東方実験記録 ~ Be The One   作:マシンビルダー

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この小説が初投稿の為、文章が下手な箇所や誤字脱字が有るかもしれませんが、生暖かい目で見て欲しいです。それと、誤字脱字があればご指摘ください。修正します。


1010÷1010=1話= ベストマッチな再会 前編

 

 澄み切った青空だった。

 

 思えば、あの日もこんな日差しの強い青空だった。

 

 どれくらい時間が経ったのか、青年–– 桐生戦兎(きりゅうせんと)は意識を取り戻した。更に、戦兎の手には、自分の相棒ークローズの顔が描かれた、フルボトルでもない、時計の様なシルエットをした謎のアイテムが握られていた。

 

「…何だこれ?」

 

 不思議に思いながらも戦兎は辺りを見渡し、二つの事実に気がついた。一つは、今自分がいるのは10年前、あの『惨劇』が起きた場所だということ。もう一つは、かつてこの国(日本)を三つに分断した、あの『壁』がどこにも無いという事実だった。

 

「スカイウォールが、無い…」

 

 

      ◆     ◆     ◆

 

 

『今日から、新しい内閣が発足しました』

 

 数分後、戦兎はビルの電光掲示板に表示されているニュースに目を向けていた。そこでは、今日発足した新内閣の顔ぶれについて報道していた。

 

『新たに、厚生大臣に多治見喜子(たじみよしこ)氏を、

外務大臣に、 御堂正邦(みどうまさくに)氏を登用し、国民の皆さんのご期待にお応え出来る様、尽力して参ります。』

 

氷室(ひむろ)首相が生きてる…」

 

 そこには、かつてエボルトの攻撃から息子の氷室幻徳(ひむろげんとく)を庇い、この国をもう一度建て直すよう言い残し、命を落とした東都政府首相・氷室泰山(たいざん)が、日本の新首相に就任した事が報じられていた。

 

「–––てことは、」

【君があの時、導き出した結論は正しかったようだ。】

 

 もう一人の自分––– 葛城巧(かつらぎたくみ)の声が、戦兎の頭の中に響き渡った。

 

 

 

     ◆     ◆     ◆

 

 

 

 それは、以前、戦兎と葛城巧(かつらぎたくみ)が、「記憶の世界」にて新世界について、言葉を交えていた時の事。

 

「–––もしかしたら父さんは、全てを元に戻そうとしたのかもしれない」

 

【元に?父さんの研究データにそんな記載は無かった。】

 

「それは必要なアイテムが揃わなかったからだ」

 

【ジーニアスボトルか…!】

 

 ジーニアスフルボトル–––それは、仮面ライダービルド ジーニアスフォームへの変身に使用する、究極のパワーアップアイテム。

 その原型はパンドラパネルであり、桐生戦兎が葛城忍の研究データを元に再構築したそれを、葛城巧がジーニアスフルボトルとして完成させた。

 

「ジーニアスボトルは元々、パンドラパネルから創られた物だ。

白と黒のパネルと、ジーニアスボトルを使えば、物理法則を超えた救済が出来るのかもしれない」

 

【物理法則を超えた救済…】

 

「二つの世界を融合させる事で、スカイウォールが無ければ実現したであろう世界へと、人々を移す。

 それが、父さんが実現させようとした、本当の新世界…」

 

 それが戦兎の出した結論だった。

 

 

 

     ◆     ◆     ◆

 

 

 

「父さんの夢見た世界が、実現したんだね。」

 

 氷室首相を始め、幻徳、紗羽、内海、一海、北都三羽ガラス、巧、忍、香澄、太郎、そして惣一や美空も、誰も命を落とさず、人生を狂わされる事もなく、平和な日常を送っている。

 

 2つの世界を融合させる事で、スカイウォールが存在しなければ実現したであろう現在へと人々を移す、それこそが忍の創ろうとしていた新世界だったのだ。

 

【でも、新世界の人間は、別の10年を送っていた事になる。

 君が知っている彼らじゃない。本来なら桐生戦兎は新世界に存在しない。たとえ創造主として生き残ったとしても、君を知る者は誰もいないだろう】

 

「………」

 

【そろそろお別れだ。楽しかったよ】

 

 その言葉を最後に、葛城は、戦兎の頭の中の「記憶の世界」から完全に消滅した。

 

 葛城の予想通りなら、これで旧世界の記憶を持つ人間は、桐生戦兎ただ一人になった事になる。

 

 

–––その時

 

 

「あっちにめっちゃ涼しい場所あるからめっちゃ涼しいよ」

 

 戦兎にとって最も聞き馴染みのある声が聞こえた。




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