KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
次郎さんが、未知の戦士へと変身した。
いきなりの出来事に対して、俺も雛月も呆然としていた。
対して、次郎さんは軽く首を回しながら、周囲にいるファンガイアを見つめる。
「さて、性能テストと行くか」
それは、完全に見下している態度であった。
同時に、それが気に食わなかった様子のファンガイア達は、その身体にステンドグラスを浮かべ上がらせながら、次々とその本性を露わにしながら、向かって行く。
周囲が、次郎さんの挑発に完全に乗っている状態であり、俺達には目を向けていない状態だった。
ファンガイア達は、すぐに次郎さんに向かって、各々の武器で襲い掛かる。
「ふんっ」
次郎さんは、襲い掛かる攻撃を躱すと共に、的確な拳と蹴りで次々と放っていく。
その動きは、どこか野性的であり、同時に急所に向けて、攻撃を行っている。
もしも、イクサに変身していなかったとしても、ファンガイアと十分に戦う事が出来る。
それだけの力を、次郎さんは確かに持っている。
けど、今は。
「雛月、逃げるよ」「えっうん」
そうして、俺は雛月の手を引き、逃げる。
周囲のファンガイアは、完全に俺達から目が逸れている。
この状況で、すぐにでも離れないといけない。
「・・・あの子供は行ったか」
そんな離れている間にも、次郎さんの言葉。
それに気づく事はなかった。
そして、俺達はすぐにレストランから離れた。
すぐ近くに海があるという事もあって、潮の香りはする。
それを気にしている場合ではないと思いながらも、俺は走っていた。
その時だった。
「あの状況ですぐに逃げるとはな、餓鬼が」
「この声って」
同時に、俺達は海の方に目を向ける。
すると、海の方から突然波紋が起きる。
そして、水柱が出来たと思った次の瞬間。
俺達の目の前に、先程のファンガイアのオーナーがいた。
「お前はっ」
「さっきのスープ、結構高いんだぞぉ、ライフエナジーをより良くする事で有名で、仕入れるのにも、あの野郎に色々と賄賂を渡さないといけなかったのによぉ」
そうして、奴はこちらを睨んでいる。
「お前達のせいで、商売が出来なくなったじゃないかよぉ!だから、まずはてめぇらのような餓鬼から殺してやるよ!」
同時に、その姿は変わる。
もしも、この場にケンヤがいたならば、そのファンガイアの見た目から想像した名前を言うのだろう。
だから、あえて、俺はこう呼ぶ。
「アリゲーターファンガイア」
「おいおい、餓鬼の癖にビビっていないのか?」
そう、奴はこちらに挑発する。
それと共に、俺は雛月の前に出る。
「雛月、下がっていてくれ」
「・・・うん」
そう、不安そうにこちらを見つめながらも、後ろに行ってくれる雛月。
「あぁ、餓鬼?まさか1人でやるつもりか?」
「そうだと言ったら」
「これは傑作だ!俺に勝つつもりなのか?」
完全に見下す発言で、こちらを睨む。
だけど。
「勝つんじゃない、お前を殺すんだよ、ゾンバット」
『全く、蝙蝠使いが荒いぜぇ、ガブっ!』
それと共に、ゾンバットが、俺の腕を噛む。
走る痛みに、今は慣れた。
そして。
「変身」
俺は、そう、キバへと変身する。