KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「っ!?」
俺は、瞬く間に過去へと飛ばされた。
それは、おそらくは再上映による過去への逆行ではない。
あの時、明確にゾンバット一世が、俺を過去に飛ばした。
それを意味するのは、俺の持っている再上映が奴に使われている事。
「おい、ゾンバットっ、さっきのはどういう事なんだ!!」
俺は思わず叫ぶ。
自分の身体の中にいるはずのゾンバット一世を呼び出すように。
だが、ゾンバット一世は、まるで反応する様子はない。
「くそっ」
未だに、ゾンバット一世の企みが分からない。
奴と協力関係である事は間違いないと思う。
だけど、それで奴に何の利益があるのか。
それが未だに分からない。
「悟」
「えっ?」
そうしていると、俺に話しかけている声に気づく。
見ると、そこには雛月がいた。
おそらくは、過去という事もある。
見れば、そこは、どこかの喫茶店。
確か、ここには見覚えがあるようだが。
「大丈夫?もしかして、まだ怪我が治っていないの」
そんな俺を心配そうに話しかけてきたのは、百合さんだった。
「えっ、いや、大丈夫ですっ」
俺は、慌てて平静を保つ。
「全く、そんな子供を連れて、本当に大丈夫なのか、百合?」
同時に、俺達を見つめていた男性。
その見た目は、昭和にはよく見かけた格好。
それによく目立つサングラスが特徴的なワイルドな男性であった。
「この子達はファンガイアの事件によく巻き込まれるの。何よりも、悟君はファンガイアに関しては私達でも驚くような洞察力を持っているの」
「ほぅ、それはなかなかに将来有望な奴じゃないか」
そうして、彼は、俺を見つめる。
その視線は、こちらをじっくりと観察するように。
視線は、どこか危険に感じていた。
「おいおい、子供に嫉妬するなんて、大人げないぜ」
「ふんっ、貴様よりは組みやすいと思っただけだ」
「なんだとぉ」
その最中で、音也さんが、俺達の前に出ていた。
「いい加減にしなさいよ、たく」
そう、話している間にも、俺は気になった。
「えっと、それでこれからどうするんだっけ?」
「藤沼って、結構抜けている所あるよね」
「あはははぁ」
既に、この過去での、俺の記憶は役に立たない。
だからこそ、慎重に行動しなければならない。
「お前達が先日、遭遇したファンガイア。奴がターゲットを狙う際に利用したと思われる店がある」
「それって」
確か、未来に行く前に戦った時の、トンボのようなファンガイア。
「そのファンガイアが、どのようにターゲットを狙っているのか。それに関係していると思われる店があるんだ」
「それを突き止めるっていう事だ。安心しろ、お前達の安全は、俺が守る。それに、これの試験もあるからな」
そうして、彼が手にしたのは、何やら機械のようだ。
それが一体何なのか、俺は思わず首を傾げる。