「やっほー、安心院さんだよ!」
「平然と生き返ってるなこの人」
獅子目言彦にバッサリやられた後、一切の消息が不明であったはずの安心院なじみ。
まぁぶっちゃけ、この人が死んで消えました、なんて現実味がなさすぎて全員が全員、どっかで生きててしれっと再登場、なんてのは想像していた。
「いやいや、割とピンチだったんだぜ。めだかボックス完結後じゃないとおいそれと復活なんてできない話さ」
「そういう発言は卒業したんだと思ってましたよ」
「たまにはね、こういう視点も必要なんじゃないかと思うんだよ。ほら、チート気取って倒しようのない敵として登場しておきながら、味方になった途端弱体化して退場なんてのをやっちゃったからさ、メタ読みして伏線張っておかないと」
「あなたを倒せるようなのがそうポンポン出て来られても困りますけどね」
「それで、善吉くん。僕を頼ってしまいたくなるような事態なんだろう? とは言っても何でも知ろうと思えば知れる僕からしたら問う必要なんてないのだけれども、君の口から話してもらう方が真剣味が増すからね。さぁ話してごらん」
「正直、頼りたくはないんスけどね。ただまぁ、タイムリミットも迫ってますし、背に腹は代えられないというか藁にも縋る思いつーか」
「煮え切らないねぇ」
ボリボリと頭を掻く。
子供っぽい癖だから治さないといけねーなとは思いつつ、頭を掻いた手を下す。
「球磨川禊の居場所が知りたい」
安心院なじみが答えを即答する前に人吉善吉は手で制止する。
「ただ、正確な場所じゃなくていい。ヒントとかそういうのでお願いします」
下げた頭に手が置かれる。
「相変わらずあまっちょろいぜ、善吉くん。言ってくれればココに球磨川くんを召喚するくらいわけないってのに」
「それじゃダメなんだ。これはアイツとの勝負なんだと思う。誰にも見つけられない究極のかくれんぼみたいなものなんだ。アイツは笑って負けることはあっても自分の力で戦い続けた男だ。そんな奴に、なぁ神様、お願いだから助けてください。って願って勝ちたくねぇんだ」
頭に添えられていた手が乱暴に撫で動く。
「君のそういうところがめだかちゃんを救ったんだろうね」
善吉にはその言葉が聞こえない。
頭の中にとあるイメージが湧いて離れない。
イメージはそこに立っているかのように鮮明で、においを感じられるほどに克明で、肌を撫でる風を感じるほどに鮮烈だ。
「そこにいるよ。どこなのかはお望み通り、教えないでおいてあげる」