養殖が天然に勝てると思うなよ?【本編完結】   作:物体Zさん

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エイリアン4だと思います。


本日も遅れました。どうぞ!


Alien4
尽きぬ好奇心が身を滅ぼす


 エイペックスが若い労働者のレインとアンディ、そして異形の子を産んだケイを助け貨物船から去った後。貨物船に一隻の宇宙船が近づきドッキングした。

 

 宇宙船から貨物船へ防護服をきた兵士と研究者が降りて、船を探索していく。

 

 研究者がハイパースリープ装置の付近である物を発見した。

 

 「なんだこれは?」

 

 研究者が見つけたのはエイペックスが殺したケイの赤子。ブラックグーによって変質した異形の怪物の溶けた死体だった。

 

 白くドロドロしているが、顔や手、足の輪郭が残っている。そばには細長い口のような物も落ちていた。研究者はそれを全て回収、採取した。

 

 そしてハイパースリープ装置付近に落ちていた()()()も回収し、貨物船を立ち去った。

 

 そして研究者が採取したものを見ながら通信を入れる。

 

 「ウェイランド様、エイリアンと思われる死体と生命の雫が入っていたと思われる注射器を回収しました」

 「よくやった。至急実験宇宙船へと持ち帰り研究を続けろ」

 「承知しました」

 

 

 

 そして200年の時が流れる。

 

 ウェイランドユタニ社は度重なる不祥事により消失し、今では政府直属の軍事研究部門へと成り下がっていた。

 

 そして200年前に回収されたケイの赤子と注射器に残っていたDNAを元に巨大実験宇宙船【オーリガ】にいる研究者の手によってクローンが作られた。

 

 しかしDNAを元に作られた人間はどれも異形で、産まれてもすぐに死んでしまうか、ただ生きているだけの肉塊だった。

 

 だが…ある時、正常な人間が産まれた。あっという間に大きくなったその作られた人間は誰とも交配していない筈なのに妊娠し、そして大きな卵のような物を産んだ。産んだ人間、少女はそれ以降死んだように眠ってしまった。

 

 研究者達は歓喜し、その卵を大事に温める事にした。

 従来の卵とは全く違う。固い殻ではなく柔らかく粘液に包まれた肉の卵だった。

 

 そして、その卵から蠍のような生き物が出てきた。

 

 「こ、これはフェイスハガーだ!!!!」

 

 ウェイランドユタニの研究を知っていた男がそう言った。

 

 しかし、資料に載っているフェイスハガーとは少し違った。資料では白く濁ったような色だったが、卵から産まれたのは少し黒かった。

 

 そしてそれから身寄りのない人間を捕えフェイスハガーを寄生させた。

 

 拘束された人間をフェイスハガーのいる部屋に放り込むと、フェイスハガーが目にも留まらぬスピードで駆けていき顔に張り付いた。長く伸びた尻尾が首に巻きつき締め付ける。人間がジタバタと暴れるが次第に落ち着き倒れた。

 

 「これは……恐ろしい生物だ」

 

 科学者、ジョナサン・ゲディマンが犠牲になった人間を憐れみながらも見た事もない生物に何かを感じた。

 

 「私はこの生物を解き明かしたい」

 

 彼は心にそう誓った。

 

 それから数時間後、フェイスハガーに寄生された人間が苦しみ始めた。そして、胸を突き破り蛇のような生物が飛び出した。チェストバスターである。

 

 チェストバスターを捕まえ、隙間のない部屋に放し肉を与えると、それを食べて大きくなっていった。そして粘液を壁に張り巡らせると蛹に変化した。

 

 蛹に変化して数時間後、蛹は最初よりも大きく膨れ上がり出てくるであろう生物の形に変化していた。

 

 そして蛹が動き始め、中から突き破るようにして黒い大きな生き物が出てきた。

 

 ゼノモーフクイーンだ。

 

 「なんて美しい生物なんだ…」

 

 ゼノモーフクイーンが産まれ、オーリガは熱狂の渦に包まれた。

 

 

 ゼノモーフクイーンは誰に教えられた訳でもなく卵巣を体外に作り、卵管を伸ばして卵を産み始めた。その卵は少女が産んだ卵にそっくりだった。卵が開くとフェイスハガーが出てきた。

 

 同じように人を捕えフェイスハガーに寄生させた。チェストバスターが生まれ蛹に変態し、羽化したが今回産まれたのは最初よりも小さいゼノモーフだ。

 

 「1つの群れに1匹のクイーン」

 

 ゲディマンは彼女の産んだ子供達を見ながら考えた。

 

 少女は未だに起きない。だがクイーンは今もなお卵を産み続けている。無辜の人々が犠牲になっていくのを見てゲディマンは心を痛めたが、研究を主導するメイソン・レンに従い研究を続けた。

 

 

 

 

 3匹のゼノモーフを隔離された部屋で同僚の女性と共に観察していたゲディマン。本来、ゼノモーフ同士は会話のようなものをしない事が分かっていたが、2匹が1匹を省いて壁に寄って何やらコソコソとやり始めたかと思いきや、2匹で寄ってたかって攻撃して1匹を殺してしまった。緑の血が溢れ床を汚した。

 

 「ん?」

 

 様子を見ていたゲディマン。床が血液で溶け始め穴が空いた。急いでガスを放出するが2匹の姿が見えない。部屋に入り穴を覗いた。

 

 ゼノモーフの黒い顔がいきなり出てきて、そして手が伸び頭を掴み穴に引き摺りこまれた。

 

 ゲディマンが穴へと消えていくのを見た同僚が、叫び声を上げ船の警報装置のボタンを何度も押した。

 

 仲間のゼノモーフを殺してその血液の酸で床を溶かすという巧妙な手口で逃亡したゼノモーフは、研究者や軍人たちを次々と虐殺していく。

 

 

 そしてその少し前、新たなゼノモーフの苗床として生きた人間を運んできた宇宙貨物船「ベティ」。積荷を指定されたエリアに置いた後、乗員たちは食堂で食事をしていた。

 

 「なんだぁ?」

 

 車椅子に乗った男ドム・ブリースが言った。

 

 「兵士共が慌ただしく動いてるな」

 

 その隣にいたドレッドヘアーの男ゲーリー・クリスティが、周囲を見渡し言った。

 

 「なんかヤバそうだ…船に戻るぞ」

 

 上座で食事をしていたベティの船長、フランク・エルジンが言った。

 

 そして一同がテーブルから立ち上がり、移動を始めようとした時、1人の少女が近づいた。

 

 「誰だ?」

 

 一同に近づいたのは白い布切れを纏っただけの少女だった。

 

 「なんだ?このガキ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日は全宇宙に存在するプレデターの部族が集まり、各部族で育てたWAGYUを視察する一大イベント。【グレートWAGYUチャンピオンシップ】の日だ。現在WAGYUはあらゆる部族で育てられており、我が部族こそが最強のWAGYUを育てたと自慢をする大会である。

 

 アヌ族発祥のWAGYUだが、今では様々な銘柄が作られており、例えばバーサーク族のWAGYUはアンブレイカブル種という銘柄だ。ちなみにアヌ族はベヒーモス種という嘗て俺が狩った伝説の牛から名付けられた銘柄である。

 

 この大会で何をするのかというと、まあ単純に言えば自慢大会な訳だが、角の大きさや体重、毛並み、筋肉の形、顔貌、そして旨みを品評する。だが、最も人気なのは育てたWAGYUをWAGYU同士で戦わせ競わせる正に最強のWAGYUを決める事。それがこの大会の主なメインイベントとなっている。

 

 そして今、まさに俺の目の前でアヌ族が育てた中で最も強いWAGYUとバーサーク族の育てたWAGYUが向かい合っていた。

 

 この戦いはどちらかが死ぬまで行われる。これまで様々な部族のWAGYUがアヌ族とバーサーク族のWAGYUに殺され俺たちに食われた。

 

 この闘いの勝者こそがグレートWAGYUチャンピオンシップの50代目王者となる。

 

 「エペさん、今年はどうなるんですかねぇ…」

 

 俺の隣に座り()()を抱くヴィーンが言った。

 

 あ、そうそう。遂に子供ができた。名前はまだない、もう少し成長したら名付けるつもりだ。

 

 「ん〜アヌ族が勝つと思いたいが、バーサーク族の仕上がりも中々のもんだ。これまで闘ってきたWAGYUを瞬殺してきたからなー」

 「エイペックスさーん!」

 「ん?」

 

 会場の入り口から声が聞こえた。あ、ショウとケイだ。

 

 「おーう!こっちだ!ここ空いてるぞ〜」

 

 ショウが俺の左隣に、ケイをヴィーンの隣に座らせた。

 

 「エイペックス…お子さん可愛いわね〜」

 「だろ?」

 

 ショウが言った。ショウは俺が出会った頃よりも身長が伸びてスラっとして肌もすごく白くなって若返った。あの時の貧弱だった姿とはかけ離れている。今は亡き旦那、ホロウェイの血を継ぐ生命の始祖ディーコンを産んだ母として、エンジニアに崇められる女神となった。本人は神だのなんだの言われるのを嫌がっているが…

 時折、自分の船でエンジニアの星に赴きエンジニア達に地球の料理を振る舞い、そして子であるディーコンと話している。俺も何度かついていった事があってディーコンに会った事がある。最初に見た時は小さくて弱そうだったが、今では山にように大きく育ち、星の守り神として過ごしている。それを撫でているショウは完全に女神と言っても過言ではなかった。

 

 「うー……」

 「どうしたの?ケイ?」

 

 ヴィーンが心配そうな声でケイに声をかけた。

 

 どうしたんだろう?ケイもショウと同じくブラックグーの影響で身体が変質し、身長が伸び肌が白くなって若返った。というかケイは元々若かったからそれ程変わってない気がする。

 

 ケイを見ると頭を押さえて項垂れていた。なんだか具合が悪そうだ。

 

 だが、具合が悪いのはちょっと変だ。ショウとケイは怪我をしてもすぐに治るし、病気もしない。

 

 「大丈夫?」

 

 隣にいたショウが立ち上がりケイの側に寄る。

 

 「1週間くらい前からこんな調子なのよね…」

 「そうだったのか」

 

 そして、ケイが言った。

 

 「最近よく分からないものが見えて頭が痛いの…まるで夢を見てるみたいなんだけど…でもすごいリアルで…」

 「んー?どういうことだ?他に何が見えた?」

 「私がいるのは何もない部屋、でもガラスの向こうに白衣を着た人間がいて私を見て観察してる」

 「よく分からんな」

 「白衣にオーリガとジョナサン・ゲディマンと書いてあった」

 「オーリガ?」

 

 聞いた事ないな。オーリガのジョナサン・ゲディマンという奴が夢でケイを見ていたのか…?

 

 「それと……」

 「それと?」

 「最近母乳が出る。あの子が死んでから出てなかった黒い母乳が…」

 

 なんか只事じゃない気がする。

 

 「エペさん…」

 「よし、俺は少し出る。みんなは此処にいてくれ」

 「え!でもどうするの?」

 

 ヴィーンが俺の方に向いて聞いてきた。

 

 「とりあえず、人間の今の情勢に詳しい人に聞いてみる」

 「銭湯?」

 「ま、まあな」

 

 ヴィーンの言った銭湯とはケリーらが興した銭湯の事だ。日本でケリーらが金を出し合い買い取った銭湯が、今では俺の母星のみならず、他部族のプレデターの星やエンジニアの星にまで勢力を広げ、銀河中に風呂を届けるギャラクシースーパー銭湯にまで成長し、オブライエン&ハワード産業と呼ばれる超巨大企業となった。

 

 彼らのやっている事はあのウェイランドユタニとは対極の事だ。技術を惜しみ無く分け与え、宇宙に存在する生命体を保護する事を目的としている。

 

 今はエンジニアにですらその目的を許され、宇宙の安寧を脅かす存在があれば俺達プレデターの技術をふんだんに取り入れたアンドロイドが秘密裏に派遣され…まあ簡単に言うと殲滅されちまうらしい。

 

 エンジニアはディーコンを迎え入れてからは、種の創造に夢中になっている。昔のように禁忌を犯した種族にブラックグーの雨を降らせるみたいなんて事は行っていない。

 

 俺は、WAGYUの観戦をしたい欲を我慢し、船を呼んだ。

 

 「肉…とっといてくれる?」

 「一応頑張ってみる」

 

 今度自分で狩るか…俺は呼び出した船に乗り込み、地球へと向かった。

 

 

 

 地球は俺が最初に訪れた時と大きく変わった。なんというかあらゆる文化の坩堝だ。もうめちゃくちゃである。それでも久々に訪れれば楽しいんだけど……

 

 地球の軌道上に到着し、そのまま突入した。そしてオブライエン&ハワード産業の本社のある日本へと飛んでいく。

 

 宇宙船が何隻も着陸できそうな巨大なビルの屋上に着陸する。

 

 此処は昔ケリー達の銭湯があった場所だ。いや、今でもあるんだけど、それを囲うように巨大なビルが建った。

 

 船を降りて、吹き抜けになっている下を見ると馴染み深い銭湯が遥か下に見えた。日当たりがちょっと悪そうだ。

 

 建物の中に入る為に扉の前に建つとセキュリティチェックが始まった。レーザーで身体全体をスキャンされる。

 

 「【エペ!おかえり!】」

 

 懐かしい声と共に扉が開き中に入る。

 

 中に入ると、通路の隙間からレーザーが照射され人の形になっていく。

 

 少し待つと、デジタルモリーが現れた。

 

 「《エペ!久しぶりー!どうしたの?》」

 「お、おう久しぶりだなモリー…今回はちょっと聞きたい事があってだな」

 「《そうなんだ!じゃあついてきなー!》」

 

 デジタルモリー。勿論本物のモリーではない。生前に記録されたデータやDNAなどから再現したAIだ。記憶もあるにはあるらしいが…本物は大昔に亡くなった。

 

 モリーについていくと、部屋に辿り着いた。

 

 「《入って!》」

 

 促され入ると其処にはピシッとしたスーツを着た1人の女性が座っていた。

 

 「あら、久しぶりね。エイペックス」

 「そうだな、レックス」

 

 俺が20歳の成人式の時に出会い、スカーをゼノモーフから救い、俺の事も救ってくれた名誉プレデター。レックスが《あの時の若さ》のままで俺を出迎えた。

 

 人間であればとうに死んでいるはずのレックス。彼女がなぜ今も生きているのか?それはダッチと同じだ。プレデターの体液が体内に入り、そして戦いによって傷ついた細胞がプレデターの遺伝子と結合し何かが起きた。

 スカーと長い年月を過ごし共に戦い、数多の生物を狩り食らった。その身体は鋼の如く引き締まり、無駄な贅肉がついていない。目が煌々と橙色に輝き、俺を見つめる。

 ダッチもレックスも人という種を超越し、俺たちプレデターと並ぶ強さを持つに至った。

 

 「更に強くなったか?レックス。気配が段違いだ」

 「スカーのトレーニングについていこうと必死になってたらコレよ。ダッチや、あなたには勝てないわ」

 「また戦おうぜ」

 「ふふ、いいわよ…でも今日は違う用件できたんじゃないのかしら?」

 

 あ〜そうだった。俺は此処にケイの見た夢について聞きにきたんだ。オーリガとジョナサン・ゲディマンという男についてだ。

 

 ここ、オブライエン&ハワード産業本社の役員でもあり、軍事部の統括でもあるレックスに聞けば銀河のあらゆる情報が手に入る。

 

 「オーリガという組織とジョナサン・ゲディマンという男について知りたい。ケイが頭痛と共に夢を見てな」

 「へぇ…あのケイが」

 

 レックスも度々俺達の星に訪れショウやケイに会っている。だから彼女らの特異性を知っていた。

 

 「それでそのオーリガだけど、冥王星付近を漂う巨大実験宇宙船オーリガの事でゲディマンは其処の科学者ね」

 

 やっぱり知ってたか!

 

 「有名なのか?」

 「今ではその名が消えたウェイランドユタニの理念を受け継ぐ政府直属の軍事研究部門よ」

 「はぁ…また奴らか」

 「ゴキブリのような奴らよ。オーリガではゼノモーフの事を研究しているとの報告を受け密偵を潜入させてる」

 「仕事が早いな!」

 「うちの理念を知ってるでしょう?」

 

 悪即斬だろ。

 

 「それについさっき密偵からの報告でゼノモーフが脱走して船内で暴れ回っているみたいよ。そして…」

 「そして…?」

 「これを見たほうが早いわ」

 

 レックスがそう言って机に映像を表示させた。

 

 その映像には見覚えのある少女が映っていた。

 

 「ケイじゃないか!!!」

 




なんとか無理やりいきました。

エイリアン4でお気に入りのキャラはやっぱりゲーリーです。

ダッチとレックスなんですが、簡単に言うとウィッチャーみたいになったと思ってもらえればオッケーです。
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