KIVA ReRe:1986↔2008   作:ボルメテウスさん

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かつて救った少女

雛月の提案を、飲むしかなかった。

 

この場で、彼女を説得するだけの材料が、俺にはない。

 

けれど、本音を言えば、雛月と戦いたくない。

 

「雛月」

 

「・・・悟、私だって、悟と再会して、戦うのなんて嫌だ。けど」

 

俺の気持ちを察するように雛月もまた頷く。

 

しかし、先程まで、目を閉じていた彼女が再び目を開き、こちらを見た時には。

 

「悟を、これ以上、ファンガイアとの戦いで傷つけさせない為ならば、私は悟と戦う、変身」

 

その一言を告げると同時に、雛月の姿は一変。

 

全員が白く染められているキバを思わせる姿へと変わっていた。

 

「それは」

 

「・・・レイ、人類がファンガイアに対抗する為に造り出したイクサとは違うシステム」

 

そうして、雛月は、そのまま構える。

 

「始めよう、悟」

 

「・・・やるしかないのか」

 

雛月の言葉を受けて、俺は、そのままキバット一世に目を向ける。

 

「それでは、行くぞ、ガブリ!」

 

キバット一世が俺の手を噛み付く。

 

「変身」

 

それと共に、俺はキバへと姿を変える。

 

「姿が変わっている」

 

そのキバの姿を見て、雛月は、驚きを隠せない様子だった。

 

「これこそが、このキバの本来の姿、アークキバだ」

 

雛月に説明に説明する。

 

「そう、だとしても、関係ない」

 

そう、雛月は、俺に向かって走り出す。

 

そして、そのまま、拳を叩き込む。

 

だが、それを難なく防ぐ。

 

「ぐっ」

 

「さすがの防御力だね」

 

雛月はそう言うと、今度は蹴りを放つ。

 

それにも、対応し、腕で受け止めた。

 

そこで、少し距離を取る。

 

やはり、強いな。

 

キバの基本スペックなら、雛月のよりも上だろう。

 

しかし、基本スペックだけじゃない。

 

戦い慣れている。

 

それも、今まで戦ってきた奴等とは比べ物にならないくらい。……これが、雛月の強さか。

 

でも、だからと言って負ける訳にはいかない。

 

俺は、俺の為にも雛月には勝たなければならないんだ。

 

けれど。

 

「俺は」

 

そう、雛月に対して、攻撃する事が出来ない。

 

かつて、救った彼女と戦う為に、俺は戦ってきた訳じゃない。だが、そんな事は知らない雛月は容赦なく攻撃を仕掛けてくる。

 

「どうした? 動きが悪いよ」

 

「くそっ」

 

その言葉通り、動きが悪くなっているのは分かっていたが、それでも、攻撃を捌き続ける事しかできない。

 

このままじゃあ、やられるだけだ。

 

どうにかしないと。

 

「・・・悟」

 

その時、不意に雛月から声をかけられる。

 

「戦いたくないんだったら、別に戦わなくて良い。だって、私だって、悟と戦いたくない!」

 

「っ」

 

それは、分かっている。

 

「けど、悟を戦わせない為に、私は」

 

雛月の言葉は、理解できる。だからこそ、俺には戦う以外の選択肢がないのだ。

 

でも、このままじゃあ駄目なんだ。

 

何とかして、この状況を変えないと。

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