KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「ふぅん、未来の世界で自分の母親が殺されて、その母親が殺された事件に、あの雛月という子が関係している訳か」
俺は事情を全て、音也さんに話した。
音也さんは、子供である俺の話に対して、巫山戯半分ではあるが、最期まで聞いてくれた様子だった。
「まぁ、聞いていて、疑問だったが、そいつはガキを見境なく攫ったのか?」
「それは、まぁ、分からないですけど」
未来で得た情報の一つとしては、これまでの行方不明者のほとんどの子供である事しか分からなかった。
「まぁ、ガキを誘拐しても怪しまれない方法としては、ガキと一緒にいても可笑しくない職業の人間だろうな」
「子供と一緒にいても怪しくない人間?」
その言葉は、さすがに。
そう思っていた。
「そうか、例えば、俺とお前なんて接点はない状態で、家に連れて行ったら、普通の奴らだったら怪しいと思わないか?まぁ、俺は女の子だったら、大歓迎だがな」
「まぁ、確かに」
普通の成人男性が、接点のない子供と一緒にいたら怪しまれる。
だからこそ、白鳥さんは、それで疑われてしまった。
けど、あの人が犯人じゃないというのは、俺が知っている。
「まぁ、これを言ったら、誰でも怪しくなっちまうがな。子供と一緒にいても怪しまれない人間。そいつが犯人だっていう可能性はないのか?」
「・・・それは」
あり得ない。
そう、答えようとした。
けど、ここで、俺はその言葉を言えなかった。
そもそも、考えてみれば、可笑しな話だ。
この誘拐犯の犯人は、母さんが、自分を目撃された事を知っていた。
それは、つまりは、母さんも犯人も接点があった。
そして、子供に怪しまれずに近づけた人間。
「けど、そんなの」
そんな事が出来るのは、学校の先生。
それぐらいしか、俺には思いつかなかった。
何よりも、母さんが、顔をよく覚えている先生と言えば。
「誰か、心当たりでもあるのか?」
「それが、本当に合っているかどうかなんて、分かりません。けど、もしも当たっていたら、俺は、そいつを殺さなければいけない」
「それはなぜだ?母親の仇だからか?」
「そうかもしれません。けど、同時に雛月を守りたい。だからこそ、音也さん」
俺は、そのまま音也さんを見つめる。
「俺に、力を貸して下さい」
「力をか、だが、どんな事で力を貸せば良いだ?」
そう問いかけてきた。
「まぁ、犯罪ですね」
「おいおい、犯罪って、俺に何をするつもりなんだ?」
「誘拐です」
「・・・話がかなり飛んだな、まさか、誘拐犯から守る為に誘拐するなんて」
「そして、ここに、雛月をいさせて欲しい。もしもファンガイアが来ても、音也さんだったら、雛月を守れますから」
「その間に、お前がそいつと戦うのか」
「はい」
そう、俺は、その言葉を伝えた。
「良いだろう、ただし、生半可な案を聞くつもりはないぞ」