人間が常に赤ちゃん扱いされるような上位種に生まれたら自分だけおいてけぼり   作:苺のタルトですが

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18話パパラッチ?隣の無人島で飛ばされたことにパニックになってガチ泣きしてるけど?ははっ、見てよ!エルフたちにあやされながら過去の黒歴史をアルバム化した写真を見せられてギャン泣きしてるねえ

リリシヤはいつものように過ごしていたら周りをエルフが取り囲む。気にせず雑誌を読むと耐えきれないらしく話し出す。

 

初めから人の状態なんて考えたことがないのに、わざわざ待つなんてかなり彼らだけにとってやってほしい重要な件を言われる予感がびしっびしに感じ取れる。激しく拒否したい。

しかし、だ。奴らがそんなストレス値を考慮してくれるわけもなく。

 

「「リリシヤ、相談がある」」

 

大合唱できたんだが。

 

「声の多さで対応するわけじゃない」

 

シッシッと追い払う。

 

「聞いて。最近、私たちをとても撮る人がいてね」

 

「鬱陶しいならアラスカの砂しかないとこにでもテレポートさせとけば」

 

「あら、すか?いいえ?私たちはね近寄ってきた彼らをどこかに飛ばすなんて勿体無いことをするわけでもないし、それを言わせたくてここにきたわけじゃないの」

 

いや、わかっててわざと言ったんだし。

 

「あーっそっ」

 

そっぽを向き雑誌で顔を隠す。

 

「もう!きいてよぉ。それで、ね?」

 

「私たちの写真をやり取りして売り買いしてるみたいなんだよ」

 

「新聞とか、雑誌とかの商業写真ってことでしょ。カメラマンが狙って撮ってるだけだから気にしなくていいんじゃない。私なら真ん中の島に転移させるけど」

 

地球のど真ん中に。足を組んでエルフという存在から完全に気配を消す。そうすればただの空気扱いである。

しかし、相手も同ステータスだから無効みたいなもんなので、丸見えなのだけど。やらないよりやった方がマシな対処。

 

「パパラッチという人たちなの」

 

「エルフをパパラッチするなんて矛盾に飛んでる。隠してないし、赤裸々公開してくるのに、隠れて撮る意味がわからない」

 

パパラッチと聞いて思わず言葉が自然と出る。するんと。

 

「パパラッチの人たちに近づくと逃げちゃうのよ……照れ屋だからかしら」

 

「いやー、グレーなことをしてるから足が癖で動くだけな気がする」

 

向こうでは法律的に不利になるから、見つかったら即時退散するのだろう。パパラッチ界隈なぞ知らないから適当にものを言ってる。

 

「ああ、閉じ込めて逃げられないようにしたら逃げられない」

 

ボソッと言ったら皆が目を点にしてくる。

 

「え?え?リリシヤが肯定した?」

 

「ど、どういうことだ?」

 

「人間愛護会長のリリシヤが!?」

 

「ちょ待て。誰だ今愛護とか言ったやつ」

 

思わず立ち上がった。リリシヤが立ったぞと言い出すけど、うるさい。

 

「もし頭の中で決めたんなら引退するからね」

 

「いえ、あなたは精神的な会長だから引退なんてしなくていいのよ」

 

「引退って言ってるのに、何を言ってんだこいつら」

 

本気でドン引きものだ。勝手に愛護会長にしている癖に引退できないとはなんなのだろう?

 

「じゃあ、解散する。分解分解。はい、跡形もなく、なくなった」

 

言い切るとエルフたちはクスクス、クスクスと笑う。笑うな、泣け。なくなるなんて悲しいとリビドーを吠えさせろ。

 

「リリシヤはなにも考えなくてもいいの。永遠の人間愛護会長なのだもの。皆納得しているのよ」

 

「炎で跡形もなく焼き払えたら、どれだけいいか」

 

彼らのその思考はどうなってるんだ。嫌だ嫌だも好きのうちではないというのに。足をコツコツ動かすも彼らは見てない。

 

「パパラッチのことなんだけどね。どうしたら彼らと触れ合えるのかと思って」

 

無闇に触るなというマナーを守っているようで、相談にきたらしい。うん、心底どうでもいいんだけど。

 

「はは、知らない」

 

同じ手は毎度くわない。そうやって困った困ったと言いにくる時はこちらを動かしたくていう時。たまには自分たちでどうにかしたらいいんだ。いらっとなりながら素知らぬ顔でさらに後ろを向いた。

 

そうしてその後、そのことを忘れて地球に言ったらカメラのシャッター音がしてミシッと杖が鳴る。誰だか知らないけど誰が撮ったんだ?無断で撮るなんて許されない。

 

イライライラ。

 

「無人島に送ってやる」

 

ボソッと口にすると気配が一つ消えて、満足して今日のリストを消化するために進む。今日は祭りがあるから行こうと思ってラフな姿できたのに、よりにもよってラフな格好を撮るなんて酷すぎる。

 

「たこやきー」

 

「カスタードあるよ〜」

 

人の声がわいわい聞こえる。エルフとして来たことに深い意味はない。

 

「一つください」

 

「はいよ!え、エルフ!?」

 

「やっぱり十個で」

 

屋台の男が驚いた顔をするが、今時もうエルフは珍しくないと思う。デパートやお店にあちこちいるし。

 

「は、はい」

 

あせあせと急ぐ人間にゆっくりでいいのでと伝える。急いで作って生焼けにされるなんてごめんだから。

 

「おい、あれって、エルフか?」

 

人間たちが気づいて足を止めるがリリシヤは一瞥しない。ベタベタしないエルフは珍しいのか彼はじっくり見てくる。全員、大体クネクネグネグネしてるから普通のノーマル状態って地味にレアになるみたい。

 

「お、お待ちしまして」

 

たこ焼きを受け取りお金を払おうとするといりませんと言われだが、無銭飲食は普通に無理なので無理矢理受け取らせた。サービスとか好意とか心理的な動きはわかるものの、エルフだから特別扱いも何か違う。

 

それに、他のエルフみたいなこともしないので、人間たちにはエルフ扱いされたくないという気持ちもある。恐れならばいいが好意での物事はされたくない。

彼らはエルフたちにとって存在しているだけで十分らしいから。一生分かり合えない価値観だけどね。うんうん。わけがわからないのは、もうどうでもいいや。

 

なんて思って、たこ焼きを受け取り去ると、そこに人間たちがわらわらとたこ焼き屋に現れる。宣伝効果がありすぎて過労でぶっ倒れないといいけど。仕方ないから回復魔法を一日限定でかけておく。

 

たこ焼きをパクパク食べながらうーんとなる。美味しい。B級グルメっていうのはいつ食べても美味しいと思う。

 

「ソース普通、味普通。この想像通りのよさが屋台であり、たこ焼きの醍醐味」

 

わざわざエルフだから特別な味に変えられたくはなかったので、今回は普通に作られたことを褒めておく。

 

「リリシヤがたこ焼きを絶賛してる」

 

男がこちらを指をさして放つ。まあ、エルフだけどね。

 

「たこ焼きとはどんなものなのだ?」

 

ススス、と寄ってきたエルフが聞いてくるので一つ渡す。エルフの魔法を使うと食べられるが、せっかくなのでオリジナルを食べて美味しさを教えたくなったから。

 

「おお、ありがたいありがたい」

 

嬉しそうにパクっと食べる。

 

「ふむむ、中は柔らかく中にタコを入れていると。オオサカに行った時に丸いものがあったが、それか。人間が食べさせたのはコウキュー店とやらで、びーきゅうというこれを食べさせてくれなかったから、なにかルールでもあるのかと思ったぞ」

 

「食べ物にルールなんてない。あるのは、食べるつもりがあるのかないのかだけ」

 

「そうか。うむ。とても美味しい。人間がせっせと命を一日浪費させて作ったものと思ったら泣きそうになるが」

 

「ならんわ」

 

出た出た、人間ファースト。

 

「このたこ焼き一つでこの値段で売るのはやめておいた方がいいと思うぞ?安すぎる」

 

「高くしたら売れなくて廃棄行きだから」

 

そっちの方が勿体無い。

 

「うむむむむ!美味しいなぁ……ぐす」

 

本気で泣いた。うざくて放置して進んだ。

 

「人が目の前で消えたのが、特に騒ぎになってないもんなんだな」

 

パパラッチを無人島に送ったのに。例の地球の真ん中の島。様子を見ると意気消沈と唖然が交互に忙しなく行っており、エルフが現れてカメラで撮っていた。

しゅんとしているのが可愛いと言われていることに驚いている。かなり評判の悪いパパラッチらしいので、好意的に接せられるのに慣れてない。

 

その後、エルフたちにアルバムのように写真をスクラップされたものを見せられて顔面が蒼白になっている。

そこには今だけではなく、悪事の証拠も混じっておりアルバムを取ろうとしたが、取っても同じアルバムが全員の手にあるのを知り、砂の上でスライディング土下座してた。

 

でも、あんまり効果がないと思う。

 

「そうだ、この写真を個展でみんなに見てもらおう」

 

「おああああ!やめてくれえええ!?謝りますからあああ!」

 

ある意味、静止力になるから止める気にならなかった。

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