コードギアス反逆のルルーシュ ロストカラーズ 短編集 作:アシッドレイン
本作はロストカラーシナリオ「プラチナソウルⅤ」の後の話しになります。
注意)登場人物のシェリル・ノーマンはオリジナルキャラクターです。
似たような名前のキャラがいるようですが、気にしないで下さい。
ええ、とっても似ていても気にしちゃ駄目です。
気にした人は、負け組です。(爆
そういうわけなので、気にしないで楽しんでください。
出会いとは、不思議なもの。
人によって、出会いは必然的なものだったとか運命的なものというかもしれないが、それはどうだっていい事。
必然でも偶然でも関係なく、出会う事で何かが変わり、変化が生まれる事が大事なのだから。
あいたたた~…こんな事なら事前に調べとけばよかったなぁ…。
私、シェリル・ノーマンは途方にくれていた。
始めてきたエリア11。
どんなところかワクワクドキドキで抜け出して出てきたはいいけれど、道に迷うわ、部屋に携帯は忘れるわ、おまけに財布の中身は限りなく寂しいというアクシデント3連続。
ちなみにカードは身元がばれるので使わない主義。
こう見えてもブリタニア本国では、ブリタニアの妖精とか最強の歌姫と言われるほどの有名人なのである。
もっとも、今はガチガチに変装してるから誰も気づいてないと思うけど…。
(う~ん…仕方ない…。誰かに声かけて聞くしかないか…)
と思ったもものの誰それと声をかけるのは私のプライドが許さない。
おい、そこーーっ、そんなプライド気にするなーっていう突っ込みはなしっ!!
私は、シェリル・ノーマンなのよ。
私は選ばれた人なの。
あの皇帝陛下だってお忍びで楽屋にやってきて、サインもらって喜んで帰っていったって言う位ビッグなんだかんねっ。
というわけで…物色中…。
おーーーっ、あの子いいじゃん。白銀のさらさらヘアーに美形の顔立ち。でも表情が硬いかなぁ。
でも、あれくらいじゃないと私とは釣り合わないかな…。よし…アレに決定っと…。
目標が決定すると後はアタックのみっ…。
先手必勝っ…!!
私は行動を開始した。
「いけないっ…遅れちゃった~」
私、紅月カレンは、急いでいた。
昨日の夕方、明日二人で(逃走ルートの確認を兼ねて)回らないかと誘われたからだ。
平日はいつも制服だったから、ここまで遅くならなかったかもしれない。
でも、今日は休日…。
やっぱり休日まで制服はおかしいわよねぇ…と言う事で私服にしたんだけど、何着ていいのかわかんない。
今回に限ってクラスメートのファッションの話、きちんと聞いておけばと初めて後悔した。
で、悩みに悩んだ挙句、無難な服装になっちゃったのがなんか嫌だなぁ。
でも、なんでこんなに気になるのか、この時はわからなかった。
だって彼に対して友情は感じても愛情は感じていないと思ったから。
まぁ、いろいろ考えるのは後々っ…。
まもなく待合場所の交換の噴水前だ。
まずはライにきちんと謝って…そして、その後は…と考えていた私の目の前にとんでもないものが見えてしまった。
私のライに女が抱きついてるぅーーっ。(注意・・・本人は無意識に思っており、気が付いてません。)
なんで、なんでぇ~っ…。
混乱すると共に怒りが膨れ上がってくる。
私とデートの約束しておいて(してません。)他の女といちゃいちゃとはいい度胸じゃない。
なにやら慌てているライの視線が、私を見つけ目と目が合った。
多分、自分で思う以上に修羅になっていたと思う。
彼の慌てぶりがより大きくなりパニックになっている。
それで落ち着いたのかもしれない。
笑いながらライと敵に近づく。
「ごめんなさい、遅れちゃって…。と・こ・ろ・で…そちらの方はどなたかしら…」
なんとか穏便に言えた。
私のライに密着するなんて…。(気づいてません。)
私だって…私だって…。
なんかイライラが再度上昇してきそうだった。
(なんでこんなになってるんだろう…)
わけがわからないと言った方がいいのかもしれない。
記憶がないから余計に混乱している。
だって、僕から見たら見知らぬ女性だが、彼女からしたら僕の事は知っている男性なのかもしれない。
でも今がすごく拙い状態だというのはわかる。
他人から見れば…まさに二股かけた男のような現状なのだから…。
唯一の救いは、知り合いがこの現場にいない事だろう。
こういうの生徒会のみんなに見られたらなんといわれるかわかったものではない。
それだけはほっとしている。
「ごめんなさい、遅れちゃって…。と・こ・ろ・で…そちらの方はどなたかしら…」
カレンの刺々しい言葉と引きつった笑顔、それに目が…笑ってない…。
背筋にぞくっとしたものが走る。
危険だ…なんとかしないと…。
冷や汗がどっと出る。
「や・やぁ…カレン…。この人は…」
ここで言葉が止まる。
(なんと説明すればいい?僕は知らないけど、もしかしたら僕の事を知っているかもしれない女性ですって言うべきかな…)
などと思考していると僕に抱きついている女性がにこやかに代わりに答えた。
「あら、ごめんなさい。道に迷ったから、彼に教えてもらおうとしてたのよ」
「「へ?」」
カレンと僕、二人同時に動きが止まる。
(じゃあ、なぜ抱きつく必要があるっ…)
もちろん、二人とも心で突っ込んでいた。
ただ、その言葉に対しての反応は別々のようだが…。
僕は知り合いではないと言う事は残念だが、カレンに変な事を誤解したままにしたくなかったのでほっとしていた。
が…カレンは違っていたらしい。
目が…より険しくなっている。
(怖いですよ…カレンさん…)
「ふーーん、そうなんだぁ…。今は、道尋ねるのに抱きつくのが流行りなんだぁ…」
僕に向けられたら、間違いなく石化しかねない視線を女性に向ける。
でも、女性の方は、向けられた視線を楽しそうに受け止めている。
「あら、だってこんなにいい男ですもの。抱きつくぐらいはスキンシップよ。それとも彼氏取られそうで怖いのかしら~♪」
(うわー…火に油そそがないで~っ…)
危険度が上昇するのが予想できる。
(ああ…今日は厄日でしょうか…。ああ…-僕は…貝になりたい…)
しかし、カレンの反応は僕の予想外のものだった。
「そんな事ありませんっ。それに大体…私とライは恋人でもなんでもないんだからっ」
そう言い切って、あれだけ燃え上がっていた私の怒りの炎がどんどん弱くなっていくのがわかる。
(そうだ…私と彼はそんな関係じゃない。だからここで文句言うのは違うんじゃないか…)
心がだんだん重くなっていく。
(私は…彼をどうしたいんだろう…)
「ふーんっ。彼氏じゃないのかぁ…。じゃあ、彼とはどういう関係なのかしら?」
まるで追い討ちをかけるかのような言葉が私を襲う。
「………お世話係………」
ぼそりと答える。
その言葉を聞き大爆笑する相手の女性。
すごく惨めな心境だ。
泣きそうになる。
お母さんの件以降、絶対泣かないと思っていたが、それさえも今は忘れてしまいたかった。
「うふふふふ…お世話係ねぇ…。あはははは…」
カレンの言葉を聞き爆笑する女性。
それとは反対に落ち込んでいるカレン。
その光景は、僕の心を強く刺激した。
「笑うなっ…」
僕は、大きく叫んでいた。
「君には些細な事でも、僕と彼女には大切な繋がりなんだっ。それを馬鹿にするのは絶対許さない。カレンに謝れっ」
怒りが心を支配する。
自分の大切なものが踏みつけられたような心境というのはこういう心境なのかもしれない。
それほど僕は夢中だった。
で…はっと我に返ってみると、二人がきょとんとして僕を見つめている。
「あ…ごめん…大声出して…」
思わず謝ってしまっていた。
(嘘っ…あのあまり表情を表さなかったライが…私の為に怒ってくれている…)
それだけで私の心は温かいものに積まれていく。
驚く以上に、彼が感情を露にするほど思ってくれているという事がとてもうれしい。
あ…違う意味で泣きそう。
私…こんなに涙もろかったかなぁ。