とある奴隷の物語   作:mshr

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13話 魔物の部屋

御主人さま達は魔物の部屋がある事にお気づきになられていなかったのか唖然とされていた。

 

ご主人様を守らねば。

 

「ご主人様」

 

私はご主人様の前に出て、突進してくるミノをそらした。

 

ご主人様たちも状況を把握されたのか、戦闘に参加されてきた。

 

「壁を背にしろ」

 

ご主人様のご指示がやってきた。

 

最初に倒られたのは、バルタ様だ。

 

ハンマーで魔物を吹き飛ばしておられたのだが、ミノを押し返そうと大振りで攻撃されていた為、足元のスパイダーへの対処が遅れたのだ。

スパイダーに飛びつかれたバルタ様がそのまま倒れられた。

 

何時もとは比較にならない数の魔物だ。

 

毒消しを飲ませる事は不可能だ。

 

私はそう判断したがファティエはそうはいかない。

 

ご主人様がお亡くなりになれば奴隷である私たちは殉死だ。

 

ファティエはバルタ様に薬を飲ませようとしたところをミノの突進を食らった。

 

もう、どうにもできない。

 

私は戦闘に集中した。

 

一つ、気配が消えるのがバルタ様よりファティエが遅かったことに疑念を持ちながら。

 

そこから、どれだけ戦ったのだろう。

 

何度も気が遠くなりそうになりながら戦った。

 

正直、魔物の攻撃を防ぐだけで精一杯で、ご主人様にはかなりのご負担をおかけしたと思う。

 

エスケープゴート以外を片付けるとご主人様が崩れた。

 

「ご主人様」

 

毒かと私は焦った。

 

「疲れただけで大丈夫だ。あちこち痛むがアナンタは大丈夫か。」

 

ちょっとほっとした。

 

「私は大丈夫です。薬はご主人様がお使いください。」

 

ほんとは手足が痺れて痛む。

 

「後は逃げているエスケープゴートだけだよな。特にスパイダーがいると危険だ」

 

「こちらに向かってくる魔物はおりません」

 

「そうか、薬を飲んだらエスケープゴートを片付けよう。」

 

そう言うとご主人様はアイテムボックスから薬を取り出し私に薬を渡してきた。

 

「私は大丈夫です。ご主人様がお飲みください。」

 

「気にするな。俺は4錠、アナンタは2錠だ。飲んでおけ。」

 

「ありがとうございます。ご主人様」

 

昔、薬を飲む度に文句を言われていたことを思い出す。

 

逃げるエスケープゴートを追い詰め、すべてを片付けた。

 

大量のドロップアイテムと共に合計15セットの武具があった。

 

バルタ様とファティエの分を除くと13セット。

 

ご主人様のアイテムボックスだけでは入りきらず、私のアイテムボックスも使用した。

 

私がアイテムボックスを使用したのは初めてだ。

 

外に出たら完全に夜だった。

 

魔物の部屋に入ったのは昼飯の後、4戦目だったから、かなりの時間を戦っていたことになる。

 

宿屋でご主人様が時間を聞かれたら4時頃だった。

 

個室にご主人様を送ったら

 

「どうせバルタが居なくてアナンタがここで寝ても同じ値段だ。同じ部屋で寝て良いぞ。魔物部屋のご褒美だ。」

 

と、ご主人様に言われた。

 

個室でご奉仕したことはあるが寝るのは初めてだ。

 

「ありがとうございます。ご主人様」

 

私はご主人様が寝るのを確認した後、横で眠りについた。

 

雑魚寝は変わらないが、他人がいない安心感でいつもより安心して眠ることができた。

 

起きた時は夕方になっていた。

 

ご主人様に連れられ、売却のお供をした。

 

武器や防具の購入の時にお供したことはあったが売却は初めてだった。

 

探索者ギルドではカウンターで冒険者ギルドでは商人に売却していた。

 

「どうしてカウンターで全てをお売りにならないのですか?」

 

私は疑問に思って質問した。

 

「ギルドよりも商人の方が高く買い取ってくれるからな。ギルドはノルマがあるからその分だけは売らないといけないけど。」

 

知らなかった。

 

武器屋では隣の防具屋の人が来て防具も売却された。その中にバルタ様のハンマーは無かった。

 

売却を終えると、空が暗くなっていた。

 

何時も渡される食事代を払おうとしない。

 

「どうせ明日までは先払いしてある。バルタの分はアナンタが食え。そう言えば昨日の夜と今日の朝の分があるのか、損した。」

 

「ありがとうございます。ご主人様」

 

宿に付くと「アナンタ、飯を取ってこい」

 

「わかりましたご主人様」

 

隣接する食堂に食事を取りに行った。

食事は丸パンに野菜炒めだった。肉はない。

 

「一日食べてないと足りないな。酒場に行くか。アナンタもついてこい」

 

「承知いたしました。」

 

酒場ではご主人様はエールと芋を、私も芋を床で頂いた。

 

食べ終わるとそのまま部屋に呼ばれた。

そしていつものように伽を行った。

 

「今日もこのままここで寝ろ。大部屋分は払ってないから寝れないぞ」

 

「ありがとうございます。ご主人様。」

 

 

私はご主人様が寝るのを確認した後、横で眠りについた。

 

 

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