とある<マスター>のデンドロ記録   作:貴司崎

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PKKクラン<NDK>の一日

 □アルター王国・<ファスト森林>

 

 王都アルテアより東に進んだ場所にある<ファスト森林>、ここでは多様な植物とそれを餌にする草食モンスター、更にそのモンスターを狩る肉食モンスターなど様々な種類のモンスターが生息しており、平均レベルはそこそこと言った所だがモンスターの数が多い場所であった。

 モンスターが多く最寄りの街からもやや遠いのでティアンが利用する事は少ないが、死んでも死なない<マスター>であれば準備を整えて遠征すればそこそこのリターンが期待出来る場所なので中級〜上級レベルの<マスター>のパーティーが狩場として使うことがよくあった。

 

「うわああああァァァ!!!」

「ヒャッハー! モンスターとチマチマ戦ってる<マスター>を横から殴るのは楽しいぜ!」

「オラァ、モンスター共もいけや!」

『『『GUAAAAAA!』』』

 

 そういう場所なのでパーティーを組んで遠征に来ていた<マスター>達がいたのだが、そんな彼等は襲い来るPKに次々と倒されており、更にはPKの一人が<エンブリオ>の力で【魅了】したモンスターにまで襲われて次々とやられていった。

 遠征組<マスター>達も決して弱くはなく平均レベルは350以上でパーティーとしての連携も取れていたのだが、PK組の大半がカンストしており更に【魅了】の<エンブリオ>により数の多い森のモンスターまでもが敵にまわって多勢に無勢となって、最後には盗賊系スキルで身包みを剥がされた後にキルされてしまった。

 

「ヒャッハー! どうも結構溜め込んでたみたいだなアイツら!」

「アイテム回収よりも【魅了】が掛かったモンスターをさっさと始末しろ。そろそろ俺の<エンブリオ>の効果が切れる」

「やっぱり此処に来る奴等は相応に準備してしてるから溜め込んでるなぁ」

「<マスター>同士なら指名手配される事もないしついでにモンスターも始末出来るから稼ぎはいいぜ」

 

 そうして遠征<マスター>パーティーをキルし終わったPK達はデスペナによって落ちたアイテムを回収し、更に【魅了】に陥ったモンスターも始末してそのドロップアイテムも手に入れて今回の成果を見て悦に浸っていた。

 ……そんな風に効率的なPKを行い稼ぎを得ている彼等は自分達が上手くやってると思っていたし、実際に結構上手く立ち回ってはいたのだが被害者達も“死んでも死なない”<マスター>故にその情報を腹いせに掲示板などで言い触らしているので、彼等の“効率的な狩り方”は出回ってそれを知った上で動く者達もいた、

 

『…………』

 

 実際、今その森の木陰には気配を消してスキルによる探知にも引っ掛からない“周りの景色に溶け込んだ犬”が自分達の戦果に酔いしれるPK達を物音一つ立てずにじっと見つめていたのだから。

 

 

 ◇

 

 

「…………という感じでライ君が発見したPKKチームは現在アイテム回収中、辺りのモンスターも連中が大体処理している様です」

「MPK込みでやってる訳だな、思った以上にやり手だ」

 

 そこから数キロ程離れた森の中で【偵察隊(リコノイター)】アイネ・フラウは自身の<エンブリオ>であるPK達を見ていた犬──TPPE:ガーディアン【追跡猟犬 ライラプス】から得られた情報を<NDK>の仲間に伝えていた。

 アイネの【ライラプス】は『追跡』を能力特性とする<エンブリオ>で指定したターゲットの痕跡を探り当て、そのターゲットがいる場所まで追跡し続けるスキルを持っており、直接戦闘能力こそ低いが《気配操作》《消音》《迷彩》《探知阻害》のスキルで隠密行動も可能なので目当てのPKを見つけ出す役割を担っている。

 そして今回は“<ファスト森林>内で<マスター>を殺している<マスター>”を追跡対象に設定してターゲットのPKクランを見つけ出し、監視カメラの様な視点を設置する【偵察隊】のスキルと合わせてPKの情報をアイネ達に齎したのである。

 

「連中は狩り後終わって気を抜いている状態ですし、周囲のモンスターも戦闘音を聞いて離れている様ですから今が狙い目でしょう。当初の作戦通りに夢無霧の<エンブリオ>を使って敵を混乱させつつキルしていきます」

「ようやく戦闘ね、血が騒ぐわ」【Form Shift──【Reversal Sword】】

「ああフララ、久しぶりの対人戦だ。……そして頼むぞ夢無霧」

「……ん、了解」

 

 そうして<NDK>クランオーナーの【処刑王(キング・オブ・エクスキューション)】シュバルツ・ブラックは自身の<エンブリオ>である『フララ』を長剣形態にして装備して戦闘態勢を整えると、メンバーの一人である弓を持った物静かな青年【猛毒弓手(ヴェノム・アーチャー)夢無霧(むむむ)へと声を掛ける。

 

「……《白中霧》《境界を閉ざせや白き霧よ(クニノサギリノカミ)》」

 

 そう夢無霧が自らの<エンブリオ>のスキルを使用すると同時にその身から“白い霧”が溢れ出して<NDK>のメンバーを包み込み、更にそのまま霧は急速に広がり続けて<ファスト森林>を飲み込んでいった。

 

 

 ◇

 

 

「ヒッヒッヒ、今日はだいぶ儲けたなぁ……ん?」

「どうした? 呪いのアイテムでもあったか?」

「いや、なんか視界が……霧が出て来た?」

 

 ドロップアイテムの回収を終えようとしていたPK達だったがその内の一人が辺りに薄靄が立ち込めて来た事に気が付いたのだが、次の瞬間には靄が一気に濃くなって10メートル先も見通せない程の濃霧となり森林一帯を包み込んだ。

 

「なんだコレ!? あたり一面にいきなり霧が……!」

「異常気象か?」

「バカ! こんないきなり現れる霧なんてモンスターか或いは他の<マスター>からの攻撃に決まってるだろ!」

 

 PKのリーダー格の男が言う通り、今の霧に包まれた<ファスト森林>の現状は夢無霧の<エンブリオ>【誤理霧中 クニノサギリノカミ】の必殺スキルを除けば唯一のスキル、周囲に濃霧を展開する《白中霧》によって齎されたモノである。

 ただし《白中霧》によって発生した霧にはどれだけ濃くても自身とそのパーティーメンバーには薄靄程度にしか見えず視界を阻害しない効果もあるが、そのぐらいの普通の煙幕系アイテムにも付いてくる追加効果しかない基本的には単なる霧でしかない。

 

「全員周囲を警戒! 索敵要員はスキルで敵の詳細を把握!【翆風術師(エアロマンサー)】は霧を吹き飛ばせ!」

「ダメだ! 何かに妨害されたみてぇに周囲を探る魔法からノイズが……!」

「……クソッ! 風魔法で吹き飛ばしても一時的に霧が晴れるだけで直ぐに元に戻っちまう!」

 

 だが、“ただの霧を発生させる”という能力に<エンブリオ>のリソースの大半を注ぎ込んだ故に《白中霧》は最大で()()()()()()()()まで霧を展開する事が出来て、その圧倒的な霧の総量に加えて展開範囲や濃度の操作と合わせれば風属性の上級職奥義程度ならば吹き飛ばされても瞬時に元の濃霧に戻す事すら出来。

 そして必殺スキル《境界を閉ざせや白き霧よ(クニノサギリノカミ)》は《白中霧》の中にいる自身と自身のパーティーメンバー以外の者の視覚媒体及び能動的な感知系スキルを妨害する効果があり、コレにより必殺スキル使用中はスキル効果による周囲の探知も困難になるのだ。

 

「気を付けろ! 敵はこの霧に紛れて仕掛けて来るぞ!」

『……成る程、判断は早いですね。だが此方が一手早い。《獲物を止めよ星の猟犬(ライラプス)》』

『AOOOOOoooooッ!!!』

 

 それでもPKは何処からか来るであろう敵を警戒して戦闘態勢へと入ったが、それよりも早くアイネが既にPK達の近くにいたライラプスに必殺スキルを使わせ、それに応えて半身たる犬の<エンブリオ>が咆哮を上げるとPK達の手足が【石化】していった。

 この《獲物を止めよ星の猟犬(ライラプス)》はモチーフになったギリシャ神話の猟犬の逸話に則り、一定時間追跡した対象に対して【石化】効果を齎す咆哮を上げるスキルであり、更にライラプスの追跡・隠密スキルやマスターのジョブスキルを一定時間封印する事で効果を上げる事も出来る。

 

「指揮官系統以外のスキルを封印しましたが敵の数が多いので効果が分散していますか。後は呪怨系や【石化】耐性持ちもいるから通りが悪い……状態異常対策の<エンブリオ>かもしれん」

『サブオーナー、俺の“アイトワラス”が配置についたぜ』

「分かりました、それではガガガガイ、お願いします」

 

 ただ、必殺スキルは対象が多い程効果が分散して【石化】強度が落ちる事、そしてPK達が対人を想定してか装備や<エンブリオ>で状態異常耐性を固めていた事もあって完全な石化にはならず時間を掛ければ治りそうだったが、少なくとも戦闘メンバーが到着するまで一時的に足止め出来れば良いとアイネは判断して【テレパシーカフス】で次の一手を指示。

 指示を受けた<NDK>メンバーの一人【大盗賊(グレイト・シーフ)】ガガガガイは自身の<エンブリオ>である黒いドラゴン型のTYPE:ガーディアン──【竜盗堕火 アイトワラス】を霧に紛れてPK達に接近させて“事前に準備を済ませていた”必殺スキルを行使した。

 

「クソッ!【石化】の状態異常だと!? だったら【高位霊水】と回復魔法を……」

「さぁて、どれだけ奪えるかなぁ?《対価を以て財を奪え(アイトワラス)》!」

『GAAU!!!』

 

 手足の石化に争いアイテムや回復魔法で【石化】を治そうとしたPK達に無音で飛翔して接近していたアイトワラスが必殺スキルを行使すると、PK達が取り出そうとしていた【高位霊水】含む複数のアイテムがアイトワラスに奪い取られたのだ。

 ……必殺スキル《対価を以て財を奪え(アイトワラス)》の効果は事前に幾つかのアイテムをコストとして捧げて、捧げたリソース量に応じた回数だけの対象となった者が所有する装備・アイテムをランダムで奪い取るというものである。

 だが、対象の装備及びアイテムボックス内に存在する全てのアイテムからランダムで盗むアイテムが選ばれるので、アイテムボックス内に多数のアイテムを収めている事が多い中級者以上の<マスター>などが相手の場合には狙ったアイテムを盗む事は困難ではあるのだが、この必殺スキルにはもう一つの効果があり……。

 

「【高位霊水】が消えた!? まさか盗まれたのか!」

「ほぉん? 結構溜め込んでたじゃないか。【救命のブローチ】に【身代わり竜鱗】に【快癒万能霊薬(エリクシル)】に【高位霊水】に【高位聖水】と……コストにしたアイテムが倍以上になって返ってくるこの感覚はやっぱりやめられねぇなぁ!」

 

 その効果とは『コストに捧げたアイテムと同名のアイテムを対象が有していた場合、それら全てに基礎確率100%で盗む判定が発生する』と言うものであり、捧げるアイテム次第では多大なリターンが得られる可能性があるのだ。

 実際、今回ガガガガイは多くの上級<マスター>が保有している事が多い汎用性の高いアイテムをコストにする事で多数のアイテムをPK達から盗み取り、それによって汎用性の高いアイテムを使用不可能にしてPK達の戦闘能力を大きく削ぐ事に成功していた。

 

『ガガガガイが敵の【ブローチ】類を奪いました。まず夢無霧とフィアンマは【石化】して動けないでいるPKを攻撃して数を減らし、そこから近接組で残りを掃討します。ガガガガイは一旦アイトワラスを離れさせなさい』

「オッケ、アイトワラスは一旦離脱!」

「《ポイズン・コーティング》《ヴェノム・アロー》」

「PKは消毒よ!《チャージ・バックシフト》《マジック・プロクラスティネーション》《クリムゾン・スフィア》《クリムゾン・スフィア》《クリムゾン・スフィア》《クリムゾン・スフィア》《クリムゾン・スフィア》《クリムゾン・スフィア》ァァァ!!!」

 

 そこで間髪入れずアイネの指示が飛び霧の中から夢無霧の【猛毒弓手】のスキルで手製の猛毒を塗布した矢が軽装のPKに突き刺さり、更に手に一本の杖を持った<NDK>のメンバー【紅蓮術師(パイロマンサー)】モヒカン・フィアンマが上級奥義魔法である超高威力の火球をノータイムで六連射してPK達の半数近くを消し炭とする。

 ちなみに上級奥義魔法を六連打したのはモヒカン・フィアンマの杖型TYPE:エルダーアームズの<エンブリオ>【後回魔杖 エピメテウス】のスキルによるモノで、“後回し”を能力特性とするこの<エンブリオ>は魔法スキルのクールタイム延長と引き換えの威力強化やチャージ時間消去、更に魔法スキルのクールタイム消去を最後に消去した累計時間分のクールタイム延長と引き換えにして行えるのだ。

 

「ヒャハハハハハァ!!! PK達がまるでゴミのようだぜ! ……今の連打でMP切れたから回復するわ、後よろ」

「……ん、フィアンマは瞬間火力特化過ぎて継戦能力に欠けるね。《ポイズン・コーティング》《ラピッド・アロー》」

「じゃあ俺達も行くぜ!《スティール》《ビッグポケット》!」

『GAAAAA!』

「う、うわぁァァァッ!!!」

 

 まあ、当然その分だけMP消費は激しくなるのだがフィアンマが休んでいる間は他のメンバーが動けば良いだけであり、夢無霧の毒矢の連射とガガガガイによる装備の盗み取り、更にアイトワラスの爪牙に接触した装備品を奪い取る《スティール・クロウ》によって上級奥義の連打で半壊したPK達は更なる混乱に襲われる事となった。

 ……それだけ先手を取られても対人になれたPK達はどうにか【石化】を回復魔法で治して、近くにいるガガガガイとアイトワラスへと武器や魔法で反撃に移るが、<NDK>のメンバーは周囲に立ち込める霧に紛れる様に動きながら戦うので攻撃を当てる事すらも困難を極めた。

 

「テメェら舐めてんじゃねぇぞ!《スタートダッシュ》《ランナーズ・ハイ》!」

 

 しかし、それでも幾度も<マスター>との戦いを繰り返して対人戦を磨いて来たPK達もただ何もせずにやられる訳ではなく、特にリーダー格の突撃槍(ランス)を装備した男は【石化】が治った瞬間に走者系統のスキルとその派生上級職【疾風走者(ゲイル・ランナー)】の奥義よって初速から最高速度で駆け出しながら更に加速した

 この《ランナーズ・ハイ》は走行時のAGIに加えてその効果が走行時間に比例して強化されるスキルであり、そこにPKリーダーの<エンブリオ>である脚甲【疾装走甲 アキレウス】のAGIの数値分だけENDを上昇させるパッシブスキル《神鉄の走者》が加わる。

 

「見つけたブチ殺す!《ランス・チャージ》!」

「ぐわあああああ!!!」

「フィアンマがやられた! この人手なし!」

「だからあれ程前には出過ぎるなと……まあ【ブローチ】が砕けただけだが」

『いや超音速で切り返してもう一回突撃されて死にましたね。流石に奇襲であっさりとは行きませんか』

 

 そして【アキレウス】のAGIに特化したステータス補正とAGIを引き上げる装備補正、加えて他の走者系統の走行速度強化ジョブスキルと合わせればその速度は短時間で超音速に届き、その分だけENDも上昇して男は“硬くて速い”と言うシンプルに強力な力を得るのだ。

 そしてPKリーダーの霧への対処法は得た速度で霧の中を走り回り敵を探すと言うこれまたシンプルなもので、見つけ次第【突撃槍兵(アサルト・ランサー)】のスキルによる槍突撃(ランスチャージ)で貫きつつ【ブローチ】が発動しても速度差を活かしての再度の突撃で轢殺していく。

 

『アレにこれ以上走らせると面倒ですね。……オーナーお願いします』

「分かった、A()G()I()()()()()()()()だからな。夢無霧は俺の周囲の霧だけ薄めろ」

「ん、了解。ただ長くは持たないよ」

「構わん、すぐに終わる」

 

 そう言いつつ己が<エンブリオ>である黒い長剣を持った<NDK>クランオーナーのシュバルツが暴れ回っているPKリーダーの男にゆっくりと近付いて行き、同時に夢無霧の操作によってその周囲の霧が薄れてPKリーダーもシュバルツの事を発見した。

 だが、発見したにも関わらずPKリーダーはシュバルツのスキル効果を切らさない様に周囲を走りながら様子見をしていた……あからさまに攻撃を誘っているのでカウンター系の能力者だと判断して迂闊に攻めてこないのだ。

 

「ふぅん? アレだけ調子こいてPKしてたのにちょっと強い連中と当たっただけでビビるのかwww。所で良い感じにPKしてたのに奇襲でボロクズにされるのってどんな気持ち? そんな間抜けな経験したPKの感想が聞きたいなぁ?」

「……ぶっ殺す!《駆け穿て彗星の如く(アキレウス)》《チャージング・ペネトレイター》!」

 

 なのでシュバルツは挑発による誘導と本人の趣味も兼ねて煽り散らし、それでキレたPKリーダーは必殺スキルと《突撃槍兵》の『突撃速度に応じて攻撃対象の防御力を下げる』奥義を使って突撃槍を構えて突貫する。

 ……とは言えPKリーダーはただ挑発に乗った訳ではなく必殺スキル《駆け穿て彗星の如く(アキレウス)》はAGIを攻撃力に加算する効果に加え、一定以上のAGIで走りながら直接攻撃した場合には攻撃対象の防御系スキルを無効化する効果があり、挑発に乗ったと言うより走行時間を稼いで必要なAGIになった時点で攻撃して仮に【ブローチ】やカウンタースキルなどがあってもそれごと貫いて撃破出来ると考えての行動であった……が、男が突撃に移ると同時にその速度が“常人並み”に落ち込んだ。

 

『《応答抜剣(オートカウンター)》起動《速域逆転(アンサラー)》』

「な「《死刑執行(エクスキューション)》」にが……?」

 

 可能な限りバフを掛けたAGIが一瞬にして低下した異常に男が疑問を覚るが、それと同時に“超音速”で接近したシュバルツが見舞った【処刑王】が有する神速の斬撃がその首を落とし、処刑人系統のスキルの効果で蘇生可能時間が瞬時にゼロとなった男は疑問を浮かべたまま即座に光の塵に変わっていった。

 ……これがシュバルツの<エンブリオ>であるフララ──TYPE:メイデンwithエルダーアームズ【逆転剣姫 フラガラッハ】の『自身と相手のAGIを入れ替える』スキル《速域逆転(アンサラー)》の能力であり、今回は加速しているPKリーダーと自身の低いAGIを入れ替えて先に攻撃したのである。

 

「常人レベルのAGIで超音速機動に対応できる程ではなかったみたいだなコイツ。どっかの抜刀兎や阿修羅女と違って」

『アイツらAGIマイナス補正装備使って常人レベルまで速度を落とした上で押し付けるぐらいなら対応してくるしね。それはそれとして久しぶりに首を刈れて満足したわ』

「やっぱり妖刀じゃねぇのかオメー」

 

 このスキルにより本来ならAGIが低過ぎてまともに戦闘には使えない筈の【処刑王】でもシュバルツは前衛系<マスター>相手にも戦闘を行えて、むしろAGI型相手であれば圧倒的に優位に立つ事が出来るのだ(勝てるとは言ってない)

 

「なっ!? まさかリーダーが……!」

「隙ありぃ! 誅伐を受けよ!《アストロガード》《鎧袖一触》!」

「オラァ!《スリーピング・ファング》!」

「こういう時の為の火力要因なんだけどフィアンマぇ。《ヴェノム・アロー》」

 

 そしてパーティー内の人間の死亡通知によってリーダー格の男が倒された事を知ったPK達の動きが動揺で鈍り、その隙を突いた<NDK>のメンバーが全身鎧型<エンブリオ>からジェット噴射しての体当たりや睡眠効果のある短剣での一閃、更には致死性の猛毒を塗布した矢による射撃で敵の数を減らしていく。

 そこにシュバルツも参加してAGIが高めのPKを見繕ってステータスを入れ替えた上で、上がったAGIを活かして何人かの首を落とした辺りでPK達は<NDK>によって壊滅したのだった。

 

 

 ◇

 

 

「スキル封印解除、索敵スキルによると周囲にもう私達以外の人間はいませんね。PKの討伐は完了、こっちの被害はフィアンマがデスペナしましたか」

「アイツは瞬間火力に特化し過ぎてて攻撃が終わったら油断する悪癖があるからな。まあ霧の中に隠れていたが運悪くあの突撃槍使いに見つかったのも大きいが」

「ん、とりあえずフィアンマのドロップアイテムは回収しておく。必殺スキルは解除するけど私達の姿を見られない様に《白中霧》は引き続き展開する」

「PK共もドロップ品の分配は後で話し合うとして一応警戒は怠らない様に。私達が連中と同じ様に戦利品に現を抜かして奇襲を受けるとかいうミイラ取りがミイラになる展開はアホ過ぎるので」

 

 そうして戦いが終わった後で<NDK>のメンバーはPK(とデスペナしたモヒカン・フィアンマ)のドロップアイテムを回収しつつ、万が一自分達と同じ様に奇襲を仕掛けてくる存在を警戒してシュバルツとアイネが索敵スキルを使い周囲を警戒していた。

 ……とは言え、<NDK>が発足してから初めてPKKとしての狩りが上手くいったのでメンバーからは成果に対する高揚感の様なものが滲み出てやや浮ついていたが。

 

「奇襲が上手く決まったとは言えこっちより人数が多いPKに天誅出来た辺り俺達って結構強くね?」

「【犯罪王(キング・オブ・クライム)】を狙った時には何故か古代伝説級<UBM(ユニーク・ボス・モンスター)>と戦うことになって超級職のオーナー以外は全滅だったからなぁ。正直言ってPKKやっていけるのか不安だった」

「ん、あの【エルマタドール】は射撃全部反射してくる上に幻術で撹乱して防御無視斬撃で一人一人始末された。《白中霧》もアンデッド特有の生命を感知する感覚には無意味だったし。……必殺スキルが視覚以外の感覚による探知には無意味って初めて知った」

「あの一件からモンスター相手に連携の訓練は積んだけど対人でやれるかは分からなかったからな」

 

 実の所、本格的に<NDK>というクランでPKKを行い成功させたのは今回が初めてであり、それまではモンスター相手に連携の訓練を行いながらレベリングばかりだったので“以前のPKK失敗”もあって今回の狩りはやや不安だったのだ。

 だが、蓋を開けてみればデスペナ者は出たものの概ね勝利と言っても良い結果であり、更にPK達が<マスター>をキルして手に入れたアイテムを丸ごと奪えて戦果も十分だったので少し浮ついているのも仕方ないだろう。

 

「やっぱり組んだばかりのクランでいきなり大物を狙うのはダメですね。こうしてコツコツと成功体験を積ませるのが一番でしたか」

「この前の【エルマタドール】にやられた事はそこまで気にする事はないと思うぞ。少なくともカンスト<マスター>十数人よりは古代伝説級<UBM>一体の方が強いしな。古代伝説級になると討伐にはティアンの超級職が複数必要だと言われてるし」

 

 以前の失敗のせいで下手をするとクランから抜ける人間も居るかも知れないと考えていたオーナーとサブオーナーとしても今回のPKKでメンバーに自身が付いた事は上出来であり、デスペナしたモヒカン・フィアンマへのフォローさえしっかりしておけばクランとしてどうにかやっていけるだろうと判断していた

 

「レベルをカンスト近くまで上げて互いの<エンブリオ>の能力を把握して、それを活かせる連携が出来ればそれなりには戦えるしな。今の<NDK>であれば天地の対人戦でもそこそこ戦えるだろう」

「オーナーの厳しい指導を頑張った甲斐はあったな。ただここまで出来ても“そこそこ”止まりなのか」

「天地基準だと個々のプレイヤースキルがまだまだで連携も荒いしな。……後は<マスター>の中でも準<超級>上位陣以上とかだと“圧倒的な個としての戦闘力”で叩き潰されるかもしれんが」

「ん、上には上がいる。でもオーナーも準<超級>」

「俺は大分ピーキーな戦闘スタイルだから相性次第では上位陣もキル出来るけど、逆に相性悪いと一方的にに潰されるタイプだしな。準<超級>としては大体中堅ぐらいじゃないか?」

 

 天地の超級職ティアンや準<超級>以上のヤバい<マスター>達と幾度も戦って何度もデスペナルティに追い込まれた事があるシュバルツなので自身の戦力評価は厳しめだが、先程も当然の様にリーダー格含めてPKを数人キルしているのを見ていたクランメンバー達にとっては彼も十分に強者に見えていた。

 そしてそんなオーナーがいて今回見事にPKKを成功させた自分達<NDK>は今後もやっていけるとメンバーぐらい思い始めて、それを見たサブオーナーはとりあえず今後もクランは運営出来そうな雰囲気になったと一息吐いた……所で【偵察隊】のスキルにこちらに向かって来る“何か”の反応ぐらい現れた。

 

「こちらに誰か近づいて来ます。……これは、《白中霧》の範囲内に侵入して真っ直ぐ私達の元へ向かって来てますね。反応からして恐らく人間、数は一人。念の為にライラプスを偵察に向かわせます」

「ん、今はクランメンバー以外はまともに視界が効かない筈だけど。必殺スキルは切ってるから探知系スキルで捉えられたかな」

「PKの生き残りか? 先生攻撃した方が……」

「いや、あの連中の仲間ならパーティーメンバーが全滅した時点で逃げてるだろうし、外から見たら“怪しげな濃霧が不自然に存在する場所”に近付いて来る事はないと思うんだがな。……まあ『強敵がいそうだから行ってみるか、オラわくわくすっぞ』とかの修羅勢の可能性は否定できないが」

「単に霧が出ていて何かのイベントだと思った<マスター>とかかも知れませんしね。とりあえず霧は解除せずに様子を見て、ある程度近付いて来たら声を掛けて確認しましょう」

 

 まだ敵のPKである可能性も残っているのでシュバルツ含めた前衛組を前に出しつつ、霧の濃度を調整して後衛組の姿だけを隠して戦闘時に奇襲出来る様に準備してしてからオーナーのシュバルツが拡声アイテムを使って声を掛けた。

 

「あー、今霧の中を進んでいるそこの人、俺はPKK<マスター>のクラン<NDK>のオーナーシュバルツ・ブラック。お前がPKじゃないならこちらから仕掛ける気はないからさっさと立ち去った方が良いぞ。ここにイベントとかはないからな」

「……ふーん、なんだシュバルツ君か。妙な縁もあったものだね」

「ふぁ!? その声は……!」

 

 だが、返ってきたのは高めの少女の声であり、更に()()()()()()()()()()()()シュバルツがPKKしようとしたら生贄になるティアンの少女を見つけてしまった時レベルで慌てふためいたので一体何事かとクランメンバーも動揺し出した。

 そんな風に騒然とした彼等の前に霧の中から現れたのは大体中学生ぐらいに見える白髪赤眼の少女だったが、左手には“オーラを纏う巨人”の紋章ぐらいあり身に纏う装備品には特典武具やかなりの高級品が含まれていたので相当な高レベル<マスター>である事は察せられた。

 

「美k……ミカちゃんがどうしてここに!?」

「レベリングとクエストついでに散歩してた。そっちはこんな所で霧なんて出して何やってるのシュバルツ君」

「いや、俺達はPKKの狩りでPK<マスター>を狩ってただけだから! 決してやましい事をしてた訳じゃ……!」

 

 しかし、そんな彼女を前にしてPKK時や<UBM>戦でも見せた事がない程に動揺しているオーナーの姿を見て自分達が思っている以上にやばい奴ではないのかと<NDK>のメンバーは疑問に思い《看破》や《鑑定眼》を使って謎の少女の情報を抜こうとしたのだが……。

 

「アレ?《看破》が機能しない……妨害されてる?」

「《鑑定眼》もダメだ。どうなってるんだ?」

「……彼女相手に“能動的なスキルによる干渉”は意味をなさないのでやめておいた方が良いでしょう。彼女……戦士派生戦鬼系統超級職【戦姫(バトル・プリンセス)】ミカ・ウィステリアとは敵対したくはないですしね」

 

 そんな中で唯一少女──アルター王国所属の準<超級>『ミカ・ウィステリア』と面識のあったアイネはクランメンバーに対してそのジョブ名と共に情報を教えて、少なくともPKではないので敵対すべきではないと説明する。

 それを聞いてPKでもない準<超級>クラスの実力者であれば下手に敵対すべきではないからオーナーはアレだけ焦っているのか……とクランメンバーは思ったが、実際にはもう少し複雑な様で単純な事情があったりする。

 

「へー、PKKのクランを作ってたんだ。天地から王国に移籍したって聞いてたけど楽しくやってるみたいだね」

「あ、ああ。……よ、よかったらミカちゃんもウチのクランに入る……」

「あーごめんね。私はPKKとかはあんまり興味がないし、今はクランに所属せず自由にやりたいから。まあレジェンダリアに移籍したミュウちゃんは魔法少女クランで楽しくやってるみたいだからクランに興味がない訳じゃないけど」

「そ、そう……さ。誘っちゃってごめんね」

 

 ……そんな風にオーナーのシュバルツの精神年齢がなんか下がってる感じの受け答えになっており、更にサブオーナーよりこっそり二人はリアルでの友人関係である事を伝えられたクランメンバーは何となくだが事情を察し始めていた。

 

『はー(クソデカため息) せっかくのチャンスに何をマゴついてるんですかねこのヘタレマスターは。クランに誘う以外にも普通に一緒にゲームしようとかでも良いでしょうに。そんなだから惚れてる同級生相手に全く意識されな「ふんっ!!!」

 

 剣状態のまま余計な事を言いふらそうとするフララを超級職のSTRを無駄に発揮して地面に埋め込むシュバルツ……要するにこの二人はリアルの小学校の同級生であり、シュバルツがミカに片想いしてると言う感じの関係であるのだ。

 その辺りをフララの発言及びにこやかな笑みでオーナーを見ている気ぶり勢なアイネからの注釈でおおよそ『あ、察し』したメンバーはオーナーに生暖かい視線を向けるが、それを黙殺したシュバルツはミカの様子をまごまごとした様子で伺うのだが特に何か意識した様子もなく平然としていたのでホッとすると同時に少しガッカリしていた。

 

「変な霧が出てたからちょっと見に来たけど特に“危険な事はなさそう”だったね。……じゃあ私もクエストの途中だから此処で」

「あ、うん……」

「また今度学校でね〜」

 

 そう言ったミカは超音速機動でその場から立ち去ってしまい、それを見ているままだったシュバルツは静止しているので地面に埋まっていたフララが武装状態を解除して地上に帰還しつつ呆れた様に溜息をついた。

 

「は〜(クソデカため息二回目) ちょっと会話してまた明日学校でとか言われただけで満足してんじゃないですよヘタレめ。マスターが余りにもヘタレ過ぎて愉悦すら出来ないじゃないですか。一緒にクエスト行こうとかもう少し頑張れよwww」

「……それが出来れば苦労しない。それに超音速機動で離れられたらどうしようもないだろう、俺達のスキルも通じないのだし」

「次は一緒のクエスト誘うとかこっちから声を掛けられる様に頑張りましょうオーナー!(後方保護者ヅラ院)」

「ん、意外とオーナーも可愛い所があった」

「ティアンの子供を助ける為に頑張ったり根は良い人だよな」

「……勘弁してくれ」

 

 普段の準<超級>らしい強者感溢れる佇まい(ゲーム内で作ってるキャラ)と違って年頃の少年らしい反応をクランメンバーに揶揄われるシュバルツは頭を抱えつつ溜息を吐くしかなかったが、和気藹々とした空気になっていたので少なくともクラン内での人間関係に問題が起きる事はなさそうであったとさ。




あとがき・各種設定解説

【逆転剣姫 フラガラッハ】
<マスター>:シュバルツ・ブラック
TYPE:メイデンwithエルダーアームズ
到達形態:Ⅵ
紋章:“鞘から抜かれる剣”
能力特性:ステータス入れ替え
スキル:《速域逆転(アンサラー)》《魔器逆転(アンサラーⅡ)》《応答抜剣(オートカウンター)
必殺スキル:《入れ替え斬り裂く神の剣(フラガラッハ)
モチーフ:ケルト神話の神・ルーが持つ対峙した者は力を失いどんな物でも斬り裂く事が出来ると言う神剣“フラガラッハ”
・メイデン体はシスター服っぽい黒い衣装を着た中学生ぐらいのロングヘアー少女で、剣状態は黒い両刃の長剣になる<エンブリオ>であり装備補正やステータス補正は低い。
・《速域逆転(アンサラー)》は自身と相手のAGIを入れ替えるスキルで、発動にSPを消費して一定時間が過ぎるか任意で解除、効果対象者のどちらかの死亡で解除されて効果時間に応じたクールタイムが掛かる。
・《魔器逆転(アンサラーⅡ)》は自身と相手の“MPの最大値”を入れ替える魔法職殺しのスキルで、維持と解除条件は《速域逆転》と同じであり入れ替わるのは最大値なのでMP量が増えたりもせず最大値が減ったとしても効果解除後に有していたMPは元に戻る。
・《速域逆転》及び《魔器逆転》は併用不可かつ効果発動中はそれぞれ入れ替えたステータスは一切変動しない仕様であり、判定としては“バフスキル”として扱われるのでレジストは難しい。
・《応答抜剣(オートカウンター)》は自身を攻撃する殺気を感知した時、その相手を対象に事前に設定しておいた《速域逆転》《魔器逆転》のどちらかを自動で発動するパッシブスキル。
・速度差によってスキルを発動する前に潰される事を防いでいるスキルなので基本的に《速域逆転》を自動発動に設定しており、嘗て【抜刀神】ちに初戦で《神域抜刀》が機動した瞬間に自動発動してカウンターで首を落とした事がある。
・《入れ替え斬り裂く神の剣(フラガラッハ)》は《速域逆転》か《魔器逆転》の対象にフラガラッハで攻撃する時、フラガラッハの装備攻撃力と対照の防御力を入れ替える斬撃とする必殺スキル。
・スキル特化型のフラガラッハの装備攻撃力は三桁程度と低く、それを相手の防御力で押し付けるて“どんな相手でも斬り裂く”ジャイアントキリングを成立させており、対モンスター戦や処刑人系統対策に頸部を防御した相手をそのまま斬り裂いたりしている。
・本人の性格は愉悦部的な煽り中だが、シュバルツ自身が真剣にやっている片想いやトラブルの解決に関しては揶揄いつつも全力で手助けする辺りマスターと同じで根は善人より。

シュバルツ:クランメンバーとちょっと打ち解けた
・ちなみに【抜刀神】との再戦では速度上昇スキルを全てオフにした相手が純粋な抜刀技術のみで挑んできて敗北して、それからも《神域抜刀》が通じない良い好敵手、件修行相手扱いされてシュバルツもPKでもあったので良く野試合を挑まれていた。
・王国に来た理由はそういう野試合に嫌気が刺していたのもあるが、デンドロネタでようやく会話する程度には仲良くなれた片想いの相手が王国所属だと知ったのが理由の8割である模様。
・王国に来てからミカとは何度か一緒にデンドロをプレイしていたが、その時に相手の実力が“天地の準<超級>ヤベー組”と同等レベルだと判断してるので今回遭遇したした時に慌てていたのはクランで敵対するのは不味いと思っていた面も少しあった。

<NDK>:オーナーの恋路は生暖かく見守る
・PKKをやる理由はそれぞれPKへの恨みとか角を立てずに盗みがしたいとか色々だが総じてエンジョイゲーマー勢なので、オーナーの別の一面が見られてもちょっと揶揄うぐらいで済ませる人達。
・現在のメンバーは総勢8人でありメンバーの<エンブリオ>を活かした連携を訓練した事もあってかなり高い練度を誇り、今後も少しずつ王国のPKKとして頑張っていこうと思っているが【犯罪王】を始めとしてヤベーPKが多い王国なので色々大変になる模様。

ミカ・ウィステリア:ゲスト出演
・シュバルツの小学校でのクラスメイトであり彼の想い人だがその辺りは全く気付いておらず、数少ない同じ学校のデンドロやってる友達としか思われていない模様。
・【戦姫(バトル・プリンセス)】は戦士系統直系の【大戦士】を経由した正統派な【超戦士(オーヴァー・ファイター)】とは違い、“近接武器による長期戦”に長けた派生上級職【戦鬼(バトル・オーガ)】の超級職。
・何らかの方法で《看破》などを無効化してるので情報は余り出回っていないが『奇襲攻撃を全て回避していた』『魔法を無効化していた』『傷がすぐに治っていた』などの目撃証言があるので耐久戦特化のビルドなのではと言われているが……。


読了ありがとうございました。
過去作寄り『妹』がゲスト出演。ただしジョブや<エンブリオ>の仕様はやや変更されてる。ネタバレすると<エンブリオ>のTYPEがアームズからテリトリー系列に変わってデメリットが付いた代わりに効果が強化されてる。
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