KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
ファンガイア以外の、人外。
その人外との戦いが終えた後、俺はなんとか起き上がる。
起き上がると共に、感じたのは、痛み。
「はぁはぁ、ぐっ」
最初に感じた痛みは、これまでの比じゃない程だった。
なんとか立ち上がると共に、俺の身体を見つめる。
その身体には、包帯が巻かれていた。
子供の身体という事も考えれば、おそらくは誰かが治療してくれたんだろう。
だけど、一体誰が。
「ほぅ、目が覚めたか」
俺が目を覚めると共に、声をかけてきた。
その声の主を、俺は思わず見つめる。
「その声は、もしかして、音也さん」
見つめると、そこには何時もの雰囲気で気さくに話しかけていた。
だけど、その手には、くるくると、ファンガイアと戦う為のナイフ、ファンガイアスレイヤーをこちらに向けていた。
「それにしても、まさかガキだと思っていた奴がミイラ男とはな。正直、驚いたぞ」
「っ」
それはつまり、音也さんに、俺がキバに変身していたのを見られたという事なのか。
『くくっ、また一人、増えてしまったな、どうするんだ? こいつはどう見ても、お前を殺すつもりだぞ?』
すると、ゾンバット一世が俺の内側から話しかけてきた。
今の俺は、完全な生身の状態。
その状態で、音也さんから刺されたら、おそらくは死ぬ。
俺が果たそうとした母さんや雛月を助けようとした努力が無駄になってしまう。
『さぁ、どうする? こいつの命を喰らえば、今のお前のキバの負担を無くせるぜ』
そう、甘い活動を、ゾンバット一世は、俺を誘う。
俺は、少し迷う。
けど。
「そんな事をしたら、俺は、母さんを殺した奴やファンガイアと同じだっ」
「ほぅ」『むっ』
俺の言葉を聞くと、各々の反応は違った。
だからこそ、俺はその場で膝をつく。
そして。
「お願いします。今の俺はどうなっても良い。けど、俺が探している奴を見つけるまで、待って下さい」
「探しているか、それは一体、誰だ?」
そのまま、音也さんが俺に問いかけた。
その言葉と共に、俺は。
「俺は、未来からっ、俺の母さんを助ける為に来ました」
「はぁ?」
その言葉に対して、音也さんはまるで冗談を聞くように笑う。
「俺は、そういう冗談はあまり好きじゃないんだよ」
「けど、俺は、本気なんですっ」
俺は、必死に頭を下げながら言う。
だけど、俺が出来るのは。
「けど、まぁ」
すると、音也さんは、その手に持っていたファンガイアスレイヤーを懐に仕舞った。
「女の為に動いている男の言葉は、信じられそうだからな」
そうして、音也さんは、俺の方を見る。
「とりあえず、聞かせて貰おうか、お前の事情をな」