翔真がクーガーと話している頃……織姫は存在と無の地平線にいた。数日前から織姫は翔真の中で何かがいるのを察知した。そして織姫は翔真に気付かれないように精神世界へ潜ると存在と無の地平線へ辿り着く。そこには黒い鎧を纏い金色の瞳が輝き、翔真に瓜二つの青年がいた。
「貴方は誰……翔真の姿をしていても所詮は偽者」
「偽者か。コア如きに俺が消せるか?」
「貴方は翔真であって翔真じゃない……誰」
「我が名は覇王……覇王翔真と言うべきかな?」
覇王と名乗る翔真に似た人物。織姫は色々と考えた末にこの覇王とやらもまた黒雪明日菜と同じ闇の人格だと確信した。黒雪とは違い禍々しい雰囲気を放つ覇王翔真は織姫に恐怖を与える。
「翔真の闇の部分……」
「違うな。俺は奴の中に眠っていた闇そのもの。奴がマークアレスで怒りや憎しみ、悲しみを同化して俺は俺という存在を得たのさ」
「何が目的?…力?それとも翔真自身?」
「全てだ。今は必死に俺を抑え込んでいるようだが時間の問題だ。俺が表に出るのもそう遠くないさ」
「覇王…貴方に翔真もマークアレスも渡さない!コアである私が消し去るわ!」
「出来るかな?やがて赤い満月が夜空に見える時、俺は現れる…果たして俺を止められるかな」
覇王翔真……闇の人格という存在に過ぎないがこの覇王は異端だと織姫は感じる。闇と怒りが混じり合った覇王という人格はいづれ自分や束達に牙を向くと織姫は考える。
「皆城織姫。もし俺を封じたいなら足掻いてみせろ」
「言われなくてもやるわ。貴方は……災いをもたらす存在だから」
「ふっ。またな」
覇王はそう告げると黒い空間へ消える。一人取り残された織姫は覇王をどう止めるか考える。日付は変わり翌日…翔真はリアスや一誠達を連れて山奥へと来ていた。
「(翔真君、シャルちゃん達には言わなくて良かったの?)」
「(今回ばかりは巻き込めないから。それにシャル達を、あんな奴と戦わせたくない)」
「(あらあら、うふふ)」
翔真が朱乃と話す中でリアスが声を掛ける。
「翔真、私達を鍛えてくれる人ってどんな人なの?」
「うーん。最速を極める人かな。ちなみにリーちゃん達女の子には別の人がコーチするらしいよ」
ライザー眷属とのレーディングゲームに備えて強化合宿を開こうとなり、翔真はクーガーにコーチをお願いした。翔真、一誠、祐斗にはクーガーがコーチに就いて、女子達には別の人物が就く予定だ。
「来たかショウキ!」
「翔真だ!……隣の人は…」
「貴女達が今日来るって噂の娘達ね。初めまして、マリア・カデンツァヴナ・イヴよ。よろしく」
「私と声が似てるわね……」
翔真達を待っていたのはストレイト・クーガーとマリア・カデンツァヴナ・イヴだった。
「ショウキ以外は初めましてだな!話は聞いてる……だが俺とマリアの修行は過酷だぜ?付いてこれるか?」
「私は手加減しないわよ。勝利を掴むなら自らを鍛え上げるしかない」
最速の男と歌姫の修行が幕を開ける。