私の目の前にはクレーンに吊り下げられた巨大な腕があった。生き物のものではない、金属製のパーツが幾多も組み合わさって出来た機械の腕だ。肩口から指先までの長さは約二メートルもある。
宙ぶらりんになっている腕はゆっくりと下降し、やがてゴトンと音を立てて床へと置かれた。
「はい、取りかかって」
私の指示と共に空色の作業着を着た者たちが、工具片手に腕へと群がっていく。そして各部ハッチを開けて内部の状態を確認していった。
「電装系がちょっと焼き付いてますね。ハードポイントは異常無し。……ああ、フレームの歪みが規定オーバーです」
作業員からの報告を受け、私は次なる指示を出す。
「電装とフレームかぁ…… しゃあないね、バラシに送って」
バラシとは、ようするに解体処理のことだ。解体して使える部品を取り出して他の物の修理に使う。
「了解でーす。よし、上げるぞ」
クレーンが再び動きだし、腕を持ち上げて別の場所へと運び去っていった。私は手元のバインダーに挟まれた紙、それに書かれた「バラシ」の欄にチェックをつける。
「今日のは状態が悪いねぇ、バラシ行きがこれで六つ目だよ」
私はため息をつく。こうしてチェックをするのも私たちの仕事だが、バラシ行きになった物を解体するのもまた私たちの仕事なのだ。
「パイロット連中の扱い方が荒いんですよ。俺たちゃヤルタみたくバカスカ使い捨て出来ないってのに」
目立つ大柄の作業員が不満そうに私に言った。
「そういうことは言っちゃダメだよ。私たちにはヴァイスの操縦は出来ないんだから」
私はその作業員を諭すように言う。
ヴァイスとは、簡単にいうと人型のロボット兵器だ。胴体のコックピットに人が乗り込み操縦する。先ほどの腕もこれのものだ。この世界線では戦車や戦闘機の代わりとなって使われている。
豊富なリソースを持つヤルタ連邦に対し、私たちアヴァランチはいつだって困窮気味だ。ヤルタだったらこんな風にバラシをやることもないだろう。なぜなら新品を作った方が早いから。
「でもよぉ、にとりの姐さん」
「はいはい、とりあえずあと三ユニット分やったら休憩だから。ちゃちゃっと終わらそ」
私はぐずる作業員を遮って次の作業へと指示を出した。
クレーンが次のユニットを持ってきたとき、私は嫌な予感がした。
それは胴体のユニットだった。両腕と頭部のユニットは既に取り外されていた。
ただ普通と違っていたのは、コックピットハッチに深々と斧がめり込んでいたことだった。この斧はヤルタ連邦製のヴァイスが基本装備としているものだ。大体の状況は予想できる。
「あちゃー、これってあれだよねぇ」
ユニットが床に下ろされ、腕の時と同じく作業員たちが群がっていく。が、その動きはどこかぎこちなかった。
「ええとこれ、やっぱり開けないとですよね……」
「ああ、そうだね」
別のクレーンを持ってきて先端を斧に引っかけ、そして強引に引っ張った。
ギギギと金属が歪みながら擦れる不快な音が工場に響く。私をはじめ作業員がみんな耳を塞いでいた。
不意に斧が引っこ抜け、それと同時にコックピットハッチが外れた。その正面にいた不運な作業員が、凄惨なコックピットの内部を見てその場で嘔吐する。
「はいはいはい、バラシバラシ。あとで私がやっとくから次のやつ」
作業員たちは蜘蛛の子を散らすようにバラバラに散って、クレーンが急いで胴体ユニットを運び去っていく。私は気落ちしながら「バラシ」の欄にチェックを入れた。
「次のやつはー あ……」
私は次のクレーンに吊るされた穴だらけの胴体ユニットを見て、無言で「バラシ」にチェックを入れる。
「あの」
「下ろさないで。さっさと流して」
クレーンに揺られながら、穴ぼこの胴体ユニットがその場をあとにした。
「八つ、か」
私はこの後の作業量を考えて憂鬱になった。
***
「はい、とりあえず今日の分のチェックは終わり。休憩したらバラシに入るよ」
「アイアイサー、姐さん」
私がパンパンと手を叩くと、作業員たちが各々まばらに去っていく。残ったのは私と、先ほどパイロットへの愚痴を言っていた大柄な作業員だけだ。ちなみに彼はこの作業場の副長を務めている。名前はエインという。
「さて、私たちも休憩に入ろうじゃないの」
「ああ、そうっすね」
私たちは作業場をあとにして休憩室へと向かう。休憩室には簡素なテーブルと安っぽいソファ、あまり大きくない冷蔵庫とテレビがあった。
私は冷蔵庫を開け、中からキュウリを二本取り出して一本をエインへと渡した。
「あー、ありがとうございやす。しっかし、やっぱりいつ見ても不思議なもんですなぁ、これ」
エインはそういって受け取ったキュウリをまじまじと見ている。その目の前で私はソファにどかりと座ってキュウリにかじりついた。となりにエインが座る。
「そうかい? モグモグ。なんで君たちのご先祖様たちは船にキュウリの種を積んでいかなかったのだろうね」
キュウリを咀嚼しながら、私はテレビのリモコンを手にとって電源を入れた。
明るくなった画面には青っぽい背景と白いデスクについた人物が映る。どうやらニュースのようだ。
『……続いて戦況についてのニュースです。依然として各地で国防軍と反乱軍による戦闘が勃発しています』
画面が切り替わって瓦礫の山が映し出される。山からは煙が昇り、ところによっては火の手が上がっていた。私は思わず息をのむ。
『先日14日。ナタリー18バンチ市街において戦闘が発生。この戦闘によって国防軍35人、反乱軍108人、民間人389人。計500人強の死亡者が確認されており、今後もその数は増える予定です』
「市街戦!? ちょっと前に噂になってたアレか」
エインが身を乗り出して言った。確かに噂にはなっていた。うちの中隊が市街地に追いやられて壊滅したと。
ニュースは続く。
『国営メディアの発表によりますと、国防軍は18バンチ市街へと侵入した反乱軍へ降伏勧告をしたところ、民間人を盾に攻撃してきたため、やむを得ず応戦したとの事です』
「バカなッ、俺たちがそんなことをッ」
「落ち着きなって」
私は今にもテレビに詰め寄りそうなエインをなだめる。
『ここで軍事評論家のアダムス・ノートラム氏のコメントです』
再度画面が切り替わり、今度はいかにも事務仕事をしているという感じのシックな部屋が映し出された。中央には戦争を語るわりには、戦闘訓練どころか筋トレすらしたことのないような小太りの男がいる。
『えぇ、遺憾です。本当に、遺憾です。いくら卑しい反乱軍といえども、民間人を人質にとるなど軍の名を名乗るに相応しくない、ひじょーに悪辣な行為だと。私はそう考えます』
「この豚がぁ!」
「や、やめろって!」
テレビに殴りかかろうとエインを必死で押さえ込む。妖怪である私の筋力を持ってしても、アストレイであるエインを止めるのは容易いことではなかった。
「離してくだせぇ姐さん。俺はこの豚野郎を!」
「テレビをぶっ壊す気か!?」
エインはそこでハッ、とした表情を浮かべもがくのを止めた。テレビは貴重品なのだ、頻繁に買い換えが出来るものではない。
「す、すんません姐さん」
「全くもう、すぐ熱くなるんだから……」
テレビでは件の豚男が更なるコメントを出していた。
『第一に、第一にですよ。そもそも彼らは軍ではありません。武装したチンピラです。反社会勢力が辛うじて統率のようなものを持っているだけです。いえ、根本的な話でいえば彼ら…… いや、アレは人ではないのです。アストレイは化け物です! 化け物の集団が、我々人間を襲っているのです!』
私は黙ったままリモコンでテレビの電源を落とした。もうこれ以上は聞いていられない。
エインは何も言わず、ただ震えていた。ふるふると震え、ギュッと顔を歪めてこらえていた。
「……いいんだよ」
私はエインの頭にポンと手を乗せ、その短い髪をワサワサと撫でた。
「あ、あ…… 姐…… さん……ッ!」
エインは私に抱きつくとオンオンと泣き出した。
「俺は、俺たちは、化け物なんですか!? 俺たちは、人間じゃないんですか!?」
「そんなことないよ、だいじょぶだいじょぶ。妖怪の私が言うんだ、心配しないでさ」
エインはしがみついたまま泣きじゃくり、私の服に涙の染みが出来ていった。
「ああ、あったけぇな、姐さん。あんたは妖怪なんかじゃねぇ、女神様だよ」
「え、ええと、まあ悪い気はしないね」
「女神様だ、勝利の女神様だ。どうか、どうか俺たちに勝利を……」
勝利の女神。たかが木っ端の河童に過ぎない私が、そんな風にいって貰えるのは嬉しいことだった。
でも、今となってはなんともいえない。戦争というものを知ってしまった今では。
「ああ…… そうだね……」
私は胸の辺りにしがみついて離れないエインの頭を、ただ撫でた。
***
その晩、私は久しぶりに夢を見た。昔の夢だった。まるで走馬灯のように、記憶が途切れ途切れに流れてきた。
最初に見たのは、懐かしい幻想郷の記憶だった。多分、人間たちが都市伝説がどうとかで騒いでいた頃だろう。あの頃は平和だった。
次に見たのも、同じく幻想郷の記憶だ。都市伝説の異変の直後、幻想郷中の鏡が異常をきたした異変の時だ。たしかこの時は幻想郷中がパニックになったんだっけ? 賢者たち総出で異変の解決に乗り出していたのを覚えている。
その次は…… ああ、あまり思い出したくない記憶だ。オリジナルの幻想郷、その最後の記憶。ある日、幻想郷に訪れた一人の男。この男のせいで全てが狂っていった。
異世界線から訪れたという男は、優れた技術を持っていた。技術屋の私がいうのだから本当だ。事実、男の持ってきた世界線間を転移する技術は本物だった。それを使って世界線の狭間にある店に行ってみたりしたんだっけ?
男は、賢者の紫に何か用件があるために来たのだと、そう言っていた。
だが、それは欺瞞だった。男の真の目的は注意を自らに引き付けて、その間に仲間を月へと侵攻させて占領することだった。
あっけなく月を占領した男の仲間たちは、あろうことか月を地上へ向けて墜とし始めた。
ああ、空が、空が墜ちてくる。私は、そのまま…… 記憶はそこで一旦途切れた。
幸いなことに、次の記憶がちゃんとある。私は何一つ変わりないように見える幻想郷にいた。違うことは、外の世界が無くなったことと、何人かの知り合いが居なくなっていたことだった。
私たちは助けられたのだった。先の鏡の異変の首謀者だった妖怪、九条鏡華に。
月が墜ちる直前に、鏡華の能力によって幻想郷は複製され、私たちはそこへと転送された。しかし、全員を移しきることは出来ず、決して少なくない数の人妖がオリジナルの幻想郷と運命を共にした。
命からがら生き延びた私たち。新たな幻想郷、エルドラでの生活はそれまでとは一変したものだった。
鏡華によって複製されたこのエルドラは、その全てが鏡華の権限下にあった。だからといって、圧政を強いられたとかいう話ではない。
鏡華が最初に行ったのは、世の理の操作。本来は人の謂れ、恐れ無くして存在出来ない私たち妖怪を、単独で存在できるようにしたのだ。
これが何を意味するか。簡単にいえば、人と妖怪が表立って協力することが出来るようになったのだ。恐れ、恐れられの関係から脱却し、私たちは復興への一歩を共に踏み出した。
この次の記憶は、だいぶ飛んで今から50年前の記憶だ。エルドラは人妖の調和によって復興の針を着々と進めていた。
私にはエルドラで生活するようなって深く知り合うようになった者たちがいた。
それは人形使い兼魔法使いのアリス・マーガトロイド、七曜の魔法使いパチュリー・ノーレッジだ。何を言おう、魔理沙を基点にした関係だ。もっとも、その魔理沙自身はとうの昔に死んでしまったが。
魔理沙は魔法使いに成らず、人として生きることを選んだ。普通の人間の男を愛したからだった。
でも死んだからといって、何も残っていないわけじゃない。むしろ残しすぎたぐらいだ。
魔理沙の子孫、霧雨家は繁栄して魔法研究の名門となった。それもそのはず。なんせ、私たち三人が代々付きっきりで面倒をみてきたからだ。
その霧雨家の…… 何代目だったかは覚えてないが、当主になった霧雨総一郎という子がある日、大実験をすると言った。
内容は世界線間の転移魔法を実行する、というものだった。そう、かつて私がやったあの実験だ。その時と違うことは私が実験のやり方を覚えていないことと、転移先が全くの不明だったことだ。
もちろん私たちは反対した。でもあの子はきかず、実験を強行。
結果は半分は成功、半分は失敗に終わった。
どういうことかというと、転移には成功したが、私たちまで巻き込んでしまったということだ。私たち四人は気がついたら全く見知らぬ森の中にいた。
そこからは本当に色々なことがあって大変だった。現地民に救助された私たちは、まず根掘り葉掘り質問責めにされた。その世界線は科学優位で、魔法が存在しなかったからだ。そして、世界の混乱を考えて回答を躊躇する私たち三人を尻目に、総一郎はペラペラとエルドラの話をしていた。
それが良いことだったのか、悪いことだったのか。今の私には判断がつかない。だが確実なのは、一つの世界線を大きく変化させてしまったということだ。
私たちは接待され、科学者たちと討論し、政治の大物と会談し、そして魔法をこの世界に伝えることにした。
魔法概念の浸透は困難を極めた。なんといっても科学にとって魔法とは所詮空想の話だからだ。でも少しずつ、人々に魔法の概念は広まっていった。
人々が魔法の概念を信じ始めた頃、事件は起きた。総一郎が転移の魔法を再発動し、自分だけエルドラに帰ってしまったのだ。さすがにあの時は三人して唖然とするしかなかった。
残された私たちは、仕方がないのでこの世界の魔法の行く末を見守ることにした。その中で、私たちは特別扱いを受けること無く、一市民として生活することを選んだ。
時は流れて今から十年前、私たちの運命は転機を迎えた。
戦争が起きた。世界を統一するヤルタ連邦と、反政府勢力アヴァランチ。二つの巨大な力が、世界を巻き込んでぶつかり合った。
あの日以来、私は二人と直接会っていない。アリスは技術士官として、ヤルタ連邦国防軍にいると聞いた。パチュリーは民間で活動していると。
私は、アヴァランチへと身を寄せていた。
大それた理由なんてなかった。無理やり理由を作るなら、アヴァランチを構成する人々、アストレイたちになんとなく共感したからだった。
アストレイとは、詳しいことはよく私も知らないが、大昔の戦争で生まれた特殊な人種のことらしい。普通の人よりも強力な身体能力と、紅色の瞳を持つ。ただそれだけのこと。でも彼らは迫害されていた。「化け物」と呼ばれて。
私は河童という妖怪で、化け物扱いされようが気にすることなんてない。実際そうだし。でも、他の人が化け物呼ばわりされているのはなんだか気持ち的に落ち着かない。
そんな安易な動機で、私はアヴァランチに与した。あわよくば、この世界独特のマシーンであるヴァイスに関わりたいな、なんて思いながら。
そして私は、エルドラで、幻想郷で知り得ることはなかった、
「戦争」を知った。
***
耳をつんざくような警報音で私は飛び起きた。しかし警報の内容が入ってこない。もやのかかった頭を左右に振って意識をはっきりとさせる。すると次第に話が頭に入ってきた。
「観測隊より総員に通達、E5844方面よりヤルタ連邦国防軍の侵攻を確認。規模は一個大隊と推定。歩兵部隊、ならびにヴァイス部隊はスクランブルせよ。繰り返す……」
「ヤルタの侵攻!? こんな時間にぃ。しかも一個大隊だって!?」
一個大隊とは、簡単にいうと小さな基地一つ分規模の軍隊だ。つまり今私のいる基地とは戦力が拮抗しているということだ。いや、むしろ夜中に叩き起こされてから動く分、私たちの方が不利か。
私は隣を見た。こんなにも騒がしいというのに、エインは何事もないかのようにいびきをかいて寝ている。
「全くもう、メカニックの副長がこんな調子じゃ、勝てる戦いも負けるよ」
私はエインを揺さぶって呼び掛ける。エインの目がうっすらと開き、私を見た。
「あ? 姐さん……?」
「ほら起きて、ヤルタの大隊だってさ」
「大隊!?」
エインの目がカッと開き、上体が飛び上がる。
「それってほんと…… うわっ、姐さん服着て服!」
エインが顔を手で覆ってそっぽを向く。視線を下に向けるとあまり自信のない私の身体が見えた。
「はいはい、お互い様でしょ? それより早く行かないと」
私は壁にかかったハンガーから下着と作業着を取ると急いで着始める。
警報はいっこうに止まず、ドア一枚隔てた先で人間が慌ただしく行き来しているのが分かる。作業着へと着替えた私は一足先に部屋の入り口に立った。
「先行くよ」
「あ。ああ、すんませんッ今着替えます」
エインがハンガーに手をかけるのを見届けてから、私は部屋から出ていった。
「ええと、第三ヴァイスハンガーは……」
仕事場へと向かっていた私の足を急な揺れが止める。廊下の窓から見れば、基地の遠望で点々とした光の筋が行き交っているのが確認できた。
「うひゃあ、もうやってるよ。急がないと」
駆け足で廊下を進み、ときおり人とぶつかりそうになりながらも目的地、第三ヴァイスハンガーへと到着する。既にほとんどのヴァイスはパイロットが乗り込んで出撃し、ハンガーが空になっていた。
「みんなゴメン。遅くなった」
いつもの顔見知りは各々の作業箇所について忙しく働いている。
「お、にとりの姐さん! 遅いですよ! 副長は?」
「あの寝坊助はもう少し遅れるよ。状況は?」
「出せる機体は全部出しました。あとのはホール中だったのでどのみちすぐには出せません」
「そう、悪いね」
その時だった。けたたましく響いていた警報の内容が変わったのだ。
「司令部より総員に通達。本基地は第三防衛ラインを放棄、防衛隊は第二防衛ラインまで後退せよ。繰り返す……」
「おい、第三ラインが破られたって」
「そんな、こんな早くにか?」
作業員たちが作業の手を止め、顔を見合わせながら話している。
「ほいっ! 作業に集中。出ないと負けるよ」
「す、すみません姐さん」
ボサッとしている作業員たちに釘を刺して、私も持ち場につく。損傷して帰投した機体の応急処理をする、それが今の私たちの仕事だ。
「帰投機来ます! 損傷大!」
合図と共に僚機に担がれたヴァイスがハンガーへと現れた。左腕部ユニットは欠損し、コックピットハッチに弾痕が数発分。中にいた血塗れのパイロットは引きずり出され、担架に縛られて医務室へと運ばれていった。
「さて、やりますか」
私は主が居なくなったヴァイスを見上げ呟いた。
「こんなこと、いつまで続けるんだろうね」