KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
目の前にいる渡君がファンガイアのハーフである事。
それに対して、少しは驚きはあった。
けれど。
「・・・なんでだろう、確かにびっくりしたけど、それだけだからな」
「えっと、そうなんですか?」
「悟も、そう思ったの」
俺の言葉に対して、雛月も同じく思ったのか腕を組んで、頷いていた。
渡君の方は、なぜか首を傾げていたが。
「かなりナンパをしていたからな、音也さん。それがファンガイアだとしても、特に気にせずに付き合いそうな気がする」
「うん、それは私も思った。私が知っている中でも、人妻にも手を出していたし」
「えぇ」
俺達は音也さんの性格をある程度知っているから、その可能性は、分かっていた。
けれど、問題は。
「それで、その僕の母さんは、実はファンガイアの元クイーンで」
「・・・元クイーン」
「その、母さんにはもう一人の子供がいて、僕の兄さんなんですけど、その兄さんが実は昔、僕と仲良しだった太牙君だったんです」
「うっうん」
「それで、その、僕が好きな人がいるんですけど、その好きな人が実は今のクイーンで、僕達は好きなんですけど、ファンガイアの掟で」
「待って、これは、思った以上にドロドロとして、待って!!」
その話の内容を聞いていた雛月は、思わずストップさせた。
「ごめんなさい、こんな事を聞いて」
「うん、なんというか、君に置かれている環境がかなりヤバい事は分かった。その、悟も大変だと思ったけど、これは」
「あぁ」
俺達のは、単純に倒す敵が明確になっているからこそ。
それを倒す為の行動をする事が出来る。
けれど、まさか目の前にいる渡君の環境は、そんな事を無視して、とんでもない事になっていた。
「その、お母さんは音也さんと一緒にいて、幸せだったんですか?」
「聞いた話だと、太牙君のお父さんとは掟で結ばれただけで、裏切った瞬間には太牙君を殺そうとしたんです。けれど、音也さんは、母さんの子ならば、自分の子だから命を賭けて助けると」
「それは音也さんに惚れても仕方ないわ。」
最初は、また音也さんのまたとんでもない性癖かと思ったが、どうやら向こうは向こうでとんでもない問題を持っていた。
「というよりも、君達親子二代に渡って、とんでもない三角関係を結んでいるじゃないですか。というよりも、状況的には似ているような」
「あぁ」
その事に、雛月も気づいたのか、腕を組んでいた。
「僕は、どうしたら良いのか」
渡君が悩むのは無理はない。
なぜならば、この問題はそう簡単に解決できる問題じゃないから。
そんな考えをしていた時だった。
渡君の携帯にコール音が鳴り響く。
「あれ、これって健吾さんから?」
それに疑問に思い、渡君がその電話を取る。
「はい、もしもし、どうし「逃げろ!渡!」えっ?」
それは、突然の言葉。
それが一体どのような意味なのか。
雛月は、疑問に思い、窓の外を見る。
すると、そこには、見た事のない人がこちらに迫っていた。
「すぐに、出るよ」
「えっ、はっはい!」