次の日は迷宮に入った。
人数が減ったことで、ご主人様4層を選択された。
今日のご主人様は精彩を欠いていた。
盾で守るばかりで余り攻撃をされないのだ…相手がコボルトですら。
ご主人様の武器の方がものがいいので、余計と時間がかかる上に、何時もよりも早い時間で切り上げてしまった。
20体も倒していない。4人の時は一日100体以上も倒していたのだ。大丈夫なのだろうか?
迷宮を出て探索者ギルドに入ったご主人様が出てきた。
宿屋への道を歩いているとご主人様は急に立ち止まり私の方に体を向け私の顔を見た。
「ご主人様何か?」
「アナンタ、すまない」
「ご主人様が謝られるようなことはございません。何かありましたでしょうか?」
「俺は探索者をやめて実家に帰ろうと思う。アナンタを手元に置いておけない。」
「私はご主人様がお決めになられたことに従うだけです。謝られることではございません。」
私は内心動揺しながらも表情を変えずにお返事した。
「今日で最後だ。伽をお願いする。」
「承知いたしましたご主人様」
今まで、命じたられたことはあったがお願いされたのは初めてだった。
初めて連続で呼ばれ、そしていつになく激しいものだった。
次の日、ご主人様と昔いた商館に向かった。
「これはマティンさま、次の返済日にはもう少し日にちがございますが、それにバルタ様がおられないようですが」
「今日はシラー様にご相談があってまいりました。シラー様はお見えで」
「おりますのでお入りください」
「シラー様、お忙しい中お時間を取っていただきありがとうございます。」
「マティン様、ご相談があるとのことでしたが。」
ご主人様は迷宮で起きたこと、そして私を売却したい旨をシラー様にお話になられた。
「そういう事でしたら承ります。非処女ですので通常の戦闘奴隷として買い取らせていただきます。3万5千ナールというところですが、マティン様もお亡くなりになられていれば当方も丸損のところでした。ここは、借金残と相殺という形をとらせていただきます。」
「それでお願いします。」
シラー様にインテリジェンスカードを操作されヨシフ様と部屋を出ようとした。
「アナンタ」
後ろからご主人様…前のご主人様の声が聞こえた。
私は振り返り
「ご主人様。三年間ありがとうござました。」
と頭を下げた。
売られた悲しさが顔に出たかもしれない。
恐らく私は中々売れないだろう。居心地が悪くなりそうだ。頭を上げると泣きそうな顔の前のご主人様の顔が見えた。
私は前のご主人様に複雑な感情を抱きつつ部屋を出て行った。
こうして私は商館に戻ってきた。