リィン・サンドロットの軌跡   作:影後

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リィン・サンドロットの軌跡8

「Breakingdown!」

 

「あらあら、街がボロボロになるわよ」

 

「生憎だが。クロスベルの住人は銃声、街の破壊、見ず知らずの化け物の出現は今更だ。所詮、慣れ親しんだ1風景にすぎない」

 

「その中心人物が言う台詞かしら?」

 

「お前達悪魔が魔界から出て来なければ良い話だ」

 

閻魔刀とリベリオンを二刀流し、スパーダは悪魔を斬る。

蝙蝠に変身し、回避しようとしたのだろう。しかし、少なくない鮮血が頬にかかる。

 

「…まさか……私の身体に傷を」

 

「殺す気で放った一撃だったが、浅いか。だが、2度はない」

 

スパーダは二刀流を止めた。

リベリオンの振りが若干遅いためだ。

目の前の存在にはどんな隙も晒せないからだ。

鞘に収め、閻魔刀を両手で強く握る。

 

「そう、スパーダと名乗っているけど彼とは違うわね」

 

「俺は過去の悪魔を知らん。

俺にとって、やはり刀が一番使い勝手が良くてな」

 

幼き日から使い続けた刀、剣術というものではない。

すべて我流の戦い方、流れる水の様に当たり前に肉体が覚えている技術。

 

「……そう」

 

悪魔の目にはかつての同胞が映っていた。

自分に武器を構えるかつて愛した悪魔。

裏切り、人間と交わったその悪魔の子孫、それが今は自分だけをみている。

悪魔として瓜二つな容姿、それが彼女をより高揚させる。

 

「ネヴァン、ネヴァンよ」

 

「…来い、ネヴァン」

 

「えぇ、スパーダ」

 

蝙蝠と雷撃があらゆる空間から襲ってくる。

その場に居るはずのネヴァンの気配が消えては現れるを繰り返す。視覚と感覚が明確にズレている。閻魔刀で雷撃をいなし、蝙蝠を、切り裂くもネヴァンに対する致命には至らない。

 

「…shit」

 

ルーチェとオンブラで作る弾幕の中を踊るように動くネヴァン。

視覚だと目の前にいる、しかし気配は後からする。

 

「……どう?私の力は」

 

視覚が間違っているのか、感覚がズレているのか。

それがスパーダには理解できない。

感覚を信じるなら自分の目を潰し、敢えて盲目となり、戦うこともするだろう。しかし確かにいるのだ。視覚情報からルーチェとオンブラを放った時、防ぐ仕草と出血が出た。

だが、背中からの攻撃も現れる。閻魔刀で受け流すが、それでもダメージが肉体に入る。

 

「…スマートではない。しかし、そうだな。やる価値はあるか」

 

「何?」

 

スパーダは閻魔刀を構え、腰を落とした。

攻撃が来ようとも構えを解くことはない。血が流れようと、

スパーダは気にしない。

 

「終わり」

 

「My power shall be absolute!」

ー我が絶対に力を!

 

ソレは空間全てを斬り裂いた。

ネヴァンによって貼られた結界内全てに亀裂が入り、パラパラと地面に落ちていく。異次元が斬り跡から姿を見せ世界の理が破壊されていく。

 

「CheckMate」

 

スパーダは静かに閻魔刀を鞘に戻した。

それと同時に斬られていた次元はすぐさま修復を始め、何事もなかったかのように平和な世界が姿を見せる。

だが、その中でもネヴァンの姿は酷いものだった。

次元事斬り刻まれた身体はサイコロステーキの様にバラバラになり血を流している。

 

「……スパーダ…よりも………良い…男ね」

 

「死よりも恭順を選んだか」

 

ギターの様な姿の魔具となったネヴァンを持ち、スパーダは演奏を始める。雷撃が辺り一面に降り注ぎ、蝙蝠がパフォーマンスの様に飛んでいく。手慣れた手つきで演奏し、最後には雷撃がまるで祝福するかのようにスパーダの背後に落ちた。

 

「危ないんですけど?!」

 

「危ないというか、天候操るとか神の御業ね。流石悪魔」

 

ユウナとグレイスが方や怒り顔、方や呆れ顔で出てくる。

所々燃えているが火事の心配は無いようにも感じる。

 

「逃げるぞ」

 

「もう、スパーダさん!」

 

「もう!」

 

闇に紛れ、ネヴァンを背負いながら路地に入る。

 

「じゃあ!今日は解散よ!ユウナちゃん!気をつけてね!不審者が出るから!」

 

「詳しく言えば悪魔だ、路地裏のホームレス等を食ってるらしい。殺せたら殺しておいてくれ。金は」

 

「子供に話すな!ほら、私も帰るからまた明日ね!」

 

「はい、グレイスさん!スパーダさん!」

 

傷だらけながら変わらない雰囲気の男。それが二人の知るスパーダである。

 

「…やっぱり、格好いいよね」

 

グレイスとスパーダ、お似合いの2人だと理解しているがそれでも去っていく姿は心苦しいものだった。

 

「じゃあ!また明日ね」

 

「あぁ、グレイス」

 

スパーダは夜道を進む。

青いコートは赤黒く染まり、思い出の品は酷く汚れている。

これから合う家族に申し訳がたたないが、仕方ない。

そう思いながら、ナインヴァリの扉を開ける。

 

「お…スパーダ?」

 

「ジンゴか、アシュリーは居ないのか?」

 

「ママは出張、スパーダにご飯もらえって」

 

「…先に言っておけよな」

 

スパーダはジンゴを肩車しながら階段を降りていく。

 

「むきぃ!ずるですわ!」

 

「いや、お前の顔がわかりやすいだけだぞ」

 

「そうねぇ…リィンみたくポーカーフェイス覚えなさい」

 

「アイネス、エンネア、それぐらいに」

 

中ではデュバリィがトランプ、ババ抜きで大敗していたのか涙を流しながらアイネスとエンネアに詰め寄っていた。

 

「あっ、リィン!戻ったんですのね!」

 

「まず、宿泊施設を見つけられなくてごめんなさい。最悪、この家で寝てもらう事になると思います」

 

「いえ、急に来たのは私達です。構いません」

 

「スパーダ、ごはん!」

 

「着替えてからだ」

 

スパーダは綺麗なシャツとブラックのズボンを履いて部屋から出てくる。そのままキッチンに立つと慣れた手つきで料理を始める。フライパンに火を入れ、油を引く。

 

「料理できたのですね」

 

「……本当なら皆の誕生日に振る舞おうとしていた。母さんから、美味しい。気持ちだけでなく、心からそう言わせる一品が出来たら振る舞おうと」

 

「えぇ、それまでは私とリィンの秘密でしたね」

 

「………それで、今はどうなんだ?」

 

「最高の料理をな」

 

食材は多種多様にある。趣味の域だが、家族に振る舞う事にスパーダが本気を出さない訳が無い。

 

「出来たぞ。オムライス、サラダ、ポタージュだ。フルーツはオレンジ、リンゴ、バナナとある。好きな物を食べてくれ」

 

「スパーダ、トマト食べてくれ!」

 

「ジンゴ、好き嫌いしても良いが野菜は食べるんだ」

 

「む…」

 

「俺も小さい時はトマトが嫌いだった。むしろ、未だに食べれないものもある。だが、野菜や果物は食べるべきだ」

 

「スパーダ?」

 

スパーダは忌々しそうな顔をしながらジンゴに説明する。

 

「野菜にはビタミンがある。ビタミンを取れればどうなるか、口内炎や病気にかかりにくくなるんだ。病気いや…口内炎を舐めるなよ。ひどく痛むんだ、ソレこそ俺がラズベリーサンデーを食べれないほどに」

 

「そんなにかっ?!」

 

スパーダの言葉にジンゴは涙を流す勢いで怯えている。

アリアンロード、デュバリィ、アイネス、エンネアは何処か呆れ顔でスパーダを見ているを

 

「好きな物を食べられず、忌々しい痛みがずっと続く。

アレほど恐ろしい病気はない」

 

「口内炎…そんなになのか」

 

「何度口を焼いてやろうと思ったことか………兎に角だ。

野菜は食べろ。口内炎にはなるな」

 

「う…うん」

 

「あと、ニンジンを混ぜたジュースも後で用意する。サラダよりもそっちが良いかも知れんしな。これは母さん直伝だ。今日のサラダが駄目でも、コッチでならせ」

 

「美味しい」

 

「リィンは小さい子にはお兄ちゃんできるのよね……」

 

「…レンが泣くぞ」

 

「レンの闇を祓えるのは太陽だけだ。ソレは、俺達ではない。

ソレに、俺は未だに忘れていない。家族を最上位、そして盟主様のお言葉。最期に変わらずあり続けるのは………リィン・オズボーン。いや、今はリィン・シュバルツァー。そして、ギリアス・オズボーン。俺を捨てたカーシャ・オズボーン。そして、ソレに関与した全ての血族を鏖殺すること」

 

「スパーダ、顔怖いぞ」

 

「………悪いなジンゴ、俺の悪い癖だ」

 

その言葉に顔を曇らせるのは母親たるアリアンリードだ。

救われなかった、誰も居なかった。崩れ落ちた家の中でただ助けを求めている子供を、彼女は捨てられない。

 

「そうだ、母さんに似合うドレスとか……その…………前に作戦が合って次の母の日に贈ろうと思ってたんだ。クラスベルも落ち着いてきたし、一度帰ろうかなとか……今は一緒に居るからさ。その……」

 

「リィン、食事が終わったらにしなさい!その贈り物が汚れますわよ!」

 

「ケチャップを頬に着けて言われても説得力無いぞ?姉さん」

 

「なぁ?!」

 

 

姉の抜けた所は相変わらず可愛い物だ。

スパーダにとって、やはり家族団欒の時間が一番心地よい。

ここに愛するグレイス、妹分たるユウナとジンゴ、義妹のレン。

大家のアシュリー、そして新たな友人たる特務支援課を含めたメンバーで食事会をしても良いかもしれない。

 

「提案してみるか」

 

「そういえば、スパーダは今警察官なんだよな。あんなに喧嘩してたのに」

 

「喧嘩じゃない、悪魔を狩った帰りに職質された挙句不当逮捕されそうになったから弁護士と証拠を全て集めてクロスベルタイムズに流しただけだ」

 

「それでクロスベル市警がボロボロだったのか」

 

ジンゴはクロスベル警察の不祥事の大半にスパーダがなんらかの形で関わっていると予想している。地味に探偵まがいの謎解きが面白いのだ。

食事が終わり、ソファで寛ぎながら雑談をする。

その時にスパーダはふと考えた。

 

「……そうだ。母さん達がここに住んでくれないか?」

 

「貴方何言ってますの?」

 

「どうせ転移が使えるから何時でも装備は取れるだろ?

俺の友人に家族を紹介したいし、今は特に計画は進んでないはず。

何かあれば戦力として俺は動かされる筈だし」

 

「わかりました。そうですね、計画が始まる前まででしょうか」

 

「母さん!愛してる!」

 

「リィン?!」

 

スパーダは無邪気な顔でアリアンロードに抱き着いた。

見た目は20代半ばの青年であるが、実際は15歳程度というだけでない。

母親に甘える時間というのもなかなか取れず、この機会がスパーダいや、リィンにとってとても素晴らしいものだ。

 

「あらあら…まだまだ子供ね」

 

「えぇ……私の息子ですから」

 

「……ん?」

 

「リィン、マスターに抱きつきながらその不満顔は何です」

 

「……母さん、香水変えた?」

 

「え?」

 

「母さんの優しい匂いがしない」

 

「いえ…むしろ、香水を付けてきたというか……普段はつけないと言うか」

 

「やめろリィン!」

 

「あっ……アイネス姉さん」

 

「幼児退行でもしているのか!まったく」

 

「……リィン、いえ執行者No.XV『魔王』よ」

 

「……大変お恥ずかしい所を。再会の嬉しさのあまり自分を見失っておりました」

 

「ん……ジンゴもママが帰ってきたとき抱っこしてもらうから。

それと同じだろ…別に変じゃないと思うぞ?」

 

「ジンゴ、俺の年齢の問題なんだ。大人としてこの行動は示しが……」

 

「……女性への対応は教えたつもりでしたが、

環境が悪かったのもありますね」

 

アリアンロードは静かに溜息をつく。

自分含め、家族4人で末っ子に当たるリィン=スパーダを教育

してきた。勉学に関しては誰よりも優秀な息子であり、

デュバリィと初めて出会った時、持ち前の優しさで直ぐ様、

『姉』として受け入れ、更に増えたアイネスとエンネアも

『姉』として受け入れている。礼儀正しく、紳士的。

そう教育してきたのだが、やはり大人化した為数年間教育を速めたのがマズかったかと今更不安が出てくる。

 

「失礼しました。第7柱。〘魔王〙として、いえ後継者

〘黒騎士〙としましても、このような不手際は金輪際行わない事を誓います」

 

「いえ、そこまで私は」

 

「落ち着いた。済まない、母さん。アイネス、エンネア、

デュバリィも、おかしなところを見せた。俺は片付けるが、

皆はゆっくり食べてくれ。客室も用意しなくてはならんし」

 

そこから間もなく自身の寝ていた部屋も含めて客室が出来上がる。慣れているというレベルではない。

 

「ベッドメイクには慣れているんでな」

 

「凄いですわね………リィン、後で教えて貰えたり」

 

「デュバリィ、わかった。ついでに他のことも」

 

「そういえば、リィンは何処で寝るんだ?」

 

「今、俺はクロスベル特務支援課という部署に所属しているんだ。そっちの部屋で寝るさ。朝食は作りに来る。ジンゴ、シャワーとかちゃんと浴びて寝るんだぞ?」

 

「うん!スパーダ!」

 

ジンゴの頭をワシャワシャと撫でる。

 

「トイレはそこ、シャワーはアッチ。浴槽もある使ってくれ」

 

「リィン、何から何まで…ありがとうございます」

 

「母さんに、姉さんの為だ。いつか結婚式もするし、その時は…参列宜しくお願いします」

 

「えぇ……孫の顔は見せて貰いますからね」

 

アリアンロードに頭を撫でられ、幼少期を思い出す。

軽い会釈をしたのち、特務支援課のビルへと戻った。

 

「……誰も居ねえ」

 

「お?なんだ、スパーダ戻ったのか?

身内の関係で今日は戻れないとか何とか聞いてたが」

 

「セルゲイか…いや、家族のことは問題ない。

それで、ロイド達は何処だ?」

 

「不良共を潰し合わせようとかしてる奴等を捕まえにな」

 

「……先に言えよ」

 

リィンではなくスパーダ。

クロスベルの闇を斬り裂くデビルハンターとして、

スパーダはその翼を広げクロスベルの闇へと羽ばたく。

 

「……っと、なんだ。ルバーチェの末端にお前等も」

 

「なっ……便利屋?!」

 

「マフィアも政治家も手を出せねぇ!クロスベルのアンタッチャブルのテメェがなんで此処に!」

 

クロスベルのアンタッチャブル。

触らざる者、スパーダ自身、そんな話しは聞いたことがない。

敵対して来た黒月は共和国に乗り込み打撃を与え、とある爺と

友好さえ結び、政治家は汚職の情報をばら撒き、警察とは真っ向から殴り合い。そんな生活はして来たがその異名は記憶にない。

 

「スパーダまで来ちゃったよ。君達どうするつもりだい?」

 

「スパーダ、テメェは俺達の話に手を出すな!」

 

ヴァルドが文句を言う為にスパーダに詰め寄るが、ヴァルドの

態度はロイドに向けた物よりも柔らかい。

 

「俺から一本でも取ってみせろ、馬鹿者」

 

「…まって、なんで居るのよ。スパーダ」

 

「此方の台詞だ。今日は悪魔狩りが終わったあと、

帰ったんじゃ」

 

「特務支援課の子達がマフィアに手を出そうなんてするからよ。アリオスさんが手を出す所だったのに……貴方達、このままアリオスさんに出頭するのとスパーダの相手どっちが良い?」

 

「なっ……」

 

絶望したような顔のルバーチの末端達。

スパーダ自身、何故此処まで警戒されるのかという疑問がある。

 

「わからないって顔してるけど、アンタがルバーチェの若頭をブチのめして全治1ヶ月にした挙げ句、クロスベルと黒月巻き込んで市街地戦やらかして全員ぶちのめしたからよ。しかも、私とユウナちゃんに手を出そうとした奴等は皆全身骨折だし。

他にも……」

 

グレイスが淡々とスパーダの行った事を述べていく。

クロスベル警察すら手を出せないアンタッチャブル。

特務支援課からしたら逮捕するのはスパーダなのではないか?

という思いすら湧いてくる。

 

「………過去の事だ」

 

「うわぁ……僕もそれは知らなかったな」

 

「お前、エゲツねぇだろ」

 

ワジとヴァルドの不良二人から引かれ、マフィア達は怯えている。

 

「……警察に引き渡した所で意味ないんだよな」

 

「…え」

 

「コイツらが話したか知らんが、上の方に伝あるからな。

俺も流石に法は破れん」

 

「どの口が言うのかな」「オメェが言うな」

 

不良二人から再びそう言われ、スパーダは苛ついたのかルーチェとオンブラをぶっ放す。

 

「あぶねっ?!スパーダテメェ!」

 

「今、僕が一歩でも動いてたら当ててたよね」

 

「…悪いな。手元が狂った」

 

ヴァルドにはその身体に沿うように。

ワジには風でたなびいたその髪を撃ち抜くように。

銃声すら忘れた弾痕に全員が戦慄する。

 

「なんで俺等が!」

 

「……ロイド、悪いがコイツラは貰ってく」

 

「え……スパーダさん?」

 

「可愛そうです」

 

「殺さねぇよな?」

 

ロイドは混乱し、ティオは手を合わせ、ランディは疑問を述べる。

 

「当たり前だろ、こう見えても今は警察所属だ。

ケルベロス!」

 

スパーダが叫ぶと狼状態のケルベロスが現れた。

 

「なんだ、主よ」

 

「開放しろ」

 

「わかった」

 

当たりにあり得ない程の魔力が充満していく。

狼はだんだんと肥大化し肩の所から新たな頭が2つ生えてくる。

最終的には全高6mほどの地獄の番犬が姿を見せた。

地面は凍てつき始め、マフィアの両手両足が完全に凍り付く。

 

「なっ悪魔!…スパーダッお前!!!」

 

「……このまま待ってればアリオス来る。

そのまま遊撃士に捕まれ。無理に抜け出せばお前等の四股はサヨナラだ。お前の仲間が触れればソイツは一瞬で氷像だ」

 

「……ケルベロスの本当の姿初めて見たわよ。

スパーダ、貴方が関わると全てがゴシップかオカルトに

なるのどうにかならないかしら?」

 

「知るか。」

 

そのままスパーダはルーチェとオンブラを使い壁に文字を撃ち込んで行く。

 

_Next is YOU!_

 

「よし、特務支援課は帰るぞ。ケルベロス、戻れ」

 

「うむ」

 

「まっ…待てよ!たった数分でスパーダ関係で色々あって頭がフリーズしちまってて」

 

「ランディだけか?お前等もか?」

 

スパーダは全員に質問する。

氷漬けのマフィアとグレイス以外の全員が首を縦に振る。

 

「説明してやるから、今は気にするな」

 

「ヴァルド、お前も帰れ。ワジは知らん。お目付け役が居るし」

 

スパーダは場を混乱させるだけでなく、より酷くした状態で終息させた。そして、特務支援課のビル。

 

「え~と……スパーダさんに倒されたのが、そのケルベロス?」

 

「黙れ人間!主とユウナ達以外が簡単に名を呼ぶな!」

 

「すみません…ケルベロスさん」

 

ロイドは根が真面目だからか、ケルベロスをさん付けして呼んでいる。大型犬ぐらいの大きさのケルベロス。だが、その威圧感はどんな魔物よりも高いだろう。

 

「それで………スパーダ、お前一応警察だろうが」

 

「お前は腐っては居ないが、上は終わりだ。

今回は遊撃士に任せる必要がある」

 

「……はぁ。すみません以外のお前たちもお疲れ様でした。

無い知恵絞って頑張ったみたいだしな」

 

「あはは……スパーダさんに持っていかれましたけど」

 

「まぁ、かなり面倒くさいみたいだな」

 

「……えぇ。お祖父様がスパーダさんを呼んだ理由も分かります」

 

「規格外と言うか……なんというか」

 

「スパーダがイレギュラーなだけだ」

 

「俺が言うのもなんだが、警察組織は無能ではない。

賄賂を受けっている奴も居るが、捜査官や警官はある程度は優秀だ。自分なりの正義もある」

 

「スパーダがそう言うのは嬉しいが、俺達には『有形無形の壁』がある。汚職警官、汚職議員、まぁ…とあるイレギュラーが来てから少しはましになったがな」

 

「……なんだ」

 

「市街地戦したあげく、逮捕しに来た警官が汚職警官だとわかった瞬間、ソイツを全身打撲したあげく牢屋から脱獄。更に捕まえるために動いた汚職議員と汚職役人を逆に証拠をばらまいた上で、警察に投げつけ、芋づる式で遊撃士やら、うちの正義感あふれる警察官を利用して一斉検挙」

 

「……腐ってるのが悪い」

 

「……あの一件から警察の捜査一課はスパーダを目の敵。

大半の奴等は此奴と仲良くなりやがった」

 

「市街地戦……あの時か?警備隊も動いたんだぞ!?」

 

「知らん、俺を逮捕した奴等が悪い」

 

「とまぁ、ロイド。此奴はお前よりも歳上だがかなりの問題児だ。お目付け役だ」

 

「あはは……身に沁みてわかりました」

 

「…セルゲイ、後で身包み剥ぐぞ」

 

「…ソイツは勘弁だ。兎に角だ、特務支援課は遊撃士じゃあ関与できない所にメスを入れるのが仕事だ。その分じゃ、スパーダ以上にその手を知り尽くしてる奴は居ない此奴の人脈も、知識も、方法も違法な奴以外は全部学べ」

 

「……違法行為なんですか?」

 

「なぁ、ティオ。その顔は止めろ。妹に見られているようで辛い」

 

こうして特に大きな被害はハプニングは特になく、

特務支援課の活動が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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