KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
その存在が、現れた瞬間に感じたのは悪寒。
そいつの存在を、俺は知っている。
だからこそ、俺は。
「離れろ!」
すぐに、渡君を離れるように叫ぶ。
しかし、それよりも前に奴は彼の頭を掴むと同時に。
「身体に宿りしファンガイアの血よ、目覚めよ」
その言葉と共に、渡君に変化が起きた。
深紅に染まっていた瞳が、ファンガイアの特徴的なステンドグラスを思わせる模様に。
それと共に。
「アァァァァ」
その口から出てきたのは、明らかに正気ではなかった。
同時に、近くにいたイクサが、そのまま渡君に攻撃を仕掛けようとした時。
手に持っていた剣で、そのまま斬り返した。
「なっ」
まるで容赦はなかった。
眼前にいたイクサは、それだけで変身が解除されてしまう。
だが、そんなイクサに対して、渡君はさらに追撃しようとする。
「マズイっ!」
俺は、すぐにアークの腕を飛ばし、渡君を拘束する。
アークの腕でも、拘束はすぐに解けてしまいそうだった。それほどまでに、彼の力は強くなっていた。
そして、その力の源は、間違いなく渡君の体の中にある何かの力によるものだろう。
「ぐっ、目の前にいるこいつもそうだけど、イクサ達をどうにかしないといけないというのに!」
渡君の変化に対しても、周囲のイクサは気にした様子はない。
むしろ、渡君をさらに積極的に倒そうとしている。
このままでは、被害が大きくなる。
そう考えていた時。
【ラ・イ・ジ・ン・グ】
突然、鳴り響いた音声と共に、こちらに襲い掛かってきたイクサ達。
それらを吹き飛ばしたのは。
「イクサなのか?」
そこに立っていたのは、青いイクサが、そこにいた。
「これは一体」
「その声、名護、これは一体」
「嶋さんが、暴走した」
「暴走って、そんな事が」
そこから出てきた名前に対して、俺は驚きを隠せなかった。
それでも、この状況を打開する為には、暴走しているキバを、渡君を止める必要がある。
「雛月、そっちは任せられるか」
「・・・分かった、無茶しないで」
「いや、雛月君、彼は一体」
「味方だと考えてくれたら、今は十分」
そのようなやり取りの後に、俺がそのまま走り出す。
眼前にいるアークの腕によって拘束されている渡君に突っ込む。
アークの腕ごと、その場から離す。
今、この場で他のイクサ達がいたら、確実に渡君は殺してしまう。
「そうなったら、絶対に後悔する!」
だからこそ、俺は、この場から離した。
未だに、暴走を続けている渡君を、その場からなんとか離す事が出来た。
同時に、拘束から無理矢理、解放した渡君は、そのまま俺と向き合う。
「止めるんだ、絶対に」