『オルクセン王国史/二次創作』ラッカーズ・ボランティア   作:karkaroff

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モントシャイン――その液体は、節制と欲求と背徳のたまものだ。
アニスとヴェルムートの妖艶な姉妹は、焦げた薬草と煤けた木樽の苦みと絡み、
喉を裂くような熱と共に我らが魂を焦がす。
その輝かしい液体が喉を通れば、我らが現実は崩れ、
薄緑の月の下で踊る影が、我らの夢をとかしゆく。

ああ、モントシャイン……モントシャイン……


番外:密造酒

センチュリースターの義勇兵がオルクセンやエルフィンドに持ち込んだ悪疫が3つある。

 

一つはハードタック、不味くて硬いが、後世まで延々と工夫されて食べられた保存食だ。流行り歌と合わせて今でも歴史ドラマでまずそうに食べられる。極限まで水分を抜いた小麦粉の塊はそれこそ拳銃弾を止める程に硬く、いかに美味しく加工するかの挑戦は現代でも続いている。

 

一つはホイットニー印の安酒だ。安くて強くて世界中どこでも手に入るホイットニーフィールドのラム酒。北部センチュリースターのギャング映画の代名詞でサングラスをかけたエルフの密輸人が初めてキネマカラーで放映されたときは多くの若者の性癖を歪めた。

 

いかにも悪役のように映れる女優はともかくとして、オルクセンは今でも安酒の代名詞、ホイットニーフィールズ・ラムの星欧生産一位を記録し続けている。

 

ここまではいい、なんだかんだ言って歴史ある愛すべき文化の一端になった奴らだ。しかし最後の一つが問題だった。バスタブ・エリクサーもしくは月光の輝き(モントシャイン)と呼ばれたこれは言うなればたちの悪い密造酒だ。

 

田舎に行けば何処にでも生えてるヴェルムート(ニガヨモギ)にアニス、マラトンなど雑多な野草や薬草を漬け込んだ原液を蒸留して作る薬草酒で、伝統あるアルヴの飲み物だったそれを闇市に流通させたやつがいた。きっかけはセンチュリースターからの積荷に紛れ込んだ蒸留器だった。

 

これをアルトリアに持ち込んだところ気がついた頃には蒸留器はエルフのコミュニティに運び出され、気がつけば砲撃で崩れかけた廃墟や郊外の農場の納屋、川沿いの洞窟にレストランの地下まで各所でエルフの酒が作られることになった。

 

もちろん酒税を収めて合法的に作られ続けた薬草酒も存在したが、当時の大半は”何処からともなく持ち込まれた蒸留器”を運び込みリースターの義勇兵がオルクセンやエルフィンドに持ち込んだ悪疫が3つある。

 

一つはハードタック、不味くて硬いが、後世まで延々と工夫されて食べられた保存食だ。流行り歌と合わせて今でも歴史ドラマでまずそうに食べられる。極限まで水分を抜いた小麦粉の塊はそれこそ拳銃弾を止める程に硬く、いかに美味しく加工するかの挑戦は現代でも続いている。

 

一つはホイットニー印の安酒だ。安くて強くて世界中どこでも手に入るホイットニーフィールドのラム酒。北部センチュリースターのギャング映画の代名詞でサングラスをかけたエルフの密輸人が初めてキネマカラーで放映されたときは多くの若者の性癖を歪めた。

 

いかにも悪役のように映れる女優はともかくとして、オルクセンは今でも安酒の代名詞、ホイットニーフィールズ・ラムの星欧生産一位を記録し続けている。

 

ここまではいい、なんだかんだ言って歴史ある愛すべき文化の一端になった奴らだ。しかし最後の一つが問題だった。バスタブ・エリクサーもしくは月光の輝き(モントシャイン)と呼ばれたこれは言うなればたちの悪い密造酒だ。

 

田舎に行けば何処にでも生えてるヴェルムート(ニガヨモギ)にアニス、マラトンなど雑多な野草や薬草を漬け込んだ原液を蒸留して作る薬草酒で、伝統あるアルヴの飲み物だったそれを闇市に流通させたやつがいた。きっかけはセンチュリースターからの積荷に紛れ込んだ蒸留器だった。

 

これをアルトリアに持ち込んだところ気がついた頃には蒸留器はエルフのコミュニティに運び出され、気がつけば砲撃で崩れかけた廃墟や郊外の農場の納屋、川沿いの洞窟にレストランの地下まで各所でエルフの酒が作られることになった。

 

もちろん酒税を収めて合法的に作られ続けた薬草酒も存在したが、当時の大半は”何処からともなく持ち込まれた蒸留器”を運び込み各所から入手した材料を混ぜ合わせたにわか作り、月夜に闇夜に隠れて作るモントシャインだ。

 

味も品質も玉石混交で唸るような素晴らしいハートからアタマを残した……つまりはメタノールやアセトンを除去していない酒未満の毒物まで様々なものが出回った。

 

戦時下で手に入る材料で作られた粗悪品のそれは闇市や農家の軒先で陶器製の瓶につめられて売られ、安さと手軽さから大いに売れる事となる。しかしヴェルムートの幻覚作用と雑多な野草の効果で酷い中毒者が続出する羽目になった。これに過剰な反応を示したのがオルクセンの参謀本部だ。

 

やれ麻薬が流通しているだの、疫病がだの大騒ぎしたあげくそれが管理外で製造された密造酒の仕業とわかると余剰人員をさいて取り締まりにあたった。後方勤務の憲兵や義勇兵の一部が動員されて山狩りが行われた地域も存在する。

 

だがさらに酷いことに、この山狩りに参加した義勇兵こそがその蒸留器を流通させた当人だったのだから捕まるはずがない。後年、当時山狩りに参加したラッカー義勇兵団の一人であるロス氏は別件逮捕の際にこのことを追及され

 

「せっかく俺たちのアレガニアの文化を伝えるのだから協力してやらないといけない。」

 

「蒸留器もシロップも関税を払って持ち込んだのさ、それを混ぜ合わせて売ったらい違法なんて納得かないね。だからエルフの奴らを誘ってやったんだ。王国法違反の時間だってな」

 

と証言しており、内部犯の協力もあっては流通も必然だったと言わざるを得ない。

 

 

奇しくもこれを最も有効活用したのはセレスディス・カランウェン率いるカランウェン支隊の有志たちだった。

 

「医薬品はない、だがせめて」

 

何処からか入手してきた質の悪いそれを負傷兵にエリクサーだと飲ませて慰みとし、最後の解囲を行った時にはこれを呷ったという。そしてある意味、これが彼らの生存率を幾分か上げる要因となった。

 

ヴェルムートに含まれるツヨンは大量摂取によって痙攣や幻覚を引き起こすほか、ある種の中毒性を持つカラン系モノテルペンの一種であり、その性質には一種の麻酔性が含まれていた。これはエルフの体質に相性が良く結果としてカランウェン支隊の負傷者、解囲に参加せず投稿した一段が本格的な医療行為を受けるまでの繋ぎとして機能し、戦後に彼らの作戦行動を証言させるきっかけとなったわけだ。

 

そして戦後、捕虜となった軍医からその話を聞いた幾人かがカランウェンを偲んでこれを密かに作り続けた。

 

フェンセレヒ盆地では3月の下旬、カランウェン支隊が殲滅された頃になると多くの人々がこのにわかづくりのエリクサーを大地に注ぎに現れる。

甘い薬草酒の美しい緑が月夜に輝くそれはまさにモントシャインと呼ばれるにふさわしい光景だという。

 

モントシャイン、今でも続く密造酒文化は確かに持ち込まれた悪疫の側面ももつが、それだけにとどまらないエルフの文化的な側面も考慮して考えねばならない。

 

 

ウィアルエレン著「悪疫の功績」より抜粋

 




仕事が非常に忙しく投稿を休止しておりましたがちょくちょく執筆を再開します。年内には完結できればなと考えておりますので皆様どうぞよろしくお願いします。
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