知らない船は着陸させちゃダメよ
時は2179年、俺達は宇宙を旅していた。え?俺達?あ〜俺は番になった。ヴィーンと夫婦になったんだ。あの星での一件の後、色々あって俺とヴィーンはお付き合いする事になって、今では番だ。
プレデターの番ってのはアヌ族では殆どいない。他部族では普通にいるらしいけど、アヌ族は色々特殊でそういった文化がなかった。
じゃあなぜ俺とヴィーンが夫婦になれたかは、まぁそれはエルダーとゴンジによる采配としか言えない。俺はアヌ族だけど殆ど放浪してばかりだし、ヴィーンも女園に隔離されて生活するようなメスプレデターじゃないから特例として認めてくれたんだ。
ヴィーンはいい子だ。いい子っていうかいいメスだ。強いし、デカいし、何より可愛い。俺のサバイバルにも難なくついてくるし、狩りも上手だ。最高のメスと言ってもいい。
俺達の間にまだ子供はいない。プレデターは寿命が長い故に子供ができにくい体質みたいだ。できにくい赤子を更に選別しているアヌ族はやっぱりヤバい部族だなと再認識した。そりゃアヌ族のプレデターの数が少ないわけだ。基準を満たしていなければ壁に叩きつけて殺しちまうんだからな〜今考えても恐ろしいぜ。
ヴィーンと番になってヤルことヤってるけど、何故か必ずヴィーンにタックルされ倒される。そしてどんなに力を入れても起き上がれず身体の向きを変えることすらできない。そのままクルクルと回されながら俺はなす術もなく交配をされる。俺は初めて敗北を味わったよ。それから一度も勝ててない。だが必ず次は俺が押し倒してヴィーンをヒンヒン鳴かせてやる。と思っていたりする。というかこれがプレデターの交配なんか…?
今はヴィーンを俺の船に乗せて宇宙を旅している。アヌ族の母星に家はあるが偶に帰るくらいで殆ど宇宙で過ごしている。
そして地球に一緒に訪れ温泉に入ったり、銭湯に入ったりもした。ヴィーンは懐かしい〜とかなんとか言ってたが来た事あったのかな?まあどうでもいいけど!
エレンやアマンダにもヴィーンを紹介した。エレンとアマンダは親子というよりも姉妹みたいだ。もうおばあちゃんと言ってもいいなぁ。まあエレンは15年寝ていて、アマンダと再会し時ほとんど年齢が同じになっていたからな〜不思議だ。
ヴィーンを見て最初は驚いていたが、女同士だからかすぐに仲良くなって一緒に料理をしたり、恋バナ?よくわからんがしていたりしていた。
彼女らは今は地球でのんびりと暮らしている。宇宙はもう懲り懲りだそうだ。俺たちの母星に移住してみるか?と誘ったらすごい喜んでいた。俺達の星は暑いぞ〜。
そしてあのウェイランドユタニは未だに残っている。ゼノモーフの事も懲りずに研究しているみたいだ。まあ地球に持ち込まないだけまだ良いけど、もし地球に持ち込んだら今度こそ根絶やしにしようと思う。それだけは許せないからな。
というわけで今は船に乗り宇宙を適当にゆっくり飛んでいた。どこへ行こうかと迷っていたら、隣にいたヴィーンが言った。
「エペさん、救難信号を拾ったよー」
「ん?救難信号?」
信号の発信場所は地球から遠く離れた星系で、星の名前は人間で言えば惑星Lv426だったかな。もう人類は沢山の星で入植してるからよく分からん。
とりあえず、船でビューンと向かった。
この星はあまり人が住むには適さない不毛の星だが、人類はテラフォーミングをして大気を改善し暮らせるようにしたみたいだ。人類はどんどん発展していくなぁ。ただ流石に外をほっつき歩くには危険なのか巨大なコロニーを建造して其処に暮らしているようだ。
そんなコロニーから救難信号を受信したわけで、俺達は船で星に降り立ったわけだが、本当に何もない星だな。岩しかないぞ。真っ暗だし。それにちょっと湿っぽい。
こんな場所によく住もうと思ったなと思いつつも、船で周辺一帯をスキャンした。
コロニーの周りは船が数隻停まっていて、一隻変な反応がある船があったけど、それ以外は特に無かった。
そしてコロニーの方はなんとまぁゼノモーフの反応があった。これはもう遅いんじゃないか?人間の反応があまりない。ただ、コロニー自体は無傷で明かりもついている。別に火の手が上がっているわけでもない。
とりあえず外に出て変な反応のあった船を調べてみるとするかな。
外に出ると雨が降っていて、ちょっと寒い。
「俺は外に行くが、ヴィーンはどうする?」
「私も行くよ!エペさんだけじゃ怖いでしょ」
「ハハハ、うるせー」
ヴィーンは出会った頃より更に大きくなり背丈は俺とあまり変わらない。筋肉はメスなのもあって控えめだが、それでもガッシリしている。ドレッドヘアーを後ろで纏めて結んでいる。可愛い。
船をしっかりと施錠してクロークをつけ外に出た俺達は、コロニーの外に停められている妙な反応のある船に向かった。妙な反応というのは具体的に言えばゼノモーフの反応だ。ただ、生きたものではなく恐らく巣の反応だと思う。
船に向かうと搭乗口が開いたままとなっていた。そしてチラッと覗くと中はゼノモーフの肉でビッシリだった。無事なのは外見だけだ。
「なんだこれ」
「ゼノモーフを運んだんですかねー?」
「中を見てみよう」
クロークをつけたまま中に入る。中はそれほど広くなく、小型船を一隻格納できるくらいの広さだ。恐らくこの船は輸送船だろう。現に中に入ると小型船が格納されていた。そして…奴らの巣と無数の人間の死体があった。
死体は植民地海兵隊だろうか?しっかし随分古い遺体だな。まるで何十年も経っているような…
更に中を探索すると興味深い物を見つけ、ヴィーンを呼んだ。
「ヴィーン、これを見てくれ」
「んー?こ、これって!」
「ああ、ゼノモーフの蛹だ。羽化してから結構時間が経ってる。それに……」
ゼノモーフの頭部分を指差した。
そして、それを見たヴィーンが言った。
「これは…6ですか?」
「6だな」
俺が指差した部分に人間の使う数字の6が刻まれていた。いや焼印か。
「ダーク君を覚えてるか?」
「えぇ…もちろん!プレデリアンを倒してました」
「あの任務の後、エルダーが言ってたんだ。人間に捕まり星から脱出したゼノモーフがいるとな」
「海兵隊の皆さんが捕まえたとか言ってましたもんね」
「あぁ、その中にプレデターを殺しフェイスハガーを寄生させたゼノモーフがいる。そいつの額には人間の数字の6が刻まれていた」
「え!?じゃあこれって!」
「どうやらクイーンに変態したようだ」
まさかこうやって人の住む星に着陸するとはな。つくづく運のいい奴だ。
だが…もう逃がさないぞ。俺とヴィーンが必ずお前を狩ってやる。
俺達は宇宙船の外に出た。そして人間の住むコロニーへ向かった。
クロークをつけたまま俺たちでも入れる場所を探した。物資搬入口を見つけガントレットでハッキングして格納扉を開け中へと入った。
コロニーの中は人気がない。嫌な空気だ。マスクに表示されるマップには大量の緑のマーカーと青いマーカーがたった一つだけ表示されていた。人間の生き残りはたった1人というわけだ。ゼノモーフは人間に今のところ気づいている気配はない。上手く隠れられているようだ。
「ヴィーン、少し遅かった…」
「仕方ないですよ。宇宙は広いんですから」
中へ探索を始め、人間の下へ行こうと思ったその時、コロニーの外、星の軌道上で宇宙船の反応を俺の船のレーダーが捉えた。
「植民地海兵隊の船だよ!」
「彼らも救難信号を拾ったのか?」
一旦外に出てコロニーの屋根に跳び様子を窺っていると、降下艇が一隻コロニーから少し離れた場所に着陸した。降下艇の乗員は14人とアンドロイドが1体だった。アンドロイドか…もしやウェイランドユタニか?
そして、降下艇から一台の巨大な車が出てきた。
「ヴィーン、彼らについていくぞ」
「分かった」
俺とヴィーンは暫く待機して彼らの到着を待った。
ガタガタと悪路を走行して、俺がハッキングした格納扉に前にやってきた。
あーちなみに俺とヴィーンのクロークなんだが、なんと雨に濡れても解けることがない!フジティブに作ってもらった特注品だ!高かったけど。
「開いてるぞ!」
「なんでだ?外に逃げたのか?」
「いや、まだいるはずだぞ!」
「中へ入ろう!雨が最悪だ!」
ゾロゾロと人間達がコロニーへと入っていく。俺とヴィーンも静かについていく。
海兵隊達は銃を構え警戒しながら進んでいく、勇ましい人間達だ。中でも赤いバンダナをつけた女性は筋肉が程よくついていて、補助ハーネスがついているが、大きな銃を涼しい顔で持ち歩いている。俺が彼女をジッと見ていると、ヴィーンに肩を殴られる。
「グホッ」
「……今何か聞こえなかったか?」
「雨の音だ、気のせいだろ」
一瞬バレそうになった。ヴィーンを見ると口元に人差し指を立てていた。ちくしょう!ヴィーンがやったんでしょ!
中へ進むと通路に出た。通路はゼノモーフと戦ったのかボロボロで、雨漏りをしていた。
「見えますか?小火器の弾痕があります。それに爆発の跡もある。地震調査用の爆薬のようですが……皆固まってろ」
隊長だろうか?誰かと通信している。彼の言う通り通路は何かと戦ったかのような様相だった。
そしてコロニーを探索していく海兵達。ついていこうとした時。海兵がこう言った。
「動体探知機オン」
ん?動体探知機!?ヤバい!俺は前にいるヴィーンを止める。
「ヴィーン動くな!」
「えぇ!?」
俺はヴィーンの肩を掴み小声で話した。
「なぁ…また何か聞こえなかったか?」
「雨の音だろ?何もいねーよ。それに動体探知機に反応がない。ゼロだ」
危なかった、もうすぐでバレるところだった。動体探知機は厄介だなぁ。ちょっとでも動くとバレちまう。ガントレットを操作して彼らの持つ信号を模倣する電波を出した。以前、植民地海兵隊と行動を共にした時に海兵の1人が持っていた動体探知機に俺たちが反応してややこしいってんで信号を解析させてもらった事があった。ここで役立つとはな。
そうして探索していく海兵達、俺達は海兵たちについていく。
探索していたエリアば居住区となっていて人々が
そして海兵達は通路であるものを発見する。それはゼノモーフの酸性血液で溶けた床だったり天井だ。ここにいた人間達はゼノモーフと戦って殺されたり生きたまま巣に連れて行かれたのだろう。そして船からのスキャンで少し行った先のエリアに巣が見えた。ゼノモーフはもう海兵たちに気づいたのかソワソワしている気がするぞ。
それから探索を一旦終えた海兵達。
これから降下艇に残った人達がこちらへ合流するようだ。
船からやってきた残りの人らを出迎えて更に探索を始める。海兵たちは一部別れて制御室に向かい、俺たちは医療研究室という場所についた。
はぁ……フェイスハガーが容器に入っている。ここにいた奴らはゼノモーフを研究していたのか?全く……外の船を見て、てっきりナンバー6がやってきて壊滅したんじゃないかと思っていたが、もしかしてアイツはまた捕まって研究されてた?もしわざと捕まってたとしたら相当頭が良い。
1人が容器に近寄っていく。ん?アイツは海兵じゃないな、一般人か?
「これがゼノモーフのフェイスハガーか…」
「フェイスハガー?こんな生き物初めて見たぜ」
一般人が容器に顔を近づけるとフェイスハガーが突然動き襲おうと突然動いた、ガラス越しに口が見えた。そして一般人はビビっていた。もう顔なんて近づけるなよ。ビックリさせんな!
「ウェイランド社のおっさん、どうやら一目惚れされたようだな!これは愛されてるぜ〜キスしたがってるぞ〜」
海兵が茶化すように言った。待て、今ウェイランドと言ったか?あの一般人はウェイランドユタニの社員かなんかか?フェイスハガーの事も知っているようだし。
そして近くに落ちていた書類をアンドロイドが手に取り喋り始めた。
ん!?待てよ。あのアンドロイドどっかで…あ!あの時ダーク君に殺され死んでたアンドロイドのウェイランドだ…!一体どういう事なんだ?あの会社のアンドロイドは顔のレパートリーがウェイランドしかないのか?
「2匹はまだ生きている。これによれば…幼虫移入以前に切開分離。被害者ムラチュク、手術中に死亡。間に合わなかったようだ」
まさかフェイスハガーをわざと顔にくっつけて寄生させ、成長したチェストバスターを切除しようとしたのか?なんて奴らだ…
「おい!ヒックス!何かが動いてる」
あ、やべ!俺か?でも俺達は反応しないはずだけど…
海兵が動体探知機を持ち反応を追い始める。
どうやら俺とヴィーンではないみたいだ。
「近づいてるぞ」
ゆっくりと反応を追っていき部屋を出て通路に出る。そして反応が最も強くなった時、小さい人影が海兵達の前を横切る。海兵達は思わず銃を一瞬撃ってしまう。危なかったな!あれは人間だ。スキャンに反応があった人間だろうか?子供に見えたな。
「エペさん、もう姿を見せよう」
「え!?」
「おい、誰か喋ったか?」
「後ろで聞こえたが…」
海兵達が一斉にこちらへ振り返る。ヴィーンが子供を見て我慢できなくなったみたいだ。そうだよなぁ…こんな場所で1人生きてるの見たらそりゃあな。
もう隠れるのはやめよう。そして俺は声を大きくあげる。
「いいか!俺達は救難信号を拾って此処にきた!今姿を見せるから撃たないでくれ!」
俺の声に一斉に銃を構える海兵たち。いいか!絶対に撃つなよ!
俺とヴィーンはクロークを解除した。
そして徐々に姿が現れていく。
「おいおいおい!ずっと側にいたのかよぉ!?」
「こ、こいつは…!」
俺とヴィーンは両手を上げながら姿を見せた。
「撃たないでくれ」
俺達の姿を見て驚き見上げる海兵達。しかし、その中から1人の海兵が前に出てくる。
「おい!ヒックス!」
「みんな落ち着くんだ。この2人は敵じゃねぇ!」
「何言ってんだ!化け物じゃねえか!」
「俺は彼らを知ってんだ!」
ヒックスと呼ばれた1人の海兵が他の海兵達の銃を抑えながら前に出てくる。
「彼らはプレデター。俺の姉テキーラを助けてくれた異星人だ」
テキーラ!弟がいると聞いていたが彼だったのか!なんて偶然なんだ。でもそのおかげで助かった。
「俺はエイペックス、隣にいるのはヴィーンだ」
「プレデター!?マジかよ!!」
「銭湯の壁に描いてる異星人か!?」
海兵たちが銃をおろし俺達に近寄ってくる。そして脚とか腕を触ってきた。子供か!
「すげぇ筋肉だぜ!」
俺が筋肉を海兵達に触られている間、ヴィーンは通路の隙間へ逃げていった子供を見ていた。
「おいで、大丈夫だよ」
ヴィーンの優しい声に安心したのか、それともここで襲われたゼノモーフよりも強い生物に遭遇し畏怖しのかは分からないが、人間の子供が隙間から出てきてヴィーンに抱き抱えられる。
「私はヴィーン。君のお名前は何かな?」
「………」
「怖いのかな?」
ヴィーンは片手で少女を抱きながら、腰帯の小袋に反対の手を突っ込んだ。
そして、中に入っている物を掴み少女の前に持っていく。
「VC30,000のど飴、食べる?」
アレはよくヴィーンが舐めてる飴だ!ビタミンがお肌に良いからと沢山含まれてる凄い飴だ。
そしてなんとか海兵達と打ち解けた俺とヴィーン、生き残りの少女ニュート(ヴィーン命名)は海兵たちに何故俺達が此処へ来たか説明した。
「救難信号を拾って此処へきたんだ。そうしたらゼノモーフ…」
「待てゼノモーフだと?エイリアンの事か?」
ウェイランドユタニ社の社員、バークという男が言った。
「あぁ、そうだ。ここから先に行ったエリアに巣を構えてる」
「巣!?」
「巣だ。ウジャウジャいるぞ」
俺はバークの肩に手を置いて腰を曲げ顔を近づけた。
「おい、妙な真似はするなよ」
バークの下半身からブリブリビチビチという音が聞こえた。
エイリアン2始まりました。前回のゲームの話は年代が分からなくて適当に設定していたんですがエイリアン2前にしておいて良かった…
植民地海兵隊カッコいいですよねぇ、肩についてるフラッシュライトがなんか好きです。