養殖が天然に勝てると思うなよ?【本編完結】   作:物体Zさん

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アバター2です。

どうぞーー!!!


Avatar: The Way of Water
まじエイワ!!!


 

 宇宙は危険で満ち溢れている。

 

 無限にも等しい数がある星の中で、生物が暮らせる星は少ない。酸の雨が降り続ける星、雷が落ち続ける星、あらゆるものを削り取る風が吹き続ける星、溶岩だけの星、星全体がゼノモーフに支配されてしまった星、美しくも危険に満ち溢れた星々……

 

 一歩間違えれば誰にも助けてもらえない暗黒の宇宙に放り出され永遠に彷徨い続ける恐怖……

 

 しかしそんな宇宙にも出会いがあった。

 

 時は2168年、俺に遂に恋人というか嫁というか交配相手ができたのだ!

 

 1年前に出会ったヴィーンというメスプレデターだ。まだ20歳になったばかりのぴちぴちの若いメスプレデターではあるが、俺と同じくらい大きくて強くて逞しい。ゼノモーフクイーンにタックルかまして寝技で締め殺すのは今でもヴィーンくらいしかいないだろう。

 

 ヴィーンは綺麗で可愛くて大きくて強い。

 

 それに喋っていて楽しい。俺がよく見てる地球の映画の話とかなんて知らないはずなのに平気でついてきて喋っている。なんで知ってるんだ?

 

 ま、まだ交配はできてないけどまぁその内するだろう!!!

 

 今は2人で旅行してるって感じだ。

 

 今まで俺はずっと1人で宇宙を放浪していた。母星や地球にいた時は誰かしら側にはいたけど、宇宙に出たらいつも1人ぼっちだった。

 

 でも今は隣にメスがいる。ヴィーンがいる。

 

 「ぐへ、ぐへへへへへへ」

 「なーに笑ってるんですか?エペさん?」

 「いやぁ?楽しいなぁって」

 

 なーんかめっちゃ幸せ!

 

 ガ!?!?

  

 「おご!?おごごごごごっごががっがお」

 「どどどどどうしたんですかぁ!?エペさん!!」

 

 身体がビクビク痙攣して走る衝撃の強さに思わず気絶しそうになる。身体が仰け反り白目を剥きマスクから涎が垂れた。

 

 ヴィーンが身体を押さえてくれる。優しい感触に思わず興奮しそうになるのを何とか耐えて身体を落ち着かせる。

 

 「ふぅぅ〜〜〜」

 「い、いきなりビクビクしだしたんでビックリしました〜」

 「へっへへ、すまんすまん…」

 

 今の感じ……あの時のアレに似ている。

 

 そしてこの妙な胸騒ぎ……俺の胸の内に広がるこの悲しみというか、怒りというか…それに懐かしい光景がフラッシュバックした。

 

 「パンドラ」

 「え?」

 「ヴィーン、ちょっと行きたい所がある」

 「え?え?どどどうぞ!」

 

 俺は船に座標をセットした。

 

 何かがパンドラで起きている。

 

 

 

 宇宙をビューンと飛んでアルファケンタウリ宙域の巨大ガス惑星の近くに飛んできた。

 

 今から14年程前に訪れた星が目の前に見えた。青くて綺麗な星だ。

 

 パンドラ。エイワという人智を超えた超常の意志によって庇護された神秘の星。

 

 しかしその星の周りには人間のものと思われる宇宙船が沢山集まっていた。

 

 「またか…」

 「エペさんこれって…」

 「行こうか」

 「う、うん」

 

 クローク施したまま船を操縦して星に突入した。ひとまずジェイクやネイティリ、モアトに会いに行くとしよう。

 

 大気圏から熱園を抜け目の前に景色が広がる。

 

 だがそれは俺の知っていた景色とは違った。

 

 「おいおい…どうなってんだよ…」

 

 俺が過ごしたジャングルが、森が、木が、草木が、綺麗さっぱり消え工業都市に変貌していた。

 

 広大だったジャングルが消失し、汚い煙を排出する街になってしまった。小さいロボットがせっせと動き建物を次々に建造し、AMPや外骨格をつけた人間が外を闊歩している。

 

 空からは絶え間なく船が行き来し人や物資を降ろし、何かを積んでまた空へと戻っている。

 

 「何があったんだよ…」

 

 14年前に人間は追い出したはずだろ…?RDA社も不祥事起こしたとかで地球で100時間くらい会見してたのをチラッと見たことがある。

 

 とりあえず此処は離れてオマティカヤ族の下へ向かおう。

 

 都市から船を移動し、彼らが移住した場所へ向かった。が…そこは焼け野原になっていて何もなかった。

 

 「嘘だろ…」

 

 ハレルヤマウンテンの奥地にある魂の木はどうだ?あそこは流石に無事だろう…!

 

 急いで船を飛ばしそこへ向かった。

 

 「ここは無事か」

 

 船を魂の木の広場に降ろし、船から出て魂の木に近づいた。

 

 「綺麗な木ですねぇ〜」

 「あぁ…魂の木と言ってな。エイワと繋がれる木なんだ」

 「エイワ?」

 「この星の地母神みたいな存在だ。神様だ」

 「す、すご!」

 

 2人で近づき、俺は魂の木から伸びる光り輝く枝を数本纏めて握った。

 

 (エイワ、何があったんだ?)

 

 そして、枝の間から白ふわエイワが現れる。

 

 ふわふわと俺に近づき、枝を持つ手に止まった。

 

 「おごごごごごおごごごっごおお」

 「エペさん!?また!?」

 

 白ふわエイワが触れた瞬間、俺の身体が痙攣を起こし白目を剥いた。

 

 様々な光景がフラッシュバックしていく。

 

 空から宇宙船がやってきて森を焼き払い、武装した人間達が侵略を始めた。瞬く間に森は制圧され、人間によって街が造られた。

 

 死んだ命の嘆きが聞こえる。ナヴィ、植物、動物、そしてエイワの嘆きが…

 

 「エイペックス殿…」

 「誰!?!?」

 「ツーテイか、ヴィーン大丈夫だ」

 

 痙攣が治まり、俺は枝を離して振り向いた。ヴィーンが警戒し、筋肉を隆起させて今にも襲い掛かろうとしているところを俺は肩に触れそれを止めた。

 

 「お久しぶりです」

 「そうだな」

 「エイワの声をお聞きになりましたか」

 「あぁ、聞いた」

 

 正直怒りしかない。人間はまた過ちを繰り返した。

 

 未だ状況があまり理解できていないヴィーンにツーテイは優しく説明してくれた。

 

 まず俺とダッチがパンドラを去ってからは平和だった。ツーテイはオマティカヤ族の族長から退き、トルーク・マクトとなったジェイクが族長になった。それから13年もの間静かにゆっくりとした時間が流れ、これからもそうだろうと皆が思っていた矢先、空に新たな光が灯った。

 

 その光はだんだんとパンドラに、森に近づいてきた。全てを焼き尽くす炎を携えながら。

 

 その炎は森を全て焼き尽くし灰燼にした。そしてスカイピープルが降りてきて蹂躙が始まった。ジェイクはオマティカヤ族の戦士を率いて果敢に戦ったが、スカイピープルの無限にも等しく投入されてくる武力には為す術もなく抵抗できず森を失いハレルヤマウンテンの奥地へと逃げ込んだ。

 

 かつてのようにエイワの庇護は得られない。魂の木は依然色濃くエイワの力が充満していてハレルヤマウンテンより先は守られているが、それ以外は()()()()()()()()ただ蹂躙されるだけだった。

 

 「俺がジェイクに渡した通信機はどうした?アレで助けを呼べただろ」

 「何度も呼んだと言っていました。ですが…」

 「呼んだ?んー?……」

 

 俺は不思議に思ってガントレットを見た。通信の履歴には一切ジェイクからの連絡はない。

 

 だが気づいた事がある。

 

 「通信できない…!?」

 「え?」

 

 俺の言葉にヴィーンがガントレットを見て確認する。

 

 「え!え!私もできない!」

 「なんか変な電波出てる!?」

 

 や、やべーじゃん……これって昔俺のこと攫ったバーサーカー族のアホがやってたジャミング的なやつか?

 

 ウゥ…思い出したら寒気がしてきた。あの時俺の大事な船が大爆発してよぉ…悲しい事件だったぜ…こ、今回は大丈夫だよな?

 

 俺はそっと自分の船を見た。

 

 広場に悠然と立つ俺の船。

 

 「だ、大丈夫だよな?」

 

 俺はガントレットで船を操作した。指でガントレットをなぞり船の搭乗口を昇降させる操作をした。

 

 「あれ」

 

 う、動かない…!動かないぞぉ!?!?

 

 「な、なんだこれぇ!?!?」

 「エペさぁん!?」

 

 俺はダッシュで宇宙船に近づいた。そして搭乗口横にある手動開閉レバーのカバーを剥ぎ取ってレバーを引いた。

 

 プシューッと空気が漏れ搭乗口が開いていく。

 

 「手動はいけるのか…」

 

 操縦席まで行き粗方確認すると俺は広場に戻った。

 

 「なんか変な電波が星全体を覆ってて、電子機器が上手く扱えないみたいだ。通信も遠隔操作もダメだ」

 「……やはりそうですか」

 

 おっかしいなぁ…俺の船にはEMPシールドが搭載してて、核爆発で起こるEMPにも耐えられる設計なのに妨害されて遠隔操作もできない。人間は何したんだ?

 

 さっきまで気づかなかったけど船のレーダーもまるでジャミングされてるみたいでザラザラして見にくかった。

 

 「エイペックス殿はどうして此処へ?」

 「え?ヴィーンと旅行してたら急にエイワのお告げがあってよ…こう…さっきみたいに身体がビクビクッってなって頭ん中にパンドラの光景がバババッて出てきて、なんかヤバそうだなと思ってやってきたんだ。実際ヤバかったけど」

 「エペさんの言っている事は大体合ってます」

 「エイワの御力はまだ残っている…」

 

 ツーテイが顎に手を当て考え始める。なんか腹減ってきたな…

 

 「一旦、私達の拠点に来てください。ツァヒクのモアトが待っています」

 「分かった。……ヴィーン!俺についてこい!!」

 「おーう!」

 

 

 そうして俺とヴィーンに船に乗ってイクランに騎乗するツーテイの先導の下、オマティカヤ族が拠点とするハレルヤマウンテンの洞窟に向かった。

 

 沢山の巨大な岩石が浮遊するこの場所はアンオブタニウムの影響が色濃くある。アンオブタニウムの放つ磁力によって巨大な岩石が浮遊し、神秘的な光景を生み出している。発生した磁場によって電子機器等はその機能を制限されレーダーや、ミサイルのロックなどは意味をなさなくなる。俺の船はEMPシールドを積んでいるお陰で大丈夫だったが、今はだだのガラクタと化している。マジでどうなってんだコレ。

 

 ハレルヤマウンテンを潜り抜け、一際大きい浮遊する岩石に辿り着いた。

 

 マスクをサーマルビジョンに切り替えて見ると岩石の中に生体反応が複数見えた。

 

 俺の船じゃ大きすぎて中に入れないので岩石の上部に停めた。

 

 船から出て岩場にへばりつきながら中へ入ると、RDA社が使用していた簡易施設とヘリが数機、そしてナヴィの住居が複数あった。

 

 「こちらです」

 

 先に中に入っていたツーテイが俺とヴィーンに声をかける。ツーテイについて行き、テントの中に入った。

 

 「あなたが見える。久しぶりね、エイペックス」

 「あなたが見える。そうだなモアト」

 

 よっこいせと、絨毯の上に座った。

 

 「えぇ〜あなたが見えます〜」

 「あら…そちらの別嬪さんは?」

 「ヴィーンだ、まぁなんというか俺のパートナーだ。ヴィーン、彼女はオマティカヤ族のツァヒクのモアトだ」

 

 うん?そういえばジェイクとネイティリがいないな。

 

 「エイペックス」

 「お?おー!グレースじゃないか!久しぶりだなぁ!元気か?」

 

 テントを開け中に入ってきたのは人間状態のグレースだった。マスクをしている。グレースの背後にはガタイのいいナヴィが隠れるように立っている。ん?なんだ?俺が怖いのか?

 

 アバターの方のグレースを見慣れてるから人間の方はなんかちょっと違和感がある。エレンに激似なのもそうだけど…エレンかぁ…そういえば…

 

 「エイペックス、此処に来たということは大体のことは分かっているわね?」

 「んっ…ああぁエイワから聞いた。大変だったみたいだな…人間のせいで…なぁ、ジェイクとネイティリはどこへ行った?」

 「……オマティカヤ族から離れたわ」

 「はぁ?離れた?なんでだ」

 

 ジェイクはオマティカヤ族の族長で、ネイティリはその妻だ。部族を捨てる事なんて易々とできる筈がない。

 

 「実は……」

 

 

 

 




エイワ【恒星間感応波ッーーー!!!!】


意識と記憶を保存してアバターに移植するって…実質不老不死みたいなみたいなもんですよねぇ…毎月保存しといて死んだらサクッと移してまた生きる。月額1億ドルとかしそうですよね。ヤバいよなぁ…そんなことバレたら…
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