千年戦争アイギスの世界に催眠術師として転生したので好き勝手したい! 作:天河 龍汰楼
Hなタワーディフェンス。そう呼ばれているゲーム、千年戦争アイギスR。(もちろんA版ではない。)
俺は、そんな世界に転生した。催眠術師として。
つまり、エッチなことし放題だぜ!
画面の向こうで見たようなエッチな姿を見るのは王子ではなく、この俺が見るのさぁ!
早速、執務の手伝いに来ているケイティー先生を……。
「って、できるかぁー! 忙しいんじゃ、こっちはァ!」
書類の山に埋もれながら、いきなり叫び声をあげた俺に、いぶかしげながらも責めるような目線を向けてくるケイティー。
いっそ発狂したか、とでも言うような目線を向けてくれればそのまま催眠プレイの開始と行きたいところだが、ケイティーもまた目の前にある書類の山を処理するためにすぐに目線を外してしまう。
それもこれも、あの王子が急な遠征に出かけているせいである。
王城を奪還しておよそ10年、魔王をぶっ飛ばして神との戦いが始まって、王国のごたごたは完全には収まっていない。書類もあるし、戦いもある。それは分かる。
だからって王子本人が出ていくんじゃねーよ! 頭王子か!
「たしかに、少し落ち着いてくださるといいのですが……」
つい口に出ていたのか、ケイティーが俺の脳内に干渉してくる。
それも、あなたならなんとかできるのではないですか、とでも言いたげな視線で。
うるへー、そう簡単にできれば10年前からやっとるわい。
「俺は確かに王子の教育係だが。それで、アイツが言うことを聞くと思うか?」
すっ、と仕事の続きに取り掛かるふりでなんの返答もなく視線をそらしたケイティー。
そりゃそうだ、教育係といっても庶民の生活を知るためのサンプルみたいなもんだし。
ちょっと前世の知識をいくつか持ち出してみたけども、鋼の国とか魔法都市の技術と比べると一般日本人の知識などいまいちである。
結局のところ、バラ色の生活など手に入るはずもなく、のんべんだらりと社畜をこなすしかないのだ。
それでも俺はあきらめない。
原作の王子があそこまで女を侍らせていたんだから、俺でもできるはず。
……いや、ムリだな。ほどほどでいこう、ほどほどで。
***
『名前はさほど重要ではありませんので。催眠術師の術師と呼んでいただけたら』
かつて、そう言って王子の教育係としての自己紹介をした彼。
多くの困難を共に駆け抜けた戦友、と言うことを差し引いてもなお、彼は信頼に値するでしょう。
ちら、と私の二倍ほどもある書類の山を溶かす勢いで仕事をこなす彼を盗み見る。
また無茶をしているのだろう、と思っても、それを言って聞くような人ではない。
つい出そうになるため息を押し殺して、王子への報告書を書き上げる。
変に自己評価の低い彼のことだ。
王子からの信頼も、私たちからの好意も、何もかも気づいていないでしょう。
もしも気づいていたら、あんなことも、あんなことも、しないはずですからね。
ほんの少し怒りを込めた目線でにらめば、ビクリと体を震わせてペースアップする術師。
……この仕事が終われば、午後からはフリーですし。ほんの少し、街を歩くのもいいかもしれませんね。
そうと決まれば、少し本気で取り組むとしましょう。
彼との時間は、とても貴重なのですから。
・催眠術師のこれまで
転生直後から起きることを知っていたのだが、いろいろ考えた結果、「何もしないこと」を選んだ。下心でうわべを飾っているが、実際にはかなりのガンギマリ。
王子こそがハッピーエンドを迎える鍵という信念があり、そのためなら命も投げ出す。
王城脱出の際には8割くらい死んでたし、それ以降も高頻度で死にかけている。
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