何度も転生する主人公が、死ぬたびに周りを曇らせていく話。   作:ルヴレ

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久しぶりの投稿。誤字報告ありがとうございます!助かります!


私は嫌われてる。(確信)

 

 

 今世の母親は、控えめに言ってクソだった。

 

 毎日飽きもせず殴り、殴り……。悪いときは私の体を刃物で傷つけた。食べ物なんて、くれたのは最初だけ。今となっては何もくれない。だから、毎日野草を齧って生きている。ぶっちゃけ、割とすぐに死にそうだ。なぜ私を生かしているのか、不思議で仕方ないが、母親は私と同じでビビりらしい。自分の手で人殺しなど、できないのだろう。

 どうやら途中で母は、私の父親に捨てられたらしく、その八つ当たりをしているようだ。捨てられるのは、確かに酷い。だからといって、娘に八つ当たりはどうかと思う。

 だから、そんなクソみたいな母親が死んだとき、何も感じなかった。

 そんなことより、みんなに早く会いたくて、私は丸一日かけて、璃月港まで辿り着いた。

 

「帝君に、会いたいんすけど、無理っすかー?」

「お前みたいな餓鬼がお会いできるわけ、ないだろう。」

「蓮花が来たって伝えるだけでいいっすから!」

 

 

 はい。シリアスな始まり方だけど、全部本当のことです。

 またあっさり死んで生まれ変わった私は、やばい親に当たった。でも、なんということでしょう。今回の転生先は運良くも璃月。しかも、璃月港の近くだ。

 

 みんなに会えるやったー……と思って帝君の元を訪れたはいいものの、勿論追い出された。

 でもまぁ、多分帝君なら気づいてくれると信じて、私は帝君の家らしいところの前で、待ち続けた。

 

「お前が蓮花の名を名乗る人間か?」

「帝君っ!」

 

 そして待つこと体感五分。帝君が訝しんだ顔で出てきた。私は最早反射的に、帝君に抱きついた。

 といっても、今世の私はまだ子供なので、腰ら辺にしがみつくだけだが。帝君は身長が高すぎる。

 

「まさか……本当に蓮花なのか?」

「ううう……。そうっす、元夜叉の趣味杏仁豆腐作りの蓮花っす!帝君、会いたかったっすよ……!前世はウェンティ以外、みんな裏があって怖かったし……。」

 

 体に引き摺られているのか、泣き出した私に、帝君は優しい顔で笑った。

 そして、帝君は私が「蓮花」であることを確信したようで、私を抱き上げた。帝君は璃月を束ねる神なだけあって、人を見ることに長けている。私の仕草や行動で、見抜いてくれたのだろう。

 

「蓮花、お前は死んだはずではなかったのか?」

「死んだけど、なんか生まれ変わってるんすよー。」

「なるほど、輪廻転生……か。そのような話は、確かに聞いたことがある。」

 

 さすが、帝君。私の一言で全てを理解してくれたようで、興味深げに頷いた。私は説明が絶望的に下手なので、助かる。

 

「お前の親は、どこにいる。人間なら、親がいるはずだろう?それに、その傷はどうした?」

「父親は逃げて、母親は今さっき死んだっす。この傷は、母親につけられた傷っすね。」

 

 私があっさりそういえば、帝君はそうか、と重苦しく頷いた。その表情は見えなかったが、恐らく曇った顔をしていたことだろう。悲しそうな顔?それとも、私の親に対しての怒りの顔?その中間くらい?どれにせよ、きっと顔を曇らせてくれたことだろう。

 

 その顔が見えないのが、残念。

 

 

 ……うわぁ。自分でも引くわー。

 業障め、今世でも付いてくるとは。私は頰をぺしぺし殴って、なんとか正気を取り戻した。

 前世は、業障のせいで、ウェンティに酷いことを言って死んだ。あの言葉、ウェンティに届いてないといいけど。でも、きっと私が性悪なリーリエ・ローレンスだってことは、知られてるんだろうな。

 きっと、ウェンティは、私のことが嫌いだろう。そう考えると、憂鬱な気分になる。

 私が業障に対抗するため、自分のほおを殴るという奇行を繰り返している中、帝君は何かを決めたらしい。真剣な顔で、私を見た。

 

「蓮花。お前さえ良ければ、俺の家に来ないか?」

「いいの?まぁ、しょーじきそのつもりでいたけど!」

 

 てへ、と私が悪戯っぽく笑うと、帝君は私の体中についた傷を労るように、そっと頭を撫でた。傷は確かに痛む。けれど、そんなの気にならなかった。

 

 帝君の様子に、私はゾクゾクして仕方なかったから。

 

 

 

「あ、魈!お久ー!」

「動くな。」

 

 帝君の家に入ると、魈が私に槍の切先を突きつけてきた。私は魈に久しぶりに会えて、嬉しかったというのに。手を振って喜んでたのに。

 おかげで私は手を振ったポーズのまま固まっている。

 

「蓮花のフリをして、お前は何がしたい。死ににきたのか。」

「蓮花っすよ!私は、正真正銘の、元夜叉っす!」

 

 弁明しようにも、よく考えたらちゃんとした証拠はない。私は助けを求めようと、帝君を見た。しかし、帝君は何も言わずに、私を見るだけ。

 え?自分で説明しろと?そーゆーことだよね?

 魈の目は、あまりにも憎しみがこもっていて、何というか……その……ゾクゾクす……。ご、ゴホン!とにかく、説明しても、いかにも無駄そうだ。

 

「私のあげた葉書は、読んでくれたー?」

「……なぜ、お前がそれを知っている。」

 

 ダメ元で、そう言ってみる。

 魈は、意外にも顔を強張らせて、私を物凄い形相で睨みつけてきた。

 お?意外にいけそうだぞ?そう思って、私はさらに続ける。

 

「私らしくなかったかなー、とは思ってるんすよ。でも、なんとなく、私死ぬだろうなってわかってて。魈を一人には、したくなかったんだよねー。

 ……迷惑だったら、ごめんね。これでも信じられないなら、それでいい。

 私のこと、殺してもいいから。」

 

 私はそう言って、手を広げた。ちなみに殺してきたら、死ぬほど来世で泣くだろうけど、私は帝君が守ってくれるのを信じてる。ゲームでも最強を誇る帝君のバリアなら、絶対に魈の攻撃は防いでくれるに決まってる!

 

「……。なぜ、蓮花が、ここに居る。」

 

 勝ったわ。

 私は内心で歓喜した。魈は大きな瞳をさらに大きくさせて、私を見ていた。どうやら、信じてくれたようだ。

 

「生まれ変わりってやつ!だから、今世は人間!」

「…………もう二度と、我に殺せなど、言うな。」

「えへへー……。ごめんね?」

 

 魈は、私が居るという現実を噛み締めるように、それだけを呟いた。

 魈との再会は物騒だったけど、なんだか心がぽかぽかとあったまるものだった。前世の百倍はあったかいんじゃー。

 そういえば、帰終様はゲーム通りなら、もう亡くなっているのか。

 私の中ではお母さんポジションにいた帰終様がいないと、寂しさを感じた。てか、泣きそう。だめだ……しっかりしないと!

 

 

 

 

 午前一時十分五十二秒――くらいに私は夜中に部屋を飛び出していた。手には杏仁豆腐と絵葉書。私の夜中の抜け出しスキルはMAXレベルだ。

 このまま、魈の部屋に置きに行く!

 

「お前はなぜ、そこまで我に隠してそれを置くことにこだわる。」

「あっごめんなさい間違えました。」

 

 しかし、魈は起きていた!私は引き返した!しかし、手を掴まれてしまった!

 

「逃げるな。」

「ぎゃあー!嫌っす!無理っす!やめてー!」

 

 私が大暴れをしても、ピクリとも動かない。さすが、魈!強い!弱い私が暴れても、まるで意味がない。

 私は諦めて、魈の部屋に座り込んだ。

 

「どうして、隠れて渡す。我はお前が渡していたことを、知っている。」

「……いんす。」

 

 私が小さい声でボソボソと言うが、聞き取られなかったらしい。魈の顔がそれを物語っている。私は、そっぽを向きながら、また小さな声で言った。

 

「恥ずかしいんす。私、そんなことする柄じゃないし。」

「我は、そのようなことは気にしない。」

「知ってるけど……。」

 

 黒歴史みたいな内容書いたんだよなー。私はそれを口に出さないが、密かに気にしていた。

 まず、月が綺麗ですね、とか書いてる時点で恥ずかしい。みんな、現実でやったら黒歴史になるに決まってる。その上、なんか名言風の言葉とかも書いてたから、余計にそうだ。

 そういえば、魈とまともに話したのは、これが初めてかもしれない。夜叉時代の時は、嫌われていたものだ。

 

「私、そろそろ寝るから、じゃあねっす!」

「分かった。」

 

 私は逃げるように立ち上がり、魈に背を向けた。なんだか、魈と現実で会話するのはソワソワする。慣れていないせいだろう。けど、私の最推し煙緋ちゃんと話したときは、この比ではないはずだ。ある意味魈と話して訓練するのもいいかもしれない。

 よーし、それよりも自室に戻って寝るか!そう思った、その瞬間だった。

 

「がはっ……!」

 

 急に肺が苦しくなり、私は魈に背を向けたまま、咳き込み出した。

 まずい、みんなに悟らせるつもりはなかったのに、よりにもよって魈の前とは。私は、咳き込みながら自室に戻ろうとしたけど、魈に止められた。

 

「蓮花、どうした。」

「な、なんでも。なんでもないから。」

 

 私は咳を抑える為に当てていた手を隠しながら、そう誤魔化すけど、また咳き込んでしまった。

 魈は慣れない仕草で、私の背中をさすった。この状況、魈様推しに殺されそうだな、と思いながら私は困った。

 

「しかし、帝君を呼んだ方が……。」

「大丈夫!ほ、ほら!私、平気そうっしょ?」

 

 このままだと、見られる。心配させるつもりはないのに。

 魈は、逃げようとした私の手首を掴んだ。それも、私が咳を抑える為に当てていた方の手を。そして、魈は私の手を見て、息を呑んだ。

 

「蓮花……!お前、これは……!」

「……えっと、えへへへ……。」

 

 私の手は、咳と共に出た血反吐のせいで、血に染まっていた。

 

 

 今世の私は、すこぶる体が弱かった。

 私は小さい時に肺の病気にかかって、母はそれを放置した。運良く死ぬと思ったのだろう。

 けれど、私は偶然にも食べていた薬草によって、病気を大方治してしまった。母は、それが気に入らなくて、私の首を何度も締めた。それはもう――後遺症が残るくらいに強く、何度もした。

 そのせいで、今世はちょっとしたことで血を吐くような、弱い体である。

 

 ――と言うことを、魈が慌てて呼んだ帝君に白状した。

 

「蓮花。なぜ言わなかったのか?」

「えへへへへ…………。」

 

 特技の誤魔化し笑いで、帝君から目を逸らす。心配させたくなかった……なんて言ったら静かに怒られそうだ。帝君は呆れてため息をついた。そして、何かを思いついたのか、私に一つ提案を持ちかけた。

 

「蓮花。薬学を学ぶのはどうだ。」

「え?」

 

 

「う、腕が痛いっ!やめたい!」

「三年もやってるのに、毎回言っているのは、どうなんでしょう……。」

「甘雨、辛辣っす……。」

 

 あれから三年。

 私は特に話すこともないくらい、過去一平和な日々を送っていた。

 帝君の提案で始まった薬作りは、順調だ。帝君がいちいち有名なお医者さんを呼んで、私の講師としてつけてくれたからだ。璃月は中国モチーフの国なだけあって、薬も漢方薬みたいな苦い味がするが。

 ちなみに、帝君が薬学を学ばせている理由は、単純。

 私が何度転生しても、死に難くする為だ。薬学を学べば、傷の手当てもできるし、毒草も見分けられるようになる。

 

「はい、甘雨。傷薬っすよ!」

「ありがとうございます。やっぱり、美味しいです!」

 

 私は今、傷薬を調合して、甘雨に渡したところだ。草をすり潰すので、手が疲れて痛い。

 それにしても、美味しいとは。この傷薬、めちゃくちゃ苦いはずなんだけど。甘雨の味覚は謎だ。

 あと、甘雨の服につい目がいってしまうのは、原神オタクとして仕方がないことだろう。にへへ。

 

「こ、降魔大聖。何か御用ですか?」

「蓮花の薬を貰うように、帝君に命じられた。」

「うわー。魈の傷、ヤバいっすねー……。」

 

 魈は、毎日璃月の人々を守る為に戦っているので、時々大怪我をして帰ってくる。今日も怪我をしているので、私は傷薬を塗って、包帯を巻いた。

 

「蓮花。今日は帝君が宴会を開かれるそうだから、あまり家の中を彷徨くな。」

「え?帝君が、宴会?珍しいっすね。あんま酒に酔ってる人に絡まれたくないイメージがあるけど。風流なのが好きそうだし。」

「客の中の一人が、特に酒好きだと聞いている。」

 

 ふーん、と私はなんとなく気のない返事をした。

 そのときは、その「客人」について、特に気にしていなかった。

 

 

「暇ー。」

 

 その日の夕方、私は家の中を彷徨けないので、暇を持て余していた。絵は描いたけど、飽きたし。薬学の本は部屋にある分は一応読んでるし。

 

 甘雨の部屋に行くくらいじゃ、怒られないかなぁ。

 

 私はそっと部屋を出て、音を立てずに甘雨の部屋に向かった。遠くから宴会の賑わった声が聞こえる。

 その中に、どこか聞いたことのある声も聞こえる気がする。もしかして、ゲームの中のキャラもいるのだろうか?

 

「そ、それよりも、甘雨の部屋、甘雨の部屋……。」

「爺さんってばー。ノリ悪いなー。」

「バルバトス。無理強いは良くないかと。」

 

 え?今バルバトスって言った?私はピクリと肩を震わせた。不味い。ウェンティがいるのか。つまり、今回は神が集まってる宴会ってこと?確かに、影ちゃんの声も聞こえた気がする。

 私は、ウェンティに嫌われているはずだ。甘雨の部屋に行くのは諦めて、おとなしく部屋に戻るか。

 私は、進んだ道をもっと慎重に引き返した。

 

「ボク、荷物取ってくるねー?ちょっと待っててー。」

「え、あ、」

 

 そして、宴会を開いている部屋の扉の前を通ったとき、運悪くウェンティが出てきた。

 不味い。私の容姿は、なぜか転生しても変わらない。つまり、ウェンティは私を一目見て分かってしまう。

 

「……リーリエ?本物?」

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 リーリエと呼んだ。つまり、私がローレンス家であることを、知っているんだ。

 どうしよう、私のことなんて嫌いに決まってる。私はローレンスが悪いことをしているのに何もせずに、酒場なんかに通い詰めていた。それなのに、逆恨みなんかして、まさにクズだ。

 

 私は、全力で走り出した。この位置だと、魈の部屋が近い。魈は、いつもなら璃月を彷徨いているが、今日は怪我をしているので、帝君の家の中にいたはずだ。

 

「お願い、リーリエ!逃げないで……!」

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!」

 

 謝りながら、引き留めるウェンティから逃げて、私は飛び込むように魈の部屋に入った。

 

「お前、また何かやらかしたのか?」

「…………ごめん。ちょっと、今日はここに居てもいいっすか?」

 

 あまりにも、余裕がなくて、私は震えながら地面に座り込んだ。魈はそんな私を珍しそうに見た。実際、私は魔神戦争中も、ここまで余裕のなくなったことはない……気がする。

 けれど、私にとって人に嫌われることは、死よりも怖いことだ。何でかは日本での記憶が薄くなりかけてて、忘れたけど。でも、日本での人生が関係していると思う。

 

「客人の誰かと、何かあったのか?我の知る限り、神しか居なかった筈だ。」

「……その神の中に知り合いがいて、私、嫌われてるんだ。偶然遭遇して、逃げてきちゃった。」

 

 私は自分でもわかるくらいに、元気のない笑みを浮かべた。魈はいつもなら「帰れ」といってくるけど、今回は私を追い出すことはしなかった。

 震えながら無意識に涙を流す私の隣にいてくれた。

 

 

「帝君。お願いがあって来たっす。」

「蓮花。何かあったのか?」

 

 次の日の朝、私は帝君にお願い事をしに来ていた。帝君は私がウェンティと会って絶叫したことは、知っていると思う。叫んだ場所、帝君のいる部屋の前だったし。

 

「私、稲妻に行ってみたいなーって前から思ってて、だから、しばらく此処を離れようかなーって考えてるっす!」

「……お前が決めたことなら、俺は止めない。だが、お前がまた転生したとき、そのまま逃げ続けるつもりか?」

 

 帝君に心配そうに言われたけど、私は頷いた。私は、ウェンティから逃げ続けるつもりだ。何度転生しても。だって、怖いから。え?ダサい?そんなの知らない。

 

「そうだけど……、また転生できるとは、限らないと思うっす!」

「……そうか。その可能性もあるのか。」

 

 帝君は、考えてもなかったとばかりに、そう呟いた。その顔は、どこか悲哀を漂わせていた。ああ……ヤバい。私ったら、最悪だ。

 その顔、その発言――最高にゾクゾクする。

 魈に言ったら、もっと曇らせてくれるだろう。一番私が曇らせたいのは、魈と言っても過言でもない。

 

「私、荷物纏めに行くから、失礼するっす。」

 

 私は業障のせいでニヤつきそうになる顔を直して、部屋を出た。

 最近、業障が悪化してる気がする。頰をぺしぺししながら自室に向かって廊下を歩いていたら、甘雨が眉を下げながら私に駆けつけて来た。

 

「蓮花。その、昨日は平気でしたか?遠くから叫び声が聞こえましたが……。」

「あー、うん。大丈夫!でも、私稲妻に行くことになったから、しばらく会えないかもっす。」

「え?旅行……ですか?」

「違うよー?普通に引越し。住むところ決まってないけど。」

 

 甘雨は目を大きく開けて、いかにもしょんぼりとした顔をした。かわいい。でも、ごめん。ウェンティも私がいなくなった方がいいと思うし、私も嫌いって直接言われたら怖いし。これが、最善だと思うのだ。

 

 魈にも報告をしたいので、私は一旦甘雨と離れて、魈の部屋に向かおうとした。

 しかし、魈は私を心配してくれていたのか、甘雨と離れてすぐのところにいた。もしかして、話聞かれてた?

 

「魈。私、引っ越す……」

「知っている。我は既に、帝君から聞いた。」

 

 魈はそっけなくそう言って、立ち去ろうとした。それを慌てて引き止める。

 

「あの、魈。私、手紙書くね。杏仁豆腐は渡せないけど。」

「我のことを、何だと思っている。」

 

 体が杏仁豆腐で出来てる!とか言ったら怒られそうなので、そっぽ向いて口笛を吹いた。

 そんなことをしていたら、魈がまたどっかに行きそうなので、私は真面目な顔に切り替えた。

 

「あのね、魈。私、魈のことが…………。」

「何だ。」

「魈のことが……えっと……う……。

 ……やっぱ無理。やめとく。」

 

 恥ずかしくて言えなくて、私は結局自分から背を向けて逃げるように自室に戻った。

 ま、手紙で書いてもいいし!私は気持ちを切り替えて、荷物をまとめ始めた。

 




ウェンティ リーリエはやっぱりボクのこと、嫌いだよね…。
主人公   ウェンティは絶対に私のこと、嫌いだよね…。

今回は初めて転生して一話で主人公が死にませんでした。

どんなエンドがいい?(イフエンドも書く予定)

  • バッド(主人公にとってハッピー)
  • ハッピーエンド
  • その中間くらい
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