KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「あれが、シュードラン」
その呟きと共に見つめた所にいたのは小さな赤いドラゴンが一匹がいた。
城の天守閣から赤いドラゴンの頭と両翼が伸びたような姿だ。
雛月は、ゆっくりとその姿を目に焼き付けるかのように見つめる。
「そうだよ、ここに彼はいるよ」
マーちゃんと呼ばれた女性はニコニコしながら話しかけて来る。
そのまま、マーちゃんの言葉を聞きながら、ゆっくりとシュードランの城の中へと入って行く。
雛月もその後に続くように付いて行き、そして、大きな扉の前で立ち止まる。
マーちゃんはそのまま前に出て、大きな扉を開く。
そこはまるで玉座の間のような空間であり、雛月はそこで一人の人物を見つける。
白いコートを着た男性、しかし。
その男性はどこか虚ろげな瞳をしており、雛月の事を見ても何も反応しない。
だが、雛月は知っている。
「悟っ」
それこそ、悟がいた。
けれど、22年前の、少年の姿のままだった。
「あの時のまま、なんで」
雛月は、その様子に疑問に思いながらも、ゆっくりと近づく。
「それは我が説明しよう」
「っ」
それと共に見つめた先にいたのは、一匹の蝙蝠。
「キバット族」
「我の名は、キバットバット一世。今はこの城の管理を行っている者だ」
そうしながら、悟の近くに立つ。
「教えて、悟の身に何が起きたのか」
「・・・良かろう」
それと共に、キバットバット一世が語り出すのは、22年前に起きた戦い。
街に潜んでいたファンガイアであるビートルファンガイアとの激闘。
その激闘の果てに、勝利を迎えた。
だが、その際に、潜んでいたゴースト族であるゾンが現れる。
ゾンによって、乗っ取られたビートルファンガイアと再び戦う。
その戦いは、勝利する事は出来たが、既に命の灯火は残り僅かだった。
「それじゃ、今の悟は」
「仮死状態に近い。今は、このシュードランの中にあるライフエナジーを使い、身体を維持する事は出来ているが」
「・・・このままじゃ、死んじゃうの」
それに対して、キバットバット一世は頷く。
「だったら、このまま」
「・・・方法はある」
それと共に、雛月は思わず目を向ける。
「その方法は一体っ」
「不足したライフエナジーを補う。だが、補うにも、並大抵のライフエナジーでは足りない」
「だったら、それは一体」
「チェックメイトフォー。その中の一体であるルークのライフエナジーが必要になるだろう」
それを聞くと雛月は。
「・・・まさしく、この状況ではぴったりじゃないか」
動揺する事はなかった。
むしろ、これから先、彼を助ける事が出来る。
そう、誓えるように確かに感じた。