KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
黒い水底から、ゆっくりと浮き上がる。
これまで、何も感じなかったはずの意識。
「・・・んっ」
空っぽになっていた物が満たされて行く感覚。
その感覚が、俺の中に入っていく。
それが、俺を目覚めさせたのだろう。
目を開くと、周囲はどこかの西洋の城の中だろうか。
俺が座っているのは、豪華な、王が座るように玉座。
そこに、俺は座っていた。
「ここは一体」
疑問に思いながらも、俺はゆっくりと起き上がる。
身体の感覚は、かなり久し振りに起きた影響なのか、少しふらつく。
「あっ」
そのまま、俺は前に倒れ込んでしまう。
だけど、そんな俺を受け止める誰かがいた。
疑問に思った俺が上を見上げれば、そこには一人の女性がいた。
どこか見覚えのある顔。
だけど、自然と、俺はその名前を呟く。
「雛月」
俺の、その言葉が正解か分からない。
なんだって、俺の知っている雛月は小学生。
けれど、目の前にいる彼女の年齢は明らかに大人だ。
けれど。
「ようやくっ会えたっ悟!」
目の前にいる女性は雛月である事を確信する。
俺も、やっと会える事が出来たという気持ちでいっぱいだった。
だから、思わず抱き締めてしまう。
「……ごめんな、寂しい思いをさせて」
「うん、うんっ……悟ぅっ!!」
涙を流しながら、雛月は俺を強く強く抱きしめる。
俺も、この再会が嬉しくて涙を流す。
それからしばらくすると、俺は雛月に尋ねる。
「けれど、本当に雛月なのか、なんていうか」
「まぁ、あれから、22年も経っていたから」
「にっ22年っ!?」
驚きを隠せなかった。
それは、俺が持っているタイムリープで巻き戻った年数と変わりなかった。
「ようやく目が覚めたようだな」
「その声は、確かキバットバット一世」
ふと、雛月に抱き締められながら、見つめた先には空を優雅に飛んでいるキバットバット一世が。
さらには。
「ふむ、意識は戻って、しっかりしているようだねぇ」「いやぁ、年齢の差は結構あるねぇ」
「あれ、もしかしてオーガにマーちゃんなのか!?」
見つめた先には、鋭い三白眼と眼鏡に、口を閉じても目立つ下顎の犬歯が特徴的な人物。
その隣には、同じく人魚を思わせる髪型をしたメイド服の人物。
その両者が、その声で、正体もすぐに察した。
目が覚めたばかりなのに、その情報量はあまりにも多すぎた。
「さて、悟。目覚めたばかりだが」
そうキバットバット一世がこちらに告げる。
「お前には、戦わないといけない奴がいる」
「それって、まさか」
その相手に、俺は心当たりがあった。