KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
俺の言葉を聞いた嶋さんは、少しだけ驚きを隠せない様子だった。
「・・・人間も、ファンガイアも危険、それは一体、どういう意味かい、悟君」
嶋さんは、そう俺の方に問いかける。
嶋さんもまた、俺と接触があった為に、こちらの事情を知っている。
だからこそ、俺の言葉の真意を確かめようとしているのかもしれない。
「ならば、聞こう。君の言う危機とは一体」
だからこそ、俺は答える。
「ゾン、かつて、キバの鎧を手に入れた奴だ。そして、今は別の鎧を身に纏って、活動している」
「なるほど、だが、それがどれ程の脅威だと言うのだ」
「ゾンの奴の目的に関しては、正直に言えば、俺達も分かりません。けれど、奴が誰かの為に戦うなんて事はしない筈です。もし仮に、奴がキバの鎧を欲した理由があるとすれば、それは、自分の為以外にあり得ないと思います」
「つまり、君は、奴が自分以外の何かの為ではなく、自分だけの目的のために動いているという訳か?」
「はい、恐らくは。それと、もう1つ。ゾンの目的は分からないけど、このまま放っておいたら、人間もファンガイアも危険です。その為にも渡さんは死なせません。何よりも」
俺は、そのまま嶋さんを見つめる。
「渡さんは、俺達を裏切るような真似はしません!だから、これ以上、彼に襲うのは止めてください!!」
俺の言葉に対して、嶋さんはしばらく沈黙していた。
渡君も同じく、黙っているだけだった。
「・・・ならば、それを証明出来るか、彼が、果たして人類の味方である証明を」
俺の方に振り向いてくる嶋さんの表情は真剣だった。
まるでこちらを試すような口調だ。
それに釣られるように俺も真剣な表情になる。
「・・・どうすれば良いですか?具体的に言って貰えれば、その通りにしますが」
すると、嶋さんは。
「・・・いや、その言葉だけで十分だ」
嶋さんの言葉に、俺は驚きを隠せなかった。
「正直に言えば、未だに君の事は不思議に思う。22年前から変わらない君をファンガイアだって疑う事も。けれど、それ以上に君は、誰かの為にずっと動いていた」
嶋さんは、そう言い。
「だからこそ、もしかしたらと、信じたいと思えた」
その言葉に、どのような意味があるのか。
「嶋さん、もしかして、ファンガイアと何かあったんですか」
俺の問いかけに対して。
「・・・そうだな、この話は、君達にも大きく関係しているだろう。特に、渡君。君にはね」
「僕に、それは一体」
それと共に、ゆっくりと嶋さんは。
「現キングである登太牙。彼を育てたのは、この私だ」