KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「えっ人?」
俺の存在に気づいたのか、その女性はこちらの方を見つめる。
現場を見る限りだと、二人の男女。
二人共、両手両脚が縛られているのが一目で理解出来る。
「なんで、こんな所に人が?」
「それよりも、これって誘拐なのか、とにかく」
俺はそうしながら、周りを見る。
なぜ、現代に戻ってきて、早々にこんな事になっているのか。
理解するには、分からない事が多すぎる。
それでも、この状況で放っておく訳にはいかない。
近くにガラスの破片。
それを見つけた俺は、それを持って、そのままロープを切る。
「ちょっ、あなた」
「良いから、たくっ」
現代に帰ってきて、早々になんでこんな事に巻き込まれているんだ。
疑問に思いながらも俺はすぐに二人の拘束しているロープを切る。
「これで、なんとか」
「あなた、何をやっているの、手が傷だらけじゃないの」
その言葉通り、俺の手は、血で溢れている。
それでも、今は、気にしている場合じゃない。
「とにかく、逃げるしかないだろう」
ここに誘拐犯が戻ってきたらマズイ。
「とりあえず、ハンカチで血だけでも」
その言葉と共に、怪我している俺の手をハンカチで覆ってくれた。
それと共に傷はハンカチで包まれるのを確認すると。
「それじゃ、すぐに逃げるわよ、ファンガイアが2体も来るのだから」
「ファンガイア」「ですか」
その女性からの言葉に対して、俺ともう一人の青年は驚きながら、すぐに走り出す。
まさか、この人もファンガイアに関係している人物だとは、予想もしていなかった。
だが、彼女の言う通り、このままここにいたら危険だ。
俺達は、すぐにその場から離れた。
「それで、あなたは、あっ私は麻生恵。この子は紅渡君よ」
「えっ」
それには、俺は驚きを隠せなかった。
「もしかして、百合さんと音也さんの」
「母さんの事を知っているの」「父さんの事を知っているんですか!」
「ちょっ声がデカい」
二人共、どうやら、それを聞いて驚いたのか、思わず大声を出してしまう。
俺はすぐに二人を静かにさせる。
「とにかく、ここから逃げよう。俺も気づいたら、ここにいたから状況がまるで分からないからな」
「気づいたらって、一体」
そうしながらも、俺達が進んでいると。
「おいっ、恵はどこに行ったんだ!」「知らねぇよ、お前こそ、なんで恵さんを逃がしたんだよぉ!」
聞こえたのは、二人の争う声。
おそらくは、ここで誘拐した奴らの声だろう。
「あぁ、ここに血が?くんくんくんくん、おっと、どうやらまだ、こっちにいるようだなぁ」
「まずいっ」
まさか、俺の血の匂いで追ってこようとしているのか。
だけど、ある意味、好都合かもしれない。
相手が、ファンガイアならば、戦える。
けど、彼らにキバの姿を見られる訳にはいかない。
「俺が、なんとか引き寄せる。その間に逃げてくれ」
「えっちょっと、待って!」
俺はすぐに、その場から離れる。