幼きリアスは翔真と短い間ではあるが一緒に過ごしていた。しかし別れが近付き翔真に抱き付く彼女は涙を見せる。マークアレスに姿を変えている翔真は彼女の頭を撫でる。
『泣かないでリーちゃん…必ずまた会えるから』
『嫌だ!翔真が一緒にいてくれて楽しかった…だけど!』
『心配しないで。僕は君の側にいる……それに今の僕だと君を守れない』
『翔真……』
『だけど…君に何かあった時、僕は君を助けるよ。必ずね』
『うん……翔真』
幼き日に交わした約束――――翔真はそれを思い出していた。ライザーに殴られながらも交わした約束を守る為に闘志を滾らせる。翔真は近接用ブレードでライザーを吹き飛ばす。
「何故貴様なのだァ!」
「くっ!」
「所詮下級悪魔の出来損ないがァァァァァァ!!」
「俺は負けない!リーちゃんと交わした約束がある!グレイフィアさんも大切な人だ……お前なんかに渡すもんかァァァ!!」
ライザーの砲撃が襲い掛かる。翔真はそれを近接用ブレードで打ち消すとアンカーケーブルでライザーの身体を突き刺す。そして不死鳥の力を同化すると、そのままライザーを地面へ叩き落とす。しかしライザーは炎の翼を出現させて、そのまま次々に砲撃を繰り出す。
「分かっているのか?俺様には不死鳥の力がある…勝てる訳ねぇ」
「だけど俺にも武器はあるっ!」
「何だそれは?」
「彼女達の愛だっ!」
ライザーの放った炎の玉を真っ二つに切り裂く。
「ふざけるなァァァァァァ!!」
「くっ!」
ライザーと翔真はぶつかり合いながら建物にぶつかる。しかしライザーは怪我をしても不死鳥の力で傷を消せる。しかし……
「な、何故だ……何故貴様が不死鳥の力を!」
「マークアレスには能力を同化して自分の物に出来る仕様があるのさ」
炎を纏い装甲や武装を復元するマークアレスの姿にライザーは流れる汗を拭う暇もなく翔真に砲撃する。リアスが心配して地上から見ていた……彼女の表情は不安だった…ライザーの力を知るからこその不安なのだろう。しかし――――
「俺には待っている人達がいるんだっ!シャル、アカメ、ユリシア、夜架や皆……そして明日菜がなァァァ!!」
「か、か、下級悪魔の分際でェェェェェ!!リアスは俺の物になるんだっ!悪魔の未来の為に!」
「リーちゃんは物じゃない!一人の女の子だっ!」
「愛する資格もないクセにっ!」
「愛する事に資格なんて必要ない!」
翔真はワームスフィアを形成しライザーの放つ砲撃を吸収してゆく。やがて強大なワームスフィアの玉が出来上がる。ライザーは後退りながらも砲撃を続ける。
「翔真っ!」
「リーちゃん……約束したろ?……君に何かあったら助けるって……」
「まさか……覚えて……」
「ああ。終わりにしようか……これで!」
―――翔真君、待ってるからね―――
「(明日菜……ああ)」
明日菜によるクロッシング……翔真は魔力を込めてワームスフィアを放つ。ライザーは受け止めようとするが身体は次第に消えてゆく。泣いているリアスを抱えて翔真は浮上する。
「悪魔の……未来が…!」
「未来は自分で選ぶものだ!」
「後悔するぞ貴様っ!この婚約はっ!」
「後悔なんてしない!俺は自分の手で未来を選ぶっ!リーちゃん!」
「うん!」
リアスの魔力を込めてワームスフィアをライザーに打ち付ける。ライザーは光の粒子に包まれて消えた。
「強いのね、彼は」
「ええ。ですが、無茶ばかりして私を困らせるのは相変わらずですわ」
「綾崎翔真か……」
ユーベルーナと朱乃も戦う意思はなく、二人は地上へ降りる。翔真と一誠の活躍によりレーディングゲームはグレモリー眷属の勝利に終わった。勝利に浸りリアスや仲間達と戯れた後、翔真は家へ帰る。
「……束さん達、寝てるか……」
「翔真君」
疲れが来て膝から崩れ落ちる翔真を抱き締めたのは明日菜だった。
「大切な人は守れた?」
「ああ。だけど、すごく……疲れたよ……明日菜」
「うん……お疲れ様」
明日菜は眠る翔真の頭を撫でて微笑みを見せる。