KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
未だに事件は解決していない。
それでも、少しだけ変わった事があった。
「俺は、一応は事件の犯人にはなっていないのか」
そうしながら、俺は新聞を見ていた。
俺が殺人犯だとされた事件。
動揺して、逃げてしまった後、どうなったのか。
未だに分からなかったが、どういう訳か、俺の犯行ではない事が証明された。
それに対して、疑問はある。
それでも。
「22年ぶりと言って良いかな?」
「えっ?」
俺が、そう考えていると、後ろから声をかけられた。
疑問に思い、振り返ってみると、そこには知らない人物が立っていた。
「えっと、あなたは」
「忘れてしまったのか、まぁ良い。改めて自己紹介しよう、嶋護だ」
「嶋さんですか」
そう、目の前の人物は、俺の方に挨拶してきた。
「なんで、俺に?」
「君のお母さんの訃報を聞いてね、すぐに対応する為に向かった。幸い、君にはアリバイとなる映像が残っていたので、すぐに無実にする事は出来た」
「そっそうなんですか」
どうやら、俺の無実は、目の前にいる嶋さんに関係しているのが分かる。
それと共に、こちらを見る。
「そして、ここからが本題だ。君は、お母さんから何か聞いていないかい?」
「母さんから、なぜ」
「君のお母さんは、今回の1件が、雛月君の行方不明の犯人と同一人物だと、連絡してきた」
「っ」
嶋さんの、その言葉に俺は思わず目を見開く。
「それって、本当ですか!」
今は、その情報が欲しい。
「だが、その合流前に、殺されてしまった。そして、この状況を考えると、誘拐犯のファンガイアは非常に強い力を持ち、そして権力もまた高い」
「それじゃ」
そんなに簡単には出来ないのか。
「だが、それに繋がりがあると思われる人物は既に目星を付けている」
「っ」
その言葉に、俺は目を向ける。
「本当ですか」
「あぁ、君を再び巻き込む事になるかもしれない。だけど、今回の1件では、もう1度、君の力を借りなければいけないと考えていた」
おそらくは、再上映の影響で、過去に行った俺の行動で僅かながら過去が変わった。
だからこそ、嶋さんは、その時の俺の行動で、協力してくれたのだろう。
未だに、分からない。
それでも。
「むしろ協力してくださいっ、俺は」
その言葉に対して、嶋さんは頷く。
「ならば、今すぐに向かおう」
「はい」
そして、俺たちは歩き出す。
あの時とは違う道を通って。
「しかし、君はすごいな」
「何がです?」
「普通なら、こんな状況になったら、誰だって動転するはずだ。それが、冷静に情報を集めようとしているんだからね」
「それは……」
確かに、最初は混乱していたと思う。
再上映で、時間が巻き戻るなど、普通に考えれば不可解だ。
それでも。
「・・・俺は、諦めたくないだけかもしれません」
「どういう意味だい?」
「この世界も、俺にとっては現実だからです。母さんが死んでしまった事も、俺のせいですし、それに」
そう言いかけて、口ごもる。
「それに?」
「いえ、何でもありません」
これを言っても信じて貰えないだろう。
だから、今はただ、進むしかない。