なのたばねちふゆ   作:凍結する人

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舞い散る雪と桜を束ね(Ⅰ)

 時の庭園、最深部。度重なる戦闘により明かりが消えた暗闇を、狂ったように光り輝くジュエルシードがより眩く照らす。

 乱反射する青い煌きの中、すっくと立つのは白き鎧を着込んだ織斑千冬。同じく白い服を傷と汚れでくすませた少女を背後にかばい、雪の欠片のように白い二刀を構える姿は、正しく騎士、もしくはもののふの勇姿を想起させる。

 対するは、黒紫色の導士服に身を包んだプレシア・テスタロッサ。こちらは顔の血の気が完全に失われ、元々病床の身であることも含め、生気というものが薄れきっている。肌に触ったら、零度の冷たささえ感じられるかもしれない。

 更に、その顔は喜悦に満ちていた先程までとは打って変わって、目の前の敵への狼狽と恐怖に覆われていた。だからだろうか、年に似合わぬ程の妖艶な美貌は鳴りを潜め、多少極めて言ってしまえば追い詰められた哀れな老女、とも形容できてしまう。

 

「さて」

 

 千冬が一歩踏み出せば、プラズマの刃が空気に触れてちらつく。

 

「貴様のような奴が、全ての黒幕だったのか……」

 

 この時千冬の怒りは、心の中で吹き溜まりのマグマの如く煮えたぎっている。そうなったのは、なのはを傷つけたから、というだけではない。、フェイトという一人の少女を捨てたということに対しても、千冬は激怒していた。

 親が子を虐待し、親としてある義務を放棄する。それは織斑千冬という人間に刻み込まれた原体験である。だから千冬は、今海岸の縁で倒れ伏せている少女を、もしかするとなのはよりも深く哀れみ、その絶望に共感していた。

 だから、プレシアだけはこの手で倒す。逃しはしないし、それでいて殺しもしない。自分の父母はとっくのとうに消え失せたが、プレシアはまだ、ここにいて、生きているのだから。

 

「だがもう終わりだ。観念して、法の裁きを受けるのだな」

 

 フェイトの前に連れ出し、ごめんなさいと言わせてやる。クローンだか本当の娘だか知らないが、それが例え暖かな胎内であろうと、冷たい試験管の中であろうと、フェイトという少女を生み出したのはプレシア以外の誰でもないのだから。自分の作ったものには、自分で責任を取らねばならないのは当たり前だ。あの束だって、それくらいはやっているじゃないか。

 そんな思いを胸に秘め、千冬は更に一歩進み出る。持った刀はいつの間にか逆刃、峰打ちの形になっていた。

 

「逃げ場はないぞ、プレシア・テスタロッサ!!」

 

 言うべきことはただそれのみ。後はそのひ弱な身体を取り押さえて、罪を裁く場所へと引っ立てる。千冬の思考回路にあるのは、その一直線だけだ。

 剣の強さは心の強さ。友の作った鎧を纏い、その心すら迷いない千冬に、プレシアの勝ち目は万に一つも存在しなかった。

 

「…………」

 

 対するプレシア。血走った目で千冬と、彼女が纏う鎧を睨む。エネルギーの放出による放電現象で蒼く光るその姿には、ある種の神々しさすら感じられるが、プレシアが睨む理由は他にあった。

 目の前のパワードスーツを形成しているのは、プレシアの全く知らない技術や論理である。生命工学によるプロジェクトFに参画していた彼女ではあるが、本来の専門は機械工学である。そんな彼女にとって未知の技術といえば、それこそロストロギアか――

 

――『篠ノ之束』でなければありえない。

 

「…………あり得ない」

 

 プレシアが呟く言葉は事実でなく、願望。しかし、目の前にある大敵が、構える刀と無形の事実によってそれを無残に叩き潰す。

 裏切った? この残酷な世界でたった一人、自分と同じくつまらない世界を呪ってくれる『天才』が?

 

「あり得ない、あり得ない、あり得ない……」

 

 そんなことがあるはずがない。確かに束は天才で、世界に飽き飽きしていた。それは間違いなく、掛け値なしの本音であるはずだ。だって、同じ天才であるプレシア自身が、そう思っているのだから。

 そもそも、何故束はプレシアを裏切るのか。敵も味方も二重に裏切るという綱渡りかつ労苦甚だしい真似までして、一体何をしたかったのか。

 衰弱し半ば錯乱しているプレシアには、考えもつかないことだった。

 

「う……ぁ、あ゛あぁぁぁ……こんな、こんな、はずじゃない……」

 

 目の前に広がる容赦の無い現実の残酷さと、自分と同じとまで思っていた存在の裏切り。そして、それら2つによって活性化した病魔が、プレシアの精神を削り取り、その残りカスが赤い血となって口から吐き出ていく。その形相は、まるで世界全てを呪い殺せてしまうような凄まじさだ。

 この壮絶な光景に、流石の千冬も三の足は踏み出せず、数十秒間の空白が玉座の間を覆った、その直後。

 

「ふ、ははは、あはははははははは」

 

 プレシアは哄笑した。立つ力を失い膝をついていながら、天井を見上げて只笑い続ける。

 計画に対する絶対の自信は空虚と消え。身体は限界まで蝕まれ、もはや再起のチャンスは無い。

 目の前の敵から逃れる術も無い。さっき放った魔法の全てが、絶対の防御に阻まれたのだから。

 そう、どうあがこうと、プレシアに逆転の目は存在しない。

 ならば。

 

「はははははははははははははは!!」

 

 ならば、皆終わってしまえばいい。

 私がここで終わるのならば。愛する娘を蘇らせることも出来ず、その人生の最後まで裏切られ、利用され続けて終わるのならば。

 お前たちがそうならない道理は、何処にもないのだから。

 

「っ、なのは!!」

 

 プレシアの直ぐ側まで歩みを進めていた千冬だが、プレシアの尋常でない様子から何かを感じ取り、地面を蹴ってその場から下がり、座り込んだままのなのはを手に抱える。『白式』に搭載されているハイパーセンサーが、周辺の重力異常を感知して頭部ディスプレイに写したのは、その数秒後だった。

 

 床に張り付いていたプレシアの手から、紫色の魔力が僅かに拡散し。12個のジュエルシード全てに伝わり。

 玉座の間は、一瞬にしてエネルギーの暴風に包まれ、破裂した。

 

「く、ぅっ……!!」

 

 なのはを抱えたままの千冬が、爆発の余波へ真っ先に巻き込まれる。小さい少女の身体二人、吹き飛ばされるどころか消し飛ばされてもおかしくない威力のそれを、無形のバリア・フィールドがいとも容易く防いだ。

 絶対防御。『白式』の根幹の一つとも言えるこのシールドは、莫大なエネルギー消費と引き換えに、なのはと千冬を守る最強の盾だ。

 しかし、流石に部屋一つ吹き飛ばす程のエネルギーの直撃である。傷ひとつ負わなかったものの、多少煽られ、真下に広がる空間に向かって飛ばされてしまった。

 

「なのは、大丈夫か!?」

「うん、大丈夫……でも、ここって一体」

 

 そう戸惑いながらも。卓越した空間把握能力を持つなのははこの空間がどのような場所かを感覚で把握していく。

 上も下も、二人の飛いている場所から遥かに高く遠く広がっている。円柱状に広がる大空洞、と言っても遜色ない。おそらくは、庭園の中枢を脊髄のように貫く空間なのだろう。その最上部にあった玉座の間が消滅し、二人はその反動で投げ出されたのだ。

 

「こんな風になっていたとはな……っ、それより、プレシアは!?」

 

 巨大な要塞じみた庭園の中枢は、装飾こそ質素だがひたすら広く大きい構造が織りなす荘厳さを千冬に感じさせる。だが、それにかまける暇などほんの僅かも存在しない。

 千冬はハイパーセンサーを最大現に活用し、周囲の熱源、音波、エネルギー波からプレシアの居場所を探知する。あの爆発は苦し紛れで、それに巻き込まれ消滅してしまったかもしれないが、このままでは終わらない、ということは、センサーなど使わなくても分かることだ。

 

 案の定、フローターに乗って浮いている、弱い生命反応はすぐに見つかった。

 

「く、ふふふふふ……」

 

 その手の中にある、12個のジュエルシードの反応とともに。

 

「プレシア・テスタロッサ! 今更何をするつもりだ!」

「簡単なことよ」

 

 プレシアの口調は、気味が悪いほどに平坦だった。嘲り、怒り、そして底無しの絶望。短い時間でその極端から極端に揺れ動いた彼女の心は今、一体何処に振り切れているのだろうか。

 青い宝石を抱える両手に、魔力が迸る。しかしその紫はそれ以前より色濃く、濁ったような黒さも混じっていた。

 

「そんなっ!」

「くっ、いかん! 止めろプレシア!」

 

 不安定なエネルギーの塊のような宝石へ、強引に魔力を流し込めばどうなるか。誰にだって答えは明白だ。プレシアの手の中の光が増すに連れ、元から巨大なエネルギーはますます膨張を続け、『白式』から千冬の耳へ直接響く警報は鳴り止まない。

 

「私はもう、アルハザードへは辿り着けない。アリシアに、また会うことも出来ないわ……なら、せめてこの怒りと苦しみを、貴方達にぶつけてあげる」

 

 プレシアの血走った目が、再び『白式』を睨む。その口は小声で何やら呪詛のような言葉を繰り返していて、その度にジュエルシードは揃って明滅を繰り返し、その頻度と明度は天井知らずに膨らみ続けていた。

 なのはも千冬も、この心臓の鼓動のような点滅には見覚えがあった。生命の願いを叶える宝石であるジュエルシードが、願いに応じて発動する時の光だ。だが、何度も暴走体と戦ってきた二人でさえ、これ程大きく眩しい光を、見たことはなかった。

 それだけ強いのだ。プレシア・テスタロッサの願望が。彼女の怒りや怨念、その全てがジュエルシードへ魔力とともに注がれているのだから。人一人が持ちうる些細な願い事よりもパワーを持っているのは当たり前である。

 

「プレシアさんっ! そんなことをしてもなんにもなりません! それより、生きてここから……」

「もう、遅いわ。どの道私は死ぬ。牢獄の中で何も出来ずに死に、アリシアは永遠に蘇らない。なら、ここで何としても、貴方達を消し去る……!」

「どうして!」

 

 なのはが続けようとしたのは、どうしてそんな無駄なことを、ではない。

 どうして、アリシアのために願わないの、であった。

 しかし、目の前の強い恨みと怒りと哀しみを投げ出してまでそれを願うには、プレシアの人格は少しばかりありふれているものだったのかもしれない。

 

「死になさい……!」

 

 その言葉を最後に残して、プレシアのフローターフィールドは消え、足場を失った痩せ細った身体は、回廊の奥深くへと落ちて、やがて見えなくなった。

 

「プレシアさんっ!」

「駄目だ、巻き込まれる!」

 

 その体へ、なのはは手を差し伸べようとするも。千冬の腕の中では当然届かず、逆に上昇する千冬の腕で強く抱えられ、豆粒のように小さくなっている彼女を、見送るだけしか出来なかった。

 千冬はそのまま高く舞い上がり続け、センサーの警告が鳴り止むくらい離れた場所で止まり、丸い壁に添えつけられた通路へ着陸した。これで一先ずは安全だが、じきにそうでなくなるだろう。

 目の前に広がる、巨大な光を何とかしない限りは。

 

「なに、あれ……凄い大きくて、怖い……」

「あのジュエルシードが揃いも揃って12個だ。あれくらいにはなるさ……」

 

 なのはも千冬も、今まで見たことのない光景を目の当たりにし、肌がぴりぴりと痺れるようなプレッシャーすら感じていた。

 二人が離れる以前の場所で、今も広がり続ける光の塊。それは12個のジュエルシード全てが魔力を流され、更には単一の願いに反応し、遂には互いに共鳴し合ったことで生まれた極大の時限爆弾だった。これが一気溢れ出したのなら、庭園とそれを包む結界どころか、その先に広がるこの世界全てが消し飛ぶ、と『白式』のシステムが分析している。

 

「まずは、アレをどうにかしないとな」

「どうにか……出来るの、千冬ちゃん?」

 

 なのはに問われ、千冬は纏っている『白式』の機能に思考を巡らす――その前に、『白式』の方から答えを提出してきた。

 成る程便利なものだ、これは人を駄目にするだろうな、などと皮肉るように毒づきながらも、このやりとりを遠隔で行ってくれているだろう相手に、心の中では感謝して。目の前で起こっている破壊力の飽和と、これから起こりうる開放への対処方法を手に入れ、拳を強く握りしめた。

 

「こういうのがあるらしい――ブレードで触れた対象のエネルギー全てを消滅させる能力。名前は零落白夜、だそうだ。あいつにしては良いネーミングだな」

「そう、なんだ……」

「あそこに溜まっているエネルギーさえ消し去れば、流石のジュエルシードも長いこと暴走状態を続けられない。後は纏めて回収して終わり、だそうだ」

 

 ふふ、と軽く笑いながら、なのはから振り返り、正面の光を真っ直ぐ見つめて。千冬はいつも暴走体を相手取る時のように瞳をギラつかせ、心を戦闘体勢に移した。

 何の事はない。対象が大きいとはいえ、いつもの荒事、暴走体の封印とほぼ同じだ。

 例え、ジュエルシードのエネルギーと同時に、『白式』のシールドエネルギーが対消滅するとしても。もし『白式』の駆動炉が限界を迎えれば、その時は諸共に消え去るのだとしても――

 

 だがその背中に、食い下がる声が聞こえた。

 

「千冬ちゃん、私も行くよ」

 

 千冬の内心での決意を感じ取ったのか、この正念場に千冬だけを行かせることが許せなかったのか。それとも、ただ単に何も考えず、力を貸そうとしているだけなのか。

 ボロボロのはずのなのはが、同じくボロボロな杖を掲げて千冬の隣に並び立った。

 

「よせ、今のお前には魔力が」

「それなんだけどね。 なんだろう、私の中に魔力がなくても、この周りにはジュエルシードの拡散した魔力とか、戦闘で使いきれなかった魔力が残ってるでしょ? そう考えると、なんだか分からないけど、それを一点に集められるような気がしてきて……だから、あと一発だけ、いけるよ」

 

 その言葉に、千冬は驚くどころか呆れ返ってしまった。

 なのはの使う魔法はパソコンのプログラムのようなもので、予め構築してセットしておかないと使えないというのは千冬も知っている。

 では、魔力を集めて運用するというなのはの「あと一発」は、一体いつ構築されたのか?

 フェイトとの合体魔法からこちら、ずっと戦い続けで魔力不足に苦しめられたのが、魔法をひらめく理由というのは分かる。だが、戦い傷つき、縛られて嬲られもしたなのはが、その間にマルチタスクで術式を作った、なんてとても考えられない。

 しかし、現になのはは立っている。精魂尽き果てたはずの身体で杖を構えて、脚部装甲の分背が高くなった千冬を見上げて見つめ、最後まで一緒に戦いたいと訴えている。

 

「――分かった。二段構えだ。まず私が突っ込む。前面のエネルギーが全て消滅した所で、封印砲を撃て」

「それじゃあ、千冬ちゃんが」

「問題ないさ。砲撃が届く前に離脱すればいい。阿吽の呼吸というやつさ。なに、私達なら」

「……うんっ! 出来るよね、うん、うんっ!」

 

 千冬は微笑み、なのはは破顔した。

 今はもう、ふたりとも、ひとりじゃない。

 ひとりじゃないなら、なんだって出来る。

 

――うん、なのちゃんはひとりじゃないよ。ひとりになんて、させないよ

 

 なのはの心に聞こえたその声は、録音どころか只の空耳である。

 けど、なのははそれこそ束の声だと確信し、しかも、今度はちゃんと言い返した。

 

――束ちゃんだって、ひとりじゃないんだからね――

 

「やるぞなのは!」

「うんっ!」

 

 絶え間なく脈動と拡張を続ける光の玉に、立ち塞がる少女が二人。

 まずは、前面に立ち、双剣を一つの大剣に纏めた千冬と『白式』が、まっすぐに光の渦中へと突っ込む。当然、白い光は白い剣士を飲み込み、無に還す――その直前。

 『白式』に実装された切り札が発動し、千冬を飲み込まんとした白い光を消し去った。

 

「さあ、往こう、『白式』!」

 

 動力炉をフル稼働させ、捻出したエネルギーの全てを刀剣型近接武器「雪片」へ注ぎ込む。

 白い刀身から伸びた青いエネルギーの刃が、ジュエルシードの魔力エネルギーと接触し、エネルギー同士の対消滅が始まった。

 

「ぐぅ、ぅぅぅ……流石に、キツイな」

 

 エネルギー同士の衝突とはいえ、剣の持ち手に掛る負担は相当以上のものだ。人並み外れた膂力を持つ千冬だが、押しこむことなどとても出来ず、ともすれば弾き返されてしまいそうになるのを二枚の羽根のブースターで押しこむのが精一杯だ。

 しかし。

 

――自分の後ろには、なのはが居る。剣を押し返され、一敗地に塗れた、あの時と同じだ。

 

――だったら、今度は押し通る! 

 

「はああああああああああっ!!」

 

 その気迫に、『白式(タバネ)』も答えた。

 全エネルギーを推力と零落白夜に回す。『白式』に備えられたハイパーセンサーも、コアを補助する制御プログラムも今は不要。そのくらいなら、支えることなんていくらでも出来るのだ。

 零落白夜以外の全ての制御が解かれ、ともすれば空中分解しかねない『白式』を支えたのは、以前より外から介入し、唯でさえ不完全なコアの代わりをしていた制御プログラムだった。

 

 そして、妄執の生んだ白い闇の中に、一筋の穴が開く。

 

「行くよ、レイジングハート!」

 

 システムダウンから復帰した魔杖の杖先に、展開された輪状のスフィア。なのははその中へ、自分の周囲にある魔力を集め、渦巻かせ、一つのベクトルを与える。

 なのはの思惑通り、この場に散らばった残留魔力は常時に比べれば凄まじい量だった。少なくとも、目の前で繰り広げられているエネルギー同士のぶつかり合いをくぐり抜け、その先にある災厄の源を撃ち抜けるくらい膨大だ。

 

「千冬ちゃん!」

「なのは!」

 

 

「せーのっ!」

 

 

 目を交わさず、3つのエネルギーがぶつかり合う轟音の中放たれた声は互いに聞こえず。

 けれど、なのはとレイジングハートが魔力を開放したその瞬間。千冬と『白式』は真っ直ぐ、回廊の天井へ向かって離脱した。

 

「いっけええええええええええ!!」

 

 桜色の閃光が、ジュエルシードを全て包み込み、そして、光が広がっていく。

 それは、千冬が離脱してから封印されるまでに放たれたエネルギーの総量であり、世界を消すには至らずとも、庭園を半壊させるには十分すぎる程の威力を持っていた。

 今度こそ全てを放ちきり、一歩も歩けないなのはへ、光が迫っていく。

 

 

 

 それは、なのはに向かって何度も、執拗に伸ばされた死神の鎌。

 だが、なのははそれをしっかり見つめながらも、右手を真上に伸ばし、ちょうど天から差し伸べられた『白式』の手へ重ね合わせ、離さないようにしっかりと握った。

 

 

 

 




暮桜以前の『白式』が零落白夜を使えてるのは、きっと試作機だからです。
試作機は全部載せ、なのです。

所謂必殺技パートなのですが、叫びがちょいと多くなりすぎたのはどうなんでせうか。悩みどころです。


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