KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「因縁の相手、まさか」
「そうだ、ゾンだ」
その言葉を聞けば、その場にいた全員が確かに因縁のある相手である事は察した。
けれど、その言葉と共に、疑問があったのは。
「ゾンの奴はまだ生きているのか」
最期の戦いの際、ゾンはその魂をかなりボロボロな状態になっているビートルファンガイアこと学先生の身体を乗っ取っていた。
けれど、あの状態でまだ生きているとは。
「あり得ないとは言えない。なんだって、ルークもその身体が完全に砕け散っても、22年の時をかけて復活をしたから」
「そうだ、ゾンの奴は未だに生きている。そして、奴が次に狙っているのはキングの身体だろう」
「キング!」
その言葉を聞いて、雛月は驚きの声を出していた。
キング?
その単語だけを聞けば、王という事は分かるが、一体、なんの王なのか。
「キングとは、ファンガイアの中でも最も力のある存在であるチェックメイトフォー。その頂点とされており、ファンガイア最強の名を持つ存在でもある」
「悟君が倒したビートルファンガイアも実はその候補の一人で、さらにはキバも元々はそのキングが身に纏う為の鎧だったのよ」
「なっ」
それを聞いて、驚きを隠せなかった。
まさか、そんな存在がいたとは。
俺は思わず目を見開く。
けど。
「そのキングの身体を乗っ取ると言っても、どうやって?」
「現代のキングに関しては未だに謎が多い。だが、過去のキングの遺体を狙う事は可能だろう」
「・・・そうか、確かに」
すると、雛月が何か心当たりがあるように呟いた。
「知っているのか?」
「22年前、丁度、悟が眠ってしまった頃、音也さんがそのキングを倒したの。もしかしたら、その時に」
「さらっと言っているけど、音也さんって、確か人間だよね」
「まぁ、混乱する気持ちは分かる。歴史的に見ても、人間がファンガイアに勝つ事例は幾つかはあったが、キングを倒した人間など過去にも未来にも存在しないだろう」
とんでもない偉業をした音也さんの事に驚きを隠せなかった。
だけど、それで確かに納得した。
「確かに、その情報が本当だったら、キングの死体を使う事も考えられる」
「しかも、既に死体になっているからな。それらの死体を合わせれば、奴はかつてのキングを遙かに超える最強の存在になるだろう。それこそ、全種族が絶滅する可能性のある化け物にな」
「っ」
それを聞けば、この戦いは俺達だけの因縁ではない。
「ならば」
俺は手を握り締めながら、覚悟を決めた。
再び、戦う覚悟を。
「・・・けど、それって、また悟が死んでしまうかもしれないの」
それに、雛月は、俺を抱き締める力が強くなった。