かつて大昔三代陣営による戦争があった。赤き龍と白き龍の介入もあり戦争は壮絶なものだった……二匹の龍の戦いにより三代陣営は消耗し誰もが死を覚悟した。だがそんな絶望の中、黒き機竜を纏いし者と存在の器を持つ者が命を賭けて二匹の龍を倒した。
黒い機竜バハムートと存在の器〘マークザイン〙……二人の者は二度と争いが起こらぬよう力と祝福を与えた。黒い者は装甲機竜と、白い者は祝福として〘器〙を分け与えた。
「翔真♪」
「主様お待たせしました」
「シャルに夜架。早かったな」
放課後―――翔真はシャルロットと夜架を待っていた。いつもなら一人で帰る翔真だが今日は二人と帰る予定だった。シャルロットと夜架と歩き出す翔真。
「さっき束さんから連絡あって、今日はカレーだって」
「束さんのカレーか。久々だな」
「そうですわね。そう言えば主様?あの紅い髪の人とは会ったのですか?」
「ん?…ああ、リーちゃん……じゃない、先輩とは明日会うよ」
「翔真〜?リーちゃんって誰かな?」
「(あ、やっべ)」
ついつい口を滑らせてしまい、隣にいるシャルロットがジト目でこちらを見ていた。
「もう、また女の子?」
「そうなんですシャルロットさん。主様ってばわたくし達がいるのにまた綺麗な方が……主様、ハーレム主義は認めませんわ」
「ボクも反対だからね」
「いや、誰が何時ハーレムを築いたんだ?」
「確かに翔真のおかげでボクは皆や束さんと出会えた。でも、全員女の子なのは偶然すぎるよ」
シャルロットの言葉に翔真は反論出来ない。確かに今翔真の周りには女の子ばかりだ。シャルロット、夜架、ユリシア、アカメ、澪、万里亜、織姫、トール、束、朱乃の10人で全員が女の子だ。傍から見ればハーレム野郎なのは確かだ。
「これ以上は駄目だからね」
「シャルロットさんに同じくですわ」
「あのなァ…『みーつけた』っ!?」
「「……っ!」」
「マークニヒト……だと!?」
上を見上げる――――そこには両翼が目立つ紫の竜人がいた。あの時とはかけ離れた姿だが翔真には分かった。上にいるそれが”マークニヒト”だと。シャルロットと夜架は禍々しい気配を感じて手元にソードデバイスを召喚する。
『会いたかったよ?翔真!』
「違う……お前は明日菜じゃないなっ!!」
咄嗟に気配を感じた翔真はすぐに姿をマークアレスへ変える。シャルロットと夜架もそれに続く。
「君臨せよ、偽政者の血を継ぎし王族の竜。百雷を纏いて天を舞え!リンドヴルム!」
「侵食せよ、凶兆の化身たる鏖殺の蛇竜。まつろわぬ神の威を振るえ夜刀ノ神」
詠唱符〘パスコード〙を唱えてシャルロットと夜架は神装機竜をそれぞれ纏う。翔真、シャルロット、夜架は宙に舞いマークニヒトに警戒心を見せる。
「明日菜なのは確かだ。だが明日菜じゃない何か…お前は何者だ!」
『へぇ、案外お見通しなんだ……だったら同化するまでっ!!』
「翔真来るよ!」
マークニヒトはルガーランスを構えて砲撃――――そしてワームスフィアを幾つも形成して投げ放つ。だがシャルロットはリンドブルムの特殊武装である星光爆破〘スターライト•ゼロ〙で対抗する。エネルギー弾を放ちワームスフィアを消滅――――次に夜架が仕掛ける。
「っ!」
『ふん!たかが神装機竜がァァァ!!』
夜架は夜刀ノ神の特殊武装〘蜘蛛ノ糸〙でマークニヒトを拘束…しかしマークニヒトはそれを引き千切るとルガーランスを構えた。だが翔真がとっさにアンカーケーブルで再びニヒトを拘束する。
「お前は誰だっ……明日菜は何処にいるっ!」
『………まあ今日は挨拶に来ただけだし私の事教えてあげるよ。私は黒雪明日菜。ニヒトが作り出した闇人格』
「なんだと……なら明日菜はっ……白雪明日菜は何処にいるっ!答えろ!」
『いるよ…私の中に。だけどねいづれ消える!そして私は偽りじゃなく本物の人間になるのっ!!』
「な、なに!?」
「「主様!/翔真っ!!」」
マークニヒト改め、黒雪明日菜はワームスフィアを作り出しワープしようとしていた。拘束を解き、黒雪はワームスフィアの中へ消える。
『いづれ翔真は私の物になるから……楽しみにしてて?』
翔真、シャルロット、夜架は吹き飛ばされる―――――そしてマークニヒトは姿を消していた。
「主様……」
「翔真……もしかして、あのマークニヒトって……」
「ああ、間違いない……だけど……」
黒雪によって取り込まれた白雪明日菜。翔真は心配してこちらを見るシャルロットと夜架を気にしつつ拳を握りしめる。
「(だがマークニヒトは現れた……厄介な奴はいるが、明日菜はいる……なら次に会う時は)」
何かを決意した翔真。翔真は二人を安心させてこれからについて考えながら自宅があるマンションへ二人と共に帰る。