人間が常に赤ちゃん扱いされるような上位種に生まれたら自分だけおいてけぼり 作:苺のタルトですが
高級プールを貸切にして泳ぎたくなったので、そこを予約。
高級プールなのは、高級ホテルに泊まりたいから。
地球の現金がなぜ大量にあるのかというと、別に魔法でどうこうしているわけじゃない。
ただ、エルフ達の労働力が極まり過ぎで現金が余って余って余りあるぐらい増えたせい。
地球で使う金額が限度を超えても余るので、いつの間にかご自由にという入れ物の中に、お金が寄付金のように貯金されている。
それを使っただけだ。
リリシヤは地球での現金を持ってないので、便利。
それを使用して高級ホテルとプールへの貸切をした。
ホテルは半分貸切に。
おかげで、人間に会わずに済んでいる。
人間として擬態してきているのでただの金持ち客として認識されているので楽。
エルフとして、知られたらあっという間に偉い人間とか興味のあるらしき人間にストーキングされるだろう。
その対策。
リリシヤ以外ならばきっと、喜んでパパラッチに撮られにいく。
それどころか、部屋に連れていき会話を望んだりするのがありありと予想される。
下手したら一ヶ月は部屋に缶詰にされる。
その場合、自業自得なので助けない。
関わったのが悪い。
そんな扱い。
ただ、歩いていた人が引き込まれたらエルフを容赦なく、部屋ごと亜空間に連れて行くけどな。
そんなに部屋に詰めたいなら、好きなだけ居ろと罵り。
「極楽〜、天国〜、ホテル最高〜」
プールに揺蕩いながら、ぷかーぷかーと浮く。
泳ぐのは明日からでいいや。
勿論、エルフなのでこんな施設も作れるし過ごせるが、地球のここでやるということに意味があるのだ。
作ったものでやるのと、元からあるもので過ごすのは体験の差がそこそこある。
その場に行くまでの体験だって、立派な旅なのだ。
「地球を旅するのもいいかも」
ぷかりと浮きつつ、瞼を閉じる。
「最高。文明。最高ー」
エルフにはない発想だ。
自分たちで全てこなせるので、サービスという概念が皆無。
『地球への侵略を行う』
「は────ん?」
突然、緊急事態用の映像が映る。
どう見ても、人間ではない存在が映る。
宇宙人だ。
宇宙人がいた。
画面には凛々しい服を着たやつが、群衆に対して演説をしている。
ファンタジーをガチガチにやってるリリシヤに、言えたものではないけど、SFがあったらしい。
おまけにスペース的な戦争を仕掛けようとしている。
データベースなど、写ったところを調べまくった結果。
「なんだ、ザコじゃん」
エルフが至高なのは知ってたけど、結局宇宙人も、この惑星の中の常識の範囲内の科学力を持ってるだけ。
ワープとか、科学とか。
魔法を使えない時点で相手は詰み。
超能力だろうと、魔法には敵わない。
「地球に手を出すなんてバカなやつらめ」
例え、リリシヤがなにかしなくても彼らがする。
『我らの暮らす星が枯渇し、早五年。漸く生物が生きる惑星を見つけ出した』
『ウオオオオオ!』
「民衆、同意度たっかいな」
余程、飢えちゃったのか。
科学力があっても、農林が死滅したらこうなるお手本。
『地球人達は恵みを独占し』
「自分たちだって今住んでる星を独占して滅ぼしかけてるくせに、自己紹介か?」
額に手を当てて呆れ果てた。
『だから、我らはその星を救いにいくのだ!皆のもの続け!』
閣下っぽい人が言い終わると民衆やらが大きな船に乗り込もうとしたところを。
「えいっ」
『ぎゃああああああ!!』
『うぎゃあああっ!』
『ガガガ!!』
雷系の魔法で丸こげにした。
「宇宙人焼き一丁あがり〜」
プールから上がると飲み物を注文。
美味しい、美味、最高。
「地球最高〜」
当てさする。
『な、なにが』
「閣下唖然としてる、ウケる」
スペック高いくせに、やることの文明がどこも似たようなものなのだ。
『お、恐らく、我らは罰を受けたのかと』
信心ぶかそうな部下が恐るるように発言。
しかし、閣下は現実主義なので認めず襲撃と叫ぶ。
でも、ね。
叫んでも今の攻撃がなくなるわけもなく、次回に防げるかというと無理だよ、な空気が皆に広がる。
全員もれなく受けたからねー。
宇宙ものが、ファンタジーに負けると言うのは近年珍しい現象。
現在のブームは、ファンタジーだろうと現代科学が勝るというのが流行り。
まぁ、中くらいの世界の魔法などなら宇宙技術が凌駕しているが、エルフは一番上なのだ。
無理な話。
越えられない壁。
残念でした〜。
リリシヤは、高級ホテルに泊まれたので浮かれている。
人生で一度でも泊まりたいのに、テレビで指を咥えて見ているだけだったから、余計にね。
『聞きなさい。あなた達は間違いを犯しました』
画面にエルフが登場する。
殲滅するのかと思いきや、流れがいつものもの。
『なんだお前達は』
『あなた達は、私達が救いますよ』
「えー?こいつらも?救うの?」
不満が浮かぶ。
地球丸ごと奪おうとした輩に慈悲?
「わたしは反対。全員記憶消して永遠にその星に閉じ込めて、消えていけばいい」
話し合いなく、問答無用で略奪する相手にすることはそれだ。
チュー、とストローを使って飲み物を飲む。
うまー。
「私は嫌。助けるってんなら、今後あなた達は地球に来るのダメにする。それくらい、甘すぎる」
「や、待って〜!私に考えがあるのよおおお!」
涙をドバッとさせて、目の前に来た。
鬱陶しいとエルフを足蹴にする。
ホテルを貸し切っているのに来られては、意味がない。
「考え?あってもキョーミない。その星に鞍替えして二度と人間に近寄らないで」
「ま、待ってよぉ。ほんとーに、聞いてよおおお!」
いい加減鬱陶しい。
イラっとなる。
「早く話せば」
「う、うんっ。あのね、あの星をね、一番いい状態にするの」
「やっぱりね。勝手にすれば?人間には二度と接触不可にしておくから、じゃ」
「ううう!待って、まだ続きがあるの!」
「へえ」
飲み終わったので、食事に手をつけた。
「あの星は文明が行き過ぎて土地がボロボロになったのが原因だから、ボロボロになってしまう前にリセットするように設定するのよ」
「生かす価値どこら辺?」
「なっ、彼らが可哀想よ」
「あなたにはピンと来ないんだろうど、科学力的に考えると熊が子猫襲ったような感じで、戦力差があったんだよね」
勝ち目なし。
それなのに、熊に命を。
ばっからしい。
「可哀想なら、一生あの星に閉じ込められとけば」
呆れた。
こんなところにも、殺生はいけないよな軽い気持ちで言うエルフ。
杖を振って、向こうの星が完全に他の星に行けないように銀河丸ごと封鎖した。
エルフなら簡単に通り抜けられるけどね。
異世界をあちこち行けるんだから、銀河くらい楽勝。
ただ、あちらの人種を他の星に連れて行くことはできない。
連れていけば、恵みを目にした奴らがまた奪うことを考えるだろうから。
回復させても、飢えの記憶はなくならない。
だとしたら、予備を持っておこうというとは、誰しもが考えるし。
あの交戦的な閣下を見たら、隣の芝生を羨ましがるタイプだとわかる。
「り、リリシヤ〜」
「別に行くなとは言ってない。会うなとも。好きなだけいけば。私の好感度が下がっても、痛くも痒くもないでしょうし」
「やだー!リリシヤ!嫌わないでっ!」
「はいはい。博愛主義なのは今に始まったんじゃないから、わかってるての。バカでアホを見る目にしばらく晒されるだけでしょ。早く行ってきたら」
怒ってるけど、一過性のものだと教えてあげた。
「だけど、地球の人には合わせることはない。交流も。何世紀も過ぎようと、文明が争いと無縁になろうと。わかった?」
「う、うん!約束するっ」
地球は、元から狙われやすいぐらい、エネルギーとかの宝庫。
今まで狙われなかったのは、辺境にあって知られてないから。
他にも、複数のエルフがそわそわしながらリリシヤを見ている。
あの人達は、多分宇宙人ですら愛でたいんだなと、ため息をついた。
銀河系統では、どんな生物だろうとか弱いのだから。
リリシヤが、あちらに行くことは絶望的なほどないけど、たまに様子を見ておこう。
どちらかというと、エルフのために。
やり過ぎても、かまわない。
あちらのことは、放置でいいや。
猫を襲おうとした、クマなど知らん。
もう、どの星にも侵略できないようにしたので、今後彼らがどこかを襲うかもと監視する必要すらない。
人間と他の種族は、住み分けておいた方がいいのだ。
因みにだが、これ以上宇宙人編のことでなにか話が広がる予定はない。
エルフがなにをしてようと、興味がなさ過ぎてリリシヤも話を覚えていないだろう。