KIVA ReRe:1986↔2008   作:ボルメテウスさん

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2匹の魔族

 眼前にいる2体を睨み付けながらも、俺は構える。

 

 これまでのファンガイアとは違い、明らかにかなり違う姿だ。

 

 恐らくは、これがウルフェン族という種族なのだろう。

 

 しかし、その姿は明らかに、異形だ。

 

 頭部には、狼のような耳があり、手や足にも獣毛がある。

 

 全身は青黒い毛皮に覆われており、その瞳もまた、狼のように縦長になっている。

 

 その外見から察するに、このウルフェン族は、狼のような素早さを備えている。

 

 そして、マーマン族の方は、緑色の鱗で覆われており、半魚人のような印象を受ける。

 

 どちらも、今まで見た事がない存在であり、ファンガイアとは違うようだ。

 

 そもそも、ファンガイアは、人間社会に紛れて生活している者も多いらしい。

 

 だからこそ、この2体も同じように生活をしている。

 

 そして、この2体は、確実に音也さんの命を奪おうとしている。

 

「ちっ、全く、お前の方でも味方がいたのかよ」

 

「あぁ、お前達の仲間じゃないのか」

 

 そう呟きながらも、音也さんはなんとか立ち上がろうとする。

 

 そんな音也さんに対して。

 

「今は立ち上がるな、かなりダメージを受けているはずだ」

 

「おいおい、ミイラ男が俺の心配か?」

 

「あぁ、そうだ」

 

 その言葉に対して、音也さんは驚いた表情をしていた。

 

 だが、そんな言葉を無視し、真っ直ぐとウルフェン族とマーマン族に視線を向ける。

 

 しかし、その時だった……。

 

「ガアァァァl!」

 

 ウルフェン族が、襲い掛かる。

 

 鋭い牙と爪による鋭い攻撃が、俺に襲い掛かる。

 

 それに対して、俺は避ける事も出来ず、ただ防御する事しか出来なかった。

 

 ウルフェン族の攻撃により、腕や肩などに裂傷が出来てしまう。

 

 しかも、相手は素早い上に、力もあるようだ。

 

 更に言えば、ウルフェン族のスピードについていけず、反撃をする余裕もない。

 

 マーマン族の方に関しては、水を口から風船ガムのように膨らませ、弾丸のように発射してくる。

 

 それを何とか避けようとするが、やはり全てを避ける事は出来ない。

 

 ならば、俺はそのまま、ウルフェン族の身体を包帯で拘束する。

 

「なっ!」「はぁぁぁ!!」

 

 そのまま、身動きが取れず、拘束も取れない状態のウルフェン族を盾にして、その弾丸をやり過ごす。

 

 これで、どうにか相手の攻撃を凌いだものの、やはりダメージは大きく、膝を突いてしまう。

 

 そんな俺を見て、マーマン族は少しだけ動揺した様子を見せる。

 

「うわぁ、なんだこいつ!」

 

 それを見た瞬間、俺はチャンスだと思い、すぐに飛び掛かり、顔面を思いっきり殴り飛ばす。

 

 そして、その一撃によって怯んだ隙を狙い、首筋に手刀を叩き込む。

 

 だが、ウルフェン族はそれだけで倒れはしなかった。

 

 それどころか、逆に俺の首を噛みつこうとしてきたのだ。

 

(しまった)

 

 そう思った時には遅かったのかもしれない。

 

 もう既に俺の首元まで口が来ており、回避は難しい。

 

「がぁぁぁ!」「ミイラ野郎!!」

 

 首元に、ウルフェン族の牙が食い込み、激痛が走ると同時に意識が薄れていくのが分かる。

 

 このまま死ぬのか? いや、ここで死んだら、音也さんが危ない。

 

「ガァァァァァ!」『ウェイクアップ!』

 

 俺はなんとか、フエッスルをゾンバット一世に装填する。

 

 それと共に、その脚に力を籠めて。

 

「ハアァァァ!!」「「なっ!」」

 

 同時に、俺はウルフェン族とマーマン族に向かって、必殺の蹴りを繰り出す。

 

 それにより、ウルフェン族を吹き飛ばし、マーマン族の方も吹き飛ばした。

 

 それによって解放された瞬間、すぐさまその場から離れようとした。

 

 だが。

 

「まずっ」

 

 そう、俺はそのまま倒れてしまう。

 

「おいおい、マジかよ、ミイラ男の正体が子供なのかよ」

 

 音也さんの声が聞こえた気がする。

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