艦これキャラの登場するモンスター・パニック作品を作ってみた2 > ソード・クラッケンとチェーンソー魚 < 作:垂直離着陸式扇風機
たくさんの何かが集まってきました。
やることが決まってしまうと、待つ時間がありすぎて、むしろ困るほどだった。
襲ってくるあの何かをどう呼ぶか決めたのも、襲いかかってくるあれらと戦う練習の休憩をかねた時間つぶしでのことだった。
もっとも、全員映画が特撮に登場する怪物のようで、なおかつ襲ってくるあの何かにふさわしい名前を思いつけるほどの感性はなかった。
従って、それらしければそれでいいのではという、極めて安直な方法で名前が決められた。
回転するイカのような何かは、スパーダ・クラッケン(
剣のような足でイカのような怪物。見た目そのままだ。
頭のほうがノコギリのようになっている何かのほうは、ペセモトセガと名づけられた。
そう決まるにあたっては、若干の時間と審議が必要になった。
ノコギリのようであるのはともかく刃の部分が回転している理由がわからないが、チェーンソーのようであるからひとまずは
ここまではよかった。
イタリア語でノコギリザメをどう呼ぶか聞こうとした時にローマが、
「サメなの? ノコギリエイもいるわよ? 」
と、問い直したのがきっかけで、サメとエイのどちらなのかわからないことが判明したのだ。
ローマも、足柄も、そして羽黒も見分け方については詳しくなく、防空巡棲姫に至っては「食イモノ」以上の関心を持っていなかった。
最終的に羽黒が、
「とりあえずは、魚ですよね? 」
と、発言したことでチェーンソーの魚、ペッシェ・モトセガ(
「もっと言いやすくして! 」
という足柄の要求で「ペセモトセガ」となったのだ。
実際のところはそれでも長いという理由で「スパクラ」と「ペセガ」も提案されたのだが、防空巡棲姫の、
「『あれ』デイイジャナイ、『あれ』デ」
の一言で、議論は終わりになった。
スパーダ・クラッケンに乗ったペセモトセガが進路上の木々や岩をなぎ倒しながら尾根に近づき、体の方向を変えた。
ローマたちのいる場所から10メートル離れているかどうかの距離だ。
「イヨイヨココモ危ナクナッテキタ」
目の前の光景にすっかり慣れてしまった防空巡棲姫が、他人事のようにつぶやいた。
「アレが戻り始めたら、鎮守府のある方に降りましょう」
ローマの言葉に、足柄と羽黒と防空巡棲姫が無言でうなずく。
もう、だいぶ日が傾いてきている。
できるものならば、1体でも多く海に戻れないようにしておきたい。
「よし! 」
ローマが先頭になって、速足で島の尾根から降り始める。
足柄と防空巡棲姫がその少し後ろの左右について、羽黒を囲むように駆けていく。
スパーダ・クラッケンが2体、はるか彼方から飛んできた。
すぐ近くに飛んできた1体を足柄がビーチパラソルで、離れている1体をローマが石をくるんだ水着を投げて叩き落そうとする。
両方とも命中しなかった。
回転している足の動きを止めたり変えたりしてビーチパラソルと石をかわし、防空巡棲姫の持った木の枝が届かない距離に着地した。
近いほうのスパーダ・クラッケンに、羽黒が石を先端に結びつけたロープを投げて胴体にからませようとしたが、これもうまくいかなかった。
着地するのとほとんど同時に身をくねらせて刃のついた足を回転させ、ローマたちから離れる方向に飛んでいく。
ローマたちの進む方向をさえぎるように、スパーダ・クラッケンに乗ったペセモトセガが突っ込んできた。
身をかわして反撃しようとしたが、ペセモトセガらは大きく回り込むようにして海に向かって戻っていった。
何度も同じような戦いが繰り広げられた。だんだん数が増えてきた。
島の反対側にいたものも、こちらに集まってきたらしい。
島の片隅に追いやられていく。
崖のようになった斜面。足場は悪い。
大きな岩があるので、ペセモトセガであっても1度突っ込んだ程度では壊せないだろう。
しかし、削り取られてしまえば、逃げるところはない。
スパーダ・クラッケンが数体飛んできた。
と、思ったとたんに空中で進路を変え、海の方へと戻っていった。
海の上を滑るようにして近づいてくるものが見えた。
アブルッツィと重巡リ級だ。
戦う練習はビーチパラソルと木の枝で打ち合うつもりだったのですが、マッ○○イジ」のPV見て「あ、こういうふうにしてもいいな」とも思いました。