KIVA ReRe:1986↔2008 作:ボルメテウスさん
「クイーンの力を取り込んだのか」
その様子を睨みながら、そのまま構える。
「あぁ、この力は必要だからな。なんだって、俺自身がキングになるには必要な力だからな」
それと共に、ゾンがその身体の各部から真珠が次々と出ていく。
その数は、凄まじく、俺達を囲むには十分な数。
それが、こちらに襲い掛かると理解すると同時に、俺は。
「オーガ!マーちゃん!」
その言葉と共に、アークの腕を、そのまま地面に叩きつける。
叩きつけると同時に、オーガの炎とマーちゃんの水流。
二つが合わさった事によって、出来た水蒸気による風が、襲い掛かる真珠を全て吹き飛ばす。
同時に、俺はゾンの方に目を向ける。
しかし、そこには、既にいなかった。
「…奴は既にいなかったのか」
それと同時に、隣にいる登太牙の方に目を向ける。
「俺は、俺達がやっていたのは、こんな事なのか」
それと共に登太牙は、まるで自虐したような笑みを浮かべる。
「太牙兄さん」
「今になって、あの人の気持ちがよく分かったよ。こんな怪物が近くにいれば、あんな態度をするさ」
そう、ゾンの姿を、自分と重ねたのだろう。
同時に、嶋さんが行った態度に納得いった様子。
しかし、そんな彼に対して。
「それは違うぞ」
「お前に何が分かる!」
「さぁな、何も分からない。けれどな、少なくとも嶋さんは君に対して、期待している」
「期待、それは一体」
その言葉に、登太牙は。
「ファンガイアと人間の架け橋、それが嶋さんの、君への考えだ」
「俺が、なぜ」
それと共にこちらを見る。
「ファンガイアの王として、血は確かに受け継いでいる。けれど、君は、その父親であるキングに殺されそうになった」
「俺が、父に」
その事実は、彼は知らなかった様子だ。
「…裏切者の血はいらない。そう考えたキングによってな。けれど、それを阻止する為に、紅音也が助けた」
「父さんが、兄さんを助ける為に」
それらを知っていた雛月がゆっくりと話していた。
「あぁ、そして、彼は自分の命を懸けて、キングを倒して、君を助けた。それを知っているからこそ、嶋さんはあなたに期待をした」
「俺に」
それと共に。
「キングの血を引き継いだ。けれど、人間の、もう一人の父を持った君だったら」
「…もう一人の父か」
その言葉を聞くと、渡君の方を見る。
「それを考えれば、俺と渡は確かに兄弟かもしれないな」
「兄さん」
そう、理解したように二人は頷く。
「ならば、今度は、その期待に応える。絶対に」
決意したように。
その目には、もう、絶望は、映っていなかった。