招かれる者ー人間賛美   作:ニア2124

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どうも、ニアです

最近五千文字安定になってきた!!

それでは今回も!!


動き出す関係

「………翔、どうしたのよ?」

「あ、ああ………ちょっとボーとしてしまって」

 

 

気づけばレミリアが心配そうな顔で息のかかりそうな距離まで近づいていた。息が顔にかかる度に甘ったるい匂いがする、ブラム・ストーカーでは口臭が生臭いと言われていたがそんな事は無い。血を吸っているとは思えない程の甘い匂い。

ずっと吸っていたい。視界がぼやけてくるとレミリアがニヤニヤとした笑みを浮かべて一歩後ろに下がる。

 

 

「ならいいんだけど、具合が悪いんだったらすぐに言いなさいよ、貴方は人間で脆いんだから」

「あ………はい、ありがとうございます」

 

いけない………少し危なかった、あのままだったら気を失っていたかもしれない。頭の中を整理するように辺りを見回すと先程と変わらない、ダブルサイズ程のベットに明るい光を放つシャンデリアがぶら下がっていた。

洋風のお城の王が居る部屋を具現化した様な構築、まぁここは俗に言う吸血鬼城だが。辺りを見回していると途端にレミリアが口を開く。

 

 

「ああ、そうだった少し待ってて」

「あ、はい………」

 

そう言いテトテトとレミリアの背丈の何倍はあるだろうか大きなクローゼットを開ける、そこから少しだがチラリと見える黒色の衣服。何だか嫌な予感が…………。

バタンと大きな音を立てクローゼットが閉まる。そこから小さな腕で楽しそうな表情を浮かべながら持ってきたのは黒と白色を基準で出来た燕尾服だった。まさかこれを着ろと?

 

 

「はい、翔これ着てみて!!」

「え………恥ずかしいんですけど」

「いいじゃないきっと似合うわよ、それにこれは命令だから、拒否権は無いわよ」

「そうですか………」

 

さぞ楽しそうな笑みを浮かべて二つに畳まれた燕尾服を手渡ししてくるレミリア。それを受け取る俺はきっとレミリアの表情と対照的な欝の表情を浮かべているだろう。

 

 

「それじゃあ着替えてきますよ……………」

「ええ、待ってるわよ~」

 

手を振りながら行ってらっしゃいの合図をするレミリアに苦笑いを返す俺だった…………………

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

携帯を胸ポケットに入れてステッキを手に持つ。全体鏡に自分が映るとそこには黒と白色の燕尾服に見を包み背丈にちょうどあったステッキを手に掴む男が居た。

自分で言うのも何だが中々様になっているな………。

紅魔館に来てから三日間、まさか退治屋の自分が紅魔館の執事になるなんて予想もしてなかったな………。この二日間、咲夜に仕事の手順や起床時間等を叩き込まれた。

最近レミリアが起床する時間は前と違って早くなったらしい。夕方ではなく朝日が昇っているのにも関わらず外出するのもしばしば。なので起床時間は七時三十分と三時二十分の二回に分けなければならない。

かなりハードになりそうだ…………。朝方派の人間である俺は生活バランスが崩れる事自体がかなりキツイんだが。

 

自分の部屋を出てレミリアの部屋へと一直線に進む、先程と違いスラスラと道草もせず目的の場所に着く。携帯で時間を見ると五時の四十分。少し燕尾服着るのに手間取ったからなぁ………。

デジャブの様に扉の前で握りこぶしを作ると「入れ」との声。「失礼します」と声をかけ扉を開くとキラキラした目をしたレミリアがそこには立っていた。

 

 

「待ってたわよ翔!! やっぱり中々似合うじゃない、執事なんだからやっぱ着る服は燕尾服じゃないとね」

「ははは…………ありがとうございます」

 

待っていた物が来たと言わんばかりの輝いた目をして見つめてくる。俺の周りをクルクルと回りながら眺める光景に思わず乾いた笑いが漏れる、まるでファッションショーだ。

満足げにウンウンと腕を組みながら二回程頷く。

 

 

「それじゃあこれから貴方には紅魔館の執事に正式に雇わせてもらうわね、覚悟はいいかしら?」

 

先程と違い輝いた目などではなく鋭い刺さる様な目線を送ってくるレミリア。その気迫に負けない様に俺も大きな声で「はい!!」と言うとどこか安心したような笑みを浮かべる。

 

 

「いい返事ね、じゃあわからないことは咲夜辺りに聞きなさい、頑張ってね」

「はい、それでは!!」

 

まるで初めてバイトをした時の店長とのやり取りだな、そんな下らない事を考えながら俺は部屋から出る前に一回お辞儀をして扉を閉めた。

……………今何だか部屋から出る前に背筋がゾクリとしたんだけど………気のせいかな?

 

 

 

 

「良かった、ちゃんと効いてるのね」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「それじゃあ翔はお嬢様方のサラダとスープを作って」

「サーイエッサー」

 

 

レミリアの部屋を後にしたあと咲夜に何をすればいいか聞いてみた所晩飯の用意をして欲しいとの事。肉料理等を俺に任せない事を考えると背筋に寒気が走る。

ブンブンと考えない様に首を左右に振り目の前に置かれている材料に目を通す。

目の前にはどこから取ってきたのかわからないオマール海老、香味野菜色々、勿論にんにく等は無し、そして咲夜手作りの胡麻ドレッシング、レタスやトマト等の緑黄色野菜や淡色野菜。

スープの具材には咲夜が予め長時間煮込んでおいたカニ汁、どこから取ってきているのかはこれも不明。そしてお好みの様にと言わんばかりに様々な色とりどりの野菜が置いてあった。

 

う~ん………スープはもう出汁が取れてるから野菜入れるだけだけど………サラダどうしよ。まぁ適当に作ってみるか。

 

 

鍋に水と香味野菜を入れ中火で沸かした後オマール海老を中に入れ十分程待機。その間に野菜達をざく切りにしスープの中にドボン。

海老を引き出しそのまま熱さが引くまで冷やす、冷やした後は殻からハサミ、尾の身を外し食べやすい大きさに切る。先程切った野菜と切った海老を平たい皿に綺麗に盛り付け完成。

 

 

「よし、こんなもんかな」

「ん、お疲れ様」

「……………何時から見てたんですか」

「十分待機し始めた所から」

 

流石紅魔館のメイド長、かなり手馴れてるな…………。二段階のキッチンワゴンにスープ、サラダ、肉料理やワインを置く。肉料理については追求しないでおく。ステーキとだけ言っておこう。

十人は座れるなと思える程縦に長い長い食卓テーブル、そこには金髪の少女と青髪の少女だけがポツンと座っていた。

一人はレミリアだ、だけどもう一人はまだ実物では見たことのない、レミリアと同じナイトキャップを被りサイドテールにまとめた金色の髪、レミリアと同じ真紅の様な瞳、そして赤色のミニスカートと半袖、ソックスに赤のストラップシューズを着用。

そして一番目につく枝にぶら下がった七色の光り輝く結晶…………………レミリアの妹、フランドール・スカーレットだ。長いテーブルの一番上に対する様に座っているレミリアとフラン。二人共待ちくたびれたのか両手で頬杖を作っている。

 

 

「お待たせしましたお嬢様、妹様」

「遅いわよ~待ちくたびれたわ」

「まさかテーブルに座って待っているとは思わなかったもので、何時もなら部屋に篭っているじゃないですか」

「たまにはいいじゃない、あと篭ってるとか言わないの、パチュリーじゃないんだから」

 

俺と咲夜が今日の晩御飯になるであろう料理を出しているとフランがじっと赤い瞳で見つめてくる。その穴が開くような目線に耐えながら食器をテーブルの上に並べるとフランが俺に興味が湧いたかのように喋りかけてきた。

 

 

「貴方見ない顔ね………新入りかしら?」

「あ、はい…………本日から正式にレミリア様の執事を始めた斎 翔と申します」

「ふぅん………お姉様のね、中々面白そうね」

「…………………?」

 

フランがレミリアをチラリと一目見ると更に興味が湧いたかのように次々と話しかけてくる。

見た感じ人間ね、とか腰に掛けているステッキは何?とか退治屋をやっていたと言うと真紅の瞳がニタリと笑った様な気がした。

そんな質問責めを受けながらレミリアとフランの前に料理を出し終わる、咲夜と俺が食事を始める主達の二歩後ろに下がり二人を見守るっているとフランがある言葉を俺に投げかける。

 

 

「へぇ…………魅了の力かな? それとも運命かな?」

 

ニヤニヤと笑いながら意味のわからない言葉を投げかけるフラン、ただその言葉を聞くとズキンと頭が少し痛む。

するとレミリアが焦り怒りが混じった様な声を上げる。

 

 

「フラン!!これ以上口を開かない事」

「フフフ………そんなに焦っちゃって、お姉様らしくないよ?」

「フラン!!!」

 

はいはいとつまらなさそうに食事を再開させるフラン、何だ?何を話しているのか全くわからない、心なしか隣に立っている咲夜に冷や汗が垂れていた様な気がした。

少ししてナイフとフォークを手に取りレミリアも食事を再開させる、ただ、目だけは絶えずフランを睨んでいる。

そんな険悪そうな雰囲気が漂う中フランが途端に俺にこいこいと手招きし始める。まるで悪戯を思いついた子供の様な笑みで。俺がフランへと近づくとレミリアのこめかみがピクリと動く。

 

 

「貴方お姉様の執事なんだよねぇ?」

「はい…………」

「そんな警戒しないの、取って食う訳でもないんだし、それでさぁ…………物は相談なんだけど、貴方私専属の執事にならない?」

「え……………!?」

 

いきなりのお誘いに素っ頓狂な声を上げてしまう、そんな俺をクスクスと笑う様に口元を手首で隠すフラン。その動作は淑女の様だった。

手に持っていたナイフとフォークを皿の上に八の字で置いてから立ち上がるとべったり俺にくっつきながら甘い声で囁き始める。まるでレミリアが三日前にした行為と同じ様な。

 

 

「私だけメイドや執事がいないなんて不公平じゃない?だからさ…………一人ぐらい欲しいかなぁって、それに貴方面白そうだからさ………ねぇいいでしょう?」

「え…………いや…………あの」

 

ベタベタとくっつかれ鼓動は段々と早くなり顔が赤くなってくるのが感じる。いや、相手は外見幼女なんだぞ!! 有り得ない、落ち着こう。

落ち着く様に深呼吸を始めると途端に…………………ワイングラスが大きな音を立てはじけ飛ぶ。

ワイングラスの方へ三人(・・)が一斉に向くとそこには粉々になったガラス片の残骸が散らばっていた。まるでポルターガイスト現象だ。

咲夜がちりとりと小箒を使ってガラスの破片を綺麗に回収するとレミリアが口を開く。

 

 

「今日のお肉ちょうどいい焼き加減ね咲夜」

「は、はい、以前仰った様にミディアムレアにしました」

 

「流石ね、あとフラン……………………そろそろ悪ふざけはやめましょうか」

 

 

そう声色を変えフランに睨みをきかせる。その目を見て思わず腰が引けてしまう、赤かった瞳が黒みを増して何とも言えない色になっていたのだから。

フランは頬を小さく膨らまして俺から離れる。怖くないのかと思い良く見ると手が少し震えているのが見える。

また食事を始める二人、先程と違うのは雰囲気が更にギスギスしている事。その雰囲気を壊す様にレミリアが明るい口調で話しかける。

 

 

「それにしても翔って吸血鬼の事良く知っているのね」

「まぁ…………退治屋なんで」

 

先程の出来事とレミリアの睨みのお陰で声が少し震えてしまう。そんな俺とは対照的にまたも明るい口調で話しかけるレミリア。

 

 

「へぇ………どれくらい知っているの?」

「そうですねぇ…………日光に当たると気化してしまう事や流れている水には入れないとか炒った豆に触れると火傷する事や杭を心臓に打たれると死んでしまう事とか色々知ってますよ」

「へぇ………それじゃあ問題、吸血鬼が苦手と言われている十字架を私は楽に触れます、さぁ何故でしょうか?」

 

途端に問題を出してくるレミリア。ニヤニヤと悪戯な笑みを作る物だから少しだけ俺のテンションも上がった。そんな問題オカルト好きの俺にとっては容易いわ。

 

 

「キリスト信者が吸血鬼になり、欲望に負けて他の人間を襲ってしまうが、十字架を向けると自身の罪深さを思い出すからでしょう?キリスト信者じゃないレミリア様には関係の無い話ですね」

「大きなお世話よ…………」

「まぁお嬢様は毎日ルシファー様を崇拝していますがね」

「それは言わないでって言った筈なんだけど咲夜!!」

 

自らの秘密をバラされたせいか顔を赤くして咲夜を叱るレミリア、先程の雰囲気も幾分かマシになり三人一緒に笑い出す。

 

 

……………………ただつまらなさそうにステーキを頬張るフランを除いて。

 

 

 

 




どうでしたでしょうか!?

最近後半のネタ切れ感がやばい

一応小説のネタ作りや骨組みは一日中考えてるんで結構ネタはある(かも)です

だけどいざとなって書くとネタ切れます。何なんでしょうこれ

それでは次回まで!!ドゥワッチ

(最近寒くなってきましたね)
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