幼馴染の妹に狙われている俺。そしてシカ   作:ムツヒロ

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ヒロインは出ません。シカは出ます。


二話

「はぁ~朝から疲れた…‥‥‥」

 

 

あの後、なんとか誤解を解いてもらい解放してもらえた。

もう少しで俺の童貞を奪われるところだったけど………‥‥

 

「大丈夫か?安次郎」

 

 

「まぁ、なんとか」

 

 

「わりぃ、餡子のやつが変な誤解して私までそれに乗っかっちゃって…‥‥‥」

 

 

「いいって、こんなこと今回が初めてじゃないからもう慣れたよ……‥‥‥」

 

 

今まで何回餡子のやつに恐怖の尋問させられたかもう覚えてないよ……‥‥‥俺の寿命もだいぶ縮まったよ。

 

 

「今度お詫びにたい焼き買ってやるよ」

 

 

「粒あんの?」

 

 

「ああ、お前の好きな粒あん入りのやつだ」

 

 

やったー!俺、あんこは粒あん派なんだ!!安次郎、粒あん大好き!!

 

 

「見て!虎視さんよ!」

 

 

「ほんとだ!」

 

 

「この前の試験も一位だったんだって!」

 

 

「さすが虎視さん!!」

 

 

おやっ?近くにいた同じ学校の女子生徒たちが虎子を見てなんか言ってんぞ?

 

 

「あっ、虎視さんこっち見た」

 

 

「ごきげんよう、みなさん」

 

 

「「「!!!」」」

 

 

虎子の礼儀正しい挨拶+笑顔でメロメロになる女子生徒たち。

こいつ、今は清楚で成績優秀で品行方正で近所や学校からの評判もめちゃくちゃいい優等生だけど中学の時はヤンキーだったんだよ。

不良が出てくる少年漫画にハマりヤンキーの道を突っ走ってて俺も怖くてこいつから距離を置いていた。

しかし、高校入と同時にヤンキーから足を洗い優等生のイメージを作り上げ今こうなったのである。

 

 

「元ヤンの優等生さん、今日もチヤホヤされてますねー」

 

 

「うっさい。あと元ヤン言うな」

 

 

元ヤンであることは家族と俺以外には知られてはいけないらしく、チクったら山に連れてかれ木に縛られ体中に蜂蜜塗られて虫さんたちと仲良く森で暮らさなきゃいけなくなるので絶対に喋ってはならないのである。

 

 

「大丈夫なのか?こういうのってぽろっとバレちゃうもんだぞ?」

 

 

「大丈夫大丈夫!同じ中学の奴はお前以外はいないから私の過去を知る者はいない!そう簡単にバレねぇって!」

 

 

あーなんかフラグ立てたよこの元ヤンさん。ほんとに大丈夫か?

 

 

<ベチョッ>

 

 

「ぶぇっ!?」

 

 

なにこれ!?なんかベチョッて顔についたんだけど!?

 

 

「お、おい!安次郎!あれ見ろ!!」

 

 

「何…‥‥‥って、ええっ!?」

 

 

虎子の指を指す方を見るとそこには電柱に繋がっているコードにツノ(?)らしきものが生えた女子高生らしき女の子が鼻水垂れ流しながら引っ掛かっているのが見えた。

 

 

「何あれ……‥‥‥?」

 

 

「いや、私に聞かれても‥‥…‥‥」

 

 

なんであんなところにぶら下がってるの?なんかツノみたいなの生えてるし、人か?いやシカ?シカなのか?てか鼻水すご!!

 

 

「ワンワン!!」

 

 

「キシャー!!」

 

 

「ピィ!!ピィ!!」

 

 

「わー!!めっち鳥や犬や猫が威嚇しまくってる!!」

 

 

「お?やんのか?やんのか、オラッ」

 

 

なぜそんな状況でケンカ腰?あっ、みんな逃げて行く………‥‥

 

 

「安次郎、これ助けたほうがいいのか?」

 

 

「うーん、そうだな………‥‥あっ」

 

 

今一瞬目が合ったか?いや、気のせい……‥‥

 

 

「……‥‥‥(ギンギンギンッ)」

 

 

じゃない!!めっちゃ見てる!!俺たちの方をめっちゃ見てるよぉ!?

 

 

「虎子、ここは見なかったことにして早く学校行こうぜ……‥‥」

 

 

「そ、そうだな……‥‥‥」

 

 

早く行かないと遅刻確定だ!さらばだ、名も知らぬシカ?みたいな女の子!!

 

 

「‥‥‥見捨てるんだ…‥‥‥」

 

 

「……‥‥…‥‥は‥‥…‥‥?」

 

 

マズい、完全にロックオンされて逃げられなくなった。

 

 

「べっ、べ、べ、べ、べ、別に見捨てるわけじゃ‥‥…‥‥!」

 

 

「ていうか、勝手にあなたがぶら下がってるだけよね?」

 

 

「悪いが俺たち急いでるんだ!君の遊びに付き合ってる暇はない!」

 

 

「それじゃa「明日のニュースでさぁ‥‥‥‥」へっ?」

 

 

「日野市の女子高生ハトの襲撃を受け死亡って…‥‥放送されるかも‥‥‥」

 

 

「うっ‥‥‥‥!」

 

 

「これから毎朝この道を通るたび…‥私の顔を思い出すかも‥‥‥」

 

 

「ううっ……‥‥」

 

 

「あのとき助けていればって…‥一生引きずって生きていくかも‥‥‥‥」

 

 

「………‥‥‥だぁぁぁぁぁ!!わかったわよ!!助ければいいんでしょ!?」

 

 

虎子のやつ負けて助けることにしたぞ。

 

 

「安次郎!手伝え!!」

 

 

「お、俺も!?」

 

 

「いいからこい!!」

 

 

「ええっ‥‥‥‥(困惑)」

 

 

そんなこんなで虎子と一緒に女の子を電柱から降ろすことにした。

ていうかこの子クッソ重いんだけど?

 

 

「生☆還」

 

 

「ぜーぜーはっ…‥‥」

 

 

「腕いてぇ……‥‥」

 

 

なんとか救助に成功し女の子はケガも特になく無事だった。

 

 

「おま…‥んっんんんっ、あなたどうしてあんなところに?」

 

 

「朝起きたらすでにあそこにいたんだよね~なぜか」

 

 

「マジでなぜだよ!?」

 

 

「ともかく助けてくれてありがとう!特に特徴のない普通のお兄さんとヤンキーのお姉さん!」

 

 

「おーい、特に特徴のないは余計だぞ~?アハハハハ……‥‥って、えっ?」

 

 

今、お兄さんの後なんて言ったんだこの子?確かヤンなんとかって……‥‥

 

 

「は、はぁぁぁぁぁっ!?ヤンキーって誰が!?」

 

 

「お姉さんが」

 

 

「はぁーーーーーーーーーー!?!?」

 

 

あっ、やっぱり虎子のことだ。さっきはヤンキーのお姉さんって言ってたんだね。

 

 

「違うの?」

 

 

「ちっちちっちちちちち違うわよ!何言ってんの!?どこ見て言っちゃってんの!?立てば芍薬座れば牡丹と言われるこの私が!?ヤンキー!?ああああああああああああありえないでしょう!!!」

 

 

必死に否定する虎子。まぁ、俺は知ってるからいいけど。

 

 

「そっか~ヌ~ン…‥でも匂うんだけどなぁ…‥」

 

 

「何が!?」

 

 

「ツノも反応してるし」

 

 

「光んのソレ!?」

 

 

ツノがサイリウムみたいに光っている!?ナニソレ!?どうなってるの!?

 

 

「き、気のせいじゃないかしら!?人違いとか‥‥‥‥」

 

 

「う~ん、でも~」

 

 

「私たち急ぐからもう行くわね!もうあんなところに引っかからないように!行くわよ安次郎!」

 

 

「えっ、あっ、ちょ!?」

 

 

虎子が俺の腕を引っ張りダッシュでその場から離れた。

 

 

「い、いいのか?」

 

 

「いいんだよ!あんなのと関わるとロクなことにならないから!それに私のキャラ作りは完璧だったはず、なのにどうして……‥‥‥」

 

 

正体がなぜかバレたことに戸惑う虎子を見ながら学校に着いた俺たち。

悩ましい表情をする虎子を見て心配するクラスの奴らを見ていると担任の鵜飼先生がやってきた。

 

 

「えー出席をとる前に今日はみなさんに転校生を紹介します」

 

 

転校生?こんな時期に?一体どんな人なんだろうか…‥‥‥

 

 

「さぁ、入って」

 

 

「はーーーーーーーーーーーーーーい」

 

 

「えっ?」

 

 

教室の入り口にいたのは今朝助けたあのツノの生えた女の子だった。

てかまたひっかかってるし!バカなの!?

 

 

「あれ?ん~~~~~~~~~?ヌンッ」

 

 

ツノで入り口を破壊し入ってきた!嘘だろ!?

 

 

「ふふっ」

 

 

「面白い子だね~」

 

 

「シカかなぁ?」

 

 

いや、なんでみんな和やかなんだよ!?みんな正気か!?

 

 

「のっ!!鹿乃子のこです。のこたんって呼んでね」

 

 

皆に自己紹介するツノの女の子改め鹿乃子のこさん、のこたん。

いや、ツノ生えてるんだけど!?ドア破壊してるけど!?え、スルー!??俺がおかしいの!?

 

 

「あ、あ、安次郎…‥‥!!」

 

 

あっ、仲間がいた!よかった~

 

 

「じゃあ、席は……‥‥‥虎視さんの隣が空いてるわね!そこに座ってくれる?」

 

 

「はーい!」

 

 

「がっ!?」

 

 

のこたんが虎子の隣の席に!?なんだかマズいぞ…‥‥‥!?あの子が虎子が元ヤンだって喋ったら大変なことになるぞ!?

 

 

「ご、ごきげんよう!」

 

 

「あっ、今朝の!」

 

 

「あなた転校生だったのね。私は虎視虎子、一応このクラスの学級委員をやってるわ」

 

 

「へぇ、そうなんだ」

 

 

「わからないことがあったらなんでも聞いてね」

 

 

「ありがとう!」

 

 

あれ?なんだかうまくやり過ごせそうだぞ?心配する必要なかったかな?

 

 

「私のことは好きなように呼んでくれて構わないわ」

 

 

「好きなように?わかったよ!ヤンキーのお姉さん!」

 

 

「‥‥‥‥はっ?」

 

 

あっ、やっぱだめだったみたい。

 

 

「虎視さんがヤンキー!?」

 

 

「まさか虎視さんが…‥‥!?」

 

 

「聞き間違いよね!?」

 

 

あっ、クラスのみんながざわつき始めたぞ!?マズくない!?

 

 

「ヤヤヤヤヤヤヤンキーっていったいなんのことかしら?言いがかりならやめてくださる?」

 

 

「言いがかりじゃないよ?私の野生の勘がお姉さんはヤンキーって言ってる」

 

 

「あなた野生なの!?」

 

 

「あとお姉さん‥‥‥処女だね」

 

 

「ハ…‥‥‥ハァーーーーーーーーー!?!?」

 

 

突然の虎子の処女発覚!!これは俺も知らなかったぞ!?

 

 

「ツノも光ってるし」

 

 

「だからどういうシステムなのそれ!?」

 

 

本当にどんな仕組みなんだそのツノは!?もはやメカじゃん!!

 

 

「虎視さんが処女!?」

 

 

「まさか虎視さんが!?」

 

 

「そうなの!?」

 

 

わぁー!!外野がさらにざわつき始めた!!

 

 

「そっ、そんなのなんとでも言えることじゃない!!」

 

 

「えっ?じゃあ処女じゃないの?」

 

 

「いや‥‥‥それは‥‥‥その‥‥‥」

 

 

処女確定だなこれは‥‥…‥‥

 

 

「あっ、そこの普通のお兄さんは童貞だね」

 

 

「ファッ!?」

 

 

今度は俺に狙いを定めいきなり童貞発言!!?

 

 

「そ、そうなの粒井君!?」

 

 

「い、いや、それは……‥‥」

 

 

「童貞が許されるのは中学生までだぞ!?」

 

 

「俺は三日前に大人の階段上ったぞ!!」

 

 

「やりますねぇ!!」

 

 

こうしてクラスメイトに処女と童貞がバレてしまい俺と虎子は恥ずかしい目をみることになった。

俺は今貝になりたいです………‥‥




シスコンメンヘラこしあんがいないだけで平和に進むこの作品ってなんぞや……‥‥
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