四月、新たらしい始まりのある時期。
今日はわが校で入学式があり新入生が体育館に集まっている。
「俺も三年生か~」
ついこの前まで俺も一年生だったのにあっという間に三年生か~時の流れは早いね~
「そういやあいつってこの学校にしたんだよな‥‥…‥‥」
ついに奴が俺の通っている学校に入学してくるとは‥‥……‥‥えっ、奴って誰かって?みんなわかるだろ?そう、奴だよ……………………‥‥
「あーーーーーーーーーーーーくぅぅぅぅんんんんんん!!!!!!」
「うわっ、来た」
新品の女子の制服を着た女子生徒が俺の方へ向かってくる。
そう、奴とは餡子のことである。あいつ、俺と虎子と同じ日野南高校を受験していたのだ。
「やっとあーくんと同じ学校に入れたわ!お祝いのハグしましょう!!」
「あらよっと」
「うごぉっ!?」
抱きつこうと突進してくる餡子を避け、そのまま壁に激突する餡子。
「避けるなんてひどいわ……‥‥でもそういう冷たいところも好きだわ」
「鼻血流しながらそんなこと言われても嬉しくねぇぞ。ほら、これで抑えろ」
「ありがとうあーくん」
ティッシュを渡しそれを鼻に詰めて鼻血を止める餡子。
入学早々に制服汚しちゃだめだろ?
「もう終わったのか?」
「ええ、それよりあーくんこの後暇かしら?」
「えっ?まぁ、部活あるまでは特に何もないけど……‥‥」
「じゃあ、学校案内してくれない?私、ここの学校の中まだ詳しくないから」
「ふむ案内か…‥‥‥‥だが、断る」
「どうして?」
「この粒井安次郎、三年生の目標は『面倒ごとを頼まれたら素直に断る』というものにしたのだ」
こいつと学校中歩き回ったら変に注目されるし恋人繋ぎで歩かされるからな~
だからここは断ることにした。
「………‥‥‥ふーん、そうなの」
「ということで案内なら虎子にでもしてもらえ」
「じゃあ……‥‥‥これがどうなってもいいのね?」
「あっ、そ、それは………‥‥!」
餡子の右手には俺の部屋で大切に飾ってあるDX超合金のガオキングがあり、左手にはクナイが握られていた。
「あーくんが大切にしているこのガオキングを傷物にされたくなかったら私を学校案内して」
「くっ!」
人質ならぬロボ質を取られ俺は困惑している。
あのガオキングが必死にお小遣いやお年玉を貯めて中古ショップでウン万で買った大切な物なんだ。ここは………………‥‥
「わ、わかった!案内するからガオキングを返せ!」
「ふふ、いい返事ね。じゃあ返すから案内してね」
ガオキングのため目標を一日でやめて餡子を学校案内することにしたのであった。
俺って折れやすいタイプかも…‥‥‥
「ここが職員室」
「職員室ね」
「ここが理科室」
「理科室ね」
「ここが図書室」
「図書室ね」
「ここがトイレ」
「あーくんやお姉ちゃんとあんなことこんなことする場所ね」
餡子を色んなところに案内している(もちろん恋人繋ぎで移動しながら)
てか、最後のやつ違うからね?ナニをするところじゃないからね?
「見て、あの子生徒会長の妹さんよ」
「粒井君と歩いてるわね」
「もしかして二人は付き合ってるのか?」
「粒井君って虎視さんとのこたんと仲良いけど……‥‥もしかして!」
「これは三角関係ならぬ四角関係!?」
「昼ドラの匂いがプンプンするぜ!!」
周りからそんな声が聞こえてくる。
やっぱりこうなるじゃねぇかよ。
「そろそろ部活行かなきゃだから案内はここまでだ」
「あら、じゃあ私も一緒に行くわ」
「えっ、もしかしてお前……‥‥‥」
「もちろん、シカ部に入部したわ」
ですよねー、こいつが他の部に入る気なんて微塵もしなかったからな。
「さぁ、早く部室行きましょう」
「あ、ああ……‥‥‥」
人の目も気になるからさっさと部室に行くことにした俺たち。
変な噂流れないといいな…………‥‥
「もうすぐ部室に着くわね」
「そうだな」
校舎を出て部室のあるところまでもう少しだ。
「ふふ、中学も卒業してやっとお姉ちゃんとあーくんと同じ学校の生徒になれたわ♪」
上機嫌な餡子。一方俺は気分はよろしくない模様
「シカ部にも入部申請したしこれからは毎日朝から晩まで24時間お姉ちゃんとあーくんと一緒…‥あんなことやこんなことし放題‥‥‥‥♡」
「何する気だよ?」
「それはもちろん、部室で(自主規制)したり、屋上で(自主規制)したり、体育倉庫で(自主規制)したりとかかしら?」
「聞かなかったことにする」
そんな18禁みたいなこと起きねぇしやらせないからね?
「さっそく部室でお姉ちゃんとイチャイチャしなきゃ!もちろんあーくんも一緒にね!」
「俺もかよ」
部室でいやらしいことするつもりだなこいつ。
「あっ、そういえば餡子」
「なに?あーくん」
「渡したい物があったんだ」
「渡したい物?もしかして結婚指輪!?」
「ちげーよ」
「じゃあ婚姻届け!?」
「だから違うって」
てか結婚要素変わってねぇし
「ほら、これ入学祝いだ」
「これって………‥‥」
俺が餡子に渡した入学祝いの品は縁が金で腕輪部分がピンク色の大人の女性がつけていそうな腕時計だ。
「安物だけどデザインがなんかよかったからそれにしたんだけど………‥‥どうかな?」
「…………‥‥わ」
「えっ?」
「すごく嬉しいわ!!ありがとうあーくん!!」
滅茶苦茶喜んでいる餡子。
基本的に俺や虎子から貰う物ならなんでも喜ぶのである。
「えへへ、あーくんからもらった時計~♪」
こいつ、ほんとこういう時は可愛いんだよな。
シスコンとメンヘラとヤンデレ要素をなんとか無くせないだろうか?
「お姉ちゃんにも見せてあげようっと♪」
餡子は先に部室に入る。が………‥‥
「…………‥‥」
「どうした、餡子?」
急にフリーズしたので何事かと中の様子を見ると
「こしたん先輩、ばしゃめのこともお世話してください」
「ちょ、あなた、やめなさい」
「嫌です~」
あらら、なんか虎子と見知らぬ新入生らしき女の子が百合百合しいことしてるぞ~?
<ブチッ>
今の音は‥‥……‥‥マズい
「………‥‥お姉ちゃん」
「あ、餡子!?」
「私以外の女と何してるの?」
「ひ!ぎゃああああああああああああああ!!!」
メンヘラモードに入り虎子にお仕置きする餡子。
虎子と一緒にいた子は馬車芽めめという子でのこたんに憧れてシカになりたいらしく弟子入りしたらしい。
こうしてシカ部は侵入部員2名増えさらに賑やかになったのであった。
やっとでてきた馬車芽