KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
キバットの言葉と共に雛月が向かった場所。
そこは彼がいるとされるシュードランの場所。
だが。
「ここって」
その場所に、雛月は見覚えがあった。
雛月にとっては、忘れらない想い出の場所。
最初にファンガイアに襲われた場所であり、最初にキバを見た場所。
その場所だった。
「まさか、ここにシュードランがいるなんて」
疑問に思いながらも、彼女はゆっくりと歩く。
歩いた先に本当にいるのか。
そう、周囲を見渡していくと。
『へぇ、まさかここにお客さんが、しかも彼を求めて来るなんてねぇ』
「っ」
聞こえた声と共に、振り返る。
そこに立っていたのは、一人の女性。
「っ」
身に纏っていたのは、メイド服ではある。
ピンク色に近い赤紫色のロングヘアに水縹色の瞳を持つ女性。
だが、森の中で、なぜメイド服を身に纏っている女性がいるのか。
疑問と共に警戒しながら睨む。
それと共に、彼女は笑みを浮かべながら。
「ふふっ、もぅ、そんな怖い顔をしなくても私は敵対する気はないよ。なんだってあなたがここに来るのを待っていたぐらいだから」
「待っていた、あなたは一体」
「おい、そこで何をしているマーメイド」
すると、メイド服の女性に声をかける一人の人物。
がっしりとした体型を持ち、顔に傷のある男。
その男は執事服を身に纏っており、一目でただ者ではないと分かる。
すると。
「もぅ、私の事はマーちゃんって呼んでって言ったじゃないの」
「はぁお前のテンションは私にはついて来れないんだ。それにしても」
男はそのまま雛月を見つめる。
全身から出る力に対して、警戒を高める雛月。
そんな彼女に対して、男は。
「こうして直接顔を見るのは22年ぶりか」
「22年ぶり、まさかあなたはゾンっ」
「いいや、奴は未だに潜伏している。だが、ある意味、ゾンと一緒にいた事は認める」
「ならば、あなた達は一体っ」
雛月は、そう叫びながら、何時でも変身出来るように構える。
「私達はキバの守護を任されたアームズモンスターだよ」
「・・・お前とは、キバの鎧を纏っていた藤沼を通して、知った」
「悟がっ、という事はここにっ」
「いる。そして、俺達がここに来たのはお前を迎えに来たからだ」
そう、彼は言いながら、そのまま背を向ける。
しかし。
「だが、もしも来るとしたら、覚悟はしておいた方が良い」
「覚悟」
それは、一体どういう意味なのか。
雛月は思わず聞き返してしまう。
それに対して、彼は答えずにいた。
対して、マーちゃんは。
「あえて言うとね、愛の試練になるかな」
「愛の試練?」
巫山戯たような言葉に疑問に思ってしまうが。
「まぁ、間違いではないな、ある意味」
そう、彼もまた肯定し、進む。
その言葉の意味が一体何なのか。
知る為に、雛月もまた歩き出した。