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どうぞー!
アサシンは自身の後ろから、強大な気配を感じた。今までに感じたことのない、恐ろしい気配だった。
怒りに満ち溢れ、力を滾らせ、静かにこちらに歩いてくる巨大なプレデターを見た時。アサシンは久しく忘れていた命の危機を感じた。そう、自身が狩られる獲物であるということを。
そしてアサシンは全身に外骨格を出現させ硬質化させた。全身の筋肉に力を込めた。反射神経を研ぎ澄ました。リストブレイドを伸ばし、プラズマキャスターを起動した。
「おい養殖野郎……よくもやってくれたなぁ……」
アサシンはその声を聞いた時、自身が何か恐ろしいモノを、目覚めさせてはいけないモノを怒らせてしまったと
足音が、静かな筈なのに耳によく聞こえる。そしてアサシンが構えた。
その瞬間。
「グハァァァッ!!!」
アサシンは突如脳にとてつもない衝撃を感じた。
とても視認できないスピードでエイペックスが近づきアサシンの顔を殴ったのだ。
硬質化した表皮が表面のダメージを抑えたが内部へのダメージが響いた。エイペックスの岩をも砕く一撃が激しく脳を揺らす。
脳が揺れ意識が落ちそうになる。しかし、脳にあるインプラントが無理やり意識を覚醒させる。インプラントから覚醒を促す物質が分泌され意識を失う事ができないのだ。そして更に脳から身体への跳躍伝導の速度を早める事で身体を動かしエイペックスに反撃をする。
まずエイペックスの顔を右フックで殴った。エイペックスの顔が衝撃で横に動く。そして何事もなかったかのようにアサシンの方へ向いた。
「なんだ?子供にやられたのかと思ったぜ」
エイペックスがそう言うと、ほらもっとやってみろと挑発をする。
「後悔させてやる」
アサシンが両手拳を握りエイペックスの全身を殴り始めた。正面からひたすら殴り続ける。息が切れるまで殴り続けた。硬質化した表皮とアサシンの巨体から繰り出されるパンチは並の生き物であれば、1発でも喰らえば潰れてしまうだろう。
だがしかし、相手は違う。
頂点の名を冠するただ1人のプレデターである。
幼少期から過酷な星に放り込まれ、自身より大きい生物と闘い喰らった。ただ生き残る事だけを考え身体を鍛え抜いた。そして
故に頂点。
アサシンは一枚刃のリストブレイドを伸ばしエイペックスの心臓を狙う。しかしその右腕はエイペックスの左手によって止められ、そのまま右腕をエイペックスに両手で掴まれ捻り上げられる。バキボキと骨が折れる音と共に右腕が捻れ、そのまま力を加えられ身体を倒されてしまう。そしてエイペックスはリストブレイドをアサシンの胸に向かって叩きつけるように突き刺す。が、アサシンによって常時展開されていた強化外骨格により弾かれた。
「へぇ...硬いな」
火花と共に腕を弾かれたエイペックスは、リストブレイドを引っ込め拳を握った。右腕の上腕二頭筋と三頭筋、前腕の筋肉が膨張する。そして、拳を叩きつけた。
「グボオハッ」
そこから何度も何度も何度も何度も殴られる。
アサシンの鳩尾をひたすら殴り続けるエイペックス。アサシンの内臓が衝撃で押し潰されアサシンの口から血が溢れる。
それをみたエイペックスは背中に一度しまったスピアを手に取り伸ばす。そしてアサシンの口の中目掛け思い切り突き刺そうとするが、アサシンは頭を咄嗟に横にズラし攻撃を避け、横に転がり立ち上がった。スピアがアサシンの頭のあった場所を通過し船の床に突き刺さる。
「貴様…貴様も俺と同じ…」
「あ?お前みたいな養殖と一緒にするんじゃねぇ!!!」
エイペックスがアサシンの一言に吠えスピアを引き抜き構えた。
瞬時にエイペックスの前腕、二の腕、肩、そして胸の筋肉が膨張した。そしてスピアが放たれる。
アサシンは放たれたスピアを強化された反射神経をもって掴み投げ返そうとしたが、スピアを掴んだ手が勢いに負けそのまま右胸に当たった。そして気づいたら船の壁に身体ごとスピアで磔にされていた。
「グフッ……!」
血を吐き出し、消えていく痛みを感じながらスピアを引き抜こうとするが、船の壁に深く突き刺さり中々抜くことができない。そしてそれをエイペックスは逃がさない。
「養殖が天然に勝てると思うなよ?」
エイペックスがそう言ってアサシンに近づいていく。
「経験してきた事がお前とは違うんだよ」
両拳に力を篭める。エイペックスの全身から熱気が迸る。全ての筋肉が脈動し膨張した。
「ちゃんと鍛えてから出直せ」
まずエイペックスはアサシンの左腕を掴み伸ばした。伸ばした腕の下からアッパーをかますと腕があらぬ方向へと曲がり骨が硬質化した表皮を突き破り出てきた。
「グオオオオオオオオオオオ!!!」
アサシンの両腕がだらりと下がる。そして顔に向かって拳を放つ。エイペックスの拳が顔に当たった瞬間、アサシンの牙が歯が折れ自身の口内に突き刺さる。エイペックスはそんなものお構いなしに殴り続けた。
脳にくる度重なる強烈な衝撃が脳内にあるインプラントを破壊し、意識を刈り取る。顔が潰れ陥没し、血が溢れてくる。意識が消えた事で展開されていた外骨格が表皮に収納され元の肌に戻る。そして次は身体に向かって拳を放つ。胸、腹と両拳で殴り続けると、アサシンの身体が固い肉をジャガードで柔らかくしたかのようにビロビロになった。
「遺伝子交配やら改造やらしてもその程度なのか?」
エイペックスは2枚刄のリストブレイドを伸ばし心臓に向かって突き刺す。表皮が硬質化されていないので、すんなり刃が入り心臓が串刺しにされた。
そして引き抜き、次は胸の真ん中に突き刺すと下腹部に向かって刃を降ろし引き裂いた。縦に向かって引き裂かれた身体に手を突っ込むと背骨を掴み上に向かって引き摺り出す。
ズルズルと脊柱に繋がった頭を取り出した。
「トロフィーにする価値もねぇ」
それをエイペックスは足元に捨て、踏み付け粉々にした。
「なんか大したことなかったな…」
そしてエイペックスがスピアをアサシンだったものの身体から引き抜き背中にしまった。アサシンの身体がズルズルと壁に蛍光色の血の跡を残しながら落ちていった。
「ちょっと疲れたかも……色々ありすぎて」
エイペックスはそう呟き、ダッチの下へと駆けていった。
「あ!ダッチ!大丈夫か!?」
ダッチの声が聞こえ、それに気づいた俺はダッチの下へと駆け寄った。
「俺は平気だ。あっちを見てやってくれ(お前は強いな…)」
「うおお!ネブラスカ!腹に穴が!」
ダッチに言われネブラスカを見ると、血を流し倒れていた。だ、大丈夫か!?俺はダッチをゆっくり下ろしてフジティブとネブラスカに近寄った。
「今は安定している。お前は本当に凄いな(正に怪物…あのアサシンが一方的にやられるとは…)」
フジティブがネブラスカの傷を押さえ出血を止めていた。側を見るとホッチキスタイプじゃない、スプレータイプの救急キットが落ちていた。あのスプレーマジで凄いよ!痛くないし傷がすぐに引っ付くから便利なんだよな〜ちょっと高いけど。あれもジオメトリクス族の品なんかな?
「ロリーは無事だった?」
「あぁ…無事だ。先に外に逃したんだ。彼のお陰で私もネブラスカも助かったよ」
そういっていつの間にかこっちに近寄ってきていたダッチを指差しながら言った。
「ハハハ、ダッチは強いからな〜というかダッチきてたの!?」
俺はあの養殖野郎よりもダッチが来ていた事の方に驚いた。
そして、俺とダッチ、フジティブとネブラスカ、そしてクインとロリーは俺の船に乗ってダッチの会社へと戻った。向かう船の中でフジティブ君に船の事を伝えた。
「フジティブ君…仇はとった」
「え!?」
フジティブ君に船が奴のせいで消え去った事を伝え、仇はとったと言ったら、泣いてるのか喜んでるのかよく分かんないけど感謝された。船は300年前に放置されたままかな?もしかするとアトラルさんが回収したかもしれないな。
俺がタイムスリップした事は誰も信じてくれなかった。唯一ゴンジだけは腕を組みニヤニヤしていたが…なんなんだ?あの時、穴の先にゴンジがいたのは驚いたけど、というか何故ゴンジはあそこにいたんだ?
ダッチの会社でみんなで風呂に入って飯を食って解散した。クイン以外の人達、ネブラスカ等はダッチが会社で世話すると言っていた。フジティブはアサシンの船に乗りゴンジと共にアヌ族の母星に行った。フジティブ君が持ってきたあの積荷なんだけどゴンジが処理したとかなんとか言っていた。中身は確か対プレデター用の決戦兵器【プレデターキラー】と言っていたが、どうしたんだろう……
そして俺は今、クインの息子ロリーに家に誘われてお邪魔している。なんでもロリーが色々お話ししたいらしい。クインの奥さんはちょっとした擦り傷だけで無事だった。良かった。アイツにも掟だけは守る何かがあったんだな。まぁ誘拐は許せないけどな。
クインの家は、アサシンの襲撃により屋根が剥がれ、床が抜けていた。後でダッチの会社で直すと言っていた。スカスカになった家で色々お話しした。
そしてロリーは天才だった。ちょっとボケ〜っとした所があるが、俺達の技術に何故か詳しくなっていて、「船を操縦させて!」と言われ、いやいや危ないでしょ!と思ったが、クインに許可を貰って操縦させたら俺よりも上手く操縦できてて泣いた。人間ってすごいと改めて認識した。
そうして暫く地球に滞在して、美味しい肉を食ったり、風呂に入ったり、筋トレをしたりして過ごした後。ガントレットに通信がめちゃくちゃ貯まっていた。確認すると何やらエルダーからすぐに帰ってこいとのメッセージが120件くらいきていた。
俺は急いで船に乗りアヌ族の母星へと飛んだ。
母星に入り、宇宙港に着陸した。結構久々に帰ってきたかもしれない。船に厳重に鍵をかけてエルダーのいる大聖堂に向かった。
故郷は帰る度に色々変わってる。今までは無かった食用の牛を育てる牧場とか、身体を鍛えるジムとか、風呂屋もあった。色々充実してきたな〜まさか風呂があるとは思わなかった。
大きな入り口を潜り抜け大聖堂に入りエルダーのいる部屋を目指す。エレベーターに乗り込み
「あ!ゴンジ!」
「エイペックス…!遅い!大変な事が起きたぞ」
「えぇ!?マジ!?」
なんだろう…ゴンジが焦るなんてよっぽどなんかな…もしかしてゼノモーフがまた逃げたとか?まあでもあんな雑魚俺じゃなくても平気でしょ。
ゴンジと共に部屋に入ると、上裸のエルダーが外を向いて外を見渡していた。部屋の隅にはフジティブ君がぴーんと立っていた。何があった?
なんか…エルダーデカくなったなぁ…背中の筋肉あんなにあったっけ?肩も凄い出てるし…俺も負けてらんねぇ!
「エイペックス戻りました。遅れてすみませんでした」
「うむ、まあよい。此度のジオメトリクス族の件ご苦労だった」
そう言ってエルダーがこちらを向いた。
……!?
あれ本当にエルダーだよな?なんか若くなってね?髪の毛もすごい青く煌めいている。前はくすんでたのに。ガッシリして筋肉モリモリマッチョマンだ。いい胸だなー。
チラッと横にいるゴンジを見ると、俺と目が合った。なんだよ?
そしてエルダーが喋り始める。
「エイペックスよ…今回お前を此処に呼んだのは他でもない。そこにいるジオメトリクス族のフジティブに端を発している事だ」
「フジティブ君?」
「あぁそうだ。お前が巻き込まれに行った事件と、そしてここへ来たフジティブの件だが…端的に言うと【創造種族】を怒らせた」
「え?創造種族ってなんです?初めて聞いたんですけど」
「あれ言ってなかったっけ?ゴホンッえ〜……」
創造種族ってのは、文字通りこの宇宙に命の輪を広げた種族という事だった。彼らが様々な星を渡り歩き、自身の命を犠牲に星に命を齎した…とされているらしい。普段は宇宙の奥。深宇宙にてひっそりと暮らしているんだってさ!
「で、なんでその創造種族様が怒るんですか?」
「それはな…ジオメトリクス族の他種族侵略行為のせいだ」
フジティブ君が顔を伏せる。そうか、他の種族を攫って遺伝子交配の原料とかにしていたんだっけか?
「命を弄ぶ行為は彼らにとって禁忌に等しい」
やっぱり禁忌だったか……どうなるんだこれ?
「じゃあどうなるんです?」
「ジオメトリクス族はつい先程…族滅した。との事だ」
「え?族滅?それは…」
そしてゴンジが俺の脇腹を抓りながら言う。痛いんだけど……
「エイペックス、ジオメトリクス族が滅んだという事だ」
マジか。いきなりすぎんか?何があったんだ?
「えっと話が急展開すぎて…」
「ジオメトリクス族の母星を見張らせていた者から報告があったのだ。母星に突如【創造種族】の巨大戦艦が出現し、黒い雨を降らせたとな」
「黒い雨…ですか?」
「うむ、その黒い雨でジオメトリクス族の星は死の星へと変わった。もう誰も生きてはいない」
え〜…ちょっと恐ろしすぎてついていけないんですけど……
黒い雨ってなんだよ?
「エイペックスよ、お前もじき分かる時がくる。創造種族には気をつけろ。いいな」
エルダーはそう言って俺達を部屋から出した。
「おい、エイペックス」
「ん?どうした?ゴンジ」
部屋から出るとゴンジが声をかけてきた。
「
「うぇ!?なんて?え!?合トレ!?」
「なんだ?筋トレは嫌いか?」
ゴンジがニヤけながら言い、走った。
「なにぃ?俺の筋肉を見ろ!俺のトレーニングを舐めるなよーーーっ!!」
これにて一旦終了というか完結ではないんですけど、まあそんな感じです。AVPから始まったエイペックス君の物語をこれまで沢山の人に読んでもらえて恐悦至極胸からチェストがバスターです。次からは1話か2話完結でプロメテウスとかゲームの話を出していけたらイイナ?とりあえず、ありがとうございました。