KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「ここって」
先程の光景に驚きながら、俺は周囲の光景を見る。
見てみれば、そこに広がっていたのは、あの時の、過去の1986年の時の光景だった。
再上映の条件が一体、何なのか。
未だに謎に包まれている最中での突然の事で、俺は思わず口を開けていた。
「藤沼、何をしているんだ」
「えっ、あっ、雛月」
ふと、俺は雛月から声をかけられ、振り返る。
そこには、未来では死んでいた雛月が、こちらをじっと見ていた。
いきなりの事で、思わず声を出していたが。
「いや、その、なんでもない。というよりも、ここは一体」
「……ぼーっとしていたの?」
「あははぁ、まぁ、そうかも」
「バカじゃないの?」
「うっ」
雛月からの言葉に対して、俺は思わず黙ってしまった。
だけど、今、やるべき事は。
「あっえっと、ごめん、雛月。俺、少しやる事が出来たから」
時刻を見れば、既に放課後。
だからこそ、俺は事件の手掛かりを探すべきだ。
すると、雛月は、じっと俺を見ると。
「また、殺すの」
「……」
それは、どこか察したように雛月は見る。
おそらくは、あの時の戦いを最後まで見ていたのだろう。
あの直前で、俺は2008年に意識が飛ばされた。
だからこそ、その間に、この1986年に、何が起きたのか、まるで知らない。
雛月に、どう言えば良いのか、一瞬、迷い。
だけど。
「……誰かが殺されそうになるんだったら」
「そぅ」
雛月は、何も言わずに、ただ、俺を見つめ続ける。
そして、しばらく見つめた後、小さくため息をつくと。
「だったら、私も連れて行って」
「えっ」
雛月の口から出てきた言葉に、俺は驚いてしまった。
「なんで、お前まで来るんだよ」
「決まっているでしょ」
雛月は、そのままこちらを見る。
「あの時、あの怪物を殺したのは、私を守る為だった。だったら」
雛月は、まっすぐな目をして、俺を見続けたまま言った。
それに、俺は。
……どうしたものかと悩んだ末、結局、連れて行く事にする。
もし何かあれば、俺が絶対に守ればいいだけだ。
何よりも、未来の世界で雛月が殺された。
その事件を防ぐ為には、どうしても必要な事だと思ったのだ。
「わかったよ。でも、危なくなったらすぐに逃げるぞ」
「うん」
とりあえず、これで雛月を連れて行ける事になったのだが。
「というよりも、色々と聞きたい事があるんだけど」
「うっ、それもまぁ、調べながらで」
そうしながら、俺達は歩き始めた。
だけど、その際に、俺達の後ろを着いてきている人物がいるとは、この時は気づいていなかった。