グフゥ……(ダメだ…もう動けない…)」

 「もう終わりだなぁ…中々楽しめたぜぇ?雑魚の割にな!」

 

 ブラックはノヴルの首を掴み膝をつかせると右腕のリストブレイドを最大限までのばす。

 

 そしてノヴルの首に向かって………

 

 

 

 「そこまでだ」

 

 

 ブラックは振るおうとした右腕を掴まれ止められた。

 

 

 「てめぇ!誰だ!?」

 

 

 

 

 

 俺は走っていた。キャンプまでまだ少しかかる。俺のマスクの視界に表示されたマップにはキャンプにもう1人のプレデターがいるのが見える。

 

 「クソッ!奴に時間をかけすぎた!」

 

 冷静さを欠いていた!

 

 「急がないと…!」

 

 だが突然目の前に何者かの気配を感じた。

 

 「!?」

 

 なんだ!?誰だ!?

 

 俺は背中からスピアを取り出し展開させ構える。

 

 「誰だ!そこにいるのは分かってる!姿を見せろ!俺は今急いでいるんだ!どかないと殺すぞ…!」

 「ふふふ、落ち着いてエイペックス」

 「ん?その声は…」

 

 俺の前にいる何者かがクロークを解除する。光屈折フィールドが解かれ徐々に姿が見えていく。

 

 「君は!!」

 

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