クソボケ龍はシャーレ所属   作:鋼色

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セナァ……セナァァァァ!!


八話 

ぶっ倒れてから2日後。いやー、1日休んでしまったな、学校。

一応俺は優等生で通ってたんだが……まあ、別に卒業に影響が出るって訳じゃないから良いんだけど。

それに、ありがたい機会だった。今の俺を見つめ直し、どうしたら強くなれるかを考えれた。

あとヒナちゃんのベッド…めっちゃ良い匂いだった。加えて、ヒナちゃんも添い寝できましたぜ。めちゃめちゃ可愛かった。

 

「ぁ、アオ……どこ行ってたの……?」

 

散々教室で心配されてきたけど、ここにも心配してくれる人が一人。

ゲーム開発部が部長。ユズさんだ。俺が転生前から親しくしていた人の一人で、1年生の頃に同じクラスだった。

話してたら楽しくて、今では友達になったよ!

 

普段ならクローゼットに入ってるだろうに……俺が戻ってきたと知って出てきたらしい。

俺は普段寮で生活しているし、ズル休みをして抜け出すような生徒じゃないって知っているからだろうな。

相当焦ってくれたようだ。

 

後々モモトーク見たら俺の部屋に来てたらしいし。

 

「悪かったな。心配かけた。この通り俺は元気ピンピンだぜ?」

「そこは元気満タンとかなんじゃ……」

「あ……そうかも…」

「……」

「あ、そうだ。ユウカとノア、二人の場所知ってるか?出ていく前にデートをする約束をしていたんだが、その後に倒れてしまったからな」

「ぇ、倒れたって、なに…?」

 

やっばぁ……!!そういえばだ!ミレニアムの生徒たちには「ちょっと大変な目にあってさー」しか言ってなかった。

そりゃ驚かれますよね……どうしよっか。こうなった場合、本当のことを話すか、逃げる。

今の段階で全てを話すのはナシだ。ある敵と遭遇して戦った、それを言ったとしても、芋づる式で全てを話さなければならないかもしれない。

 

だとしたら、出てくる可能性は一つしかない。

龍麟での強化でここを潜り抜けるしかない!

 

「ふぅぅ……龍麟強化、脚力転身(エヴォルニィツア)

 

龍麟という技は身体を昂らせ、本来その身が発する身体能力の限界を底上げする奇跡の秘術。

その秘術の第一段階は全体の身体強化。そして、脚力のみの強化は第四段階。

本来なら何十年、何百年とかかる応用だ。けど、今の俺には経験と知識がついている。

そして……ヒナから神秘の動かし方を学んだ。無意識から意識してできる程に正確に。

 

そんじゃ、さっさとぶっ飛んで……セミナーの皆様でも探そうとしますかね。

ユウカだけなら忘れてくれるかもしれないが、ノアは覚えているだろう。世界にとんでもないことが起こったとしても、生塩ノアは忘れないだろう。

だからな。さっさと行って予定を確認しないと。ノアさんに詰められますからよ!竜骨アオとして過ごしてきた17年間が訴えかけているんだ!

 

「待ってくれることはできる?」

「お前は……マイスター、猫塚ヒビキ……!!」

 

廊下を超速で駆け抜けている俺にかけてきたミレニアム生徒が一人。

その生徒はエンジニア部。猫塚ヒビキ。

 

「知ってくれているんだ。英雄(ヒーロー)に認知されているのは些か嬉しい。いや、とても嬉しい」

「ひ、ヒーロー?俺がヒーローになった瞬間なんてなかったと思うんだが」

「ふふっ……ふふふふふ!!それでこそ、それでこそ私の英雄だ。私を救ったこと、それは私にとっては特別でも、君にとっては特別ではない。救うということが当たり前だと認識している。君は正しくヒーローだ」

 

少し寂しそうな、しかしそれを上塗りするような歓喜で身を包んでいる。

……俺には実感がない。身に覚えがない。ヒビキがここまで俺のことをヒーローと呼んでくれている。その根底の理由が。

強く思い出せないってことは転生する前か?その頃からお助けとか、どんだけお人好しだったんですかねえ。

 

それに、なんで覚えてないんだよ。

転生する前は今みたいな精神性でやってないでしょうが。

 

「あぁ……ちょっと与太話が過ぎたかな?私がアオ先輩に会いにきたのは一つだよ。武器に困っているんでしょ?だから、私たちエンジニア部が武器を作ってあげる」

「マジで!?」

 

ーーー

 

「久しぶり、という言い方が似合うかな?ミレニアムサイエンススクール二学年、竜骨アオ。もしかしたら聖龍という名前で呼んでほしかったかい?」

「なんですか、聖龍って」

「君が先日、ゲヘナに行った際に付けられた二つ名だよ。あるだろう?トリニティの戦略兵器や預言の大天使、古書館の魔術師、超人、冷酷な算術使い、キャスパリーグにビッグシスター、災厄の狐、約束された勝利の象徴、狂犬。少し前ならゲヘナの雷帝。この数々の一人となる程、君の名前はキヴォトスに浸透してきた、という訳だね」

「聖龍って……そういうシンプル格好良いの、初めて付けられました」

「む、前は他に何かあった、というような反応だな」

「ありましたよ。具体例を挙げれる程変なのと言えば、"天晴(あっぱれ)"でしょうか」

 

『あっぱれ!?』

 

皆様驚かれておりますね。でもな、これはマジなんだ。

信じられないって思うだろ?実際俺も信じられない。一時期強い敵が出まくってて、そいつらを打ち倒すたびに「あっぱれ」言ってたら、いつの間にか二つ名が天晴になってたよね。

 

兄様や弟たちと比べて変なのが多かったからなー。

俺はかなりの時間伝承に残ったよ。

 

「というか。ウタハ先輩、俺をエンジニア部の部室に誘った理由、忘れてませんか?」

「あ……」

「忘れてましたよね。まあ、良いですけど」

「すまない……。さっさと準備するから待っててくれ!」

「はーい」

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