とある奴隷の物語   作:mshr

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9話 モンスターカード

5層は短かった。

 

一季も入らなかった。

 

ご主人様が言うにはスパイダーの毒が危険すぎるとの事だった。

 

そうそう受ける訳ではないが、一発で毒消丸と滋養丸を消費するのはかなりの痛手のようだ。

 

それくらいなら一層階を上げた方が良い。とのご判断だ。

 

一般的には探索者LV=階層との事だが私はまだLV3だ。大丈夫だろうか?不安になるがご主人様のご判断に従うほかない。

 

6層はご主人様が判断されたように確かに5層よりも危険が少なくなった。

 

半分はエスケープゴートという魔物で、途中から攻撃をやめてしまうのだ。

 

何回か逃げられたが囲ってしまえば大したことは無かった。

 

6層になりファティエのスラッシュが使われることが劇的に増えた。

 

なにせウロウロするだけなのである。

 

6層になってファティエが褒められることが多くなった。5層では私の方が褒められたのに…

 

ファティエの武器が良いものに換わり更に戦闘時間が減った。

 

その為だろう、今まで同じ大部屋だったご主人様が二人部屋とは言え個室のある旅館に移られた。

 

私達に毛布が渡された。

 

伽のお勤めも外ではなくこの個室になった。

 

また、鍵がかけられるので昼の間は迷宮で必要のない荷物をこのお部屋においておける事になった。

 

お金を払う時に確認したら、10日でそれぞれが銀貨10枚を出していた。

 

1人1日銀貨一枚…100ナールである。

 

部屋になったことで、それまで正直苦痛でしかなかった伽のお勤めもご主人様がじっくり時間をかけられるようになった為か気持ちよくなってきた。

 

私は、強くなり活躍すれば待遇も良くなる。

 

その事を実感した。

 

 

ある日、エスケープゴート倒したらホモールの代わりにカードが出た。

 

話には聞いていたモンスターカードだろう。

 

ご主人様にお渡しすると

 

「ヤギのモンスターカードか。エスケープゴートで間違いないよな?蜘蛛でなくてよかった。」

「ヤギか、確か高かったよな。商人に売りに行こうぜ。ハラルドが買ってくれたよな。」

 

「モンスターカードは初めて見ましたが、ヤギは高いのですか、蜘蛛はどうしてダメなのでしょうか?」

 

「ヤギはよお、魔法使い用のカードなんだ。だから値段が高い。逆に蜘蛛は盗賊なんだよ。売るに売れない。」

 

「ご主人様、そうなのですね。ご主人様たちのご人徳のたまものです」

 

ファティエは元平民で商人をしていたと聞いた。ある程度カードの事は知っているに違いない。

知っていても知らないふりして話を聞き主人を煽てるのは本当にうまい。

私も参考にしなくては。

 

その日のご主人様達は終始ご機嫌だった。

 

カードは何でも商人ギルドでの確認が必要らしく、トラッサに商人ギルドでは無いので後日の支払いとなったそうだ。

 

数日後、迷宮からの帰りに

「昨日、前出たカードが金になった。今日はごちそうしてやる。ついてこい」

 

その日はご主人様達と酒場に行き、ごちそうしていただいた。

パンと味付き野菜と塩コショウで焼いた肉。

 

初めて食べるまともなお肉は本当に美味しかった。

 

またカードが出ないかな?

 

その後も期待しながら魔物と戦った。

 

よく考えてみたら約二年戦って初めて出たのだった…

 

 

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