ガンダムブレイカー4 フロンティア戦記   作:ナタタク

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第4話 出会い 

「おっし…これでミッション受注完了。あとはミッション地点へ移動やけど、その前に…こっちやでつか…やなかった、ソロ」

案内するタオは頭では目の前にいる彼をいつものように呼ぶ癖を出しかけてしまう。

少なくとも彼、ソロはリアルのように呼ばれることを望んでいない。

たとえ友人が一緒であったとしても。

ソロとタオが入ったのはミッション開始前にのみ利用できる格納庫スペースで、そこではミッションに参加するアカウントが打ち合わせや機体の調整を行うことになる。

「ちっちぇえな、お前のガンプラ」

「ちっちゃい言うな!SDガンダムはそんなもんや!」

SDコマンドガンダムをベースとし、カラーリングを白くしてバックパックを武者號斗丸としたシンプルな機体、タオSDカスタム。

その隣にあるのはソロのガンプラであり、タオと共に作った機体。

劇場版のΞガンダムと同じ配色かつオーソドックスな見た目をしたガンダム。

どちらもマイスタージンの機体と比較すると天と地ほどの差があるものの、初心者がミッションに参加するには十分な機体だ。

「にしても…」

タオが気にしたのはソロの姿だ。

やさぐれたコート姿で車いすに乗った状態。

少しでも空気を換えるためにGBBBBに誘ったものの、やはりまだ触っただけの状態では心境を変えるのは難しいということなのか。

「んだよ、じろじろ見るな」

「ご、ごめん…」

それを言ったら、へそを曲げるだろうと口を閉じたタオは格納庫スペースに用意されているモニターを操作する。

今回のミッションの部隊となるヘリオポリス内部のマップが表示される。

「今回のミッションはヘリオポリスに侵入したザフト軍の撃退や。敵の数は大したことはあらへんし、相手はジンばっかりや。最初のステージにおすすめってネットでも言ってたで。きついのは指揮官用のシグーだけやし」

クルーゼの機体を中心に、シグーそのものの登場回数が少ないのは、そもそもシグーが主力モビルスーツとしてザフトで認められなかったためだ。

ジンの汎用性を引き継ぎ、なおかつスラスターの増設、高出力化により宇宙空間での機動性、運動性が大幅に向上し、本体供給式のビーム兵器の運用も可能。

順当に行けば、指揮官機として量産され、やがてジンと世代交代するという流れになったかもしれないが、それをぶち壊したのがヘリオポリスにおける4機のガンダムを強奪したことだ。

それによってより高性能なビーム兵器やフェイズシフト装甲などのデータをザフトが手に入れ、OSについては未完成だったとはいえ、劣等種と暗に見下していたナチュラルが当時のザフトのモビルスーツを上回る期待を開発し、形にしていたことに大きな衝撃を与えた。

そして、その4機のガンダムから手に入れたデータを元にゲイツが開発され、それが次期主力モビルスーツとなったことでシグーは立場を失うことになった。

未来を断ち切られたという意味では、シグーは連合のガンダム最大の犠牲者と言えるかもしれない。

「本当は3機か4機で1チーム作っていくんやけど、まぁ僕らだけでええやろ。もしかしたら、途中でだれか参加してくれるかもしれへんし」

「どうでもいい、さっさと行くぞ」

車いすを操作し、自分の愛機の前へ向かうとそれに背中を向けた状態で止まる。

足場がエレベーターのように上がると解放されたコックピットと同じ高さまで上昇し、車いすに乗ったままコックピットの入り込む。

コックピットと車いすが一体化し、左右の手元にアームレイカーが出現する。

全天周囲モニターが起動して格納庫内の景色が映し出され、同時にモに文字が表示される。

 

【WELLCOM TO ICALUS GUNDAM】

SYSTEM CHECK

BOOT CONFIGURATION

PILOT:TSUKASA YUUKI

FIXING DEVICE UNLOCK

 

「イカロスガンダム…」

「機動力はそっちが上やし、先に行くで!」

ビームライフルを手に、カタパルトに接続したタオSDカスタムが開いたハッチから飛び出していく。

そこに映るのはヘリオポリスの景色であり、原作では度重なる戦闘によって崩壊する運命にあるコロニーだ。

カタパルトに乗り、接続される様子がモニターに映ると同時にソロの額に嫌な汗が発する。

(んだよ、この感覚…)

全天周囲モニターに表示されるのはカメラで撮影された外界そのものではなく、それを元にコンピューターグラフィックスによって描画され直した画像と言われている。

腕部や脚部の陰になる位置の映像を埋めるだけでなく、パイロットの戦闘判断に不必要な情報をカットし、敵機や作戦目標が認識しやすくしている。

このような形となったのはパイロットとインターフェイスを改善していく研究の途上で、固定されたモニター上に敵機を自動追尾する映像が表示されるよりも、その移動方向にパイロット自身が視点を巡らせることで視認する方が、操縦においては絶対的に有利である事が判明したためで、感覚的にも操縦するというより、パイロット自身がその場に在って、敵機と直接戦闘していると認識できた方が、生理的にもストレスが少ないから全天周囲モニターが採用されていくことになった。

今の状態では、ソロが自分に足にカタパルトが接続されているような状態に映っているといっても過言ではない。

「ちっ…!」

不愉快で気持ちの悪い間隔に嫌気がさしたソロはこちらから操作してカタパルトから外し、スラスターを吹かせて飛び出していく。

射出が行われないため、初速や推進剤の消耗は多いが、ソロにとってはどうでもいいことだ。

タオSDカスタムに続くように空を飛び、地上の様子を見る。

地上ではザフトのジンの集団が工場付近に数多く存在し、目当ての機体を探している様子だ。

「まだ見つかっとらへん。待っときや…この機体なら、ロングレンジ攻撃ができる」

右目に装備されているスコープの補助により、地上のジンに照準を合わせる。

一瞬、ジンがこちらを見るような動きをしてきたことで震えを感じたが、すぐに基地に視線を戻したことで杞憂に終わり、胸をなでおろす。

「よし…今や!!」

発射されるビームが基地を調べるジンを撃ち抜き、爆散させる。

味方機が撃破されたことで周囲のジンが上空にいるであろう敵機を探し始めた。

「こうしてみると…本当に目の前に敵がいるみたいだな…!」

まるで現実にモビルスーツが現れているような見え方に驚きながら、ソロはビームライフルを数発発射する。

発射されたビームはジンの腕とライフルを撃ち抜き、最後は胸部を貫いて爆散させた。

「あ、あんまり派手に撃ったらあかんで!いざという時に弾切れ起きたらまずいからな!」

「分かってるが…うまく、当たらないんだよ!」

タオ本人はどうなのかは知らないが、ソロは生まれてこの方ガンダムのゲームをやったことがない。

ひとまず操縦方法はわかっているだけで、今の立場で言えば初陣を果たしたヨナのような状態と言えるだろう。

最も、彼の場合は初陣でモビルスーツを一機も撃墜することはなかったが。

推進剤やスラスターの冷却の問題から地上へ降りるタオSDカスタムに対して、イカロスは上空からのビームライフルによる攻撃に徹している。

地上のジンたちにとっては上空からのライフルによる攻撃はプレッシャーになっているようで、地上へ降りたタオSDカスタムへの警戒が不十分な状態だ。

接近してきたその機体のビームサーベルによる攻撃で倒され、ひとまずヘリオポリス内部のモビルスーツ部隊はすべて倒すか、撤退させることに成功した。

「よし!ひとまず第一段階はクリアや!もう降りてきていいで、ソロ!」

「降りるわけないだろ、ミノフスキークラフトをなめるな」

ライフルのEパックを交換するイカロスの推進剤の消耗は常に上空にいるにもかかわらず少ない状態だ。

ミノフスキークラフトは導電体をほとんど透過しないこと、そして静電入力を行うと、Iフィールドを代表とする立方格子状の力場が発生するが、この中には物理的斥力の強い力場も存在するというミノフスキー粒子の特性を利用して機体下面空間のミノフスキー粒子に極大電力による入力を継続し、立方格子状の斥力場を形成し続ける事で、地表~機体下面までを支える『見えない足場』を作り上げ、そこに『乗る』事で浮遊状態を維持する仕組みだ。

そのため、上昇を含めた推進力を得るためにはスラスターと、その推進剤が必要となるが、この推進に必要となる推進剤消費量は、1Gという力に逆らいつつ浮遊し続けるために必要となる消費量に比べてはるかに少量で済む。

だから、ホワイトベースなどの高級・多機能戦艦にとってはスタンダードの装備となっている。

やがてそれがのちにミノフスキーフライトやミノフスキードライブへと発展していくことになる。

「そんなこと言っても…うん、これは?」

「おい、なんだよこいつは」

急にタオとソロのモニターにヘルプシグナルが表示され、発生源の座標が表示される。

ちょうどそこはヘリオポリスの外であり、近くのハッチから出ればすぐに到着する。

「んだよ、これは」

「ヘルプシグナルや、近くのプレイヤーが危ない時に助けを求められるように最初から設定されとるんやで。んで、助けたプレイヤーはミッション終了時にパーツデータとかクレジットとかのボーナスが入るんや」

このシステムについては初心者を中心に積極的に使うことが奨励されており、ヘルプシグナルによる助けを借りてクリアしたとしても、シグナルを出したプレイヤーの報酬が減ることはない。

腕に自信がついたり、ソロプレイや今いるメンバーのみで突破したいと考えるメンバーはあえてヘルプシグナルの設定をオフにすることもあるという。

もちろん、ミッションの中にはヘルプシグナルを使えないものもある。

「うわあああ、めっちゃやられとるやないか!」

座標とともに送付された映像にはボロボロになっているピンク色のガンダムの姿があり、シグーとジンハイマニューバによって攻撃されている様子だった。

近くには母艦であるナスカがあり、そこから追加のジンが出撃する様子もある。

「一人で無茶やわ…これ、どないしょう」

「ほっとけよ、助けなくたってデメリットはないだろ」

「そりゃあ、そうやけど…」

「あの母艦まで倒してミッションクリアなら、咬ませ犬になってもらってもいいだろ」

「そんな言い方ないやろぉ!?」

ヘルプシグナルが出たからと言って、助けるか否かに関してはそれぞれのプレイヤーの自由だ。

そのため、ソロの考えも間違いというわけではない。

そわそわしている様子が機体からも見えるタオの姿にソロはため息をつく。

明らかに助けに行きたそうだが、二の足を踏んでいるタオがあまりにも気に入らない。

「ちっ…ああ、イライラするな!」

叫ぶソロはスラスターを吹かせてヘリオポリスを飛び出していく。

「ああ、待ってやソローーー!!」

飛び出していったソロを追いかけるようにタオもスラスターを吹かせて飛んでいった。

 

「もう、何よ!なんでこんなに当たらないの!!」

インパルスをベースにF91のバックパックを装備したピンク色のガンダム、ガンダムフレールに乗る赤いザフトのノーマルスーツ姿でピンクのショートボブの髪型の少女、リンは何度もライフルを撃っても当たらない状況に苛立ちを感じていた。

既に何度も被弾しており、インパルスのヴァリアブルフェイズシフト装甲のおかげでまだ戦えている状況だ。

だが、いつまでもシグーやジンハイマニューバの十字砲火や重斬刀の攻撃を受けていればいずれエネルギー切れでライフルもヴァリアブルフェイズシフト装甲も使えなくなる。

そうなると武器はもはや腰に内蔵されている2本のフォールディングレイザーだけになる。

「当たらないなら…思い切って!!」

当たらないならもう持っていても意味がないといわんばかりにライフルを投げ捨て、ビームサーベルを抜く。

目の前のシグーに向けて突っ込もうとする中で、背後に回ったジンハイマニューバが突撃銃で攻撃しようとする。

だが、そんなジンハイマニューバに向けて飛んできたビームが突撃銃ごと右腕を焼き尽くす。

そして、彼女が狙っていたシグーにも数発のビームが飛んでくる。

「え、え、ええ!?」

モニターに映る2機の機体にリンは目を丸くする。

なんで急にほかの機体が、しかもプレイヤーがやってきたのかわからず、その中でイカロスが右腕を失い、逃げようとするジンハイマニューバに接近してサーベルで両断する。

「イカロス…こんなにスピードが出るのかよ」

Ξガンダムをベースとしているだけあって、破格のスピードを見せるイカロスを乗りこなせるか気になったものの、今はそれを考えている場合ではない。

ヘリオポリスで戦ったジンとは異なり、ジンハイマニューバもシグーも機動力が高い。

おまけに母艦からはミサイルランチャーやビーム砲といった様々なバリエーションの装備をしたジンが発進しようとしている。

「デカブツをやる、お前はあのピンクのやつをなんとかしろ」

「待ってや、ソロ!一人でこんなん相手は…」

いくら母艦であるナスカを撃沈させればクリアになるとはいえ、それでもガンダムフレールを守りながら複数機と戦うのは初めての実戦であるタオには厳しい話だ。

そんなタオの言い分を無視し、ソロはスラスターを吹かせてナスカへ向かって飛ぶ。

「ああ、ソローーー!!うわあ!!」

シールドに被弾し、もうソロを頼ることができない中でタオはモニターに映るザフトの指揮官用モビルスーツ達を見る。

「ああ、もう!助けに来てくれたのはうれしいけど、私への心配はないの!」

「え、あ、女の子!?」

モニターに映るリンの姿に驚いたタオだが、激しく揺れるコックピットで正気に戻る。

助けてもらっておいてあんまりな言葉をはく彼女に何か言いたかったタオだが、それよりも鉄器を倒すのが先だった。

 

接近してくるイカロスに出撃したジンがナスカを守るように立ち、ミサイルやビームで攻撃する。

「邪魔だ…!!」

ナスカのスピードはアークエンジェルにも匹敵し、エターナルが登場するまではザフトの最速艦と言われている。

今のイカロスのスピードとジンを倒すことを考えると、逃げられてしまう可能性もある。

「なら…こいつで!」

ソロがモード切替の操作を行うと、両肩に搭載されているミノフスキークラフトユニットと背面のスタビライザー、両脚の側面のブレード、つま先を可動するとともにビームバリアが展開される。

フライトモードへと変形したイカロスはさらなる加速を見せ、その加速はパイロットであるソロにも負荷を与える。

「どんなスピードだよ、これは!!」

ジンを突破することができたとはいえ、こんなスピードをコントロールするのは難しく、アームレイカーから手を離さないように必死になっていた。

そのスピードを維持したままライフルを連射する。

ろくに照準を合わせていないため、外れるビームが多いものの、それでも数発は戦艦をかすめたり機銃を破壊していた。

そして、肉薄してビームサーベルで艦橋を斬ったことでナスカは航行不能となり、撃沈判定となる。

ミッションクリアが表示され、同時にフライトモードを解除したイカロスの中でソロは息を整える。

「はあ、はあ、はあ…きついな、こいつは…」

体への影響もそうだが、まさかフライトモードのイカロスをここまで制御するのが難しいとは思わなかった。

正直に言うと、それを完璧に制御する自分をイメージできない。

「…あいつ、どうだ?」

ひt

とがない。

ひとまず操縦方法はわかっているだけで、今の立場で言えば初陣を果たしたヨナのような状態と言えるだろう。

最も、彼の場合は初陣でモビルスーツを一機も撃墜することはなかったが。

推進剤やスラスターの冷却の問題から地上へ降りるタオSDカスタムに対して、イカロスは上空からのビームライフルによる攻撃に徹している。

地上のジンたちにとっては上空からのライフルによる攻撃はプレッシャーになっているようで、地上へ降りたタオSDカスタムへの警戒が不十分な状態だ。

接近してきたその機体のビームサーベルによる攻撃で倒され、ひとまずヘリオポリス内部のモビルスーツ部隊はすべて倒すか、撤退させることに成功した。

「よし!ひとまず第一段階はクリアや!もう降りてきていいで、ソロ!」

「降りるわけないだろ、ミノフスキークラフトをなめるな」

ライフルのEパックを交換するイカロスの推進剤の消耗は常に上空にいるにもかかわらず少ない状態だ。

ミノフスキークラフトは導電体をほとんど透過しないこと、そして静電入力を行うと、Iフィールドを代表とする立方格子状の力場が発生するが、この中には物理的斥力の強い力場も存在するというミノフスキー粒子の特性を利用して機体下面空間のミノフスキー粒子に極大電力による入力を継続し、立方格子状の斥力場を形成し続ける事で、地表~機体下面までを支える『見えない足場』を作り上げ、そこに『乗る』事で浮遊状態を維持する仕組みだ。

そのため、上昇を含めた推進力を得るためにはスラスターと、その推進剤が必要となるが、この推進に必要となる推進剤消費量は、1Gという力に逆らいつつ浮遊し続けるために必要となる消費量に比べてはるかに少量で済む。

だから、ホワイトベースなどの高級・多機能戦艦にとってはスタンダードの装備となっている。

やがてそれがのちにミノフスキーフライトやミノフスキードライブへと発展していくことになる。

「そんなこと言っても…うん、これは?」

「おい、なんだよこいつは」

急にタオとソロのモニターにヘルプシグナルが表示され、発生源の座標が表示される。

ちょうどそこはヘリオポリスの外であり、近くのハッチから出ればすぐに到着する。

「んだよ、これは」

「ヘルプシグナルや、近くのプレイヤーが危ない時に助けを求められるように最初から設定されとるんやで。んで、助けたプレイヤーはミッション終了時にパーツデータとかクレジットとかのボーナスが入るんや」

このシステムについては初心者を中心に積極的に使うことが奨励されており、ヘルプシグナルによる助けを借りてクリアしたとしても、シグナルを出したプレイヤーの報酬が減ることはない。

腕に自信がついたり、ソロプレイや今いるメンバーのみで突破したいと考えるメンバーはあえてヘルプシグナルの設定をオフにすることもあるという。

もちろん、ミッションの中にはヘルプシグナルを使えないものもある。

「うわあああ、めっちゃやられとるやないか!」

座標とともに送付された映像にはボロボロになっているピンク色のガンダムの姿があり、シグーとジンハイマニューバによって攻撃されている様子だった。

近くには母艦であるナスカがあり、そこから追加のジンが出撃する様子もある。

「一人で無茶やわ…これ、どないしょう」

「ほっとけよ、助けなくたってデメリットはないだろ」

「そりゃあ、そうやけど…」

「あの母艦まで倒してミッションクリアなら、咬ませ犬になってもらってもいいだろ」

「そんな言い方ないやろぉ!?」

ヘルプシグナルが出たからと言って、助けるか否かに関してはそれぞれのプレイヤーの自由だ。

そのため、ソロの考えも間違いというわけではない。

そわそわしている様子が機体からも見えるタオの姿にソロはため息をつく。

明らかに助けに行きたそうだが、二の足を踏んでいるタオがあまりにも気に入らない。

「ちっ…ああ、イライラするな!」

叫ぶソロはスラスターを吹かせてヘリオポリスを飛び出していく。

「ああ、待ってやソローーー!!」

飛び出していったソロを追いかけるようにタオもスラスターを吹かせて飛んでいった。

 

「もう、何よ!なんでこんなに当たらないの!!」

インパルスをベースにF91のバックパックを装備したピンク色のガンダム、ガンダムフレールに乗る赤いザフトのノーマルスーツ姿でピンクのショートボブの髪型の少女、リンは何度もライフルを撃っても当たらない状況に苛立ちを感じていた。

既に何度も被弾しており、インパルスのヴァリアブルフェイズシフト装甲のおかげでまだ戦えている状況だ。

だが、いつまでもシグーやジンハイマニューバの十字砲火や重斬刀の攻撃を受けていればいずれエネルギー切れでライフルもヴァリアブルフェイズシフト装甲も使えなくなる。

そうなると武器はもはや腰に内蔵されている2本のフォールディングレイザーだけになる。

「当たらないなら…思い切って!!」

当たらないならもう持っていても意味がないといわんばかりにライフルを投げ捨て、ビームサーベルを抜く。

目の前のシグーに向けて突っ込もうとする中で、背後に回ったジンハイマニューバが突撃銃で攻撃しようとする。

だが、そんなジンハイマニューバに向けて飛んできたビームが突撃銃ごと右腕を焼き尽くす。

そして、彼女が狙っていたシグーにも数発のビームが飛んでくる。

「え、え、ええ!?」

モニターに映る2機の機体にリンは目を丸くする。

なんで急にほかの機体が、しかもプレイヤーがやってきたのかわからず、その中でイカロスが右腕を失い、逃げようとするジンハイマニューバに接近してサーベルで両断する。

「イカロス…こんなにスピードが出るのかよ」

Ξガンダムをベースとしているだけあって、破格のスピードを見せるイカロスを乗りこなせるか気になったものの、今はそれを考えている場合ではない。

ヘリオポリスで戦ったジンとは異なり、ジンハイマニューバもシグーも機動力が高い。

おまけに母艦からはミサイルランチャーやビーム砲といった様々なバリエーションの装備をしたジンが発進しようとしている。

「デカブツをやる、お前はあのピンクのやつをなんとかしろ」

「待ってや、ソロ!一人でこんなん相手は…」

いくら母艦であるナスカを撃沈させればクリアになるとはいえ、それでもガンダムフレールを守りながら複数機と戦うのは初めての実戦であるタオには厳しい話だ。

そんなタオの言い分を無視し、ソロはスラスターを吹かせてナスカへ向かって飛ぶ。

「ああ、ソローーー!!うわあ!!」

シールドに被弾し、もうソロを頼ることができない中でタオはモニターに映るザフトの指揮官用モビルスーツ達を見る。

「ああ、もう!助けに来てくれたのはうれしいけど、私への心配はないの!」

「え、あ、女の子!?」

モニターに映るリンの姿に驚いたタオだが、激しく揺れるコックピットで正気に戻る。

助けてもらっておいてあんまりな言葉をはく彼女に何か言いたかったタオだが、それよりも鉄器を倒すのが先だった。

 

接近してくるイカロスに出撃したジンがナスカを守るように立ち、ミサイルやビームで攻撃する。

「邪魔だ…!!」

ナスカのスピードはアークエンジェルにも匹敵し、エターナルが登場するまではザフトの最速艦と言われている。

今のイカロスのスピードとジンを倒すことを考えると、逃げられてしまう可能性もある。

「なら…こいつで!」

ソロがモード切替の操作を行うと、両肩に搭載されているミノフスキークラフトユニットと背面のスタビライザー、両脚の側面のブレード、つま先を可動するとともにビームバリアが展開される。

フライトモードへと変形したイカロスはさらなる加速を見せ、その加速はパイロットであるソロにも負荷を与える。

「どんなスピードだよ、これは!!」

ジンを突破することができたとはいえ、こんなスピードをコントロールするのは難しく、アームレイカーから手を離さないように必死になっていた。

そのスピードを維持したままライフルを連射する。

ろくに照準を合わせていないため、外れるビームが多いものの、それでも数発は戦艦をかすめたり機銃を破壊していた。

そして、肉薄してビームサーベルで艦橋を斬ったことでナスカは航行不能となり、撃沈判定となる。

ミッションクリアが表示され、同時にフライトモードを解除したイカロスの中でソロは息を整える。

「はあ、はあ、はあ…きついな、こいつは…」

体への影響もそうだが、まさかフライトモードのイカロスをここまで制御するのが難しいとは思わなかった。

正直に言うと、それを完璧に制御する自分をイメージできない。

「…あいつ、どうだ?」

戦艦を撃破したから、もう戦ってはいないだろうと思うものの、一応確認すべくソロはタオたちの元へ機体を飛ばす。

見えたきたのはそれほど損傷がないタオSDカスタムとサーベルを抜いたままのガンダムフレール、そしてすでに撃破されているジンハイマニューバとシグー達だった。

「あ…ソロ!なんで一人にするんや!おかげですごい寿命縮んだで!」

「戦艦倒したからいいだろ、それに、倒せてるじゃねえか」

「アホか!僕一人で倒せるわけないやろ!たすとがない。

ひとまず操縦方法はわかっているだけで、今の立場で言えば初陣を果たしたヨナのような状態と言えるだろう。

最も、彼の場合は初陣でモビルスーツを一機も撃墜することはなかったが。

推進剤やスラスターの冷却の問題から地上へ降りるタオSDカスタムに対して、イカロスは上空からのビームライフルによる攻撃に徹している。

地上のジンたちにとっては上空からのライフルによる攻撃はプレッシャーになっているようで、地上へ降りたタオSDカスタムへの警戒が不十分な状態だ。

接近してきたその機体のビームサーベルによる攻撃で倒され、ひとまずヘリオポリス内部のモビルスーツ部隊はすべて倒すか、撤退させることに成功した。

「よし!ひとまず第一段階はクリアや!もう降りてきていいで、ソロ!」

「降りるわけないだろ、ミノフスキークラフトをなめるな」

ライフルのEパックを交換するイカロスの推進剤の消耗は常に上空にいるにもかかわらず少ない状態だ。

ミノフスキークラフトは導電体をほとんど透過しないこと、そして静電入力を行うと、Iフィールドを代表とする立方格子状の力場が発生するが、この中には物理的斥力の強い力場も存在するというミノフスキー粒子の特性を利用して機体下面空間のミノフスキー粒子に極大電力による入力を継続し、立方格子状の斥力場を形成し続ける事で、地表~機体下面までを支える『見えない足場』を作り上げ、そこに『乗る』事で浮遊状態を維持する仕組みだ。

そのため、上昇を含めた推進力を得るためにはスラスターと、その推進剤が必要となるが、この推進に必要となる推進剤消費量は、1Gという力に逆らいつつ浮遊し続けるために必要となる消費量に比べてはるかに少量で済む。

だから、ホワイトベースなどの高級・多機能戦艦にとってはスタンダードの装備となっている。

やがてそれがのちにミノフスキーフライトやミノフスキードライブへと発展していくことになる。

「そんなこと言っても…うん、これは?」

「おい、なんだよこいつは」

急にタオとソロのモニターにヘルプシグナルが表示され、発生源の座標が表示される。

ちょうどそこはヘリオポリスの外であり、近くのハッチから出ればすぐに到着する。

「んだよ、これは」

「ヘルプシグナルや、近くのプレイヤーが危ない時に助けを求められるように最初から設定されとるんやで。んで、助けたプレイヤーはミッション終了時にパーツデータとかクレジットとかのボーナスが入るんや」

このシステムについては初心者を中心に積極的に使うことが奨励されており、ヘルプシグナルによる助けを借りてクリアしたとしても、シグナルを出したプレイヤーの報酬が減ることはない。

腕に自信がついたり、ソロプレイや今いるメンバーのみで突破したいと考えるメンバーはあえてヘルプシグナルの設定をオフにすることもあるという。

もちろん、ミッションの中にはヘルプシグナルを使えないものもある。

「うわあああ、めっちゃやられとるやないか!」

座標とともに送付された映像にはボロボロになっているピンク色のガンダムの姿があり、シグーとジンハイマニューバによって攻撃されている様子だった。

近くには母艦であるナスカがあり、そこから追加のジンが出撃する様子もある。

「一人で無茶やわ…これ、どないしょう」

「ほっとけよ、助けなくたってデメリットはないだろ」

「そりゃあ、そうやけど…」

「あの母艦まで倒してミッションクリアなら、咬ませ犬になってもらってもいいだろ」

「そんな言い方ないやろぉ!?」

ヘルプシグナルが出たからと言って、助けるか否かに関してはそれぞれのプレイヤーの自由だ。

そのため、ソロの考えも間違いというわけではない。

そわそわしている様子が機体からも見えるタオの姿にソロはため息をつく。

明らかに助けに行きたそうだが、二の足を踏んでいるタオがあまりにも気に入らない。

「ちっ…ああ、イライラするな!」

叫ぶソロはスラスターを吹かせてヘリオポリスを飛び出していく。

「ああ、待ってやソローーー!!」

飛び出していったソロを追いかけるようにタオもスラスターを吹かせて飛んでいった。

 

「もう、何よ!なんでこんなに当たらないの!!」

インパルスをベースにF91のバックパックを装備したピンク色のガンダム、ガンダムフレールに乗る赤いザフトのノーマルスーツ姿でピンクのショートボブの髪型の少女、リンは何度もライフルを撃っても当たらない状況に苛立ちを感じていた。

既に何度も被弾しており、インパルスのヴァリアブルフェイズシフト装甲のおかげでまだ戦えている状況だ。

だが、いつまでもシグーやジンハイマニューバの十字砲火や重斬刀の攻撃を受けていればいずれエネルギー切れでライフルもヴァリアブルフェイズシフト装甲も使えなくなる。

そうなると武器はもはや腰に内蔵されている2本のフォールディングレイザーだけになる。

「当たらないなら…思い切って!!」

当たらないならもう持っていても意味がないといわんばかりにライフルを投げ捨て、ビームサーベルを抜く。

目の前のシグーに向けて突っ込もうとする中で、背後に回ったジンハイマニューバが突撃銃で攻撃しようとする。

だが、そんなジンハイマニューバに向けて飛んできたビームが突撃銃ごと右腕を焼き尽くす。

そして、彼女が狙っていたシグーにも数発のビームが飛んでくる。

「え、え、ええ!?」

モニターに映る2機の機体にリンは目を丸くする。

なんで急にほかの機体が、しかもプレイヤーがやってきたのかわからず、その中でイカロスが右腕を失い、逃げようとするジンハイマニューバに接近してサーベルで両断する。

「イカロス…こんなにスピードが出るのかよ」

Ξガンダムをベースとしているだけあって、破格のスピードを見せるイカロスを乗りこなせるか気になったものの、今はそれを考えている場合ではない。

ヘリオポリスで戦ったジンとは異なり、ジンハイマニューバもシグーも機動力が高い。

おまけに母艦からはミサイルランチャーやビーム砲といった様々なバリエーションの装備をしたジンが発進しようとしている。

「デカブツをやる、お前はあのピンクのやつをなんとかしろ」

「待ってや、ソロ!一人でこんなん相手は…」

いくら母艦であるナスカを撃沈させればクリアになるとはいえ、それでもガンダムフレールを守りながら複数機と戦うのは初めての実戦であるタオには厳しい話だ。

そんなタオの言い分を無視し、ソロはスラスターを吹かせてナスカへ向かって飛ぶ。

「ああ、ソローーー!!うわあ!!」

シールドに被弾し、もうソロを頼ることができない中でタオはモニターに映るザフトの指揮官用モビルスーツ達を見る。

「ああ、もう!助けに来てくれたのはうれしいけど、私への心配はないの!」

「え、あ、女の子!?」

モニターに映るリンの姿に驚いたタオだが、激しく揺れるコックピットで正気に戻る。

助けてもらっておいてあんまりな言葉をはく彼女に何か言いたかったタオだが、それよりも鉄器を倒すのが先だった。

 

接近してくるイカロスに出撃したジンがナスカを守るように立ち、ミサイルやビームで攻撃する。

「邪魔だ…!!」

ナスカのスピードはアークエンジェルにも匹敵し、エターナルが登場するまではザフトの最速艦と言われている。

今のイカロスのスピードとジンを倒すことを考えると、逃げられてしまう可能性もある。

「なら…こいつで!」

ソロがモード切替の操作を行うと、両肩に搭載されているミノフスキークラフトユニットと背面のスタビライザー、両脚の側面のブレード、つま先を可動するとともにビームバリアが展開される。

フライトモードへと変形したイカロスはさらなる加速を見せ、その加速はパイロットであるソロにも負荷を与える。

「どんなスピードだよ、これは!!」

ジンを突破することができたとはいえ、こんなスピードをコントロールするのは難しく、アームレイカーから手を離さないように必死になっていた。

そのスピードを維持したままライフルを連射する。

ろくに照準を合わせていないため、外れるビームが多いものの、それでも数発は戦艦をかすめたり機銃を破壊していた。

そして、肉薄してビームサーベルで艦橋を斬ったことでナスカは航行不能となり、撃沈判定となる。

ミッションクリアが表示され、同時にフライトモードを解除したイカロスの中でソロは息を整える。

「はあ、はあ、はあ…きついな、こいつは…」

体への影響もそうだが、まさかフライトモードのイカロスをここまで制御するのが難しいとは思わなかった。

正直に言うと、それを完璧に制御する自分をイメージできない。

「…あいつ、どうだ?」

戦艦を撃破したから、もう戦ってはいないだろうと思うものの、一応確認すべくソロはタオたちの元へ機体を飛ばす。

見えたきたのはそれほど損傷がないタオSDカスタムとサーベルを抜いたままのガンダムフレール、そしてすでに撃破されているジンハイマニューバとシグー達だった。

「あ…ソロ!なんで一人にするんや!おかげですごい寿命縮んだで!」

「戦艦倒したからいいだろ、それに、倒せてるじゃねえか」

「アホか!僕一人で倒せるわけないやろ!助けが入ったんや!まぁ…誰なんかとかは全くわからんかったけど…」

どこからともなく飛んできたビームが的確にスラスターや頭部、コックピットを撃ち抜いており、

そのおかげでタオとリンは生き延びることができた。

だが、遠距離から攻撃をしてきたこととすぐに立ち去ってしまったことでだれが助けてくれたのかはわからない状態だ。

(ヘルプシグナルをかぎつけたやつか?それとも…)

「ねえ、あんた!!」

急に接触回線でガンダムフレールと通信がつながり、怒ったリンの顔がモニターに映る。

「どういうつもりよ!助けに来てくれたと思ったら、見捨てて戦艦の方へ行って!」

「クリア条件だからな、実際それでクリアできたからいいだろ」

「良くない!せめて何機か倒してから…」

「ほんまごめん、彼は今日プレイしたばかりで、あんまりこういうのプレイしてないから勝手とかルールがよくわかっとらんのや、僕に免じて、大目に見てくれへんか?」

怒りが収まらないリンに何度も頭を下げるタオ。

そして、今の状況の原因であるソロはめんどくさそうにヘルメットを脱いで頭をかいていた。

 

ヘリオポリス宙域を去っていく彗星。

その彗星は赤く、リミッターを引き上げたことやフルバーニアンのスラスターの恩恵によって高い加速性能と機動力を見せていた。

それを持つ赤いゲルググの中で、パイロットをしているグラサンの男がニヤリと笑っていた。

 

 

 




機体名:イカロスガンダム
形式番号:MSA-119
使用プレイヤー:結城 士
使用パーツ
射撃武器:ビームライフル
格闘武器:ビームサーベル
シールド:シールド(フォースインパルス)
頭部:Ξガンダム
胴体:Ξガンダム
バックパック:ナラティブガンダム(C装備)
腕:ジェスタ
足:オデュッセウスガンダム

GBBBBへの参加のため、士が友人であるタオの指導を受けながら作成したガンプラ。
コンセプトはΞガンダムの小型化で、F90とのコンペのために用意された機体の1機として設定されている。
Ξガンダム由来のミノフスキー・フライト・ユニットとビームバリアが搭載されているため、サブフライトシステムなしでの長時間飛行が可能となっている。
また、汎用性を重視したこととファンネルなどのオールレンジ攻撃兵器の有用性の低下から、ファンネルミサイルやミサイルコンテナ等を廃止した結果、18メートル級でのミノフスキー・フライト・ユニット搭載型モビルスーツとして生まれた。
低下した攻撃力については別途開発されたオプションパーツを取り付けることで補う方向性をとっており、これについてはF90と重なる面がある。
しかし、連邦軍が求める15メートル級に至っていないことや高コストが問題視されたことで結局コンペで採用されたのは翌年に開発されたMSA-0120となり、不採用となったイカロスガンダムはミノフスキー・フライト・ユニットのテスト機としてデータ収集完了後、解体処分されて歴史から姿を消した。
なお、設定を組むにあたり、タオからF90FFを読まされており、晩まで付き合わされたことに士はうんざりした。
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