KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
ファンガイアのキング。
それは、ファンガイアの中でも頂点と言える人物なのは、理解出来た。
しかし、俺達が驚いたのは、そんなファンガイアのキングを育て上げたのが、まさか目の前にいる嶋さんである事だ。
「なぜ、なんですか」
「・・・22年前の事だ。渡君。君の父親である紅音也は、当時のファンガイアのキングと命懸けの戦いを行った。その理由が当時のファンガイアのクイーンの子供である太牙を助ける為に」
「太牙兄さんを助ける為に、でもなんで」
「キングにとって、裏切り者の血が入っている子供など不要だったんだろうな。だが、音也は自分が愛した女性の子供を、自分の子供のように助けに行った」
「父さん」
その話を聞けば、確かにという納得があった。
「けれど、どうやって、ファンガイアのキングを倒したんだ。さすがに一個人で倒す事なんて」
「闇のキバならば、可能だろう」
「闇のキバって、確か」
その名前は聞いた事がある。
元々、俺が現在使っているキバの鎧は、その闇のキバとアークという鎧を元に生み出された鎧。
その原型となった闇のキバの鎧が残っていると考えても、可笑しくはないだろう。
「それを考えれば、闇のキバの鎧を使った人間は、死ぬ。それがおそらくは音也の死因だろうな」
「自らの命を犠牲にした戦士か」
それを聞けば、偉大な人物である事が理解出来る。
「だからこそ、私は太牙が彼をファンガイアと人間の架け橋と考えていた時期もあった。
しかし、育てていく内に、私の態度に不信感を抱いた太牙に攻撃された。
彼曰く、実験動物のように見られているようで気に入らないとね」
「・・・」
その言葉と共に、俺は。
「少しですけど、分かる気がします。太牙兄さんの気持ちが」
「・・・今回の1件、もしかしたら、それをずっと向けられていた。だからこそ、孤独だと感じてしまったかもしれません」
「そうか、いや、そうかもしれないな。よく考えてみれば、簡単な話だったかもしれない」
嶋さんは、その言葉と共に。
「私は、太牙を徹底的に道具としか見ていなかったかもしれない。共存の架け橋の為にと。そんな政治の道具としか。そんな目で見られたら、攻撃するのも無理はないかもしれない」
「けれど、嶋さんはそれだけじゃないはず」
「・・・ならば、今度こそは失敗しないようにしなければな」
その言葉と共に、嶋さんの心を知る事が出来た。
それにしても、ファンガイアのキングが倒された。
「・・・それを考えれば、ゾンの奴を放っておけない」