クソボケ龍はシャーレ所属   作:鋼色

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四話

「デンデデンデン!」

 

いえーす!いえーす!!いえーす!!!

けっけっけ。二日連続でゲヘナに来ている俺ちゃんでございますよと!

あの後に一回止まって、ゲヘナに行くのと研究するので迷ったんだがな…まあ迷いまして。

どうしたら良いのか、どれが最善なのか。それを考慮した結果、ゲヘナにたどり着いたという訳ですよ。

 

しっかし……やっぱゲヘナって治安悪いよな。銃声がそこら中で聞こえております。

昨日ヒナちゃんが止めたというのに……これはやっぱし治安悪いよ。

ゲヘナに色々な可愛い子がいるのは認めるが、それじゃ払拭できない程の治安の悪さがありますよね。

 

ミカがゲヘナ嫌いなのも少しは分かる気がする。

 

「……アオ?」

「あっ、ヒナ委員長。昨日ぶり」

「また来たのね…。前回は偶然。今回は奇跡かしら?」

「残念。俺の意思でここに来ましたからね。必然ってやつでしょうか」

「悪いけど、悠長にお話はできないのよ。私にも仕事があるから」

「分かってますよ。忙しい中、ありがたーいメールを送ってくれた事にお礼を言ってるだけだから。目的が完遂したらすぐバイバイするよ」

「そう…」

「じゃあ、ヒナ委員長。頑張ってね♪」

 

そう言いながら俺はクールに去るぜ……。

うん、お礼を言うためだけにゲヘナに来たのって変人臭がする気がする。

まあ、それは昨日から全開なんで、今更な気がするが。

 

気分転換も済んだ事だし、武器面と能力面に意識を移すとしますかねー!

 

ーーー

 

【暗雲はゆらグ】

 

【暗雲はゆラグ】

 

【暗雲はユラグ】

 

【暗雲ハユラグ】

 

【暗ウンハユラグ】

 

【アンウンハユラグ】

 

【hiarb&udg】

 

ヒナちゃんから別れて少しした頃だった。その頃……全身の毛穴が逆立つような不思議な感覚に遭遇した。

不可思議で、理不尽で、理解が追いつかないような不自然に出会ったんだ。

 

どんな手を尽くしても勝てそうにない圧倒的強者。

凡夫の思考など、策略など、鍛え上げた力など。いとも容易く破壊してしまいそうな程の強大な力。

禍々しく、悍ましく、言い表すも恐れてしまうような存在。

 

見に覚えがある。瞳に、耳に、肌に……全て叩き込んだのだ。

因果も夢も記憶も地獄も忘れないように。足掻く事を嘲笑い、当然かのように全てを奪い去ったある日の事を。

 

禁忌(カンタリァ)ッ!!!!」

 

おのずと牙は向いていた。闘争は渦巻き、憎悪はめぐり、言い表しがたい意志に火がついた。

"許せない"、そんな言葉じゃ足らない程の思いが。

 

一昨日に刻ませておいた龍麟が感情の昂りと共鳴して発動し、初手にして40%ほどの出力を叩き出していた。

成龍としては未熟そのものであるが、赤子の龍としては異次元な数値を出していた。

 

経験、記憶、感情が奇跡的にフィットを果たしたのだ。

それゆえの40%出力。

 

「ギィタァ……」

 

しかし、その奇跡的フィットは予想だもしない軌道を持って別方向に持っていかれる。

そう、それは能力。俺の持ち合わせる龍の能力と同様の、この世界には持ち合わせない、持ち合わせてはならない代物が展開された。

 

黒い霧がゲヘナ生徒を狙うのを見て、体は守護をするのに傾いた。

 

あぁ!クソクソクソ!今一番重要なポイントは禁忌をぶっ倒して、死体にさせる事だろうがよ!

守ってる場合じゃない……のは分かってんだがなぁ!!

 

体はどうしてもそっち方向に動いちまうらしいぜ。

 

「ナイスガード!俺!超ナイス!ツー訳で、さっさと逃げろゲヘナ生!ここにいたらガチ死にますわよ!?」

「えっ、はっ…」

「さっさと逃げろっつってんだよ!しないなら、殺す前に俺が殺すぞ!」

「ひゃっ、ひゃい…!?」

 

とりま逃げた。今現在、狙われかけていたゲヘナ生を逃す事に成功した。

だが、これで思うように物事が進むようになった訳じゃない。

 

ゲヘナ生は現在形で逃げている訳で、狙われればまた庇いに行かなきゃいけなくなった。

良い方向に転んでいってるように見えて、その実は悪い方向に傾いているだけなんだな。

 

本当、どの一手が最善なのか。俺の手のひらには全く浮かんでこねえや。

 

「ギギぃタァ!!」

 

つーても、迷ってる場合じゃないんだがな。迷ってたら俺が死ぬし、あの子も死ぬ。何とかしてコイツを倒さないと…。

 

いや、でもまずは……この黒い煙からだな!!

 

「……ッ!!」

 

…想像以上に厄介だな。この煙に物質的概念があるのは知ってるし、それ以外の属性や性質も知ってる。

なのにこれ程の厄介さを含まれているとなると……あれだな。いつの間にか離れていた実力が顕著に表れている。

 

あークソ。ガチクソ。まさか強くなった事を後悔する日がきちまうなんてよ。

はー、どうしよっか。捨て身タックルはまだ早い。増援が来てくれてないのにそれをやれば、一気にバッドエンドさ。

 

悠長に考えたいが、それをしてくれる程に相手方はお優しくないご様子で。

 

はー……大変だわぁ。

 

「死ぬ気での攻略、行きますか」

 

徐々に暖かくなってきた龍麟を利用し、黒い煙を消す為に身体能力の底上げを開始する。

約20%ほど上昇して、今は大体60%前後。

 

一気に上昇したがゆえにヒリつく肌に舌打ちをしつつ、足を走らせる。

迫ってくる黒い煙を避けつつ、目的の場所に至れば跳躍を開始する。

 

当然として黒い煙さんも追いかけてくる訳ですが……これぞモーマンタイ。

 

龍麟舐めんな。感情舐めんなよ。邪魔される前に吹っ飛んでやるわ。

 

「ギガガァ!!」

 

唸り声と共に繰り出されたのは、黒い煙から突如として発生した棘。

強く尖り、他人を死する殺意を持った棘……それは横腹に深く刺さった。

 

「あがッ……!!」

 

横腹にクル痛み。歯と歯で噛み締め、全力で耐え切ろうとしても耐えきれない激烈な痛み。

 

拳が握れず、足も正確な位置じゃない。"これでは届かない"、そんな論理が頭の中を巡って、苛立つんだ。

 

俺にはもう無理だと思って嘲笑っている禁忌も……こっからは無理だって思う俺自身も。

 

「だから舐めんなって言ってんだろうがよッ!!」

 

トドメと言わんばかりに配置されている黒い棘……あぁ、本当にサンキューだ。

その強欲が、テメェの大事な肉体(からだ)に傷をつけちまうんだからよお。

 

「龍と竜の能力…舐めんなよ?」

 

そう、俺の能力は龍麟だけが全てじゃない。

 

ただ……無理だった。俺の技量、俺のエネルギー。それ含めた全部が達成に満たなかったから。

 

けどさぁ、テンションマックスな俺と……さっきよりスピードが増した龍麟なら抑え込めるだろッ!?!?

 

龍竜式跳躍(デュアンス・デュラム)

 

「ギタァッハ!?」

あぁ、やっぱりこうなるよな。予想通りの…

 

再現失敗(ミス・テイク)

 

「だが、好都合!これを狙ってた!」

「ギガァァ!」

 

龍竜式跳躍にしては跳ばない俺に困惑するが、冷静に対処をしようとする禁忌ちゃん。

だけど、キミの反応速度、ユルすぎ…。

 

「黒い煙は腕の代わりだが、全くのイコールにはなり得ない。ちょーっくら強い衝撃で肩と煙の境目を打てば……壊れる」

「ギッガ…アァァァァ!!!」

「能力に頼りすぎだぜ、お坊ちゃん」

 

黒い煙を一本落とせたが、アレは直に再生する。それ一つとコッチの横腹じゃあ釣り合いは取れねえよ。

 

「まぁ、こっちの意識を殺意と憎悪から冷静に変化させてもらった礼も含まれてるからな。お前のタマ(顔と睾丸)で勘弁してやるよ」




どうも皆さんおはようございます()
お久しぶりのお休みだと思ったらいつの間にか夜の鋼色です。
ハハっ!今夜は解説の時間だぜ!

今回の話に登場した『龍竜式跳躍(再現失敗)』は文字通り、技として完成させられていた『龍竜式跳躍』を未完成に落とし込んだ技です。
色々な未熟面を考慮したゆえ、上がりに上がりまくったテンションとボルテージが上昇した龍麟を用い、現在の自身には高すぎる壁を一時的に乗り越えた。
とは言っても一時的ですし、ここまで好条件に転ぶ事もそうそう滅多にありません。なので、通常時の際に移動能力がアップ、とかはないです。
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