KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「悟、大丈夫なのか」
戦いが終わった後、ケンヤが俺に話しかけてくれた。
おそらくは、ファンガイアとの戦いは、初めてだったのだろう。
その様子を心配そうに見てくれる事に、少しだけ嬉しくなるのと同時に、俺はこの身体の違和感に感じる。
(痛みがあまりない。というよりも、最初に身体の変化が起きた時しかなかった)
キバに変身した時、いつも感じていた痛み。
それは、全身から生命力を吸い取られる感覚だった。
だけど、今回のオーガの変身はどこか違う。
オーガの言っていた支配権がオーガの方が強いという意味なのか、分からない。
だけど、痛みがあったのは、最初のフォームの時。
それも、今の俺の身体を戦いやすくさせる為に、急成長させた。
そんな感覚が強かった。
『奴が起きるまで、僅かに時間があるようだな』
「オーガ、お前は」
『俺が力を貸したのは、友を守ろうとした強者としての心を持つお前故にだ。決して、そいつには「おい、お前、いい加減戻ってこい」ちっ』
オーガは、最期の一言を言い終える前に、ゾンバット一世に吸い込まれていった。
同時に、俺は、変身を解除する。
「悟、大丈夫か?」
「あっあぁ、なんとか」
俺は、ふらつきながら、ゾンバット一世を見つめる。
こいつの事は、未だに分からない。
ただ、オーガのように信頼出来ない。
そんな感じがした。
「ここに、えっ」
すると、誰か、人の声が聞こえた。
見ると、そこには、一人の女性がいた。
女性は、周辺に散っているステンドグラスの破片を見て、驚き、次に目を向けたのは、俺だった。
おそらくは、先程のキバの変身によって、身体がボロボロになっている状態が気になったのだろう。
「君っ、大丈夫っ」
「ゆりさんっ、なんで」
その人物は、ゆりと呼ばれた人物であるが、一体。
「この辺で、ファンガイアがいると聞いて、調べていたけど、もしかして」
そんな疑問を余所に。
「おぉい、ゆり、そんなに急いで何をって、んっ、お前はこの前のガキ共」
「音也、まぁ良い、今は、この子を病院に運ぶぞ」
「まったく、世話をかけるな、にしても」
そうして、音也さんは、すぐに俺を背負ってくれた。
それと同時に、俺はゆっくりと意識が無くなっている。
おそらくは、再上映の影響で、俺の意識は再び未来へと戻っていくだろう。
「ここは、未来なのか」
そうして、目の前に広がっている未来の光景。
「ここは?」
周囲を見渡せば、どこかの寂れた場所だろう。
過去の影響なのか、分からない。
俺は、何かないか、探っていると。
「っ」
何か物音がした。
俺はゆっくりと、そこに何かあるのか、確認する。
見ると、そこには、二人の人物が縛られていた。
「まさかの誘拐現場かよ」